第105話 黒鉄の印を刻む者


「で?言い訳を聞こうか、カナタ・アース…じゃねぇか。カナタ・ジンドー?」


「は、ははっ……なんのことかさっぱりっすよ、レオルドさん…」


「その取って付けた敬語と「さん」付け止めろ気色悪ぃ!普段からンな口調じゃねぇだろテメェ!」


「声がでけぇんだよ静かにしてろ…!こんなカーテン1枚の開放空間での音響制御は難しいんだ…!俺はお前と違って顔バレすると面倒臭いんだよ…!」


「そういや地凰竜エルグランド・ドラゴンも俺が倒したことになってたよな?匿名の報告って聞いてたけど…チクったのテメェだな?」


「いやぁ…なんのことかさっぱりっすよ、レオルドさん…」


「シバキまわすぞ…!そもそも、だ!この際偽の報告だのあれから何日もコンタクトがねぇのも置いといたとして!3年前からどこで何してやがった!?俺達がどんだけ探し回ったと思ってんだ!」


「ほら、探してとは言ってないし…」


「アァ!?」


「な、なんでもないっす…。学校の先生とかしてました、はい……」


「何を柄にも無いことやってんだ…」



場所は食事屋『大地の蹄亭』


大きな大衆料理屋であり、店奥にあるカーテンで仕切られた個室…決して高級料亭のような場所ではないその一席で二人の男が向かい合っていた


獅子の鬣のような髪に、ぎっちりと詰め込んだような筋肉質の長身とガタイは明らかにその辺の土方職のような体付きではなく、戦士としての肉体はそのへんの男よりも二周りは大きく見える


机の横から大型のバトルアックス…ぎらり、と鏡面のように光を跳ね返す刃部分は銀色で、斧部分の本体は金色で続くグリップの部分まで同じ金属が続いている…パーツごとに区切られていない、まるで金属丸ごと1つから削り出したような得物が重々しく机に寄りかけられていた


彼の名はレオルド・ヴィットーリオ


かの黒鉄の勇者と共に世界を渡り、世界を救い生還した最も有名な冒険者であり現在存在する冒険者の中でも最も強いとされる金剛級冒険者だ


その対面に座るのは…1人の少年。背丈は高く、体付きも細身には見えず、鍛えてるように見えるが目の前とレオルドががっつり筋肉を搭載しているからなのかどこか小さくすら見える…黒髪をさっぱり短く切り、黒い眼はどこか面倒そうに目の前の大男から逸らされている


彼の名は神藤彼方……実は勇者である


そんな2人が何故、こんなところで顔を合わせて話し合っているのかといえば、元を正せばカナタの発言が問題であった



ーー今度はサシで食おう、レオルド



漆黒の鎧に実を包んだ黒鉄の勇者として、彼はレオルドにそう伝えていた


伝えていたのだが……



もう彼と別れて1週間以上が経過するとき音沙汰1つ無いのである



さて、これはどうしたものか…と頭を捻ったレオルドだが、最後の彼の言葉からその大雑把な素性は把握できていた。いつぞやの、冒険者ギルドで一悶着を起こした時に飯を奢った4人の内1人…3人の華ある少女を連れた彼の名前はカナタ・アース


冒険者としては礫級…初心者も良いところだが、今考えれば自分の愛弟子にして既に白金級が決まっているライリーを、彼の弟子は打ち破っている


それを教えているあの少年が、礫級なんておかしな話だったのだ


とはいえ、冒険者であるならば…その名前で指名依頼を出してしまえば良い。この街に居ることは分かっているのだ、依頼ということで出しておけばいずれはギルドが接触をはかれるだろう


そんなレオルドの考えは的中し、ついに彼との対面が叶ったのだが…


レオルドの予想を遥かに超えて、普通に会話が弾む男だった



ーーあのジンドーだぜ?声を聞いた回数なんざ手足の指で数えられそうなくらい話さねぇあのジンドーが、まさか…



「あっ、レオルドさん注ぎますよ。ははっ、やだなぁそんな遠慮しないでください」



ーーわざとなのは分かってっけど、やけにムカつくなァこいつ!?白々しい敬語ばっか使いやがって…!



