第97話 大戦士の心内


魔物の群が動き出す


それも大慌てといった様子で我先にと


その進行方向は先程まで向かっていたカラナックに背を向ける反対方向であり、あまりにも不自然な方向転換への逆走


魔物の行動としてはあまりに変であったがレオルドはその進行方向が…たった今頭上を高速で通り過ぎて行った勇者ジンドーの後を負うルートなのに気が付いた



「おいおい何でこいつらがジンドー追いかけてんだ…アイツが魔物引き寄せてた…訳ねぇよな」



間違いなく、魔物の群れは何者かに誘導されてカラナックへと突っ込んでいたのだ。その正体がジンドーなのかと思い浮かばないでもなかったが…ならば何故、今はカラナックから引き離そうとしてるのか


それにジンドーはそういう事を行う男では無い


レオルドはかつての旅で深めた信頼からジンドーが主犯である可能性を端から排除する


もう一つ気になるのは…何故勇者ジンドーが片手にあのゼネルガを掴んだまま飛んで行ったのか、だ



(あの野郎…この依頼すっぽかして大会残りやがったからな。ムカつく野郎だが……あぁ?そうだ、ゼネルガの奴、今頃指導者戦の真っ最中じゃねぇのか?何だってジンドーに連れてかれてやがる…)



自分と同じ、金剛級の冒険者であるゼネルガ・クラシアス


両手に装備した金属製の拳撃装備による近接戦闘と、何よりも様々な遺跡で集めたアーティファクトを多く装備し、高練度の強化魔法とアーティファクトによる手数で戦う男


まだかなり若く、しかし確かに実力はあったが何よりも素行に問題が有りすぎる男だ


まだ金剛級になる前から女癖はかなり悪く、泣きを見る女冒険者は多かった上に依頼人の女性ともトラブルを持つ事すらあった。その上、上からの物言いや鼻に付く態度が依頼者からの評価を下げに下げ…護衛等の依頼人と対面する依頼はギルドから勧告を受けて受注に制限が掛けられた程だ


だがこれが魔物討伐や未解明の地、遺跡の探索、調査ともなればゼネルガの活躍は相当な貢献があった


未知の場所にて魔物と交戦し、情報を生きて持ち帰る…これは非常に難しい事なのだ。常に警戒をし、見たことの無い魔物の対処も行う可能性が高く、遺跡ならば罠の類も注視して進まなければならないともなれば、実力が無ければ無事に帰れる冒険者も少なくなる


ゼネルガはこれらを基本傷を追うこと無く熟し、様々な遺跡等の調査解明に貢献した実績があった


というより、実績があるからこそ首を切れなかった…とも言うべきだが…


そのゼネルガが、自分のパーティを解散させて自らを「魔導拳の勇者」等と喧伝し始めたのはこのカラナックにやってくる少し前のことである


彼が様々な場所で「自分のパーティに入れるうら若き美女を募集する」などと言って周っていた事や、元よりカラナックの冒険者ギルドサブマスターが腐っていた事も重なり、一時はカラナックから女性冒険者が軒並み姿を隠したのをついこの間までの話だ



(…状況だけ見るなら明らかにあの2人のどっちかが魔物を誘導してんだが…。確かにジンドーなら無茶苦茶するかもしれねぇなぁ、結構ばっさり人のことしょっぴく奴だった。でも1つ言えるのはーー)



ーージンドーアイツは理由が無きゃ、人に手は出さねぇ。が無い限り、な



かつてもあった…街を不当に食い物にする領主と私兵、商隊を襲う盗賊、殺しや誘拐を生業とする闇冒険者、そして歴代勇者を貶めた2人の邪悪…


勇者ジンドーは理由があれば例えアルスガルドの人間だろうと容赦なく抹殺する


何の興味も無く、感情も無く、ゴーレムのように魔物と魔神族と戦い続けていた彼だが、言葉は無くともその境界線は絶対に守っていた


戦いに巻き込むことすらも、あからさまに避けていた節がある


それは勇者ジンドーがこの世界を救う前から人々に絶大な希望と人望、人気を集めていた事からも明らかだった


もし何もかも巻き込み、手当たり次第に評判が悪いだけの者や少し悪事をした者などを片っ端から始末していたならば……人々はジンドーに見向きもしなかっただろう


人にとって害のある、常識的、倫理的に外道と呼ばれる類の者だけは…彼の力によってこの世から抹消されてきたのだ



(つまり…あれか?ジンドーにとってゼネルガは…?その理由がこの魔物の群れなら……)



少しずつ、この状況が整理できて来た


確かにジンドーが現れたタイミングで魔物の群が現れたのは不自然だが……ジンドーとゼネルガを追う魔物は明らかにどちらかを目指している


ジンドーではない…そう考えるゼネルガは消去法で魔物を誘導しているのはゼネルガである、と仮説を立てた


そうなれば、ゼネルガを持って街から離れるジンドーにも理由が出来る。街から魔物を引き離す為に、荒野へと向かっているのだ


魔物達は既にこの場を離れた。しかし、速度遅くノロノロと動き出した一体の魔物はこちらを睨み付けながら進んでいるのに気が付く…そう、脚を思いっきり切り捌いた地凰竜エルグランド・ドラゴン


