第112話 『バードストライク』Ⅵ


その巨兵が立ち上がったのを見ればカナタのグラニアス討伐戦も佳境に差し掛かったのが遠目からでも見て取れた


首を鋼鉄の手が握り、文字通りの鉄拳をグラニアスの顔面に叩き込む姿は衝撃的の一言であり、巨人と巨龍がゼロ距離で掴み合い一撃を入れる光景はもはやこの世の物とは思えない程に現実離れして見える


だが、どう見ても…押している方は明らかだった



「あれが『アルビオン』…思ってたよりも巨大ですねっ!スケールが大きすぎて着いていけないくらいです…!」


「あのカナタが四魔竜の為に造ったのだ、生半可な兵器ではないと重ってはおったが…あやつ、あんな物をいくつも造っておるのか」


「……確か4番機って言ってた……末っ子だっけ…?…ってことは、あれがあと3体居る…」


「……尋常ではないな。我ら、あまりカナタの製作物で大きな物は見てこなかったが…今なら、あやつが何故『最強』を冠しているのか分かる気がする」


「『絶対の1など脆いもの』…とはよく言いますが、そうであるなるばカナタは別ですね。さぁ……負けていられません。私達も、終わらせましょう」



その勇姿に背中を押されて、己の敵を見据える3人の先に体勢を立て直したゼウルとバウロがこちらをキッ、と睨み付けてくるのを確認し、改めて構え直す


地上からの弾幕、空中からの弾幕、巨兵による直接打撃、魔将の抑え込み、魔物の殲滅、転移阻害の防衛…現在、全てがカナタの思い描いたプラン通りに進んでいる


計画に無かったのは目の前の三人の事だろう。

魔将が己の後継者を引き連れて現れる事まではカナタも想定していなかった。その姿を確認するまでの計画では「必ずカナタの側に居ること」を強く念押しされていたのだが、急遽「三人を抑え込む、ひいては撃破の為にカナタから離れる」という事に変更されたのだ


ただ……シオンとペトラの予想を遥かに超えていたのはカナタの保有する軍事力と技術力のスケール


甘く見ていた…カナタの作った多脚兵器を学院で見たことがある、それだけで彼の兵器を知った気でいたのが間違いだったのだ


数の規模も、大きさも、性能も…あまりにも桁違い


この世界の者が叡智を集めて作成した魔導兵器ですら子供のお遊びにしか見えない、どう間違えても80mを超える巨大兵器が自立して四魔龍に殴りかかる事などあり得ないのだ


それが肉眼で見ることが出来ている


それだけでも心が奮い立つ


こちらに迫ったギデオンは黄金の檻に囲われてその脚を止めた…ラウラとレオルドが二人がかりでこちらへの進撃を阻止している


さらに、あれだけの魔物が溢れ返っていたのに居たのにここにだけ現れないのもカナタが特別に手を回していたからだ。彼女達へ特別に付けた傑作の3機が、近寄る魔物を片っ端から鏖殺していた


ここまで舞台を作られて…まさか負ける訳にはいかないのだ


しかし…



「っ…ゼウル君、バウロ君!レイシアス様から連絡よ!…っ………転移用意、撤退準備っ!」


「「ッ……分かった!!」」



状況は転がる


あれだけ三人の確保に力を出していた魔神族の3人がキュリアの号令と共に即座に退いたのだ


反撃をせんとこちらを睨み付けていた2人が、表情を変えて何か言おうとした言葉すら飲み込んでその言葉に従ったのを見れば流石にシオンもマウラも唖然とする


キュリアを先頭にして後ろを2人が塞ぐようにして飛び出す3人に逸る…



「なっ………お、追いましょうペトラ、マウラ!逃がす訳にはいきませんっ!」


「んっ……!!……ひっ捕らえる……!」



しかし、2人の肩をペトラが掴んだ



「待て、2人共。そう急くな、我らの目的は何かを忘れてはならん。…欲を出すな、グラニアス討滅が見えている以上は我らが出張る必要は無い」


「しかしペトラっ。ここで見逃してしまえば次はいつになるかも分かりません!次の魔将と言うならば尚更逃がしては…!それに彼らは転移が使えるはずです、逃げられては…!」


「そこだ。この場はカナタが転移を無力化している筈……奴ら、どうやって撤退などするつもりなのだ…?…嫌な予感がする…それにカナタの計画ではそろそろが来る筈だ。我らも潮時…すぐにでも引けるようにした方が良い」


「……でも、カナタとラウラさんに合流されたら面倒…っ。……追い掛けて潰すべきっ……!」


「落ち着けマウラ。我らへの指示は何だったかをよく思い出すのだ。…『危険を退け無事帰る』、それが最重要だ、と。この戦場で我らはあまりにも弱い…そこから先は、もっと強くなってからだ」



ペトラが語る沈着な意見は2人の逸る気持ちに氷を押し当てるような感覚を与えていく


彼女は考える…もしここで深追いすれば何が起こるのか?