…開幕からこんな事を言われては、弾みすぎてむしろ煽られてる気がするのは気の所為だろうか


思わず青筋が浮かび上がるものの、すぐに調子を戻して話してくるジンドーにそんな鬱憤も収まりを見せる


あの時、荒野で再開した時から彼の変化は十分に感じ取っていた。元々、勇者パーティのメンバー…とくにサンサラからの連絡は受けており、ジンドーが昔の彼とは思えない程変わった、と報告を聞いてはいたのだ


その報告に違わない変化を、見せられた…期待したのだ。堅苦しくなく、共に何の気兼ねも無しに話し合えるこの瞬間を



「んじゃ、そろそろ聞かせてもらおうか。ジンドー…いや、カナタでいいか。この3年、俺達と離れた後は何してた?別に教師だけって訳じゃねぇだろ?」


「あー…まぁそうだなぁ…。…色々だよ、レオルド…色々あったんだ。世界中を徘徊して、放浪して…そんであの3人に出会った。シオン・エーデライト…マウラ・クラーガス…ペルトゥラス・クラリウス…彼女達と会って、何もかも変わった。いや、変わったんじゃないな…元に戻ったんだよ」


「そりゃ確かに感じてたぜ。しっかし女、か…。確かにただの師弟って関係には見えなかったけどな、まさかお前が女で変わるとはなぁ…。で?どこまで進んでんだ?」


「ま、行くところまで進んでるとは思うけどな。…というか、「女で変わる」って言われると俺がチャラいみたいに聞こえる…」


「ダッハッハ!事実じゃねェか!別に悪くはねぇだろ?しかしまぁ、本当に変わったんだなお前…はっきり言って見違えた。まるで別人だぜカナタ」


「言ったろ?…別人になったんじゃない、元に戻っただけだ。まぁ色々と待たせたお詫びってことで、答えられることは答えるぞレオルド」


「ほぉん?……じゃ、もう一つ聞かせてもらうか。……ラウラとはどうなんだ?」


「……今それ聞くかよ……」



カナタが「うへぇ…」と眉間を抓んだ


この反応にはレオルドを「へぇ、何かあったな…?」と勘付く


実際、旅をしていた頃からラウラの恋慕はあからさまに見て取れる程に強かったのだ。ジンドーのあまりの人間味の無さ…いや、廃れ方に頭を悩ませその想いが成就するかはパーティ全員が青春の心で見守っていた事である


それが旅から3年目にして、彼女に無理矢理開かれた婚約パーティーの場に…勇者ジンドーは現れた。風向きが変わったのだ、そこからラウラは明らかに心内が軽く明るくなった。既に何度か、婚約パーティー、ロッタス山、学院襲撃時、勇者霊廟にて邂逅しているのだから何かしらの進展くらいあるだろう


そう思って繰り出した質問だが、思ったよりも進展が有りそうな反応でつい楽しくなってくる



「その反応は結構進んでんな?ったく、どこまで行ったんだか…もしかしてもう抱いたのか?いやはや、ラウラは良い女だぜありゃ。野郎なら誰だってあんな女を夢見るってもんだ」



冗談交じりで、ラウラに手を出せるようにちょっと差し向けるような言葉を選んで酒を煽りながらそう言い切ったレオルドだが、その言葉に対してカナタの視線が「すぃ〜…」と横に流れていくのを見れば…



「…マジかよ。おい、いつだ?いつからそんなとこまで行きやがった?」


「ぅ……な、7日前、とか……」


「この前じゃねぇか!?てか、俺と会った次の日くらいだろそれ!…いや、ちょっと待て。おいまさか……その逢瀬、1日では終わってねェだろ。どんだけ続けたんだ?」


「な、何故それを…っ!?…き………昨日……とか……?」



開いた口が塞がらないレオルドは少し赤い顔で視線があっちこっちに逸らすカナタをまじまじと見つめる


思ってたのに10倍進展してた…なんならキスしてればお祝いでも贈ってやるか、と考えてたのにほぼゴールインまでしていたのだ


しかも……1週間丸ごと全部、逢瀬に浸っていたとか尋常の想いの強さではない



「クリューセルの家ってのは昔っから女は全員ド淫ら……あ、違ぇ違ぇ…。全員ベッドの上じゃ別人みてぇにヤンチャするってんでパーティの中じゃ話題になったんだ、知らねぇのか?ラウラは「わたくしは違いますわ!」なーんて言ってたけどな…血は争えねぇってことか」


「えっ、何それ有名なのあれ…!?ど、道理でやけに強いと思ったけど…」


「てか、俺と会うの遅れたのそれが理由だなテメェ!ラウラ抱いてたら遅れたのかよ!?その間ずっと抱いてたとかお前も大概じゃねぇか!」


「だから声がでけぇんだっての!抱く抱く言うな恥ずかしいだろうが!」



声が大きくなるレオルドの上からさらに声を重ねるカナタ…この席だけやたらと賑やかだ、周囲からの視線が来やしないかと気になってしょうがない


だが…レオルドは堪えきれない、というように笑い始める


大きな声で、大きく口を開けて、上を向くようにして



「…そりゃ、おかしいよな。俺だって今はラウラの事を悪く思わない…勘違いしてたんだ…全部。ラウラも、他の奴らも…お前だって、本当は俺の事を利用するだけの敵だと思ってた。だから最初は姿を見せる気も無かったんだ…あの婚約パーティーで、罪滅ぼしのつもりで力を貸した。俺…なんにも見えてなかったんだよ」