他の魔物達が走り去る中、明らかに脚を引き摺って鈍足の移動をする竜は街から離れようとしながらもレオルドを無視できない様子を見せていた



「ま、アイツならなんか考えてんだろ。今は取り敢えず…!」



ドンッ、と踏み込む衝撃を放ちながらレオルドの姿がその場から消える


移動を始めた地凰竜エルグランド・ドラゴンを追いかけ、即座にその前方に躍り出れば小山のような大きさの竜が四つ脚ついたその前足を不意に真横に凪ぎ振るった


その竜眼はしっかりと移動するレオルドを捉え、太く龍鱗と鋭利な爪で目の前の大地ごとこそぎ落とすように吹き飛ばしたのだ



地凰竜エルグランド・ドラゴンは金剛級へ余裕で踏み込める程の正真正銘の怪物…この竜一体でカラナック程度は更地に出来る可能性がある程危険視されるべき存在であり、本来ならば冒険者ギルドがその動向を見ておくべき存在だ


今回は何故か遠方から一直線にカラナックへと迫ってきた事で報告が遅れたのだが、街を上げての討伐任務…さらにはバーレルナ、ラヴァン両国からの討伐部隊が現れるべき非常事態なのだ


攻城兵器も中規模魔法も余裕で耐え切る防御力、耐久力、タフネスに加えて竜種の中でも特別高い怪力に起爆性のあるマグマ状ブレスを撒き散らす


その腕の一振りで城壁を粉砕し、通るだけで人の領域を踏み潰す巨大は存在するだけでも脅威


その分、弱点は目立つ


大きな弱点として俊敏性が非常に低い事


本来は移動性の魔物ではなく、縄張りを中心に徘徊する魔物。その移動速度はかなり遅く、中小型の魔物であれば悠々と抜き去れるような速さでしか移動出来ない


そして、翼も持ってはいるが己の巨躯と頑丈で重たい竜鱗のせいで飛行が出来ないのだ


だからこそ、単体でも厄介極まりないのだがこれが他の魔物を引き連れている場合は厄介度は倍増する


小回りの効かない巨躯の隙間を埋める兵隊のように魔物を引き連れれば容易に接近も出来ず、さながら移動しながらブレスを撒き散らす要塞と化してしまう



だからこそ、レオルドは近づけなかったのだ……先程までは



地面ごと抉り取った竜の前腕を悠々と飛び越え、その腕の上に着地しそこから体の上へと駆け上るレオルドに対し、竜は即座に対応することは適わない


竜の腕から肩へと駆け上るレオルドに向けて、向けられた竜の顎はがぱり、と開き真っ赤に光る魔力のエネルギーが姿を表す


炎属性とは似て非なる大地のエネルギーは自分の体を駆け上るレオルドに向けて…己の体に当たるのも構わずに放たれた


粘土のあるマグマのような液体にも見えるエネルギーが高圧のウォーターカッターのように吐き出されレオルドを追うように吐き出され、地面や竜や体の上でその後を追って連続で爆発を引き起こしていく


それはまるでスライムのようにレオルドの通った場所を追いかけ泥のようにへばりつき…そこから即座に赤熱化、連続で爆発を引き起こす


地凰竜エルグランド・ドラゴンは己の攻撃に耐えうる分厚い鱗と強靭な皮膚がある故に出来る自分ごとブレスに巻き込む力技だが…それをレオルドは飛び跳ね、スライディングし、バトルアックスの腹でブレスの軌道を反らしながら速度を落とさず巨体を登り詰める


その猛速を保ったままバトルアックスを正面に両腕で真横に構えるとブレスを吐き出す竜の顎の真下へ向けて思い切り飛び上がる


その勢いはまるでバネで跳ね上がるような凄まじいパワーであり、まるでレオルド自身を砲弾のようにしながらも…竜の顎下に体当たりをしたのだ



その飛び掛かりざまの体当たりは…竜の顎下の鱗を粉々に破砕しながら頭を真後ろに仰け反らせた



竜が悲鳴のような咆哮を上げて、まるで真下からのアッパーでも食らったように頭を真上に向け、背中はがくん、と反るようにして…まるでひっくり返るように背中から地面に落下する



「ダッハッハッハッ!取り巻きが居なきゃこんなモンよぉ!悪ィがさっさとぶっ殺させてもらうぜッ!」



竜の顎下を飛び上がりの体当たりで吹っ飛ばしたレオルドは、その勢いで空中に飛び上がったまま豪快に笑いながら落下の速度を力に変えて今度はバトルアックスの柄を普通に掴む


体は落下の力と共に横倒しのコマのように回転させて勢いを付け、叫びを上げるような竜の口元目掛けて勢いのままに落下…自身の回転の遠心力と全力の力を込めてその口腔へ真横に斧を……