ーーすぐに捕えられるならば良い。しかし、追い掛け続けてしまった場合に辿り着くのは敵陣のど真ん中だ。魔将と魔物の中心、そしてグラニアスの側……現状、カナタの兵器が周辺の安全を確保してくれているが、この範囲を抜け出せばいかに今の自分達でも白金級や金剛級入り混じる魔物の群れの中を無事にやり過ごせるか怪しい


見逃すデメリットは当然あるが、天秤にかければ追いかけた場合のリスクがあまりにも高すぎる


だがしかし…



「当然…ただで見送る訳にもいくまい。手足の一本くらい…狙ってみるのもありか…!」



ペトラの殺気が急激に魔力と共に膨れ上がるのを感じ取るシオンとマウラはその意味を瞬時に理解する




追わなければいいならば…ここから攻撃すれば良いのだ、と




空気を押し退け爆風の体を持つ大蛇、天帝の蛇王アヴァラス・ギドラが彼女の背後へ付き従うように立ち上がる


美しい銀の髪をたなびかせる主人の意志を体現するかのように大気を震わせる魔力の波動を放ち周囲を翠緑の光に染め上げながら、手にした弓を棒形態へと変形させ…地面と水平に突き出し構えた



「我が意によって赦されず…我が手によって滅びを辿る…消えゆく運命さだめは我が意の光…世に在る事を赦すこと無く…地上の星を消し穿つ……ッ!!」



力のある言葉が歌のように紡がれる…彼女の耳を擽る声音が、神に捧げる詩のように響き…それに応えるようにして巨大蛇は顎を空に向けて開いた


口内に翠緑の魔力を収束させ、口前に砲門と見間違うように魔法陣を何枚も連ねて展開していくその様はシオンとマウラですらも見たことがない現象


それもその筈…こんな魔法はその辺で放てるわけもなく、破壊規模が大き過ぎて人の側で使うことはあり得ないと1人練習を積んでいた魔法の1つ



「消え失せよ…ッ……魔弾・グロリオーサッ!!」



巨大蛇が口内に咥えた魔力の塊を、目の前の魔法陣全てを通すようにして空へと放ち上げた


巨大な魔力の砲弾は天空へと打ち上げられ、ある高度でその勢いを失い放物線を描くようにして落下を開始…したその瞬間



バンッッッ!!



音を立てて花火のように幾つもの魔法弾へと分裂する


十の大蛇が放つ十の砲弾は全てが炸裂、拡散して何十という子弾へと分裂して地上へと降り注ぎ、翠緑色に輝く光の流弾が流れ星のように空から地上へ向けて落下していくのだ


それもただの魔法弾ではない…全てが彼女の特異魔法、刻真空撃エストレア・ディバイダーによる消滅の魔弾


触れれば空間ごと根刮ぎ消失する悪夢の弾丸が空から雨のように乱れ撃ちされたのだ


その下を走る…3人の魔神族に向けて



「ありゃ受けたらヤバそうじゃね!?」


「受けるのは無理か…!なら走りながら弾き飛ばす!」


「待って!嫌な予感がするの…極力避けるか魔法で撃ち落とさないと…!」


「つってもあの量は避けれるか!?俺はいけるけどよぉ!至近弾だけ払えば問題なくね!?」


「いいから!とにかく触れたらダメ!あの子の魔法、一度発動されたけど何か変だったのよ!武器でも触れないほうがいいの!分かった!?」



ひたすら走りながら上より迫る翠緑の絨毯爆撃を見上げて言葉を交わすが、ゼウルとバウロの意見を強引に却下するキュリアになかなか踏ん切りがつかない2人


だが…最初の一発が偶然先立って自分達の進行方向に着弾して、顔色を変えた



ーーバ ギ ュ ッ 



「「………はっ!?」」



目の前にあったはずの地面が…数mに渡って円形状に翠緑の光の炸裂に呑み込まれて…消えたのである


爆発も衝撃も何も感じなかった。ただ、魔力が弾けた瞬間にその場所に存在した物質が何もかも消えている…地面がまるでスプーンでプリンでも掬い取ったようにあり得ない程キレイな断面を見せて


思わず足が止まる


砂粒一つ残っていない…近づいて見てみるも、小さなクレーターのように地面がごっそりと無くなっている様は怖ろしい可能性を脳裏に過ぎらせた


ふ、と上から魔物の声が聞こえて視線を向ける…三人揃って空を見上げたその先で、一匹の魔物が空の上を飛行している所に翠緑の魔法弾が直撃し…



ーーバ ギ ュ ッ 



命中した瞬間にその体の半分が怖ろしい音を立ててが消滅、下半身だけになった有翼の魔物は糸が切れたかのようにそのまま地面に落下したのだ


沈黙が、少しの間だけ三人の間に横たわり……



………


……




「「走れぇぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!」」


「いやぁぁぁ!やっぱりぃぃぃぃ!!!」



ゼウルが急いで運動能力に劣るキュリアを肩に担いでバウロと共に走り出した!