肩を落とすカナタは少しその顔に影が差す


酒が入っているからなのか、少しばかり項垂れているが、それをさらに強くレオルドは笑い飛ばす



「だからお前は大馬鹿だって言ってんだ!あの荒野で伝えたはずだぜ!馬鹿みてぇに突っ走れよカナタ!御利口にお高く止まってノーアクションじゃねぇ、やりたいようにやった結果ラウラを助けてやったんだろ!悪人面は辞めておけ、柄じゃねぇよ!」


「俺は良い奴じゃない、それは確かだよレオルド。利己的で内向的で、そして使命感より願望を優先させる。…お前も馬鹿だと思うよ、俺をリーダーと仰ぐなんて…本当に変わってる」


「良いじゃねぇか。リーダーも馬鹿ならパーティも馬鹿ばっかり!雁首揃えて馬鹿集まって、それで魔神は斃された!正解ばかりじゃなかったかもしれねぇが、俺達は生きて帰れた!少なくとも不正解じゃなかったんだぜ?」


「あんま馬鹿馬鹿言われると腹立つな…。そういうもんか…?」


「ちげェのか?」



悩みなんて馬鹿らしくなる程に前向きなその言葉に、カナタも充てられた


周りから見た自分の姿…周りから感じられる自分のビジョンが分からない。その不安すら、この豪快な男の前には些細な問題であると思い知る


木製のジョッキを黙って突き出してくるレオルドに向けて、自身のジョッキをぶつける…ぶつけた衝撃で中身が飛び散るのも気にせずに、がつん、と



「ダッハッハッハッ!愛すべき馬鹿にっ!」


「ひっでぇ乾杯の文句だなぁ…」



でも、悪い気はしない


どこか…寄り掛かってもいいのだ、と感じさせてくれる強さがそこにあった


ジョッキの中身を飲み干していく…中身は冷えた麦酒だ。分厚い穀物の匂いと冷たさと、アルコールが与える温感が気持ちいい


すっからかんになったジョッキを2人揃って机に、だんっ!と落とすように置く


決して、酔っ払った訳では無い


だが、この前再開した時にはあえて行わなかったそれに…カナタは手をかけた


彼の真意が分かったからこそ…謝罪と、感謝と…信頼を込めて



「…レオルド、その戦斧は大切か?」


「お?勿論よ!俺の戦いの歴史はこのジャックスレイと共にある。こいつじゃなきゃぁ平気で死んでた場面は数え切れねぇ。特別性だぜ、この世界にゃどこ探してもジャックスレイと全く同じ素材で造られた武器は他に1つ…ライリーのグレイゼルしかねぇのよ」


「…そうか。なら、その相棒に少し小細工をしてみよう。…お前の寿命を伸ばす程度には役立つ筈だ」


「あ?」



目を瞬かせるレオルドを他所に……机の横へと立て掛けられた戦斧ジャックスレイをゆっくりと握り締める


重たい…決して並の男が振り回せるような得物ではない


そして触れればその年季と丁寧な手入れ、使い込まれた事がよく分かる…レオルドという男を体現するに相応しい豪快な武器である事が伝わってくる



神鉄錬成ゼノ・エクスマキナ…魂呈錬成。我が掌より、抱力の魂を注ぐ…」


「……マジか、初めて見んぞ」


「そりゃ人前では使わなかったからな。企業秘密ってやつだ。…使用者制限…腐食耐性…損壊防御…重量操作…自動帰還…勇装通信…斬撃強化…打撃強化…頑強強化…鈍化耐性…装備者活性…異常防御……我が意志を乗せて、此の鋼へと移ろい宿れ…」



その魔法は名前だけが世界に知れ渡った黒鉄の勇者が操る魔技


レオルドの戦斧、ジャックスレイに使われている希少金属…ヘキサタイトとアーガンメタルの合金は、強靭強固な頑丈さを持つアーガンメタルの特性と、魔力を受けると強度と魔法耐性が激増するヘキサタイトの特性を120%引き出している


そのヘキサタイトが誇る魔法耐性により、通常ならば魔法効果の付与は困難を極めるのだ。それでも、高練度の付与魔法が可能な魔法使いが数人もかかれば簡単な効果は付与できる…逆に言えば、そこまでしなければこの武器に魔法効果は与えられない


