ヤンデレお嬢様「力ずくで染めてあげる」

あら、おかえりなさい。


ねぇ、私、報告したいことがあるの。


私ね、お父様の会社を継ぐことになりましたの。


そうよ、あの有名な多国籍企業。今や世界を牛耳るほどの。


ね、だからあなたも、もういい加減に決めてくださらない?


なにを、って、


私の伴侶になることですわ。


私だって、もう立派な淑女。


あなたももう、お遊びに精を出していないで、私とともに一緒にいましょう?


……なにを謝っているの?


他に、好きなひとがいる? だから、もうこんな関係はやめにしよう?


どうしようもない人。でも、そんなあなたでも私は好きよ。


よく考えて?


その好きなひと、なんにもないでしょう?


ただの中小企業の奉公人。


だけれど、私にはなんでもあるわ。私のすべてがあなたを愛することになるの。


ふふ、ステキでしょ?


……まだそんな甘ったれたことを言うの?


ふふ、うふふふふふふふふふ。


可愛い人。


あら、出ていくの?


無駄ですわ、その証拠にほら、玄関、開かないでしょう?


外から私の付き人がおさえつけているの。


……ねぇ、私のすべてが、あなたを全力で愛しているのよ?


そこから逃げられると思ってるのかしら。


そんなの間違ってる?


……間違ってるのはあなたよ。


だってそうじゃない?


もし仮に、私が間違ってるのなら、


何かが私に罰を与えるはずだわ。


でも、そんなものは待っていても、


逆にこちらから探してもありはしない。


でも、あなたはどう?


そうやって私を拒絶して、逃げようとする。


こんなにも愛しているのに、あなたは私を愛してくださらない。


……いいわ


あなたがまちがっているという証拠に、


私があなたを罰してあげる。


うふふ、壁にうずくまっても、もう逃げる場所はありませんわ。


ほぉら、この注射器も、中身のお薬も、私だから好きにできるの。


(指鳴らし)


ね、どこにでも私の従者がいるの。だからこんなにも簡単にあなたは捕まっちゃう。


じゃあ、入れていくわね。


なんの薬かって、聞かなくても想像つくでしょ? 私を好きになるお薬。


ほら、ちゅ~……


入ったら、あなたはすぐにつらくなるわ。


なんでって、あなたは私のことを愛していないから。


心の底から愛していないから、その薬が痛みを何倍にも膨れ上がらせるの。


体中……心の底から体中、むしばむことになるわ。


でも、本能レベルであなたは気づくの、いえ、もう気づいてるはずよ。


楽になるには、私を好きになればいいの。


好きで好きで好きでたまらないくらいになれば、楽になれる。


楽しみだわ、あなたの痛みが取れる日を…………。


うふふっ……あはははははははははははははははは!

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