ヤンデレ幼馴染「私しか見れない……でしょ?」②

(保健室、幼馴染が入ってくる)


はい、じゃあ、もう放課後だし帰ろうね。


先生には、昼休みにはきみは体調が悪いから早退しますって言っておいたよ。


だから、もう、きみはきみの”元”実家に帰ってることになるね。


ほら、無理しないで。


抵抗しようとしても、大声出そうと口をおっきく開けても、


今のきみは、しびれ薬がまだ効いてるんだから。


私に頼って、ね?


どうせ、もうこれからは私に頼るしかないんだから。


じゃ、ほら、私の肩に手をまわして……よいしょ、っと。


あら、胸に、手……当たっちゃったね。


我慢できなくなっちゃった?


ま、これからは自分から触りたくなるようになるから。


じゃあ、かえろ、ね? 


私ときみだけのおうちに。


おかしい、って言いたいの?


なにもおかしいことはないよ。


きみはぁ、わたしだけ、みてればいいの。


だから、きみはわたしのおうちで、一生過ごせばいいの。


……そんな顔ができるのも、今のうちだよね。


いいよ、別に、きみにはもう、できることも


することも、なぁんにもないから。


おとなしく、私に担がれててね。


(幼馴染宅に帰宅)


はぁ……ただいま。


玄関に座らせて、っと。


靴も脱がせて……靴下も、一緒に脱いじゃおうね。


靴と靴下は……もう一生きみが履くことはないから、捨てちゃおうね。


あれ、悲しそう……でも、すぐにこの存在自体も、


靴と靴下の履き方も、要らない女みたいに忘れられるからね。


ほーら、じゃ~あ、いよいよ~


きみが一生を過ごす部屋に、連れてってあげる。


あ、自分で立てるの? ドアに向かって……


あっ、ふふ。


でも、ドアノブ回せないんだ。


んふふ。残念。


ほら、まだ私にすら勝てないんだから。


でも、ちょっと頑張っちゃったね。


運動したから、水分補給、しようね。


ほーら、嫌がらないの。お昼休みにわたしが買ってあげた、君が大好きなやつだよ。


……ん、しっかり飲めたね。


お薬が効くまで、きみの腕で腕枕して寝てあげる。もう片方の手は、握っててあげるね。


(ここからささやき)


……きみの腕、硬いね。


手もおっきくて、男らしい。


もうこれからは、この手も、腕も、きみぜーんぶが私のものだって考えたら、


んふふ……おもわず笑っちゃうなぁ……


でも、きみはまだ、抵抗する気力があって、私を見てくれないね。


きみはさ、なんでこうなったか、わかってる?


……わからないよね。わかってたら、きみと私、こんなことにはなってなかった。


きみと私だけの同じ世界、同じ場所、同じ鳥かごの中で、ずーっとずぅーっと……


でも、きみは逃げちゃった。私だけを残して。


だから、きみを鳥かごに入れちゃって、しっかりカギを閉めて、ぐるぐる巻きにして


羽と、足と、腕をもいであげたら、きみもわざわざ離れなくなるのかなって考えたんだ。


あはは、最初はそうするつもりはないよ。


でも、さっきみたいに逃げようとしたら……次はないよ。


じゃ、もうそろそろ、お部屋に行こうね。


きみが従順で、素直だったら……


お互いに幸せになれるから、ね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る