だが……神鉄錬成ゼノ・エクスマキナはその常識を覆す


こと金属という素材に限り……この魔法に不可能は存在しない


いかに魔法耐性を上げようとも…魔法を完全に「拒絶」されていない限りはこの魔法の優位性は金属素材に対して絶対的


いとも容易く、さも困難など無いように、世の魔法使いを嘲笑うが如く…幾つもの魔法効果がジャックスレイに刻み込まれていく


その戦斧を握るカナタの手から黒紫のスパークが走り、バチバチと電流のような音を立ててジャックスレイの柄に…斜め向きに二本の漆黒のラインが走っていく


柄の中心部分には、彼を表すその紋様が…剣と稲妻が兜の後で交差する形が小さいながらも刻まれ、彼が何者の仲間であるかを知らしめる


終わった時、ジャックスレイの柄には螺旋のように2週する漆黒のラインが2本…先程まで存在しなかったその意匠がしっかりと反映されていた



「今までの礼と謝罪も兼ねて…だな。まぁ多少は生きやすくなる。…嫌なら消すぞ?」



少し苦笑気味にボヤくカナタ…愛武器に気に入らない細工をしてしまったなら謝らなければならない。彼のような武器一本で戦う戦士ならば尚更


そんなカナタの心配を他所に、目を見開いて立て掛けてあった戦斧ジャックスレイを握り、持ち上げるレオルド…広くないカーテンで仕切られた個室の中でそれを掲げるようにすると確かめるようにじっくりと見つめ…



「うぉぁ!?危なっ!?こんな所で振りますなよ!?」



ぶぉんぶぉんと風切り音を立てる勢いで軽々と片手で振り回し始めた


慌てて頭を下げるカナタ…ちょっとだけ掠めたジャックスレイの刃が前髪をはらり、と数本宙に舞わせる…


だが、そんなカナタの苦情も気にせずレオルドは獰猛な笑みを浮かべる



「ダッハッハッハッ!馬鹿言うんじゃねェよ!気に入ったぜカナタ!あぁ!最高だ!こういうのが欲しかった!いいじゃねぇか!こりゃ墓場まで手放せねぇな!」


「…そりゃ良かった。ま、いつでも手元に返ってくる機能付いてっから無くすほうが難しいだろ」


「そう言う意味じゃねぇ!こんな大事なモンは二度と手放せねぇって言ってんだ!ンだよカナタ、もしかして色々パーティの奴らにも渡すモン渡してんのか?」


「顔が割れた奴らにはな。ザッカーのおっさんは完全に気抜いてたってのがあるけど…一番最初はあのおっさんだったよ」


「アイツぁ運持ってっからなぁ。そういや覚えてるか?お前が一番最初に暴れまわった時だ、あん時もそれを見てたのはザッカーだった。まさかお前がここまで強くなるとは思ってなかったのによ」


「そういう魔法だった、ってだけだ。俺の魔法は序盤で使うには使い勝手が悪過ぎた…。戦いには不向きな癖に、戦いに出向かないとこの魔法は強化出来ない…嫌にもなる」


「あれだけ強ぇのに戦いには不向きだぁ?」


「そ。言っておくけど、あの鎧だの魔道具が無かったら俺は自分の弟子にも勝てないんだぞ?生産用の魔法を無理矢理戦闘に転用してるだけだ…この世界に来た時は自分の不運を呪ったよ」


「確かに他の勇者は最初から強ぇ力を持ってた、なんて聞くけどよ。お前…最初は弱かったからなァ。オークに殴り飛ばされた時は目を疑ったぜ?」


「だろ?」



くつくつ、と卑屈に笑いながらジョッキの中身を呷るカナタ…その脳裏には在りし日の、魔物にボールのように転がされる自分の姿が蘇る


初心者御用達の魔物にすら、良くて互角


勇者、と言うにはあまりにも貧弱


黒鉄の勇者は眼を見張るほどに…弱かった


カナタは今にして思う…それ程までに救いようのない弱さの勇者を、彼らは決して見捨てて置いていく事はなかったのだ


戦いの最中、合理的な判断に基づいて支援を断つことはあったが完全に見限ることだけはしなかった…パーティのメンバーに恵まれたのだ


そんなパーティメンバーも、黒鉄の勇者と旅をしてそれまでとは比べるべくもない程に成長を遂げる。まさにドリームチーム…あの時組める限り最高のパーティだった


まだ顔合わせぬ2人の仲間の顔を思い起こしながら…「さて…」と切り出したカナタは少し真面目な顔に戻して…それを魔法袋から取り出した




「レオルド…渡しておきたい物がある」



「ほぉ……こいつは…」



「確かめておいてくれ。物騒な話になるが……役に立つ時が来る。近い内に、な」






ーーー





カラナック近郊第3オアシス


街の外にある中では第1、第2オアシスの次に大きなオアシスであり、第1オアシスは旅人が立ち寄る休憩所…第2オアシスが農業用の水を引く為の役割があるのに対して第3オアシスはそれ程大きな役割が無い


