第104話 深愛の夜明け


「はい、あーん…」


「あー…んっ。んーっ……いいですわねっ、これっ!わたくし、ちょっと憧れていましたのっ」


「お気に召したなら良かった。いやぁ……頑張ったなぁ」


「頑張りましたわねぇ。お陰様ですっかり……立つのも難しいですわ。腰がじんじん痺れて、脚が震えて、心臓が踊って…心地良い疲労感ですわね」


「ちょっと頑張りすぎた気はするけどな。まぁ…俺も止まれなかったし、申し訳ないけど思いっきりいかせてもらったけど…大丈夫?」


「ふふっ。止まれなかったのは私もですわ。カナタさんは随分と色々なテクニックや素敵なモノや体質をお持ちのようでしたから、確かにこれは一人二人の女性では大変と感じましたわ」


「……モノ?た、体質?なんか変だったか?い、いやっ、人と比べたこと無いと言うか…そんなに変…?」


「それはもう、常人とは遙かに…と言って差し支えありませんわ。あっ、私だってカナタさん以外の殿方のモノなど知りませんわよ?ただ、知識として、ですわね」



ベッドの上、カートに乗せられた大皿から取り分けた料理をフォークに刺してはベッドで背中を預けるようにもたれて横たわるラウラの口元にそっと運び込んでいく


ちなみに、並ぶ料理は「一ツ目鰻のバーベキュー焼き」「マインスッポンの剛ニラ炒め」「マーブルオイスターの酒蒸し」「コカトリス卵のモラ牛チーズ入りスクランブルエッグ」…あからさまな精力増強、回復料理がもりもりに盛られてカートごと部屋に持ち込まれているのを見るに、ラウラとカナタが精力を使いまくっていたのはバレバレのようだ


カナタがラウラに指輪を贈り、火が着いた2人がまたも互いを求め合ってから2日


部屋に籠もり、相手を貪るように体を重ね…ようやくラウラが「もうっ、ダメですわ…っ…あっ、カナタさんっ…!流石にもうっ…!」と敗北を喫して最後の1日はカナタの思うままに愛された


今は体の力も抜け、脚も震えて歩くのは面倒なくらいに体力を消耗し、カナタの介護を受けて幸せ満点な朝…というかお昼ご飯を迎えていた



「まぁ確かに変だとは思ってたけど…じ、実はこういうのがアルスガルドでは当たり前だったりするのかなぁ、とか思ったりしたことも…」


「ありえませんわね。通常なら…というか、長く出来る殿方でも丸2日とかですわよ?多分、オークやゴブリンでもここまでは出来ないのではなくて?」


「うっ……というか、丸2日出来る人も居るのか…。ちょっと安心した…」


「まぁ、そちらの強さも才能と言いますしね。こう言うのは人による物ですけれどカナタさんは特別中の特別ですわ。まぁ…私にとっては喜ぶべき事でしたけれど」


「えっと……喜ぶべきなの、これ?いや自分でもかなり人外っぽいなぁって思ってて…キツくなかった?」


「ならお聞きしますけれど……シオンさんやマウラさん、ペトラさん達から「もう嫌」と言われたことはおありですの?」


「………あー…………」


「でしょう?女性であれば、愛した殿方に強く求められるのは幸せな事でしてよ?それに……こう言うと私が淫らに聞こえてしまいますけれど、私は好きですわよ?カナタさんとこうして激しく愛し合えるのは」



くすり、と微笑みながらそう言ってくるラウラに照れくさそうに視線を逸らすカナタの心境は簡単に察せれる


嬉しいやら気恥ずかしいやら…


ちなみに、朝から何度かシオン、マウラ、ペトラもこの部屋に訪れて来ては楽しく談笑にふけっていたりする


同じ男の輪に入れたことや、元よりラウラを好いていたこと、互いに知らないカナタの昔の姿を知っていることも加えてその意気投合具合はかなりのもの


むしろ、互いの出会った頃のエピソードやら、普段の姿、勇者時代の姿を眼の前で話し合われてカナタが顔を覆う姿が見られたくらいである


彼女達が昼食へと行ったのが、先刻のことであった



「お?…なんだこれ、果物…じゃなくてケーキ?」



そんな中、カナタが運ばれてきたカートに乗せられた1つの皿を取り上げる


見た目はどこか大きめの果物だ。リンゴのようにも洋梨のようにも見える変わった形であり、ヘタの部分は飴細工で出来ているのかガラスのように透明感のある質感でツタのようにしなった形を描いている


ただのケーキではない、かなり凝った形を造り込まれており、一見してカナタが果実と見間違えたくらいのレベルだ


鮮やかな黄色に金箔のような線が入って、光を反射してそれ自体が光っているようにも見える


思わず切ってしまうのを躊躇う気持ちが湧いてくるくらいだ



「あら……これを私が食べる事になるなんて…思いませんでしたわね」



それを見たラウラが少し感慨深そうに呟きながら、カナタの持つ皿の上からそれをヘタの部分を摘んで持ち上げると…切り分けること無く果実の形をした部分を「はむっ」と頬張るように齧り付いた