どう見ても当たれば痛いで済まない攻撃なのが十分に理解できてしまった!


空から落下してくる魔法弾が着弾を開始し始めそこら中で「バギュッ」と怖ろしい音と共に地面やら魔物の死体やらが球状に消滅していく光景は背筋が凍るような緊張感をビリビリと伝えてくる


当たればどうなるか……考えたくもない攻撃が空から雨あられと降り迫ってきているのだ



「し、消滅の魔法っ!?なによそれぇぇ!!?地面も魔物も…つ、つまり有機物も無機物も関係無しっ!私の魔法が消えたように見えたのもこれだったんだわ…!」


「おいおいおいぃぃ!?ってことは何!?当たったら何でも消えちまうってことぉ!?」


「そういうことなんだろ!?さっきまでは前に仲間がいたから使えなかっただけか…!うおぉ危ないっ!?き、キュリア!撃ち落とせるか!?」


「そ、そうだ!確か魔物に当たったら炸裂して消滅してたろ!事前に何かに当てれば魔法弾は炸裂して消えるんじゃね!?」


「あんな数いきなり落としきれないわよっ!近いのだけ落とすから気合で避けてっ!」



悲鳴のようなキュリアの声に前と上を見て走るゼウルとバウロ


何より攻撃範囲が広すぎてどこまでが射程なのかも測りきれない


すでに周囲は地面に炸裂する消滅の魔弾で大変なことになっていた。そこら中の広範囲で地面が削がれ消滅し、地面の形が歪なものに成り果ててきている


2人がなんとか降り注ぐ魔法陣の嵐を掻い潜って走る中でゼウルに担がれたキュリアは再び周囲に十体の魔力により形作られた巨大鋏を顕現させ、即座に全ての巨大鋏が挟み込むように魔力を収束させた



衝閃天ショック・シウスっ!一斉射フルファイアぁぁっっ!」



シオンの魔法、炎星群メテオニス・フレイムを撃ち落とした衝撃を内蔵する魔法弾が凄まじい連射速度で上空に向けてばら撒かれ始めた


中の砲門から放たれる光の砲弾は兎に角連射速度で量をカバーするように放たれ、進行方向や直上から迫る消滅の魔弾を片っ端から撃って撃って撃ちまくる


直撃すれば消滅の炸裂と共に魔法弾は消えるのだが…



「ちょっ……お、多すぎっ!!どんだけ撃ちまくってんのよあの魔族の子っ!?落とし切れない!速く走ってぇぇぇぇっ!!」


「走ってる!走ってるから撃つのに集中してくれキュリア!うおぉっバウロ前、前!」


「これ俺達も撃った方が良かったりする!?あんまバカスカ量撃つの苦手なんだけどさぁ!」


「いいから走るのに集中して!一発でも当たったら即アウトなんだからぁ!」



何と言っても降り注ぐ数が尋常ではない


それもその筈…ペトラは周囲からの奇襲や対応を一切気にしなくなったのを良いことに魔法へと集中力を集めて十体の天帝の蛇王アヴァラス・ギドラから魔弾・グロリオーサを乱れ撃ちしていたのである


側にいるシオンとマウラが「ぺ、ペトラ?そろそろ良いのでは…」「……う、撃ち過ぎ……骨も残らないよ……?」とちょっと引くレベルで撃ちまくっているのだ


ゼウルとバウロがアクロバティックな動きと素早い身の熟しで寸前で避け続けられているのは二人の日々の鍛錬の賜物である…この時ばかりはみっちりしごかれていたことに感謝する二人であった…