落禍逝らっかせいッッッ!!」



叩き付けた


ただ、落ちる力と自身の回転を加えて全力で叩き切る力技。使われているのは強化魔法であるバスタード・マキシマのみ


しかし、その威力は…



頑強な地凰竜エルグランド・ドラゴンの上顎と下顎の境界線で、その頭部を真っ二つに両断するに至る



当然、即死である


竜は暴れようともがいていた四肢を投げ出し、地響きを上げてそのまま倒れたまま二度と動き出す事はなかった


その威力に、地面まで深く横一文字にざっくり亀裂が10mにも渡って刻まれているのを見れば、まるで竜が巨大なギロチンによって処刑されたかのようにも見えるだろう


金剛級に届きうる怪物を、二撃の元に葬り去る


これが現在最強の冒険者と謳われる、レオルド・ヴィットーリオの力である


小山のような巨体の両断にぴょん、と乗り上がり一番高い所まで軽々と登るレオルドはそこから離れた空の上を見上げた


巨竜を殺した余韻も無く、その視線は一点…空中を滞空する黒鉄の鎧に向けられる


丁度その時だった


必死な様子のゼネルガを、ジンドーが躊躇いなく魔物の溜まり場と化した地面に投げ捨てたのは



「おぉ…派手にやるなジンドー。ま、死んで当然の奴か…遠からず行き着く先で潰されてた気はするけどよぉ。よりにもよってジンドーに潰されたか」



群がる魔物…中の様子は想像したくもないが、想像に固くないだろう


魔物の誘引とは、それ即ち「向かって行きたくなる気配」を出している事に他ならない。詰まるところ、好物のような気配を出しているのだ


あの中でゼネルガは魔物の大群に恐らくは…かわるがわる食われ、踏まれを繰り返すを繰り返し、繰り返し……無駄に頑丈な強化を施せるゼネルガは体の脆い端から食われていく事になる


冒険者が口を揃えて「あんな死に方はしたくない」と頭を抱える典型的な地獄だ


ゼネルガの落下地点で小さな爆発が起きた


奴の最後の抵抗なのか、それとも自殺しようとしたのか…どちらにせよあの程度の爆発では自分も魔物も殺せはしない


暫くは己の体を少しずつ貪り食われる地獄の苦痛を味わい続けることになるだろう


黒い噂と危険な憎まれ者の冒険者の凄惨な末路に目を細めるレオルドだが……空中のジンドーが独特の手の合わせ方と魔力の集め方をし始めた途端に顔色を変えた



「おいまさか……星核アトムを撃つ気か!?そんなもんゼネルガなんかにぶっ放すかよ普通…!!」



嫌なほど見覚えのあるその魔法は自分達、勇者パーティからすればとても馴染みのある…というか、散々見てきた物だった


あの魔法によって幾つの谷と平原とクレーターが生まれたことか…しかもーー



(随分と丁寧に使いがって……!ジンドーお前その魔法もっとバコバコ阿呆みてぇに詠唱無しで撃ちまくってたろうが!物騒なのは変わってねぇなおい!丸くなったってのは嘘かよサンサラの奴…!)



あの様子…わざわざ完全な詠唱を唱えて魔法を構築している


詠唱破棄による無詠唱の魔法行使は非常に実践的かつ隙が少ないが、その分だけ構築の難易度は跳ね上がる


当然ながら詠唱している時間はロスタイムとなるので不利なのだが、詠唱は魔法のイメージを補完する役割に加えて円滑な術式の構築を手助けする。余程その魔法を撃ち慣れているか術式構築と魔法展開に才能が無い限りは、詠唱を唱えた方が威力を