貴族の筆頭、クリューセルのお嬢様が切り分けずに直接かぶりつくような姿は少し以外で珍しい姿


ケーキはどうやらグミのような柔らかな外生地の中に生クリームやカスタードが詰まっており、シュークリームにも似た構造になっているが…内部には真っ赤な飴玉が種のように二粒入っているのが断面から見えてくる


それを…少し艶かしく、舌で絡め取ると美味しそうにころころと口の中で転がして



「ん…む……美味しい…。さぁ、カナタさん…残りを食べてくださいな」


「おぉ……じゃ、いただきます…と。あむ……あ、旨い。甘いなぁ……こういうの好きなんだよなぁ俺」



半分残ったものを差し出されたカナタは同じようにかぷり、と頬張る。見た目通り、甘い…皮の部分はグミとも餅とも感じれる不思議な食感で中身の生クリームとカスタードは見た目通り甘くて濃厚…しかし、最後に口の中に入れた真っ赤な飴玉は酸っぱくてここまで甘い部分を食べ勧めたことでより酸っぱさを感じる


先程まで食べていた料理がとにかく大盛りで精力増強と回復に重点を置きまくった一品ばかりだっただけに、一つの皿にぽつん、と乗せられたこのスイーツは少し変わって見えてしまう



「ふふっ、良かったですわ。これは『クリューセルの結実むすびみ』という菓子ですの。我が家、クリューセル家で代々食べられてきた伝統菓子…食べるのは人生で一度きり、とされていますの」


「一度きり、って……何かの節目とか?」


「えぇ。これはクリューセル家の者が『生涯を共にする伴侶と結ばれた時に食べる伝統菓子』…。その昔、クリューセルの祖先が結ばれた時に庭で実っていたロヴェの実を分け合って食べた、という話を代々この形でなぞり祝ってますのよ。ふふっ、何日か遅れてしまいましたけれどね?タイミングを見てくれていたのでしょう…」


「う……お、遅れてすみません…。ってことは、それって…俺とラウラが、だよな…。あれか、ウエディングケーキ的な」


「ウエディングケーキ…言葉的にはその様な物ですわね。中の種を模した飴まで食べ進めてお互いに1粒ずつ口に含む…結ばれた証として食べる事、で同じ果実の種を身に宿す、という意味ですの。ふふっ、これで名実ともにダーリンですわね、カナタさん?」


「は、はいっ…よ、よろしくハニー?」


「よろしいですわっ」



恥ずかしそうなカナタに嬉しそうなラウラはとても満足そうに笑うと、カナタの口の端に少し着いた生クリームを自然な動きで顔を寄せてぺろり、と舐め取ってしまいながら「さて、と」と呟く



「そろそろ部屋から出ないと、流石に心配されますわね…着替えましょうか、カナタさん」


「それはそうなんだけど…でも立てないだろ?取り敢えず暫くの間は言っておくからゆっくり…」


「心配ありませんわよ?こういう時と私は…結構便利ですから」


「……便利?」



ラウラは現在、まる一週間という意味の分からない期間をぶっ通しでこの部屋に籠もってそれはもう激しく原始的な男女の営みに励んでいたせいですっかり脚腰にキていた…ベッドから降りようとして崩れそうになり、カナタに横抱きされてベッドに送り返されるくらいに


今着ている簡単な寝巻き用のローブで館を歩き回る訳にもいかない


だが、ラウラはどこか自信ありげにそう言うと…




ーーよいしょっ



と一声で普通に体を起こしてベッドからひょいっ、と降り立ったのだ


カナタの「あれっ?」という疑問の声をよそに、腕を天に伸ばして「ん〜っ」と伸びをするラウラは呆けるカナタにどこか自慢気な笑みを浮かべた



「そう、便利ですの。私の聖属性魔法…こんな事を出来ますのよ?この通り…失った体力やくたびれた肉体に力を戻す事なんて訳ありませんわ!…まぁ、自分限定ではありますけれど。カナタさんには必要無さそうですし」


「そんな事できるの!?いや確かに聖属性なら回復とか出来るけど…とかもありなのか…?聞いたことないんだけど…」


「それはそうですわ。だって、私が倒れてる間に考えた魔法ですし」


「えっ、この数日間で作ったの!?」


「えぇ。とは言え、こんな魔法を作ったと聖女教会に知られたらなんと言われるか分かりませんけれど…。別に姦淫が罪という教えはありませんが、聖属性魔法をこんな使い方した聖女は居ませんし」


「いやまぁ居る訳無いよなぁ…しかもなんか難易度高そうだし。考えた奴絶対居ないだろ」


「これ、結構難しいですのよ?普通に使う聖属性の魔力で生み出す『肉体を回復させるエネルギー』とは少し系統が違うエネルギーですから、イメージを掴むのに苦労しましたわねぇ」