しかし、ペトラも手応えがないのは感じていた


掠めてすらいない…何より、感知し続けている反応の動きが鈍っていない



「…全て避けるか、埒が明かん…!ならば次は……っ!!」


「ストップ!ストップですペトラ!この戦場にはラウラさんやレオルドさんも居る事を思い出してください!これ以上の魔弾はマズイです!」


「んっ……!……ちょっと落ち着くべきっ……!」


「くっ…!このまま見逃す事になるのか……!」



静止の言葉に悔しさを隠さないペトラだが、その肩に手を置いたシオンが首を横に振りながら言った



「いえ……長射程、高威力の一撃なら私の方が向いている、ということです。ここは私に任せてください!」


「んっ!?……そ、そういう事なの……っ!?」



マウラが「あれ!?なんか思ってたのと違う!?」と言わんばかりにシオンへ向けて首をぐりん、と向けた


気の所為かな?静止してた割には言ってることが物騒だった気が…


珍しく違う方向の殺る気なシオンを、珍しく止めるマウラ


暫くの間、真紅の白熱が逃げる3人を狙って滂沱の如く浴びせられ始めることとなる…






ーーー





「成る程ッ!そうか、それもそうだッ!真に奴の仲間ならばその力を借り受けるのも当然のことか!本当に……本当に厄介なことをする……!」



ギデオンの視線の先で爆ぜる光…何が起こったのかは見えずとも分かる


光の中で二人の装いが急速に変貌を遂げていく


ラウラの身に付けていた大聖女のローブ姿は光が解けるように胸の紋様に吸い込まれ、そこに入れ替わるようにして新たな姿に切り替わっていく


白と金がトレードマークだった霊服は、肩を大きく出すタイプへと変わり、長袖だった部分は肘上から指先までのアームカバーを身に着ける。手甲や一部腕甲も重くならない程度に装着されており、胴体部分にもその変化は見られる。

きゅっ、とタイトに体の線が出る胸から腰までの装いには、上から腹部の横と前を守るように装甲が施され、突き出した胸部は前掛けのように別の布地が降ろされ二重に守る形に


下半身は足首近くまで丈のあるスカート状になっているが、両サイドの布地が無くどちらかと言えば前掛けと後掛けとなっており、太腿の半ば下からはしっかりとした軽甲冑にも似た装甲化を足先まで施されていることから横から覗く太腿が見えるのが眩しい


スカート部分は半ば股下までが甲冑のように装甲の化している事から見えそうで見えないのが中々に罪深い造りとなっていた


その全てが純白を元にしており、装甲部分は所々に金色に


そして頭部には頭甲と金色の宝玉が1つ嵌められたティアラを足したような装備を前側に嵌めた姿…黒銀の錫杖を悠然と持つ姿は後衛の聖女というよりはまさに、闘いを主とする戦場の聖女という様……付けられた名は『黄金纏こがねまとい



対してレオルドも大幅に変わる


右肩に刻まれた紋様から、革製に魔物の素材を主とした袖のない革服に、頑丈革鞣しの長ズボンという如何にも旅装を合わせた装いだったが、布革を用いた黄土色の頑丈な服装へと変化する


袖は上腕の半ばまでだが、布地と言うにはかなり分厚め…革製の色が濃く造られており肩上や首後ろには獅子の鬣ようなファーに似た物が備えられている。胸部は頑丈なプレートが多い、他の部分にもところどころ金属製の装甲が施される


両手には手甲や指甲に装甲を用いたグローブが嵌められ、下半身は同じく分厚めの革製を用いた長丈の物だが太腿、脛はしっかりと装甲に覆われブーツに至っても金属製が表面を覆う


額にはプレート状の額当てが巻かれ、表面に濃橙色の宝玉が3つ並べられ…そして全身の金属部分は全てが漆黒


金色に黒の2本線が刻まれた戦斧を肩に担いだその姿は先程の冒険者然とした姿から一転、戦士としての色を濃く表した装いへと変化を遂げた。付けられた名は『戦纏いくさまとい



「ま、ようやく仲間になれたってことでな。これで恥ずかし気も無く「黒鉄の勇者の戦士」を名乗れるってもんだ」


「ふふっ、デザインは色々と口を出させて貰いましたから、気に入ってますのよ?大聖女のローブも良いのですが…あれは前線で使うには動き難さが目立ちますし」


「……聖女って、ンな動き回るもんか?もっと後で大人しくしてるヤツのような気がすんだけどよ。てか、その格好はアイツの趣味じゃなくてお前の趣味かよラウラ」


「えぇ。…実はこういう「戦いの装い」に少し憧れていまして…ちょっとだけ夢を叶えさせていただきましたの。レオルド様こそ、あまり見ない装いですが…金属系とかは着ない主義なのかと思っていましたわ」


