第71話 これも運命…

予選の日は近い


本戦でトーナメントまで勝ち上がるには合計4ブロック…つまり4回に分けてバトルロワイヤル形式でトーナメント進出者を選り分ける


大きな闘技場の中で出場者何十人もが全員で戦い蹴落とし合う…その中で上位8名、合計32名がトーナメントへの出場権を勝ち取れるのだ


つまり、まずは入り乱れる乱闘の中で確実に残れるようにしなければならないのである


選手達はまずここで篩に掛けられる


なかなか体験する事のない、周囲が敵ばかりの大乱闘は通常の戦いや喧嘩とは訳が違う


強くても、周りから警戒されればトーナメントに勝ち上がらせたくない者達がこぞって潰しに来てしまう…なるべく目立たず、活躍せず、手札は見せずに生き残る、というのが定石だ


それを寄せ付けない強さを持つ者も当然、トーナメントに上がれる…隔絶した強さを持つか、狡猾にいなして残るのか…手段は人それぞれ、という訳だ


いくらカラナックが誇る大闘技場と言えど何十人も入り乱れれば少し狭く感じるものらしい


そして、その予選も明日に近付いて来ていた


ここに来て、街の仮設リングは明日に迫る予選の為の仕上げを行おうと、それまでとは類を見ない盛り上がりを見せていた


そこら中のリングで人集りが出来、土煙を上げてが戦いに闘志を燃やす…そんな中に、彼女達も身を投げ込んでいたーー





「へ、へへっ。お、俺が勝ったら一晩っ、す、好きにさせてもらーー」


「せいっ」


「うぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」





「か、可愛い子ちゃんじゃねぇか!おい!か、勝ったら俺の女になーー」


「……やぁっ」


「ぐべぇぇぇぇえええええっ!!」





「おや、これは美しいお嬢さん…どうです?私めが勝ったら一杯奢らせていただく栄誉を…」


「あら、勝てれば構いませんよ?ふふっ」





「おいおい、見た目のイイ女いるじゃねぇの!こっちが勝ったら体貸してもーー」


「せいやぁっ!」


「ぎょぶぇええええええええっ!!」




「同じ獣人でこんなそそる雌初めてだ!俺が勝った時は番いとして飼ってやーー」


「…うりゃっ!」


「あぎぁぁあああああああああっ!!」




「ひ、一目惚れッス!勝ったらデートしてもらえませんか!?」


「ふふっ、私お手付きですが、勝てたら考えてあげますよ?」




「へぇ、魔族の良い女なんて珍しいじゃん。売れば高く付きそうだな…お前、負けたら身売りで稼ーー」


「ふんぬっ!」


「ぐぼえぇぇえええええええっ!!」




「か、可愛いんだな!ぼ、僕の愛玩コレクションに加えてっ、ま、毎晩可愛がってあげーー」


「ふしゃあっ!」


「おびょおおおおおおおおおっ!!」




「ふむ…深紅の髪の少女、お前は強そうだ…。俺にとって強者との戦いこそ至高、勝利の暁には強さの秘密を教えてもらおうか。いざ尋常に…」


「そういうの、素敵ですね。やはり戦いはそうでなくては…私が負けたらその通りに。ふふっ、負けたら、ですが…」







「どう!考えても!不公平だろう!?何故我とマウラだけそうなる!?シオンだけどうしてこうも健常者とマッチングしておるのだ!?」


「さぁ、何故でしょうか…。今までのツキが返って来たのかもしれませんね。思えば、勇者祭の時も学院襲撃の時も私ばかり…そうです、これでようやく釣り合いが取れているのです」


「…ずるいっ、ずるいっ…!…さっきから変なのばっかり…っ!……もう手加減忘れそう……!」


「あー、うん…もう手加減しなくて良いんじゃないか?地平線の彼方までぶっ飛ばしてしまいなさい。お兄さん、見てると段々フラストレーション溜まってきちゃって…」



うがぁぁ!と頭を抱えたペトラの怒号が響き渡った


既に仮設リングでの試合に身を投じて暫くが経過していたのだが…なんとまぁ見事に治安の悪い輩をマウラとペトラが引き続けていたのだ


試合の度に気色の悪さでペトラの表情が引き攣り、マウラの猫尻尾のふわふわした毛がぞわりと逆立つ…その度に拳撃一閃、脚撃一襲、二度と話しかけられないように大地へ沈めている


だと言うのに、シオンだけは眼鏡の似合うジェントルマンだったり若く初々しさのある男性だったり純粋に戦いを愉しむタイプの戦士だったり…精神的に安全な相手としか当たらないのである


これには流石に2人からもブーイングが炸裂した


シオンだけ王道のナンパだったりして、それをカナタと結ばれた事による心の余裕から慣れたように返す姿はちょっと楽しそう…端的に言うと、ズルいのである!