そう、ラウラ・クリューセルは天才であった


新たなる魔法の創造…それは類稀なる現象への想像力と、それを実現させられる魔法のセンスが試される


魔法は常に記録される『魔法奥義大全』には世に出て登録を申請され、受理された魔法が事細かに追加されていき、誰が開発したどの様な魔法なのかを詳細に記載されていく


そこに魔法の開発者として名前を残せるのは魔法使いとしては名誉であり、価値ある魔法にその名を連ねればそれだけ名と箔は上等なものへと成り上がる


…それだけの行為が簡単なはずも無い


魔法を作り出す事は現象を生み出す事に等しい


自分の知らない、見たことのない現象を想像力だけで補完し、それだけを元手に魔法の術式を編む…自分のイメージを現実に顕現させるが如き大技である


折角創り出した魔法が、既存の魔法の下位互換や劣化であった事などザラであり、未知でかつ高性能な魔法を生み出すのは至難の業だ



…用途はともかく、それだけの高密度な技術を必要とする魔法の創造を…ラウラ・クリューセルはこの1週間の間に、カナタとセッ……体を重ね合わせながら作り出したと言うのだから、聞く者が聞けば卒倒するだろう



「…あれ?って事はラウラ…やろうと思えばまだまだ…」


「ふふっ、もうっカナタさんってばっ!その通り、私の魔力ある限り、まだまだいけますわよっ」


「すっげぇっ」



ラウラさん、ベッドの上ではあの3人とは比較にならないほど強かった!


驚きのあまり押し倒しそうになったカナタは流石に自重した…!


このままでは本当に終わらなくなってしまうからだ!


ラウラもそこは分別を付けて考えていたのだろう。恐らく、カナタとの行為でこの魔法を使うことは無く、使うのは終わってから力を入れ直す為のようだ


後に語るラウラ曰く…「こういう営みに余計な魔法は必要ありませんわ。私自身の体一つで挑むものでしてよっ」との事らしい


疲れを感じさせない動きでしっかりとラフながら外歩き用のノースリーブワンピースに袖を通したラウラと共に、扉を開いて外に出る


夜中に浴室へ向かう時以外は一切出なかっただけに、どこか新鮮に感じる…そこでカナタは思った…「あ、俺達が爛れた生活してただけか」…と


部屋に籠もりきりでお風呂以外で外に出ず、食事も部屋で取りながらひたすら寝て、食べて、交…夜の営みを繰り返す3大欲求のみを満たし合う1週間


何と言う…何と言う爛れた生活か


しかもまだまだ続けられそうなのが怖い所だ


なのでこうして日が昇ってる時間に部屋の外を出歩くのはまさに1週間ぶりのこと…





「おめでとうございます、お嬢様」



「うぉっ…び、ビックリした…」



部屋を出た扉の真横に、中年メイド長のミトレスがまるで今出てくるのを知っていたかのように恭しく頭を下げた


一体いつからそこに居たのか…そんな彼女に、ラウラは毅然と微笑んだ



「ふふっ、ありがとうミトレス。少し、はしゃぎ過ぎてしまいましたわね…今後はもう少し、加減をしないと」


「ちなみにお嬢様…クリューセル家始まって以来の最長記録でございます。私も流石に驚きました…ですが、あのローティ様の娘です。おかしくはありません」


「あら、お母様ったら…っ」


「ちなみに、お嬢様の前に歴代最長を塗り替えたのはローティ様でございます」


「もうっ!お母様ったら!」



ぽっ、と頬を染めるラウラに一族最長レコードを更新したらしい事を告げるメイド長ミトレス


ラウラの母、ローティ・クリューセル……実はクリューセル家は女系が強い家柄であり、父リュードルは入り婿…もっと言うならばローティの幼馴染であった


それはもう熾烈なリュードルを狙う貴族令嬢達をちぎっては投げ、ちぎっては投げ…片っ端から邪な気持ちで近寄るライバル達を蹴散らしてリュードルと結ばれたローティはクリューセルの名を関するだけに中々の手腕であった


時に裏から、時に影より、時には正面から……悪戯では済まない犯罪紛いの工作を仕掛ける令嬢達を撃退し続けた策謀は、後に結ばれてからそれらを知らされたリュードルが思わず冷や汗を流した程だ


だが……女系家系、クリューセル一族には昔からそれを上回る特徴があった



そう……



は猛烈に強いのである



これはただ、色狂いという話ではない


クリューセル家は相手の家柄問わず、心を通わせた相手との婚姻をする事で有名な変わり者貴族である。そんなクリューセル家だが…外向けに曰く『愛が強い一族』というのは有名な話なのだ


惚れ込んだ相手には兎に角、まっすぐで一途に、全力で向かう気質が強いのだ


そして、遺伝かはたまた一族の特徴なのか…夜に関してはほぼ無敵と言える強さを誇る事は、一族に入った者しか知らない秘密


それはもう、歴代のをしっかり記録しておくくらいには、クリューセル家の中で当たり前の事となっていた


ちなみに何故か、クリューセル家の男子にはこの特徴が出てこない…完全な女系の特徴らしく、クリューセルの一族は自分の娘が産まれた時はどれほどの『武勇伝』を残すのかを密かに楽しみにしていたりする


そんな今では歴代2位の記録保持者であるローティ・クリューセルの数字は「4日と17時間」であった…リュードルはそれはもう料理やら魔法薬やらで頑張りに頑張っていたのだとか…