距離が多少離れており、街の通商路からも外れている為に第4オアシスよりも目立たない場所であり、幾つかの高木と背の低い草葉に囲まれた緑と青の美しい場所だ


のどかで天気もよく、乾燥した緩やかな風が足首までしか無い高さの草葉をサラサラと揺らす


オアシスの近くは水で冷やされた風が駆け抜けるので他の場所と比べれば格段に気温は安定しており、灼熱と呼べる温度から夏の終わり程度の温度に変化してるのだ


魔物の水飲み場にもなるので単独で近づくことはそう多くない場所…オアシスの恵みは人だけが受ける恩恵ではない


カラナックから離れたオアシスになる程、その利用者は人ではなく魔物や魔獣に偏っていく


だが…今だけは、魔物や魔獣ですらもこのオアシスには近づいて来なかった


それは何故か?









「ーーー罪禍の炎熱ディザスター・ヒートッ!!」




「ーーー射潰せ!魔弾ルベリオッ!」

 



「ーーー……ッ雷帝…!!」





近寄ったら、死ぬからである







白熱する真紅の熱線、翠緑に輝く消滅の魔弾、トラックのような大きさの瑠璃色に輝く雷球が一点に着弾し周辺の地面の空気を破砕、地鳴りのような衝撃とともに消失させた


地は雷撃を詰め込んだ破壊の雷玉により粉々に粉砕され舞い飛ぶ砂塵まで纏めて人の胴体2人分はあろう熱線がドロドロに溶解させ即座に蒸発、噴き上がる熱気や土岩砂まで根刮ぎに着弾した翠緑の魔弾が着弾と同時に爆ぜ、何もかもを虚空へと葬り去る


当たれば即死どころか死体など残らない破壊現象を巻き起こすその光景が広がっていれば魔獣どころか魔物も人も近寄らないだろう


3つの魔法は一点に撃ち込まれていた、その先を見る魔法を放った3人の少女の視線は険しい



「…遠距離ではやはり無理です。突入します、ペトラ…援護をお願いします」


「無理だシオン。マウラが居る以上はこちらの方が持久力は上、このまま遠方より削り取るぞ」


「……でも……埒が明かない……。……手応えで分かる……全然削れてない……でも多分、近接戦の方はこっちは上……」


「上を行ける近接戦に持ち込む、か…。ならば仕方あるまい…。シオン、マウラ、連撃は不要だ。一撃当てればそれで良い…足を止めずに行け」


「「了解っ」」



僅かな目配せと会話の後にシオンが地面を吹き飛ばす勢いで飛び込み、マウラは雷音だけを残して目にも止まらぬ速さで移動を開始した


身に付けるのは武争祭で身に纏っていた戦闘服…あの後カナタにより正式に「織鉄式六型戦闘機動服」と分類され、それぞれに『翠蘭』『青桜』『赤椿』と命名…それぞれの赤鉄、青鉄、緑鉄とセットで組まれ決戦装備ではなくあくまで頑丈さと汎用性に振り切った普段使いの装備として胸の刻印魔法に換装魔法として刻まれた


この装備は補助や防御系に寄せた構成の装備となり、決戦装備と違って強化やブースト系の物は殆ど搭載されていない。言わば彼女達の素の能力以上の力はそう発揮されない実力が大きく出る装備



それを身に纏い突撃したシオンは自分達の放った魔法によって砂塵と煙が舞い上がるその場所へ、赤鉄を携え突入した



「第一臨界ッ……!」



彼女の特異魔法、極限臨界エクスター・オーバーロードによる強化は普段の真紅の魔力よりもより深い色の魔力光となって肉体に纏い、超常のパワーを発揮し手にした長槍、赤鉄を両手に構えて振りかぶる


その別角度からガクガクと直角機動で猛速を維持しながら突撃する、両手に装甲を施したガントレット、青鉄を装着したマウラはガツンッ!と両拳を打ち合わせながら砂塵と煙に突入した


深い瑠璃色の魔力光と稲妻を纏って超速度を発揮するマウラの姿は肉眼で確認することすら難しい。見えるのはその軌跡となる瑠璃色の光と稲妻の線のみ


圧倒的速度とその胸に抱える強い想いは彼女の持つ特異魔法、雷焉回帰ハイエンド・ボルテージによってマウラに無尽蔵の魔力を与えていく



「……単装雷心シングル・コア…っ!……シオン、先に………いくよっ……雷撃衝サンダー・フォース…ッ!」



弾丸のようにその場所に突っ込んでいくと打ち合わせた拳を中心に半球状に広がる雷撃が、その範囲内の悉くを焼き尽くす


地面を砕き、草葉は塵と化し、半球状の範囲内は瑠璃色の稲妻に埋め尽くされてまるで瑠璃色に輝くドームにさえ見えるほどの高密度な雷撃…その威力に『加減』の2文字は存在しない