当然…ジンドーは無詠唱でフルパワーの星核アトムを連発出来る筈なのだが、なんの嫌味なのかじっくり丁寧に詠唱を唱えているのが良く見えた


因みに、この星核アトムの廉価版魔法で、威力と範囲を下げた代わりに速射出来るようにした物こそ、カナタがレイシアスを迎え撃った時に使用した「魔砲オブシディア」である


レオルドが竜の死体に体を隠し、顔だけを覗かせる姿勢を取ればその直後…天空に黒紫の太陽とさえ見える魔力の球体が膨れ上がって現れた


単眼鏡で覗く限りレオルドとの距離は1km近く離れているが…それでも伝わる魔力の波動によるプレッシャーはどこか力を込めている印象を抱かせた


それが地面に叩き付けられ、地響きと地震を巻き起こしながら漆黒と紫を混ぜ込んだドーム状のエネルギーが全てを飲み込む


顔だけ覗かせたレオルドにも、その衝撃波はビリビリと伝わってくるのだ。それもその筈…エネルギーの範囲は竜の倒れた場所から300m程度しか離れていないのだ


時間間隔が可怪しくなりそうな光景は、エネルギーがぎゅっ、と圧縮されて消滅されたことでようやく収まりを見せるものの目の前の大地は綺麗な円形に消失


先程まで嫌と言うほど蠢いていた多数の魔物はその姿を1つとして残しておらず、死体や残骸などの痕跡すらも何一つ残っていない


魔物も、大地も、ゼネルガも……


一切合切を消滅させてしまったのだ


再び竜の上に乗り立てばその光景がよく見える



「あーあ……じゃあなゼネルガ。冥福は…ま、祈らねぇでいいか」



レオルドはどうでも良さそうにボヤくあたりゼネルガに対する心象は底辺を下回るものだと分かるだろう。てきとうに言い流しつつ改めて…空に浮かぶ影を見上げる


少し細かい意匠は変わっていそうだがほぼ変わっていない…漆黒の鎧


その金色に光る双眼が、確かにこちらを捉えていたのだ


少しの間、確かに視線をぶつけ合っていたレオルドとジンドー…


ようやく、まともに話が出来そうだ…そう思ったレオルドの真上をジンドーは…












すー…と何気なく飛んでカラナックに飛び去ろうとした






「っておい待てジンドォォ!!?なにスルーしてやがる!?あ、クソあいつ見てねぇフリしてやがんな…!テメェこっち見てただろ!!分かってんたぞ!あからさまに首逸らすんじゃねぇよ!」







ーーー





『やっば…めちゃくちゃ話したくない…。なんでこっち見てんだよこっち見んな』



星核アトムの収縮、消滅を見届けて一息ついたカナタの視線の先に、とぉっても用がありそうな視線を向けてくるレオルドの姿が写っていた


正直、カナタとしてはもはやレオルドに顔を合わせてしまっても問題はない…というか、隠していても意味がない


何故なら…ライリーが既に自分の正体を目撃しているからだ


ゼネルガの青石による肉体操作はあくまで肉体を無理矢理動かしただけ…気絶もして無ければ脳も影響されていないのだ。つまり、見たもの聞いたものは操られててもしっかり憶えているのである


そんなライリーの前でリベリオンを纏うところを見せているのだから正体なんてとうにバレている


ライリーはレオルドの弟子だ


そしてレオルドは……まだカラナックに来たての頃に素顔のカナタとシオン達を合わせて一緒に食事までしているのだ


ライリーから「シオン達と共に居た男が勇者だった」と伝わればレオルドは即座に気が付くだろう。あの時に目の前で肉に齧りついていた男が勇者ジンドーであった事を


時間の問題どころか、レオルドがカラナックに戻ってライリーと合流すればすぐ分かる



(…ま、その時に話すか。今はいいや)



なのでカナタはとってもドライだった


別に今じゃなくてもいいっしょ?的な感じだった


なので普通にレオルドの上を素通りで飛び去ろうとしたのであった…今は兎に角、面倒事が片付いたので荒んだ心を癒やしたいのである


そんなカナタの斜め後方で…パンッ、と火薬が弾けるような音が聞こえた


カナタが停止して音の方向を振り返るとそこに、緑色の光の弾がギラギラと輝きを放ちながら漂っているのが見える…カナタと同じような高度でだ


まるで閃光弾…というよりそのまんま魔力の光を放つ閃光弾である



(緑色……『全員集合』…?っ、なーにが全員集合だっての!それ緊急時に安全な奴が自分の所に集まれって信号だろ…!)



勇者パーティの信号弾…緑色が示すのは集合の合図


魔物の群に突っ込むことも多かった黒鉄の勇者一行にとって安全な場所や味方の位置を把握するのは重要、故にメンバーは自分の場所が安全と判断したならばこの場所に一度集合することを合図する


その下を見れば指先を空に向けて半眼で呆れたようにこちらを見上げるレオルドの姿が見えた。そう、レオルドがこの合図を撃ち上げたに決まっている


レオルドは豪快な男だ


だからこそ、勇者ジンドーに対してどう思っているのかが分からない部分がある


カナタはそこが気がかりでもあり、同時に気になった


……今なら聞ける気がするからだ



『…行くかぁ』



その光に気を変えて一人そう呟いて、高度を下げる



レオルドの目の前に降り立つように






ーーー



【Side レオルド・ヴィットーリオ】



空に向かって撃ち上げた合図は半ば嫌味のつもりで撃ったものだ


記憶の中のジンドーは、人との関わりを断ち、冷たく、そして哀愁を纏った男だった…この合図もまともに反応を返される事を期待して撃った訳ではなかったのだ


だが…この緑色の光を振り返って目にしたジンドーは空に留まり、少し考えるようにその光を見詰めた後にこちらを見下ろし…ゆっくりとこちらに降りてきたのである



(おいマジで降りてきたぜ……!?性格変わっただのなんだのって話は聞いてたけどよ…ここまで変わるか!?前のジンドーならガン無視だろ!)



というかぶっちゃけレオルドもこれには驚きを隠せなかった


普通にスルーされた嫌味で撃ったし、ワンチャンこっちに注意戻せるか?…なんて思ったのにまさか本当に集合するなんて思いもしなかったのだ


だってあのジンドーだぜ?


会話なし!冗談も通じない!悲壮感満載!その上怒りのパワーは百万馬力!ハイタッチだってしてくれなかった!というか話してる姿殆ど見てねぇ!