そして…恐らくはクリューセル家でありながら、歴代唯一の「敗者」となったのもラウラ・クリューセルが初めてである


考えて欲しい


それまで一番の強さを誇ったローティ・クリューセルよりも2日間も追加で連続でやれちゃう娘のラウラ・クリューセル…


を、さらに1日追加で追い詰めて倒してしまう男が相手だったのだ


もはや次元が違いすぎて訳が分からない


…ちなみに、ラウラの部屋の前には夜な夜な寝巻きのメイド達が列を作って中の様子を盗み聞きしようとしていたりする


何も聞こえなくて悔しそうにしていたのだが…



「何はともあれ、おめでたい事ですお嬢様。それで、どうでしょうか?御子みこの方は…?」


「ふふっ、気が早くてよミトレス。それは色々な予定を消化した後の事になりますわね」


「おや、それはなんとも…旦那様や奥様が焦れそうですね。当然、私もですが…」


「安心なさい、ミトレス。予定が消化した後にはなりますが……その時はカナタさんにこれでもかと、しっかりこの腹にいただきますわ」


「それは頼もしい…流石はお嬢様が根を上げるまでされた男性です。是非とも、しっかりと、3人くらいはいただかなくては…。私はお嬢様の御子を抱き上げるのが夢でございますから」


「らしいですわ、カナタさん?」


「う、うっす!頑張ります!」



にっこりラウラとメイド長にびくんっ、と体を跳ねさせるカナタ…2人からどこか期待と圧を感じ取る!


ちなみに……ラウラはクリューセル家きっての大魔法使いであり本来ならば女系のクリューセル家では当主筆頭…むしろ、彼女以上の者は歴史を遡っても現れない程の傑物


強力な特異魔法を持ちながら最高位の聖属性魔法を操り最年少で大聖女となり、長きに渡る聖女教会の中でも歴代最高と謳われ、何百年もの滅亡の危機に立ち向かう勇者の旅路に同行してなんと世界を救い生還…偉業を書き連ねるだけでも時代に生きる何人分の英傑を集めれば成し遂げられるのか分からない程の伝説を成し遂げた


類まれなる力と絶世と呼べる美しい容姿を持ち、間違いなく後の世に伝説として語り継がれる程の女性…そんなラウラが身籠る子となれば、話が貴族社会に出た瞬間に世間どころか世界騒然の話に発展するのは目に見えている





…と、言うのは特に関係なく





ただ、産まれた日から見守っていた可愛いお嬢様であるラウラの子供を抱き締めたいだけであった


メイド長ミトレスにとって、ラウラは娘にも等しいのだ。是非とも、彼女の子どもの顔を見たいのだ


そんな積年の夢から来る中年メイド長のプレッシャーに、カナタは圧されていた…!


目が…!笑っているのに目だけが濃密なプレッシャーを帯びてこちらに向けられている!


彼女からの言外に発せられる「わかっていますね、カナタ様?」という言葉が、まるで言霊のようにカナタの脳裏へ届いてくる!


