ヤンデレ女王蜂「私と一緒に愛の巣を作ろ?」

んふふ、んふふ、捕まえた~♪


よいしょ、よいしょ……


あ、起きた?


えへへ、おはよ♪


あ、でも、ごめんね?


急に、わたしの巣に連れてきちゃって。


わたしのこともいきなりだし、よくわかんないよね。


ちょっと待ってね……んしょ、んしょ……と。


はい、着いた~♪


えっとね、じゃあ、説明してあげる。


わたしは女王バチ!


ほら、わたしの羽、綺麗でしょ?


でねでね、ここはわたしが作った巣!


えへへ、一人で作ったんだよ?


巣の中は壁一面に赤ちゃんのベッドがあって~、


お花と蜜の良い香りがするでしょ。自慢なんだ。


でね、この部屋は~…私たちだけのお部屋…。


そして、あなたは……わたしの、だ・ん・な・さ・ま♡


え? 何言ってるんだって……。


あっ! まだ説明が足りなかったよね!


ここでね、わたしは巣をおっきくするんだけど~、


その相手は、あなただってず~っと前から決めてたの!


ほ、ほら、覚えて、ない? わたしの、こと……。


あなたが助けてくれた、女の子……。


じ、実はあれはわたしだったんだよ?


あなたは、すぐにどこかに行っちゃったけど……


ね、いいよね?


え?


わけ、わかんない?


え、え?


なにがわけわかんないの?


分かんないよ……わたし、わかんない……。


あなたは、ずっと、わたしと一緒になりたいから助けてくれたのかなって思って……。


だから、他のオスなんか見ずに、あなただけを追いかけてたのに……。


あなたのために、独りで巣を作ってきたのに……。


か、帰る?


ね、ねぇ!待ってよ……


でも、でも……わたしは、あなたを離したくないの……


あなたがいなくなったら、わたし、わたし……!


あ……いっちゃ、だめ……。


でも……


(囁き)もう、決めたことだから。


(ぐさりと刺す)


今刺したのは、私の毒…大丈夫だよ、痺れるだけ。


わたしはそんなに強い毒は持ってないけど……あなたを拘束するくらい、できるんだから。


いまさら、他のオスなんて探せないし……


ずっと、ずっとあなただけを見てきたから……


ほら、無理しないで? 私のお膝に、頭をのせようね。


……わたしには、あなたしかいないの。


あなたがいなくなったら、わたし、女王蜂じゃなくなっちゃう……


あなたがいなくなったら、わたしたちの子どもが出来なくなっちゃう……


あなたがいなくなったら、わたし、生きていけない……。


あなたはわたしがいなくても、生きていけるの?


いやだ、いやだ……。


(低音)おかしいよ、おかしい……ゆる、せないよ……


(囁き)わたしがいなかったら生きていけないようにしてあげる……


いいよね……だって、あなたがわたしをそうさせたんだもん……。


ほら、よーし、よーし……


すぐに、わたしに依存させてあげる……


わたしが近くにいないだけで、不安で、寂しくって、泣いちゃうようにしてあげる。


最初はわたしも巣作りで忙しくて、泣きわめいちゃうかも、ね♡


でも、少しは、寂しい思いしてほしいな。


わたし、今、すっごく寂しいもん……。


でも、そのあとは、わたしたちの子どもたちに任せて、


いっぱい、いーっぱい、甘々出来るからね♪


あなたと、やっと、巣を作って、子どもたちに囲まれて、幸せになれるんだ……


(囁き)んふふ……楽しみだね、だんな様……♪

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る