…あと、ついでに…自分のパートナー達がこぞって「そういう目」で見られるのにカナタも地味ながら精神攻撃を受けていた


別に彼女達も怪しい賭けの安受けはしていないし、この辺の相手に負けるとも思ってないのだがムカつくものはムカつくのだ


改めて、彼女達がどれ程魅力的なパートナーなのかを実感してるところである



「まったく…!…しかしまぁ、この程度の相手ならばそう心配せんでも良さそうではないか?特に脅威と呼ぶものもおらんぞ?」


「…ん……弱い人ばっかり……明日の試合はそんなに心配なさそう……」


「気を抜いたら痛い目を見ますよ?私達が一番強いなんて、そんな楽観していい筈もありません。それに…まだ、警戒すべき相手と会っていませんから」


「うむ…勇者弟か…。ほれ、どう思う、我らの勇者よ?」


「けっ……気分悪いったら無いだろこんなの。なりたくて勇者になれんなら俺のことなんか呼ぶなってんだ…」


「まぁまぁ、カナタ…そういう相手だったらしっかり教えて上げて下さい。誰が本物のなのか…二度とこの世界で勇者を名乗れないようにしてあげるべきです、えぇ」


「…もしかしてお前さん達、結構頭にきてる?」



シオンの言葉に底知れぬ何かを感じ取ったカナタがちらり、と隣を歩く彼女達に視線を向けると穏やかで美しい笑顔でにっこり…どうやら、勇者君は彼女達も怒らせているらしい


そのにっこりには、そんな迫力を感じた…多分、深追いしてはいけない…



「……そういえば…カナタは戦わないの…?」


「俺はいいや。ほら、こんなとこから仮面付けて戦いたくないし…顔出してやったら仮面作った意味無いし」


「改めてですが…カナタの隠蔽癖はなかなかに硬いですね。ラウラさんが可哀想になってきます…ちゃんと、何かしらのアクションはとってるんですか?」



この仮設リングの戦いには参戦する気がないカナタ


一番は面倒くさいからだが、二番はこの顔を知られるのをなるべく防ぐ為らしい


だが、そんな所から話がラウラへと飛べばカナタも「うっ」と痛いところを突かれた声を漏らす


確かに、彼女達からすると全然、全くラウラへのリアクションを取ってないように見えるだろう…というか、学院襲撃以来は顔を合わせていないのだがそう言われるのも当然である


そもそも、勇者祭でラウラの窮地と心の内を聞いていた3人からすれば、ラウラとカナタが結ばれるのはそれはもう「さっさとしろ」と言うべきところなのだ


この4人の輪にラウラが加わってくれるならば、どれ程嬉しい事か…



「…まさかそなた…何もしてないのか?」


「し、してない訳じゃない、よ?その…た、タイミング合わなかったりとか…そういう感じじゃなかったりとか…うん…」


「…カナタ…めっ…!」


「あっはいマジすみません…違うんですよ、ちゃんと向こうは分かってるんすよだけどなんというか俺の気持ちの整理というか…」


「カナタ?」「…カナタ?」「カナタよ…」


「ふぐぅっ…」



カナタの肩がどんどん狭そうに窄まっていく…!


まるで両サイドから棒で脇腹をど突かれているかのような声が漏れた!


流石に具合の悪さを認識しているようだ…



「で、でも聞いてくれ。ラウラはもう勇者が誰か分かってるんだ!ちゃんとその時に挨拶しに行ったんだって…」


「ほぅ…それで、ちゃんと挨拶したのだろうな?」



すーっ…


カナタの視線が明後日の方向を向いた!


突かれたくない所を突かれたようだ…目が泳ぎまくっている!



「カナタ…いい加減諦めたらどうですか?」 


「うぅっ…!こ、怖い…っ…ラウラにこの顔見せるのだけは怖いんだ…!アイツの「勇者」への夢と希望を壊したくない!」


「…心配ないと思うよ…?…カナタ、気にし過ぎ……」


「ぐっう……つ、次会ったら…にする…!それまでに…こ、心の準備を…」



そう、何故ならラウラの中にある英雄像の崩壊を怖れていたからだった


この男…シオン達3人に打ち明けられた癖にラウラとなると話は別らしい


彼女の中の勇者とは、それはもう「勇者勇者」してるように感じてて…こんな普通の男と結びつけたら勇者に失望してしまうのでは…


なんだかんだと言って勇者と名乗れるようになったものの…ラウラは違う!それは話が違う!