「そりゃお前…その辺のプレートなんざ動き難くて仕方ねぇだろ。こいつぁ黒鉄の勇者謹製だから俺の戦いに付いてこれんだ、やっぱ特別性ってのは違うな」



ぎゅっ、ぎゅっ、と手を握っては広げる動作を繰り返すレオルドは気に入ったように笑みを浮かべながらその着心地を確認する


まるでいつも身に着けている肌着のように抵抗感の無い装着具合…それは明らかに普通の装備品とは異なる


そしてそれは着心地だけではなく、己の力に大きく変化を齎した





「ジンドーの手製装備か…厄介な真似をしてくれる。だがそれでも止まる理由にはならん!!」



ギデオンが一直線に跳び出した。右手に握る白銀の剣を袈裟に切り下ろしにかかり、即座に目の前へ立ちはだかったレオルドを今一度一刀両断するべく、振り下ろす


これに対してレオルドは戦斧を両腕で振り上げ、その場で真上から縦一直線に振り下ろして迎え討った


刃の刃がぶつかり、空気が悲鳴を上げる程の衝撃波が炸裂するがそれも束の間…



ギデオンの体が大きく真後ろに弾かれて後退したのだ



それはつまり、勢い付けて飛び込んだギデオンが不動の構えを取っていたレオルドに力負けをした、ということに他ならない



「ッ……なんだ、そのイカれた力は…!」


「ダッハッハッハッ!そろそろ片腕は厳しいんじゃねェか!?」



豪快に笑うレオルドが、今度はギデオンに向けて突っ込んだ


死神の鎌のように振り翳した戦斧ジャックスレイを、体の回転と共に勢いを付けて振り抜きギデオンへ真横からの一撃を加え込む


すぐさま体勢を立て直したギデオンが今度こそ…両手に構えた白銀の剣をそこに叩き付けるようにして反撃を叩き込み…



大旋壊だいせんかいィィッッ!!」


断骸ダンガイッ、爆波ァッ!!」



両者の技が衝突した


前面に破壊力を押し出し正面に存在するものを爆砕するギデオンの魔技と、ただ己の肉体を強めて振り抜いた力尽くのレオルドの技が激突し…あまりの威力の衝突で大地は二人の間で裂け地は揺れ動く


ぶつかり合う互いの得物はどちらも引かず、しかしギデオンの両足が僅かに後へと下がった


レオルドが、力で押し勝っていたのだ


予想以上のパワーアップはギデオンの闘志に火を点けるには十分であり、押された状態から中へと飛び上がると二人を上から見下ろすようにして…白銀の剣へと莫大な魔力を纏わせる



「大した力だ!ジンドーにも引けを取るまい!だがそれだけでは俺には勝てんぞ!粉々にしてやろう!断骸ダンガイッ、微塵ッ!」



剣が視界から消えるほどの速度で振るわれ、刀身に込められた魔力が斬撃となって飛翔する


それが、一振りごとに放たれればまさに斬撃の洪水となって地上へと降り注ぐこととなる。魔力すらも切り裂く力を持たせたこの斬撃はカナタの星核アトムすらも霧散させた


魔力によって強度を上げる肉体強化に対して特攻的な力を持つであろう斬撃の嵐のは分厚い金色の結界が間に割り込み受け止めた


魔力を斬る斬撃を…ギギギギギギキギギギッンッ、と凄まじい連続的な硬質音を立てて尽く受け止め弾き返し、周囲に跳ね返った斬撃が地形をバラバラに切り刻む中でその後ろに守るレオルドと術者のラウラには一刃たりとも通さない


全てを弾き飛ばした後、結界には猫が爪で何度も引っ掻いたような浅い削り跡が残っていた


奇しくも、レオルドとラウラの連携は先程と同じ。だが、結果は大きく違っていた


結界は割れず、押し負けたのはギデオンの方だった




「圧しき聖罰、力によりてっ!アトラシアの聖槌ッ!」


「チィッ!!ラウラ・クリューセル貴様ッ…!!」



はっ、と空を見上げたギデオンの視界に巨大な結界が正方形の塊で真上から振り下ろされる光景が写り込んだ


逃げる隙間など無い、まさに天井が叩き付けられるが如き攻撃範囲にギデオンは片腕を真上に上げてそれを腕一本で受け止め


ギデオンの両足が地面に陥没する様を見ればその威力は明らか、しかしギデオンはこれを片腕で支え上げる


そこに、地を這うような低姿勢で突進したレオルドが野球バットをフルスイングさせるように戦斧を振り回しギデオンへと叩き付けにかかった



「ダッハッハッハッ!!行くぜェ!!大・横・断ッッッ!!」


「ぬぅォォォ……ッ!!」



片腕で持つ剣で受け止めるギデオンではあるが、これを不動で受けることは叶わずビリヤードの玉を弾き飛ばすように強烈な勢いで吹き飛ばされる…まともに刃を受けることは阻止したギデオンは勢いよく吹き飛ぶ最中で姿勢を直し、周囲を囲む結界へ壁に足をつけるように着壁


たった今受け止めたレオルドの一撃に痺れを感じる右腕を忌々しげに見下ろす



「凄まじいな…成る程、貴様らも世に「英雄」等と言われるだけはある。認めよう、あのジンドーの仲間足り得る力を貴様らは持っている、と。もしも、シズクと共に居たのが貴様らだったなら、俺も腕の1つは落とされていたやもしれん」


