部活先輩「み~つけた」

(ガラララ)


お~い、逃げても無駄だぞ~。


お前、私から逃げられるなんて、思ってないよね~?


こともあろうか、先輩であるこの私からの告白を振って、


勉強に集中したいから、だっけ?


真っ赤なうそだったじゃん……。


今日の昼休み、可愛い可愛い女の子に鼻の下伸ばして、


いい気になってたよな~。


わかってるよ?


私がどうして、お前をこんなに追いかけまわしてるんだ~って


思ってるんだろ?


……なぁ、覚えてるか?


私がミスってさ、ケガした時のこと。


お前、すっごく心配してさ、


大変なはずなのに、お前が私のこと、


お……お姫様だっこしてさ、病院に走ってくれたんだ。


みんなも確かに心配してくれてたけどさ、


みんなはただ、救急車ってだけバカみたいに叫んでた中で、


お前だけは、私をすぐに抱いて、助けてくれた。


その時さ、思ったんだ……。


こいつは、私のこと、本気で思ってくれてる……。


好きだから、こんなことしてくれてるんだな、ってさ。


そう、思ったんだよ……。


はは……バカみたい、私……


なぁ、さっきは追いかけまわして、ごめんな?


仲直りしよう……これからだって、まだまだ部活あるんだし、さ?


私も、ちょっと嘘つかれて、カッとなっちゃっただけなんだ。


(弱弱しい声)……出てきて、くれない?


……あ、出てきてくれた……


んふふっ……ふふふふふっ。


み~~~~…………つけたっ!


(いきなり組みつかれ、あっさり負ける)


どう? 女の私に力で負けるのは?


こんな華奢な体でありえない?


ありえないなら、抜け出してみなよ……?


両腕も抑えられて、足だって、股間に膝持ってこられたら逃げられないだろ……?


んふふふふふ、捕まえた……。


じゃあ、さっそく…………キス、しよっか。


抵抗しようとしたら、舌、どうなるか分かってるよな?


記念写真も撮ってあげる……。


んー………ん…………


(パシャ)


んっ……ぷはっ……


あれ……? お前も、まんざらじゃなさそうじゃん。


違うって……はは、まぁ良いけど。


じゃ、これからお前は俺の彼氏、な?


いやだ? ひどいなぁ、女の子に、そんなこと言っちゃダメ、なんだぞー……?


ほら、写真……んふふ、まるでお前が私に、乱暴にキスしてるように見えるよな……?


ま、そういうことだ……おとなしく私の彼氏になっとけって。


嬉しいなぁ……やっと、やっとお前と恋人になれたんだ……


もう、離さない……


お姫様抱っこで、首にしがみついてた時はすぐに離れちゃったけど、


これからは、絶対にこの手を離さない、離してやらないから。


(囁き)で、今日は私の家に来い。


返事は? ……ん、良い子だ。


楽しみだなぁ……んふふっ……

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