逆のパターン…つまり「お前程度にラウラ様を…」と言われる覚悟はしてたけど、このパターンは予想外なのであった



ーーそう言えば…シオンとペトラにも同じ様な事を言われてたなぁ…



この世界だからなのか、まだ若く年下の彼女達も含めて…愛する人の子を授かりたい気持ちがどうにも強く見えるのは、きっと気の所為ではないのだった






ーーー






「しかしまぁ、やっと終わったのか…。まったく、羨ましいくらい燃え上がっておったな、カナタよ」


「ですね。中の様子を聞いただけでも凄い事になっていたのは分かります。ラウラさんにだいぶ無理をさせたのではありませんか?」


「んっ……あの様子だと……私達でも一度か二度しかされたこと無いくらい凄かったっ……」


「うむ……あれは相当であったな…。いや、こればかりはラウラさんも特別と言うべきか。あれは我らでは真似できん」


「あそこまで激しくされては流石に一瞬でふにゃふにゃにされてしまいますからね。ですが、意外でした…まさかラウラさんがあそこまでいける人とは…」


「あの……なんでナチュラルに人の行為を盗み聞きして堂々と感想とか言ってるの?お兄さん、ちょっとどう反応したら良いか分からないよ?」



ひとまず、用事を済ませると言ったラウラと別れたカナタはシオン達と合流をして街中をふらふらと歩き回っていた


…のだが、適当に店での買い食いをしながら聞いてる話は隠すこと無くカナタとラウラの情事を聞いた感想が出てくるのは何故なのか


いや、簡単である


この7日間で3人は毎日のように二人の様子を盗み聞きしていたのであった


常習どころか毎日、朝昼夜の3回に深夜に2回はラウラの部屋まで来てはカナタの張った防音装置セイレーンに穴を開けて様子聞きをしていたのである


これにはカナタも恥ずかしいやらなにやらで少し気不味い


それくらいなら混ざって来て欲しかった…



「それで、ラウラさんはどうした?屋敷で別れてきたらしいが…」


「あー、なんかやることあるって言ってた。ほら、1週間も留守にしてたから…いや、留守って言うのは変か。ずっと家に居たし」


「ん……どちらかと言うと…閉じ籠もってた……巣篭もり交尾……」


「こ、交尾って言うのやめよっか?なんかすっごい恥ずかしいから…!」


「いや、聞いてた限りそんな感じであったぞ?あのラウラさんの声を覚えておらんのか?どう考えても…」


「それ以上言わないでっ!自分が一番分かってるからっ!」



カナタが頭を抱えてブンブンと頭を振り回す……羞恥故に


なんでそんなに細かく聴きに来てるのか…ノリは完全に思春期の同級生が致してるところを修学旅行中に覗きに来た学生のようである


さて、そんな彼らは街を歩きながらどこを目指しているのか、と言えば…





「見てください、カナタ。これで私達も水晶級です。思ったよりも簡単でしたが…」


「確かに…金級から上は高い壁だと噂に聞いておったから、ちと身構えていたのだが…存外大したことは無かったのぅ」


「……ちょっと消化不良…この辺は強い魔物もいない……」


「…それ、ギルドの中では言うなよ?」



そう、カラナック冒険者ギルドである


実はカナタとラウラが励んでいる間に色々と冒険者ギルドに出入りしては依頼を受けてみたりしていた3人はたかだか数日の間ではあったが…取り敢えず受けてみた魔物討伐の依頼で無双ばりの活躍を見せていた


試験の時に見せた腕前から、銀級からの飛び級でスタートをした3人はただでさえ注目の的だったのだ。元より冒険者ギルドは飛び級をあまりさせていない


ある程度の腕があっても下から積み上げさせるのを重要視しているのだが、それでもなお飛び級を判断したという事はつまり…それすらも余計で得るものが無いと言われたも同義


破格の銀級スタートを切った3人ではあったが…それどころでは止まらなかった



と、言うのも




最初の依頼で「じゃあ手始めに…」と受けた依頼が『ガイアスネークの巣の掃討』という物である


ガイアスネークは体長15m程で丸太よりも太い体を持つ大蛇であり、鱗はまるで岩のようで砂を操る魔法で視界を奪い、巨体と強靭な筋力で餌を襲う…カラナック近郊の乾燥地帯の地面に穴を開けて潜んでいる最低アベレージで金級の魔物だ。個体によっては水晶級すら出現する。旅人や商人が縄張りに踏み込んで襲われるのは良くあるような悲劇で、時には商隊が根刮ぎ全滅する事もある


依頼にあったのは、このガイアスネークがある場所に何体も集まって巨大な巣を作ってしまったので退治して欲しい、という事だったのだ


一体で金級の魔物が複数体集結している…それは金級冒険者でも容易に単独では挑めない依頼。間違いなく単独ならば水晶級以上が受ける依頼だが、それを「取り敢えずこれで」と言って受けた3人…


ざわつく冒険者ギルド、色めき立つ冒険者、青ざめる受付嬢…


静止もなんのそので出発した3人を追いかける他の冒険者だが、なぜかギルドから出たばかりの彼女たちの姿が見当たらない。このままでは登録したばかりの新人冒険者(是非恩を売って仲間にしたい美少女3人)が最悪な終わり方を迎えてしまう…


依頼先の地点に急ぐ冒険者達


彼らは目撃する




山積みにされたガイアスネーク物の姿を




合計13体の大蛇


ぶつ切りにされ、焼け焦げ、ミンチになるように叩き潰され…飄々とその場に佇む3人の少女が、まるで路端の石でも見るように積み上げられたガイアスネークの死体を見ている光景


人間程度は3人纏めて丸呑みに出来るであろうガイアスネークの頭部を片手で鷲掴みにしたまま興味もなさそうにそれを見るエルフの少女


バラバラに解体されたガイアスネーク5体分の死体に背を向けて怜悧な眼で依頼書を眺める魔族の少女


まるで巨大なダンプカーにでも轢かれたように引き千切られ、バーベキューでもしたように焦げたガイアスネークの死体の上で「……微妙…弱い…」としょんぼりしている獣人の少女


巣となっていたであろう大地に深く伸びていた大穴は、まるで空から巨大な爆弾でも降り注いだかのように、もはや巣であった穴は存在しない



そんな中、ひっくり返された地面の中から土と岩を巻き上げて長大な何かが飛び出してきた


大地と同化する茶褐色の巨体…その全長は優に30mに到達し、胴回りの太さは何本の木々を纏めれば同じサイズになろうか、というサイズ。二対の縦に割れた瞳孔を持つ眼に、王冠のように反り返る形で変形した鱗。顎の大きさは馬車を丸呑みできるだろう…大蛇


明らかにそこらに死骸と化して転がるガイアスネークの物とはサイズが違いすぎるモンスター



「巣の主だ……!おいまずいだろあれ!誰だよ金級で依頼出してきた奴!?」


「あいつがハーレムの主って事かよ!?俺達でやれるかあいつ!?」


「無理に決まってんだろ!見たことねぇデカさだ、金級で収まんねぇだろあんなの!」


「じゃあどうすんだよ!?あの子達置いて逃げるのか!?」


「なら勝てんのかよ!?」



ガイアスネーク、その雄の強さと大きさは強さの証。そして強く大きい程に雌を抱え込んで巨大なハーレムを形成する


間違いなく…眼の前のガイアスネークは金級の枠に収まる相手では無い


普通は数mだけサイズが違う程度だ。それなのにこの個体は雌の倍以上の巨体を誇る…カラナック側でも何十年の確認出来ないような成長個体


その目は、己に侍る雌蛇を殺戮された事に怒り狂い鼻腔からは怒りのあまり砂煙のような息を吐き、舌を見せながらシュルシュルと耳障りな音を立て…明らかに戦闘態勢で少女達を睨みつけていた