意思の疎通?戦闘中に一回でも上手く連携決まればその日の運勢はバッチリだぜ!


………っていうジンドーが、だ


こちらを見ながら高度を下げ、目の前に降り立ってきたのである


鎧のブースターから噴き出す閃光が、周りに強い風を拭き散らしながら


今、目の前に3年ぶりの勇者ジンドーがやって来た



『…呼んだか、レオルド』


「お、おう…。なんて言うか…意外だぜジンドー。来てくれるとは思わなかったからな。…てか最初スルーしてシカトこいたろテメェ?分かってんだぞ?」


『気の所為だ。疲れてたんじゃないか?こんな大物を倒してたんだからな、違いない』


「ンな訳あるか!あとジンドー、なんでこんなとこ居んだ!ってか今までどこに居た!おう折角だ諸々吐いてもらおうか!」


『怖い怖い…俺はシャイな男だからな。人目につくなんて落ち着かなくて、静かに過ごすのが性に合ってたんだ。因みにカラナックに来てたのはただの旅行だ、気にするな』



ウンウン、と納得するように腕を組んで首を縦に振るジンドーにレオルドは思わず額に青筋が浮かぶ


というか、である



(なんだこいつめちゃくちゃ喋るじゃねぇか!!?中身マジモンのジンドーか!?あとテメェ旅行とかすんのかよ!?全然想像つかねぇ!この3年でこいつに何があったんだか…)



人が変わるにも程がある


こんな軽いノリで会話するような感じでは無かったのは確かだ



「…ジンドー、ゼネルガは…殺したのか?」



しかし、これは聞かなくてはならない。如何なる理由があろうとも、その理由や経緯は聞いておきたいのだ


その意図を理解しているのだろう、一息して切り替えたように彼は口にした



『あぁ。俺が明確な意図を持って、確実に始末した。…詳しくはお前の可愛い弟子にでも聞け。俺から説明するのも面倒だ』


「あ?ライリーと会ったのか?…いや、状況が全く読めねぇな!ってことはライリーは原因を突き止めた訳か。ダッハッハッハ!送り出した甲斐があんな!」


『自慢の弟子にもう少し異常系の対策を仕込んでおけ。そのライリーに殺されかけたぞ?胸のど真ん中をぶっすりだ』


「ダッハッハッハ!どうやってライリーがテメェのガチガチの鎧通して刃立てれんだってんだ!あいつァそこまで強かねぇよ!…………あ?…いやまさか…」


『あぁ。その時は鎧なんか着てなかったからな。さて……弟子の不始末は師匠に払って貰わないと割に合わないと思わないか?』



ーーこいつ、カラナックの中を生身でうろついてたのかよ。マジで昔と印象違ぇな


てことはなにか?まさかライリーのやつ…


ジンドーの素顔見たってことか?



やれやれ、とでも言いたげなジンドーを他所にそんな色々な意味で衝撃の情報が齎される


あの勇者ジンドーが鎧脱いで街の人混み歩いてるだけでも度肝を抜かれるのに、ライリーがそのジンドーの生身の胸をぶっ刺してるとか想像すら出来ないのだ


というか普通に羨ましい、俺も見たいこいつの素顔……そう思わずには居られないレオルドに、ジンドーはそれまでの雰囲気を仕舞って切り出した



『…なぁ、レオルド』


「あん?」


『お前にとって、「勇者ジンドー」はなんだ?』



その問いの真意は、聞いただけでは分からなかった


聞きたい答えがあるのか…いや違う、そんな出来レースのような返答を期待する男ではない


本心で、ただ尋ねているように聞こえた



『「勇者ジンドー」は世界を救った…そう言われている。結果的にはそうだろうな、アルスガルドは俺の活動の結果…今は平和を取り戻しているかもしれない。だがそれも……俺からすれば目的の副産物に過ぎないんだよ。知らない訳ではないだろ?俺はただ故郷を目指しただけだ。魔神族も魔神も、魔物も……その巻き添えを喰っただけ。皆が崇める「勇者」は実在しない、それを含めて…お前の「勇者ジンドー」とは何者か、教えてくれないか』



その言葉は、声質を変えていながら真に心の底からレオルド・ヴィットーリオに対して「勇者ジンドー」という存在を問い掛けるものに聞こえた


勇者とは世界を救う救世主


かつての勇者達も世界を救う為に奔走し、その命を散らしてきた


その上で


自らを「勇者ではない」と断じた上で、己を何者であるかを問い掛けてきた



(…なぁジンドー。それがお前の「素」なんだろ?バカな冗談も掛け合って、なんて事ねぇ会話して、そんで自分の過去の行いと勇者像に引け目を感じる…普通の男だよなぁ。それが訳分からねぇ異世界と戻れねぇ故郷と背負わされた大役…周囲の悪意で狂っちまった。雰囲気が変わった、なんてバカな事考えてんなぁ俺も……こいつはんだ)