だがそれでもマウラは相手を倒せた、などと思うことは無かった



「ペトラ!行きますっ!」


「合わせる!…かの者の背を押せ、翠緑の凪風…螺旋を纏え嵐の眼…!妖精の導フェアリー・プッシュ旋嵐追スパイル・エア!」



手にした白銀の鉄棒に見える可変式長弓、緑鉄に指をなぞらせ魔法を発動させるペトラ…一息に2つの詠唱を完了させ、同時に2つの魔法を起動した


世に『二重詠唱デュアルスペル』と呼ばれる高等技術


2つの魔法術式を同時に編む事は両手で別々の動作を右半身と左半身で同時に行う事に等しい…生半可な魔法の使い手では即座に両方の魔法が解けて破綻する。世間では白金級魔法使いの中でも極一部の者しか持ち得ない妙技を一片の揺るぎもなく完了させた


突入するシオンの背を翠緑の風が押し、構えた長槍赤鉄に螺旋状の風が纏わり付く


対象の移動速度を後押しする妖精の導フェアリー・プッシュに、近接攻撃に風の鋭撃を上乗せする旋嵐追スパイル・エアはシオンの次手に繰り出す一撃の破壊力を爆発的に引き上げる


その加護を受けたシオンは真正面から戦車のごとく突撃、神がかったタイミングでマウラの範囲攻撃魔法、雷撃衝サンダー・フォースによる破壊が弾けるように消滅


道を開かれたシオンは躊躇うこと無く翠緑の螺旋を纏う赤鉄の穂先をフルスイングで相手に向けて薙ぎ払うように叩き付けた


その威力はスイングの衝撃波で正面一体の地が爆ぜ、爆発と見間違うほどの破壊力で彼女の正面に存在する形ある物の全てを粉砕するに至る


連携を抜きに力だけで考えて、冒険者換算で行けば間違いなく金剛級に続く白金級に相当する桁外れの技と魔法を遺憾なく3人は涼し気な顔で発揮した


時に都市1つを危機に壊滅の貶める程の白金級魔物ですら、その内の半分は今の一連の攻撃をまともにくらえば絶命を免れる事はないだろう


だが…



「くっ……弾かれ……ッ……!」



並の強化魔法など及ばない特異魔法による超強化を施したシオンの体が、まるでダンプカーに撥ね飛ばされたようにしてに吹き飛ばされた


ホームランボールのように錐揉しながら飛ばされるも空中で姿勢を変えて脚を地面に突き立てるように勢いを殺しながら着地するシオンは再度突撃の構えを見せず、ペトラへのアイコンタクトだけを送り…手にした赤鉄を水平に突き出し手を添える



それを確認したペトラは己の手にした緑鉄を舞踊のように振り回して静かに…王が配下に命ずるが如く口にする



「起きろ、天帝の蛇王アヴァラス・ギドラ……!」



5体の暴風で編まれた巨大蛇が、彼女の後に付き従うようにして顕現する。まるで五階建てのビルのような巨躯を誇る巨大な蛇達は己を従える王の為すことを既に理解したかのように、巨大な顎を開いて五芒星の点を作るように並び立つ



「退けマウラっ!…空虚の波動、慈悲なき裁き、忌むべきを滅ぼせ魔帝の流弾…!」


「んっ…合わせるっ…!」



鋭く飛ばされたペトラの言葉に、魔法発動後からひたすら自分を狙い飛び交うを猛速で回避し続けていたマウラがその場で遥か高くに跳び上がった


空中を踏み込むようにして、文字通り空を跳び対空鋭くマウラも、人差し指と中指の2本を左手のガントレットの甲に触れさせ魔法の発動体制に入る


無尽蔵の魔力を瑠璃色の稲妻に変換し、目の前に展開した幾重もの魔法陣の中にそれを集めて…十字架の形に大きな雷を束ねた光のクロスが出現する。その中心に凝縮する瑠璃色の魔力と稲妻が収束する姿は青く輝く星のように見え、その美しさと反対に背筋が凍りつく程の膨大な魔力をまき散らす



「…空巡る怒りの雷禍、鉄槌となり大地を穿て……!ーー」


「紅蓮、煉獄、焔の果てよ!この身の前に焦土は来たる!ーー」



シオンとマウラの詠唱が重なる


シオンの頭上に真紅の光で構築された巨大な天使の輪エンジェルハイロゥの如き円環が三重に顕現し、一番小さな輪の中心に恒星の如き紅の魔力が収束を始め、その先に第2、3の円環が連なった