彼女達を追い掛けてきた冒険者達も、パーティで銀級や個人で銀級程度が関の山であり間違ってもあんな怪物と正面からやりあえるメンバーではない



ガイアスネークの目が怪しく輝けば、不自然に周囲の砂が動き出し…砂塵の竜巻を何本も作り出す。得意の魔法だが、通常の個体は目眩ましで砂嵐を吹き掛けるのが関の山なのに対して…それはまるで砂で作り出したジューサーのようだ


高速で竜巻状に回転する砂の竜巻が地面を擦り削りながら壁のように何本も出現し…それを目の前へと進ませ始める


どうみても、まともに喰らえば高速乱回転する砂塵が肉体を引き裂き原型すら保てないであろうことは目に見える


それに対し、眼の前の少女達は…不動


魔族の少女が動いた


流れる星の河のような美しい銀髪を指でかきあげながらゆっくりと、手のひらを上に向けて口の前に持ってくると…まるでたんぽぽの綿毛を、そっ、と吹いて飛ばすように…「ふぅー…」と艶かしさすら感じる柔らかな仕草で吐息を吹きかけた


たったそれだけ



直後、進んできた砂塵の竜巻達は全て…巨大な風の壁に殴りつけられたかのように跡形もなく消し飛んだ


砂粒1つとして、それ以上は少女達の方向へ翔ぶことは無く…完全に巨大な風の領域に弾き返されたようにある一線でガイアスネークの操る砂の竜巻は、蝋燭の火を吹いて消すように掻き消されたのだ


激昂するガイアスネークは目の前の不明存在である3人に向けて顎をがぱり、と開けて突進を開始する。その巨体と見合うだけのパワーをもって全体重を乗せた突撃は巨躯に見合わない猛烈な速度


それに対し、まるで恐怖を感じない動きで数歩だけ前に出た…エルフの少女


掛けた眼鏡の奥から差す眼差しに、恐怖どころか緊張感の欠片すらも感じさせない


彼女の手が、蝶でも手に止めようとするかのように前に差し出されると人差し指の先を親指で抑えただけの形で目の前から迫る大蛇に向けられた


その距離、僅かに数cm…


ぴんっ、という気の抜ける音とともに…少女がデコピンでもするように人差し指を弾いたその瞬間



ソニックブームでも起きたかのような異常な衝撃波が地面の岩と砂ごとガイアスネークの巨躯を跳ね返すように弾き飛ばしてしまった


ただ、指を弾いただけ…しかも当てたわけですら無い。ただ、デコピンの要領で指を弾いた瞬間の衝撃波で体長30mの大蛇をピンボールのように弾き飛ばしたのである


その図体だけでも何tの重量があるのか、という巨躯を…だ


きりもみしながら吹き飛んだガイアスネークが怒りのままに長大な体を動かして姿勢を直そうとする…その視界いっぱいに、無防備な姿で膝に手をついて至近距離から覗き込む…瑠璃色の髪をした猫耳をぴこり、と動かす少女の顔


敵を見る目ではない、まるで路端の石を見るような興味の無さそうな力の抜けた目…



「マウラ、焼きすぎるなよ?…ギルドに持ち帰らなければ、信じてもらえんからのぅ」


「あまり素材としては…イマイチでしょうか。お小遣いくらいにはなるかもしれませんね。なるべく鱗と骨は無傷で残しましょう」


「ん……そんなに強くない……適当にビリってして終わ…ーー」


「む?……しかし、見てみろ。この蛇…雄の肉には滋養強壮と精力強化の効果があるらしいぞ?それもかなり強いらしい、随分と肉は高級品だのぅ、こやつ」


「マウラ、無傷で殺しましょう。肉を焦がしてはダメですよ全て剥ぎ取って回収します、1グラムも売りません」


「ーー…………」



マウラの体が瞬時にブレた


ブレたようにしか見えなかった


次の瞬間…ガイアスネークの頭部がグチャッ、と轟音を立てて


地面に頭がめり込んだどころではなく、脳天の部分は完全に皮一枚になるまで叩き潰されており、恐らく死んだことにすらガイアスネークは気付いていないのだろう…残された無傷の体はうねうねと動き回り、何秒もの間まるで生きているかのように動き回った結果…ぱたり、とあっさり地面に伸び…二度と動き出す事はなかった


冒険者全員、もはや何も言うことは無かった…


助けに来たつもりだったのになんなら、この空間で一番貧弱だったのは自分達だったのである


彼らはそ〜っ、と何事もなかったかのようにカラナックへと帰還したのであった


この件を皮切りに、彼女達の冒険者としての活躍は日に一件ずつの依頼ではあったが明らかに金級を逸脱した力を数多くの目撃証言したことと、依頼達成の実績を考慮され…異例の速度で水晶級へと引き上げられたのであるーー