その事に気が付く


変わったなんてとんでもない、彼は今までが変わってしまっていたのだ。この血と魔法と悪意が飛び交う殺伐とした世界で


だから、こうして本来に立ち戻って…自分という存在に疑問符を付けた


求めてるのはレオルド・ヴィットーリオの意見だ。つまり…彼の中では既に何かしらの答えを見つけている可能性が高い。いや、答えを見つけているからこそジンドーはきっと自分の前に降りてこられたのだろう


ただ…それでも聞かずにはいられなかった、と言ったところか



「テメェも大概バカだな、ジンドー」


『………』


「そう、俺にとっちゃ勇者ジンドーなんてのは大馬鹿だ!バカみてぇに突っ走って、バカみてぇにがむしゃらで……バカみてぇに体を張る。だから俺は着いていったんだ。前に出ない、やる気ねぇ、体も張らねぇなら俺が拳骨落としてたが…お前は違った。先頭を切る奴だ、着いていく価値があった。勇者の使命はこの際知らねぇけどな、パーティの仲間として、リーダーとして支えて後に続ける男だったんだぜ、ジンドー」


『…変わってるな、レオルド』


「ダッハッハッハ!んな事ねぇよ!あの偏屈な魔女サンサラに才能と自信満々だったナスターシャ、プライドと使命感ガチガチのラウラに信じねぇ奴には姿も見せねぇザッカーが何でテメェに文句言いながらも着いていったと思ってんだ?そりゃ着いてく価値のある男だったからに決まってんだろうよ!『勇者』なんて看板に釣られる間抜けは居ねぇ、俺達ゃ『ジンドー』って男に惹かれたんだ。そこに『勇者』が付いていようといまいと関係ねぇだろうに」



それを聞いたジンドーはただ静かだった


納得したのかしていないのか、『…そうか』と口にする姿は厳つい鎧を着ていようとも、どこか独り言のように呟く姿は迷う一人の男に見えてしまう


そのまま彼は『…分かった。ありがとう』と声にすると静かに立ち去ろうと、隣を通り抜けていく…どう思ったのかは語らなかった


だが、納得はしたのだろう


それ以上の問いはなかった



「ンだよ戻んのか?」


『あぁ。戻らないと面倒な問題もある。』


「で、俺には顔見せてくんねぇのか?」


『また今度な。見たくなったら来てくれ、隠れたりはしないよ』


「ダッハッハッハ!無茶言うぜおい!どうやって見に行きゃいいんだってんだ!住所でも教えてくれんよか?」


『すぐ分かる、多分な』



少し期待していたジンドーの素顔やら生身の姿はまだお預けらしい。それを隠すこと無く強請るもやはり教えてくれないようでちょっとばかり残念に思ったが


ここで振り返って「なぁなぁ」とせっつくのも格好がつかないだろう


だが、それでもジンドーとの関係は大きく進んだと、実は結構満足していた


しかし、背後から続く『あぁ、それと…』という繋いだ言葉とその声に…



「『食事屋・大地の蹄亭』だったか…あそこは美味かった。今度はサシで食おう、レオルド。…弟子3人は抜きで、な」



まだ若い男の声だ。少年と言ってもいい


そして何よりも…その店の名前は、冒険者ギルドから出てきたとある4人組を連れて入店し奢ったカラナックでもお気に入りの食事屋


そう……少女3人から『師』と慕われていた一人の少年が居たのだ


その顔がありありと記憶に蘇る。好青年と言えるだろう美少年というより普通寄りだが、見る者によっては好印象に映るだろう少年…体は細身ではなく結構しっかりしていた。何よりも悪戯で敵意を向けても微塵も反応を返さなかった…


そんな人間はカラナックに来てから…1人しか会っていない



「ッ…おいまさか、ジンドーお前あの時の…ッ!」



慌てて振り返るものの、既にジンドーの姿は無かった


空を見ても飛ぶ姿は無い…恐らく転移でカラナックへと戻ったのだろう


唯一人、荒野の真ん中で立つ中で、自然と笑いがこみ上げてきた


きっと今、自分はとても楽しそうに笑みを浮かべているのだろう


かつての旅よりも、金剛級へと登った時よりも…達成感と充足感が胸に満ちるのは何故だろうか



『おいジンドー!少しくらい話してもいいんだぜ!テメェはちと無口が過ぎんだ!』


『倒せねぇなら突っ込むな!バカみてぇに突撃したって魔物は死なねぇぞ!』


『なぁ、どうしてそこまでして姿を隠すんだ?俺達にゃ見せれねぇもんか?』


『バカ野郎退くって言ってんのが聞こえてねぇのか!!だーックソッ!迎えに行く!おいザッカー付いてこい!』



去来するかつて旅した時の記憶


そんなこともあった…今ならそう思える



「ダッハッハッハハッハッハッ!また会おうぜジンドー!近い内になァ!」



悠然と歩いてカラナックへの帰路を辿るレオルド


今夜は酒が進みそうだ、と


胸を躍らせながら






ーー





「ーーそれで正体を明かせずに帰って来た、と…。筋金入りですね、カナタ」


「そうですのよ?昔から本当にシャイで無口でしたんだから…そのせいで私、ついこの間まで苦労し続けてきましたの」


「うぅむ…やはり重症だな、カナタよ。いや、我に打ち明けた時よりずっと改善した方かのぅ?」


「んっ……どうぜバレるのに……」






「…はい……はい…すみません、ほんと……はい…その通りです……」





カナタはしゅんと萎んで謝り続けていた!