集まる紅の魔力は時折劫火を噴火のように噴き出し…まるで輪を持つ惑星のようにすら見える


直上と水平方向…2箇所から漲る膨大な魔力に、相手はただ穏やかで微笑みすらも浮かべ彼女達の魔法が己に到達するのを静観する



二人の魔法は計ったように同時に放たれた



「……殲雷卿砲デラ・セルナ……ッ!!」


滅焔卿砲ヴァル・バトロスッ!!」



大型の稲妻十字架の中心より瑠璃色の雷撃を一閃に束ねた大型レーザーと、3つの円環を通り抜けるようにして真紅の爆炎と熱を押し固めた大熱線が一点に向けて直進…着弾地点は星の爆発に見える程巨大爆発によるキノコ雲が天空へと登りその威力の桁違いさを見せつけた


殲雷卿砲デラ・セルナ滅焔卿砲ヴァル・バトロス…それぞれマウラとシオンが操るオリジナルの魔力砲撃であり、武争祭で暴走したペトラが放った砲撃魔法、亡風卿砲レヴィ・オロスの姉妹魔法である


無尽蔵の魔力を出力することが出来るマウラの雷撃エネルギーを一点に収束して莫大を通り越した超大な魔力をもって放たれる殲雷卿砲デラ・セルナ…魔法自体は考えていたが彼女が特異魔法を操れるようになって初めて可能となった砲撃


同じく、シオンの滅焔卿砲ヴァル・バトロスは三重に重ねた天使の輪にも似た魔力リングを形成し、それを『魔力出力』『収束』『増強』の役割を与えて放つ。同じく己の力だけで特異魔法に手を掛けた事で可能となった破壊の一撃


それが同時に直撃したのだ


まるで宇宙戦艦の砲撃、ビーム砲にしか見えない物騒な魔法


地形が当然のように変貌し、空気は熱と電気で近寄るだけでも生存は不可能なほどの地獄へ変わる…その雷撃砲と大熱線が照射され続ける中で…ペトラの構えた5体の大蛇が顎の中に咥え込んだ魔法陣が光を放った


締めの一撃と言わんばかりに、まるで指揮棒を振るうように緑鉄をその先に向けて



「魔弾ッ……アストリウスッ!!」



放たれた


真球状の魔法弾は大きさも2抱えはある大玉、それが5体の大蛇から一発ずつ放たれ計5発…大熱線と雷撃砲が照射される場所へ向けて空間を震わせ飛翔し、着弾とともに翠緑の眩い閃光を拡散させ


ドーム状の大爆発を引き起こした


その直後




バ  ギ  ュ  ッ  ッ



怖ろしい怪音を放ちながら目の前に存在した広範囲…半径30mに及ぶ範囲の何もかもがした


ペトラの特異魔法、刻真空撃エストレア・ディバイダーによる強制消滅現象はその場にあったキノコ雲の根本から付近の地面までを球状にごっそりと削り虚空へと消し去ったのだ


大玉による消滅の魔弾…それが『魔弾アストリウス』


本来ならばペトラが己のつがえる弓から放つ魔法だが、莫大な魔力を注ぎ込めば天帝の蛇王アヴァラス・ギドラから同時発動可能


しかし…



「はぁ…っ…はぁ…っ……!…ッ……これでも無理か……っ!」



見れば、ペトラは肩で息を整えるほど呼吸を荒げ、自分の魔法が炸裂した地点を見つめながら苦々しく目を細めていた


天帝の蛇王アヴァラス・ギドラの5体同時顕現、操作は現在のペトラが行える最大級の魔法行使であり、さらに特異魔法の5発同時発射はその集中力と魔力のリソースを馬鹿食い…ただでさえ他二人の魔法と比べて怖ろしい消滅の力がある分だけに燃費が悪いのだ