「ーーという感じでな?金級とは実に微妙な相手というか…力を試すどころでは無いのだ。慢心はいかんが、今の我らでは正直話にならん相手のような気がして…」


「すんげぇ…ここまでテンプレで綺麗な冒険者成り上がりRTA聞いたことねぇや…。うん、まぁ金級程度は群れできても今のペトラ達なら一蹴だろうなぁ。ほら、3人とも今なら鎧着てない俺のこと倒せるだろ?その俺が鎧着てなくても水晶級程度の魔物は軽く殴り倒せるから」


「まだカナタの家に居た時に相手をしていた魔物の方が強かった気がしますね。個人的には水晶級でもそれほど脅威には感じませんし…結構私達も強くなれている、ということでいいんでしょうか…?」


「んー……動きも遅いし……魔法も微妙なの多い……。……金剛級は…まだだめかな…?」


「…金剛級はまだ早いかもな。あぁ、渡してある装備を使えば戦えると思うぞ?けど、あくまで自分の力だけ、って意味なら…多分、白金級の中位魔物あたりで苦戦するかな」



冒険者ギルドの中は相変わらずの活気と多くの冒険者達で賑わっていた


冒険者ギルドに休日はない。日々、誰かが依頼を出しに来ては様々な依頼を解決する冒険者達が集い、ミズカラの生活を賭けてそれをこなしていく


このギルドが機能停止すれば、それらの莫大な依頼が行政にのしかかり下手をすれば政府組織が破綻する可能性すらあるという事態になりかねない


元々は行政が相手をしきれないような個人の依頼や手が回らない魔物の討伐を請け負っていたのも前身の組織であり、そこに未知の場所への探索や解明が付け加わった形の組織である。もはや行政の一部を請け負う形となっているのは遙かに昔からの事であった



「あ、シオンさんっ、マウラさんっ、ペトラさんっ!」



ギルドに入った瞬間に、3人を呼ぶ声が受付カウンターから飛んでくる


見れば、彼女達の登録試験も請け負っていた受付嬢が嬉しそうにこちらに向けて手を降っているのが見えており、3人も慣れたものなのか手を振り返してカウンターへと立ち寄る事に


どうやら彼女がほぼ担当のように3人の窓口をしてくれているようだ



「お疲れ様です!今日も依頼を受けられますか?実は3人への指名依頼をしたい方が殺到してまして…」


「またか……我らはその手の物は受けん、と言ったろうに。どうせあれだろう?『商隊の護衛』とかであろうに…」


「えぇ。下心が透けて見えますからね。全てお断りしておいてください、私達は自分で受けるものだけ受けますので」


「そう言われるとなんとも…い、一応評価に関わったり指名依頼を断り続けると昇格に支障が出る場合も…」


「……どうでもいいよ…?……それなら……冒険者辞めるだけ……私達は困らない…」


「で、ですよねー…あ、はは…。ま、まぁ私から一応言っておきますのでご安心を!でも、念の為私が選んだ指名依頼だけは目を通して欲しいです。その手の下心がありそうな依頼は弾いておきましたので」


「うむ……まぁ見るだけだぞ?我らは予定が色々詰まっておるのだ。遠出は出来んのでな」



ーー……めちゃくちゃ大人気冒険者になってるじゃん、君達



カナタは後ろからその姿を見て「こんな綺麗な冒険者デビュー決める奴初めて見た…漫画でしか見たこと無いのに…」と思ってしまう


指名依頼とはその名の通り、依頼を出した側がその依頼を受ける冒険者を名指しで指名する事だ。普通に依頼を出すよりも依頼料金がかなり高くなるが、希望の冒険者…この場合、評価が良かったり実力がしれている相手に受けてもらえる可能性が高い


…ここでの、可能性が高い、というのは冒険者側が受けるかどうか分からないから、という意味である。指名された冒険者は通常よりも高い報酬が得られるので基本的にはお得で断る理由がないのだが、これは悪用される場合がある


今回の場合、受付嬢が弾いた指名依頼というのも…彼女達の実力を頼っての事ではなく、その端麗な容姿を目当てとした物。ペトラが言う「商隊の護衛」というのも、3人と何泊も寝食を共にできワンチャン彼女達のことを…そんな不届きな考えが透けて見える依頼のことであった


しかし、カラナックで新星の如く活躍を見せた彼女達に普通に依頼をしたい者も多く居るのだから邪険には出来ない。目を通す、というのはその義理を通すという意味であった


その成長や活躍は、カナタとしては見ていてとても嬉しい物がある。自分に依存せずに生活する手段を渡したかった…冒険者ならば例え何があろうとも食いっぱぐれる事はない



「えっと……もしかして、カナタ・アースさんですか?」


「……あ、えっと俺?そうだけど…」



そんな感慨に耽っていたカナタに、受付嬢が「あっ」と気付いたようにその名を言ってくる。まさか自分が呼ばれるとは思わないカナタだが…



「あぁ!良かった!実はカナタ・アースさんへの指名依頼も入っていたんです。最後の依頼を受けたのが5年近く前だったからもう冒険者を辞めてると思ってたんですが、まさか本当に来るなんて…」