「やれやれ」みたいな4人の視線が刺さるように身に沁みてくる…!


カナタが遡行の羅針盤トレーサー・コンパスの転移で大闘技場に戻ってきてからすぐの事…一行はVIPの観戦ルームへと場所を移していた


あのまま大闘技場のど真ん中に居る訳にもいかず、取り敢えず人目につかないその場所へ移動したのだが…ラウラからの「それで?どうでしたの?」という言葉を皮切りにゼネルガの最期をカナタは語った


命乞いを始めたこと、最後の抵抗があったこと、反省の色は無かったこと…そして魔物の群に落とし、その生き餌として食われる苦痛の後に自らの魔法、星核アトムによって微塵も残さずこの世から魔物ごと消し去ったこと


これには一行も神妙な面持ちで頷いて聞いてくれていたものの…ライリーが「じ、ジンドー…さん!その、師匠は大丈夫そうでしたか!?」という言葉からカナタの顔色がぎくりんちょっ、と変わり始めた


「あーうん…その…ぜっぜん元気?だったかな?うん……ほ、ほら?殺しても死なないようなやつだし?」みたいなしどろもどろな感じに「きゅぴん」と目を光らせたラウラに詰問された結果…


カナタは干からびたスライムのようにシナシナに萎んでしまったのだ…!



別に責められていた訳では無い…ただ、ラウラからの温か〜い「あらあら」という視線と言葉に加えてシオン、マウラ、ペトラ達の「まったく」「まぁまぁ」「んっ…」というちくり、とした言葉に何も言えなくなってしまい…



カナタは干し果物のようにシッナシナに縮んでしまったのだ…!



ライリーと聖女達はぽかん、としたままその光景を眺めていた



勇者ジンドー


伝説の中の伝説


闘えば鬼神の如く


通った後には屍が散る


鋼の軍勢を引き連れて


魔に属する者の悉くを滅ぼした


英雄の頂点、黒鉄の勇者


それが……



「は、ははっ…そのぉ…ちょっとあの場で顔出しは…その…ね?なんというか…は、恥ずかしいと言いますか……し、渋ったわけじゃなくてね?ほら別にもう分かってようなもんだし今じゃなくてもいいかなぁ、と……」



正座姿で気不味そうにもにょもにょしている!



この場でカナタは素顔を晒していた


もはやここまで来ればこの場に居合わせたメンバーに隠す必要も無いと判断したのだ…まぁそもそも既に一回見られてるし


ちなみにカナタの前に正座で頭を地面に擦り付けていたのはライリーである


主に三人娘に対して額を打ち付けすぎて地面が割れるほどだった


余程三人から絞め落とされそうになったのが怖かったのか…



「その…勇者様って意外と…」


「えぇ…フランクね。噂と違うわ…だけど…」


「そこも素敵ね…!こっちの方が親しみやすいし…っ」


「取っ付きにくいのも話しづらいし……ありよね…!」


「ラウラ様との馴れ合ったワンシーン…素敵です…!」



そんな光景を何故か聖女達はキラキラした目で見つめていたりする


憧れのラウラと伝説の勇者の馴れ合った掛け合いや、そのパートナーの少女達との親しみ深いやりとりは寧ろ好感が持てたらしい


密かにきゃいきゃいと楽しそうにしている


カナタはそれも居心地悪そうにしており、内心でその視線に「あぁぁ……失望されてそう……「勇者っていってもこんな感じなんだ」とか思われてるんだ…はぁ……だからバレたくないのに……」と珍しくメンタルがふにゃふにゃになっていた


自分でその姿を晒したとは言え、やはりラウラや3人とは違いちょっと気にしていたのだ


とは言え、カナタはようやく少し気が和らいでいた


正直なところ、彼女達にノせられる形で大会に出場したはいいのだが元よりこのような衆目を浴びるのは苦手


それは普段の勇者姿がフルフェイスのパワードスーツ姿なのが物語っているだろう


挙げ句、惚れた少女の身に目を付ける連中が主に2人も現れてその対処に追われたり何故か魔将出てきたりと、最近のカナタは色々と精神的に摩耗していたのだ


ゼネルガを処してどこか一段落ついた気がするのは気の所為ではない…カナタはやっとグラニアスが目覚めるその時までカラナックである程度ゆっくり出来るようになったのである






(はぁ……ちょっと休もう……癒しが欲しい……)





そんなカナタに人知れず…




『マスター、よろしいですか?』


(…よろしく無いけど、何?)