それを5発動時発射…普通に考えて消費魔力も集中力も最低5倍は必要とする


だからこそ…すべてが消滅したはずの着弾地点に悠然と立つその姿を見れば、今の自分では力及ばない事に苦々しく表情を歪めてしまう


ペトラの側に上空からマウラが着地し、シオンが一跳びに駆け寄ってくるも、その顔は苦虫を噛み潰したようなのは変わらない



「想像以上です……!自惚れていた訳ではありませんが、それでも……少しくらいは力を見せれると思っていました…!なのに…」


「……全然…っ…応えてない…っ!……反撃も最低限だった…っ……まったく本気じゃない……あれ……っ」


「我も多少は刃が立つと思っておった…っ。だが、これは……完全に計算外だ…!流石に自信がへし折れそうだ…あぁぁもうっ!何故あの魔法を受けて傷一つ無いのだっ!?」


「ま、まぁまぁ落ち着いてくださいペトラ!確かに想定外でしたが……とても、とても想定外ですが……っ!!」


「ん……!?……シオンもすごい悔しそう……っ!?……く、悔しいのは分かるけど……というか……ペトラは殺意高過ぎ…っ。……普通に当たってたら即死だった……!」


「うっ……そ、それはその……そうかもだが…」


「まぁ途中からムキになってきた感じは否めませんね…。それにしても、ここまであの魔法が使用されているのを見たのは初めてです…正直、想像の遥か上でした…」


「……戦いなら……私達が上だと思ってた……でも…全然違う…っ。……戦い馴れてるよ…あれっ……」 


「……そうだな。それにしても、あれがーー」






3人の視線の先……外行きのワンピースを翻し、悠然と立ちながら破壊の嵐の中で微風にたなびく黄金の髪を揺らしながら、黒銀の錫杖を手にした彼女の姿はこの戦闘を始めた時から何も変わることはなく


熱も雷撃も消滅も…意にも返さず、一歩も避けることはない


ただ、彼女の周囲を…まるで城壁のように浮かび固める黄金の立方体がその威容をまざまざと伝えてきた


金色に透ける長方形、正方形…様々な立方体が組み合わさり彼女の周囲を大きく囲い込み、その内部へのあらゆる影響の全てを弾き返したのだ


彼女の立つ場所だけが、穏やかな草原の生える大地が残りそこだけ時が静止したかのように周囲の破壊から取り残されているのである





 




「ーーあれが………慈母抱擁アマティエルか」









3人の今だせる攻撃全てを容易く跳ね除けた大聖女、ラウラ・クリューセルは穏やかに、そして悠々と微笑んだ







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

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【後書き】



「あの………1つ良いですか?」


「うむ、我も流石に指摘せずにはおれん…」


「んっ……」


ーーどうしたんだい?


「……ラウラさん、強すぎませんか?」


「我ら、手も足も出てなくないか?」


「…手応えゼロ……驚きの硬さ……」


ーーそれはそうだよ。ラウラちゃん、この世界で「聖女」って存在が制定されて以来、最高の大聖女なんだよ?


「のぅ、そこがいまいち掴めんのだが…この世界の聖女ってなんなのだ?勇者といえば聖女…なんて考えておったが良く考えればどういう存在なのか…」


ーーそこかい?そうだね…そもそも、この世界の聖女っていうのは超特殊な才能である聖属性を持つ魔法使いの集団の中で特出した力を持つ女性の総称だよ。それを保護して取り纏め、世界の平穏のために力を使い地位を確立したのが「聖女教会」だね。聖女…聖属性魔法の遣い手を保護する為に他国が手を出せない存在になるべく組織化されたんだ


「超法規的機関…という感じでしょうか…?というか聖属性って珍しいんですよね…確かに、作中では数人しか出ていない気がします」


ーー勇者の相方みたいに考えられるけど、実は魔神侵攻の前から聖女と教会は存在してるんだ。ある時は戦争によって傷つく人を救い、ある時は災害で傷付いた人を救う…まさに聖人達の集いだね


「……めちゃすごヒーラーだね……。……で、その中でもめちゃ強なのがラウラさん……?」


ーーそ。この作品、主人公が歴代最強の勇者と言われてるけど…その勇者よりも歴史の長い聖女達の歴史の中でも最大最高の聖女がラウラ・クリューセルだ。そもそも魔法使いとしての質がその辺の金剛級最高位の戦闘者の魔法使いとは格が違うんだよ。普通に魔法使わせても別次元……はっきり言って、ラウラちゃんより魔法が使える人間は現状、登場人物の中でもただ1人だけだね


「……めちゃ強ではないか」


「めちゃ強ですね、驚くほどに…」


「んっ………おっぱいも大きいし……めちゃ強……っ」


ーー聖女って言ってるのに体付きがとっても聖職者にしては魅力的過ぎるのって興奮しない?ラウラちゃんはね…金髪、お嬢様、作中1エチボディ、激強、聖女とかいう人によっては性癖バーゲンセールのドリームヒロインなのさ!


「うわぁ……確かに刺さる人には深々と刺さりそうだ…」


ーーちなみに君達もそれはもう性癖詰め放題のお祭り状態みたいな娘って自覚はあるかな?くくっ…私は様々な性癖を満たせる創造主なのさ。君達も色んな人の中でどんな感じになっているか…


「んっ…!…創造主っ……私のノクターンまだ……っ!?」


ーーぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!??????


「あ、死んだ」


「死因は遅筆ですか…救えませんね…」


「…あとっ……何話か前の後書きで書いてたシオンの触手えっち回も……早く書いて……っ!!」


「何故それを覚えて……!?」


「お待ちなさい。マウラさん回の次はわたくしの回が控えていましてよ?」


ーーぎぇあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!!!!?????


「忙しい奴よのぅ……」

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