「あ…?シズクって誰だ?聞いたことあんな……」


「……破壊の勇者、シズクレイドウの事ですわ。100代目の勇者にしてジンドーが現れるまで最強と渾名された…そして、ギデオンに心臓を貫かれて殺されましたのよ」



レオルドが「あぁ!それでか!」と思い出したように声を大にして笑う


聖女教会では非常に有名な伝説だ…かの魔将ギデオンとの一騎打ちにより戦死した勇者シズクレイドウは当時の随行聖女メリア・バートン達を命懸けで逃がし、生還した彼女から伝えられた話


壮絶な戦いの果てにギデオンへの致命打を与えることは叶わず、果てた…最強と謳われた勇者の最期


もう100年以上は昔の話だ


ラウラとしても、まさかギデオンからその名前を聞けば思うところはあった。しかし、その最期はあまりにも有名…



ーー聖女メリア達の元へ、体の各所に傷を負ったギデオン自らが勇者シズクの遺体を託しに来た、というものだったのだ



『丁重に葬れ。シズクが守ったお前達を、俺は殺しはしない』



その言葉と共に、横抱きで力なく命果てたシズクの遺体をパーティに差し出したのである。泣き崩れるパーティの面々がなんとか立ち上がれるようになり、ラヴァン王国へと帰還するまでの間…全ての街や国家へと魔物の侵攻が停止したのも伝説的な話だ


ギデオンは約束を守り、シズクが王国に帰り着くまであらゆる攻撃行動を止めたのである



「シズクは俺が出会った中でも特出すべき勇者だった。ジンドーが現れるまで、彼女を超える勇者など絶対に現れる筈がないと…そう慢心してしまう程にな。…英雄には敬意を表さなければならん。貴様らは間違いなくその領域に踏み込んでいるだろう」


「チッ……余裕そうに言いやがって。とは言えよォ、ラウラ。……どうだ、感じたか?」


「えぇ。確かに……ギデオンはまだまだ本気ではありませんわね。ここまで力を引き上げてもなお…」


「俺達もまだ付け焼き刃だ。コイツを極めるには時間がかかるか…あんま無茶してっと崩されるな」



確かに攻勢をかけていたのはラウラとレオルドの2人だが、その連携を受けても尚ギデオンには傷の一つも付いていない


だがそれでも良かった。2人の目的はあくまで時間稼ぎ…カナタがグラニアスを抹殺するまでの間だけ、ギデオンの足止めをすれば良い


遠くでは起動した巨兵がグラニアスを捕らえて質量のある一撃を打ち込み怯ませる姿が見えた、彼の作戦は現状上手く運んでいる


かつて見たあの日の兵力よりも遥かに力を増した黒鉄の兵団はこの戦場を高いレベルでコントロール出来ている



「このままでは負ける…か。前の失敗は繰り返してはダメだと思わないか?」


「……なんの事だ?何考えてやがるギデオン…テメェらの失敗はジンドーを引き当てたことだぜ?」


「ハッハッハッハ!確かにッ!…だが、もっと根本的な話だとも。それまでの力関係に胡座をかいた慢心と油断が敗北を招いたのだ。その轍を踏まなければ…勝率は更に高かっただろう」


「言ってることが分かりませんわね。グラニアスはもうすぐジンドーの手によって滅ぼされる…そう簡単にはここを通しませんわよ?」


「おうよ。あのバケモンの心配してられんのか?俺達ゃもうちっと暴れる予定だ、まだまだ付き合ってもらうぞ?」


「これは教訓だとも。四魔龍とて絶対ではない、という高度な教訓だ。我らがあの戦いから学んだ事を教えよう…ーー」



どこか、不穏を感じさせるギデオンの言葉はラウラとレオルドに警戒心を抱かせるには十分過ぎるものだ


ギデオンがこのままグラニアスと合流しなければ完全に押し切れる。元よりそれを嫌ったギデオンがシオン、マウラ、ペトラの身柄を抑えに走ったのだ


なのに…彼は何を教訓としたのか?


四魔龍が絶対ではないと知ったのならば何を考えたのか…?