「俺に指名……こっちの三人じゃなくて?俺、冒険者としては何もしてないと思うんだけど…違いじゃなくて?」


「はい!私としては是非とも受けていただきたい指名依頼なので、早く会えて嬉しいです!ご指名はカナタ・アース1人…との事ですので。こちらが依頼書です」



そう、カナタが冒険者登録をしたのは5年前。そして冒険者としての活動はほぼしておらず冒険者ランクも礫級という概ね初心者にしか見えないものだ


当然だが依頼どころか名前なんて知ってる奴は居るはずもないのだが…



「なになに?…なんじゃこりゃ。会って飯食うだけ?…え、ナンパされてる?」


「む、カナタよ…どこで女を引っ掛けてきたのだ?デートのお誘いという感じに見えるが…」


「分からない…てか、そもそも武争祭以外ではほぼ外出してないぞ俺…?どこのどいつだ、こんな良くわからない依頼出してきたの…」


「確かに、カナタはここ数日は一歩も外に出ていませんし…どういう方なんでしょうか?カナタ、依頼人は誰ですか?」


「ん……私達ともご飯食べよ、カナタ…っ。……もう何日も一緒に食べてないっ……」



依頼内容は…『依頼人と会い、食事をする』という1文のみであった


訳の分からない、依頼と言うのかも怪しい内容に全員が首を傾げる。これがカナタが超絶美少女とかならば、依頼と称したデートでも狙っていると丸わかりなのだが残念ながらカナタは普通に男である


銅級で実力も分からない男性冒険者に指名依頼を出す理由なんて普通は存在しないのだ。カナタはきな臭さを感じながら、依頼書の一番下を指でなぞりながら負い依頼人の名前とサインを確認して





表情が、ビシィッ…!、と引き攣り固まった





横から覗き込んでいた3人もその名を見て「「「あっ…」」」と声を漏らすほど、その名前には見覚えがあった


まさかこんな手段でカナタにコンタクトをとるとは思ってもいなかったのだ…


震えるカナタの手に持つ依頼書の依頼人名に書かれていた名は…





………『レオルド・ヴィットーリオ』であった








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【後書き】



ーーどうも、未知広かなんです。先日、フォロー数が7000を超えました。こんな小説に目を付けていただいてありがたい限りです…


「7000…なんかすっごいデカい数字に見えるなぁ俺。これ、何万とかついてる作者はバケモンなのでは?」


「凄いですわよね。やっぱりそこまで行くのは夢ですけれど、ちょっと現実感ありませんわよねぇ」


ーーだよねぇ。私からすると「こんなに数字あっていいの?」って思うんだけどね。懐かしい…去年の夏はフォローして400とかだったから、尚嬉しいなぁ


「極小零細小説だったもんなぁ……これでも成長出来た方だよな、ほんと」


「1日で40人読んでいただければ恩の字…そんな時期でしたわね。そう考えると、今は読んでくださる方が多くで嬉しくもなるものですわ」


ーーま、カナタ君達も頑張ってるからね。ほら、前回とか前々回とか……めちゃくちゃ頑張ってるからねぇ!


「おいやめろ!確かに頑張っちゃったけどあえてその話題をするのは危ない!いやだって、あんなに出来ちゃうとは思わないじゃん…っ」


「あら、あれはカナタさんも随分と火が着いていましたから…最初の2日間はシンプルにしていましたけれど、その後からがっつき方が変わりまして…ふふっ、情熱的でしたわねぇ」


「ラウラさんっ!?その話はここでするのまずいんじゃ…」


ーー基本的にカナタ君は火が着くと突っ走るタイプだからね。でもそこはラウラちゃんも人のことは言えないからねぇ。ほら、色々シてみたんでしょ?挟んだりとか、飲んだりとか…


「もうっ!確かに色々とやってみましたけれど…っ。でも…嫌いな味ではなかったですわね…匂いは凄かったですけれど…」


「やめてぇ!人のあれの味を公衆の面前で品評するのはやめてぇ!」


「あ、でも驚くべきは量と濃さでしてよ?こう……舌に絡むというか、片栗粉とゼリーを足して2で割った感じでしょうか…?それが絞ったホースから水を出すように勢いよく…」


ーーちなみに、アルスガルドでもここまでの人は居ないよ。間違いなく世界一だね、流石カナタ君!言っておくけど、魔物よりめちゃくちゃ強いからね、そっち方面の強さ


「それは良く分かった気がしますわ。抜かずに5、6回とか普通にしてきますのよ?その後は体位を変えてからこれの繰り返し…勝てる女性なんて居ませんわね」


「あ、あの…2人ともそのくらいに…」


ーーこれ、一番最初にカナタ君を覚醒させたペトラちゃんは苦労したんだよ?後にシオンちゃんが合流するまでの間は彼女1人で頑張ってたからね。まぁ、誘ってたのは彼女だから自業自得といえばそうなんだけど


「ですが、これも愛の形ですから。私は好きですわよ?こうして互いの気持ちがはっきりと、体と行為に表せるのは…勿論、カナタさんが体目当てで私を抱いていなければ、ですけれど?」


「いやいやっ!流石にそんな事ないっすよ!?ち、ちゃんとラウラのこと好きだし、その…あ、愛してるからしてるんであって…」


「まぁっ、なら……今から証明してくださいます?私のこと、どれくらい強く想っているのか…勿論、体と行為で、しっかりと」


「そりゃもう……望むところっす…!」



ーーうーん…一番大概なのはラウラちゃんのような気がするけどねぇ

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