その知らせはやって来た





『"最重要防衛目標"指定の守護者ガーディアン、大樹木偽装型防衛移動簡易要塞『USMW01タイプB』より先程、警戒警報イエローアラートが発令。ポイントZ5にて侵入者を検知しました』




「…………はぁ……」




カナタ大きな大きな溜息をついたのであった








〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






【後書き】



ーー極たまに読者さんから言われるんだけどね、この作品を本にしてみるとしたら絶対にヤング系だよねって話があるんだ


「いやこの物語の書籍化とか無理だろ。夢見んな零細小説家」


ーー切れ味鋭いねぇカナタ君。まぁこれはそういう話じゃなくて、コメントでいただいてた事の例え話さ。私だって流石にこれが絵になったり紙になったりなんて考えてないとも。…というか無理でしょう、下ネタ的に


「言えてる。これをそのまんま出そうとしたらエロマンガか官能小説にしかならないよな…世に出してはいけない物語だったのでは?」


ーー禁書みたいに言わないでくれるかい?これでも一応、まだカクヨムは連載を許してくれてるんだよ?


「いつまで保つかな…。次の濡れ場とか気をつけろよ?流石に露骨すぎると粛清されんぞ。と言うか下ネタ嫌いのカクヨムがこの作品許す理由ないっての」


ーー確かに…ま、濡れ場ももうすぐそこまで来てることだしね


「あー……うん……まぁ嬉しいけどね、うん」


ーーおっほ、顔真っ赤カナタ君


「ほっとけ」


ーーま、それは置いといて…実は書籍化みたいな事はそこまで目標にしてません、私。というかそこまで夢見てないので、取り敢えず読んでくれてる人が増えれば満足な状態です


「へぇー…以外だな。こういうのってもっと「本にしてやるぜ!」ってやる気出すもんじゃないのか?」


ーーいやぁそんな想像すら付かないし。お似合いの場所ってあると思うのよ。そりゃ書籍化〜とか言われたら嬉しいけど、本にするのが目的で書いてる訳じゃないからね私


「ほほぅ……じゃあエッチマシマシな大人の書籍で出す、って言われたら?」


ーー濡れ場シーン導入部分とかは個人的に大好きだからそこにフォーカスを当てながら表情と体を多角度から写しつつ吹き出しのセリフと描写はコマごとに分けるイメージで書きつつそれぞれの内心描写と擬音はしっかり多めで入れていき本番シーンは湿度高めの演出を入れながらも激しめの行為を入れたから躍動感を大事にした描写が欲しいね。後はやり始め、慣れ中、慣れてきた頃、本能のままに…という段階に分けて進めつつ翻弄されるヒロインと彼女達に夢中になる主人公の普段とのギャップを最大限活かして、そこに加えて慌て乱れるヒロインの様子を楽しめるように後半にかけては少しのギャグ調を入れつつも糖度高めの濃密な雰囲気を崩さずに。結構ヒロイン達は体系スタイル共に区別して設定したつもりだからヒロイン毎にその肢体が躍動する様を表しつつ日常回に戻った時に「裏であんな事してたんだよなこいつら」的なニヤニヤ出来る流れとか作れれば最高でそこに加えて本編に戻ってもその時の内容を匂わせるセリフとかを加えて裏回でもそのセリフを回収できるプレイを多数収録、後はオリジナル回とか所々で今までシてきたシーンを裏ではたっぷり入れながらこの話の愛がおままごとではない事を全世界に知らしめてやりたいそこで私はこう言うのさ……「お分かりいただけただろうか?」、と


「めちゃくちゃ煩さいなぁ!?欲望駄々漏れかよ何が「書籍は目的じゃない」だ!エロ本に限り考えまくりなの丸わかりだっての!」


ーーはっ!?しまったついリビドーが抑えきれず…!


「えー、これ以上話させると消されそうなので止めておきます…。読者さん、また応援、コメントや☆を下さる方へ、本当に励みになります。毎月ギフトを下さる方も頭が上がらない思いです。これからも俺達の物語を是非、読んで貰えればと思います」


ーーそこについては本当にありがたいと思っております。賛否はあれどもフォローさんも増えながら100話が目の前まで迫ってまいりました。これからもどうか見守っててくれれば幸いです


「大人の書籍とかは冗談なので、軽く流しておいてもらえればオッケーですから」


ーー冗談ではないよ!?考えてみなよカナタ君!シオン君、マウラ君、ペトラ君からラウラ君まで色んな描写とか絵で艶姿が見られるんだよ欲しくないのかい!?


「…………」


ーー………


「えー、皆様、ワンチャン程度にお考え下さい」


ーーふっ…堕ちたな…あ、本当にこれはジョークなのでお気になさらず


「てか、また不穏な終わり方してるけど大丈夫かよ本編の俺…過労死しない?」


ーーあ、そっちは一応大丈夫よ。なのでここらで初めての次回タイトル予告をば…





次回  『見習い勇者と鋼鉄の森』




お楽しみに










あと何故かカクヨムコン9の中間選考通ってました


なんかこの作品の名前載っててビックリしちゃいましたね


中間だけでも通れてて光栄です。それだけで満足満足


……え、大丈夫?この作品中間選考通しちゃって…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る