それは、とてもシンプルで…そして歴史上記録されたことのない事態を指し示していた







「去りし日の我らの失敗……それは四魔龍をたった一体ジンドーに挑ませてしまったことだ」






その声にぴったり合わせたかのように…





グラニアスを抹殺せんとその首を掴む巨兵、アルビオンの巨体が地面を突き破って飛び出してきたに突き上げられるかのように宙を舞った








ーーー





『デカいな』


『デカいわね』


『デッけぇ』


『確かに』



とある巨大森林のど真ん中


緑とグレーで迷彩色を施された巨大建造物を見上げる4つの声が重なった


台形状の土台は1辺約500m、その上に重なる形で四角形が2つ重なり、そのうえに菱形の構造物が真っ二つに別れている


菱形の割れた間を通すように長大な長方形がある一点に向けて先端を出しており、半ばからレールのように上下に別れているは形はどこからどう見ても…



『どっからどう見てもメガ粒◯砲だな』


『いや、雰囲気的に波◯砲にしか見えないわよ』


『どちらかと言うと「ヤ◯マ作戦」って感じ?』


『自分の事棚に上げる訳じゃないが……大概オタクだよな、全員』


『見てるとゾクゾクしてくるな…この世界ってファンタジー一色だったし、こういうのを見てるとオタク心が疼いて…』


『というか雷導まで来てよかったのか?もう一度来てんじゃなかったかっけ?』


『いや……こういうの好きなんだ、俺。是非とも発射される所が見てみたい』


『あんたSFオタクだったわよね…雷導…』



巨大な宇宙要塞に備え付けられているビーム砲台であった


そこに、他の存在からは目視も感知も出来ない4人の姿がある


男3人に女1人、少年少女とも言えるような若い4人組はきゃいきゃいと騒ぎながら巨大砲の周囲を眺めながら歩き回っていた


全員が学生服、しかもそれぞれが違う学校のようで意匠もバラバラ…そしてこの世界の服装でない、という共通点があった


そんな中で溜息ながらに『しっかし…』と明るい茶髪にヘアピンを2つで前髪を留めている少女、かい百合恵ゆりえがボヤいた



『どうやってこんな物造ってんのよ、黒鉄は。世界中の鉄を掻き集めて造れるかどうかよ?意味がわからないわ…』



ぺしぺしと建造物を叩く彼女に『あ、そう言えば』と切り出したのは彼女より低い背にツンツン頭の少年、堂島禅どうじまぜん



『確か黒鉄の魔法って他の物からでも金属に変換出来んだろ?なんなら、そこら辺の土でも鉄に変えられる筈だぞ?』


『インチキかよ…鉄の相場が壊れるどころの話じゃないな、それ。何もしなくても大金持ちじゃないか?』



それに羨ましそうな声を出したのが黒い髪を少し長めに伸ばして縛ってある背の高い少年、嶋田義也しまだよしや。それを聞いで『知らないのか?』と返したのが焦げ茶色の短髪に癖毛の少年、赤島里斗あかしまりとである



『黒鉄は金属類だの魔物の素材だのを少しずつ流してとんでもない貯金にしてるぞ?金額で言ったら地方国家の予算くらいは持ってるんじゃないか?』


『何よそれ!?これが生産系チートってヤツなの!?はぁーっ!私もお金だけ増やして静かに暮らしたかったわっ!』


『いや、これは黒鉄が特殊なだけだろ。そもそも生産系魔法でやろうとしたことが「パワードスーツ造って暴れ回る」とか正気じゃねぇ…生産系なんざ一歩間違えればその辺の魔物相手に即死だぞ?』


『確かに戦闘系魔法無いのに魔物の前に立ちたくは無いな…。黒鉄は立たされてた、ってのが正しいらしいけど』


『それで出来たのかだぞ?…名前なんだっけ、くっそ長かった気がするんだが…』


遠距離狙撃用グランドストライク対怪物用極天波動砲ハイペリオン・スペリオルブラスターよ。確か名前が「一一ヒトヒト式・武御雷」……』


『『『物騒にも程がある…』』』



男三人の声が揃った…


というか何故こんな長い名前を彼女はスラスラと唱えられるのか…


そんな中で、目の前にそびえる巨大砲台が唸りを上げるように音を立て始める


莫大な魔力が渦のように周辺から収束していくのが目視できる…砲台の各所装甲が展開していき排熱機関のように魔力の光を噴き出し始めていき…



『うおっ、始まったぞ!』


『うわぁ……完全に宇宙世紀の産物だな。これ、俺達ここに居て大丈夫なのか?』


『良いんじゃない?私達に干渉出来るのってネクロマンサーくらいでしょ?ま、その辺のネクロマンサーに好き勝手される程、弱くないけど』


『セリフが完全に悪霊だろ、夢幻……』



砲身が縦に開き、そこに光が集まっていく


大地が鳴り、空気が震え、周囲の樹木は台風の日のようにしなり靡く


まるで天変地異の前触れ


これから引き起こす圧倒的破壊の前触れをこれでもかと見せ付ける巨大砲台を前にして……雷導の勇者と呼ばれた赤島里斗が、好奇心を抑えきれずに言った



『なぁ……これ、中に入ってみたら駄目か?』



『『『……いや、駄目でしょ』』』





彼らは地球からやって来た者達


かつて、『勇者』と呼ばれた英雄の中の英雄にして、しかし故郷に帰る事叶わず命を落とした悲運の来訪者


死してなお、故郷の輪廻転生に戻ることも出来ず霊魂となってこの世界を彷徨う彼らは







現在……『黒鉄の名所見学ツアー』の真っ最中であった







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【Database】



『魔鳥龍グラニアス』



〘全長〙152.3m



〘全高〙77.8m



〘翼開長〙183.3m



〘体重〙31600t



〘通称〙四魔龍 災厄の陰 天空の支配者 星の海を渡る翼



〘概要〙

世界を滅亡の淵へと落ち込んだ最強の魔物の一体。

四魔龍の一角であり、かつて幾つもの国と都を破滅へと追う込い込んだ正真正銘の怪物。

僅か4年前までは撃退の事例1件のみしか人類が反撃を加えられた例はなく、幾度と送り込まれた何万、何億という討伐隊を討ち滅ぼし、異界の勇者21人を抹殺した翼を持つ魔の王。

数多の命と文明を踏み潰して己の巣窟へと変えた魔物の範疇を超えた怪物だったが、4年前のその日に動けない程の損傷を負い120人目の勇者の手によって地の奥底へと封印された。



〘容姿〙

鳥類にしては妙に縦長の胴体を持ち、尾羽根も含めれば全長はかなりのものになる変わった体躯を持つ。

その巨躯を支えるかのように太い脚部が2対4本あり、全身の羽根はその悍ましい凶悪さとは裏腹に何にも染められていないかのような純白。

翼も2対4枚あり、白の中に虹色の光沢を持つ、まるで宝石のような美しさを備える。

目は猛禽類のそれであり、嘴は鴉のように頑丈で分厚く、真っ直ぐな形をし、頭部には冠羽が備わっており激昂すると逆立つ。


現在は右前の翼に一閃の傷跡と、脇腹に深く抉られたような傷跡が残されており、前者は『破壊の勇者』霊堂雫によって切断されかけたもの。後者は『黒鉄の勇者』神藤彼方によって巨砲で穿たれたものである。

その肉は盛り上がり再生しているように見えるが、鎧となる羽根が未だに揃わないのは、この2つの傷が如何にグラニアスにとって重たいものだったのかを物語っていた。



〘戦闘力〙

四魔龍の中で最も厄介な機動性を持っており、この巨躯を持ちながらに空中へと羽ばたけば凄まじい機動力を発揮する。

まず空中戦闘でグラニアスを落とし切るのは不可能、最強の勇者を以てしても「面倒臭すぎる」と言わしめる程に速度を出したグラニアスを捉えるのは困難を極める。

爪は猛禽のように太く鋭利であり、自重を超えるような重さのものですら掴んだまま飛ぶことすら可能である。

羽根の羽毛は光沢のある滑らかな質感ながら、鎧としての機能を持ち合わせており魔法も物理も生半可なものでは羽に傷すら付くことはない程の強度となる。

羽根はその軸が鋭利な先端を持つ形状をしており、無限に生え変わるこれを翼を撃つことで発射し対象に突き刺す。風の魔法を操ることで大砲のような威力で放たれた羽根は人体でも余裕で貫通、鋼ですらも容易く穴が開く威力であり、これを無尽蔵にばら撒いてくる。

風の魔力によるブレスは着弾地点を爆風の炸裂で消し飛ばす物や、レーザーのように1点へと集中させて放つ。

さらに、嘴はもっとも頑強な部位であり啄まれれば命は無く、頑丈な勇者の肉体ですら容易く貫通、体の一部を食い千切る事が可能である。


翼を動かす間は周辺に巨大ハリケーンと見間違う程の大竜巻が発生し、近寄ることすら困難となる性質を持つ。

一部の強者はこれを潜り抜けることが可能だが、同伴者達はそうも行かないことが多く、グラニアスは近づく者すら選定するとまで言われる理由がこれにある。

飛翔して移動する間はこの巨大竜巻も合わせて動くことで災厄の大災害と共に現れることとなる。真下にある街や国は崩れ、飛ぶだけで人類の文明を脅かし、そうして崩れた人々の上に降り立ち自らの巣としてしまうのだ。


有翼の魔物を従え、自らも産卵によってその眷属を増やす。

生まれてくる魔物は必ず金剛級は下らない魔物だけであり、グラニアスを守る側近としてその巣窟を飛び回る。これにより、グラニアスが単身で座すことは殆ど無い。



〘顛末〙

かつて、神藤彼方は大量の無人魔導兵器によってグラニアスの気を取らせて誘導し、極大の一撃を放つ大砲「六式・武御雷」によってその横腹の肉が吹き飛ぶ程の負傷を負わせ撃墜した。

これはフルパワーのグラニアスが彼方にとってもかなり厄介であり、自身が乗り込んでの戦闘では攻撃自体が当たらない可能性が高かった為に組んだ戦法である。

彼方は力を取り戻してしまった場合の厄介さも加味して、封印により力を奪われたこの瞬間に殺しにかかった。

改良された「一一式・武御雷」はその威力を別次元にまで高めている。当たればいかにグラニアスとて即死は免れられないだろう





問題は……如何にして当てるか、である

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