となったカナタは結局ラヴァン王国王城の地下にて、勇者の霊廟内で鎧を纏ったまま姿を表した時以来…一度も彼女と接触していないのである


やれやれ…と溜め息を漏らす3人娘に居心地の悪さを体全身で感じ取りながら…ふ、と仮設リングの大衆に向かって外から声を上げてやってくる男が居た



「おい皆聞いたか!?今年のラヴァン親善大使の話…今年は王族じゃないからしいぞ!」


「あぁ?なんだよその話か…ぶっちゃけ、貴族なら誰が来ても同じだろ?毎年イカついおっさんが挨拶するの見たってよぉ…」


「だよなぁ。俺ら市民には正直、怖い年寄が堅い話しにくるだけだもんなぁ」


「いや王族来るだけでも特別待遇だろ?あんま文句言うとバチあたんぞ?」


「ヴァーレルナの方も軍のお偉いさんだろ、いつも。雰囲気が怖いんだよなぁ」


「それがよ…今年のラヴァン側親善大使は、あのラウラ様が直々に来るらしいんだ!さっき武争祭の運営の会話立ち聞きしちまったら、マジでラウラ様来るんだってよ!」


「「「「「「「「「「「なんだってぇ!?」」」」」」」」」」」


「なんだってぇ!?」



歓喜のどよめきが大衆から響き渡る…しかもぴったりハモった


因みに最後の悲鳴はカナタのものである


振り返りムンクの叫びのような顔になっていた



「ラヴァン国王からの直々の要請で大聖女ラウラ様がカラナックに来るんだとよ!しかもラウラ様はここに別荘持ってるらしくて期間中は別荘に居るらしくて…」


「おいおい、ってことはよぉ…な、生ラウラ様が見れる……ってことか!?」


「「「「「「「「「「「「「そうなのか!?」」」」」」」」」」」」」


「そうだ!しかもクリューセル家がカラナックに別荘建ててんのは避寒地目的だ…カラナックで避寒地目的の場所といえば…」

 

「お、オアシス…はっ!?まさか…」


「おい嘘だろ…!」


「なんてこった…!」


「ら、ラウラ様が…!」


「「「「「「「「「「「「「「「「オアシスで水着に!?」」」」」」」」」」」」」」」」



…因みに「なんてこった…!」はカナタの戦慄の震え声である


はっきり言って、これは大ニュースであった


ラウラは貴族としての活動は自粛をしていたので、このような「貴族として」出向する事は基本的に無いのだ


故に、ラウラを直に見れる機会は非常に限られるのだが…何があったのか、今まで王族が頻繁に来ていたラヴァン親善大使にまさかの大聖女ラウラ・クリューセルが来訪すると来た


つまり、必ずラウラの顔を拝める、という事なのだ


そして、さらに言うなら…ラウラは極上の美女である


純金を編んだような黄金を思わせるふくよかな髪、女性にしては高い身長、慈愛と怜悧を兼ね備えた美しくも柔らかな顔立ち、そして…世の女性全員が膝を着き、世の男性全員が釘付けになる圧倒的な体付き…ボディスタイル


老若男女問わず、アイドルなんて可愛い言葉では済まされない程の圧倒的人気、悩殺的魅力…そう、失礼な話だが王族が来訪するよりも圧倒的に盛り上がっていた


しかも、である


クリューセル家はカラナック設立に深く関与している一族であり、その設立に立ち会ったラヴァン4貴族の1つとされている


よって、カラナックでのクリューセル家はある種特別待遇で過ごすことが出来るのだ


貴族ですらあまり許可されない「カラナック市内への別邸所持」もクリューセル家だからこそであり、そんな縁もあることからクリューセル一族は割と頻繁にカラナックへと訪れる


それこそ、都市間に設置された一日に午前と午後の2回だけ運行される転移魔導具…通称「ポータル」によってカラナックへの直接転移で現れる程度にはふらっ、と現れるのだ



「んなアホな…!?ら、ラウラは確かこの手の仕事は受けない筈じゃ…」


「くくっ、諦めろカナタよ。どうやらようだぞ?」


「えぇ。勇者と聖女として出会って、途絶えた後に私達と繋がり、そこからカナタへ…その運命がカナタの背中に追い付いたんです」


「…んっ……もう逃げちゃダメっ…今度は正面から…っ」



楽しそうに笑うペトラ、確信を持って頷くシオン、叱るようなマウラ


カナタはその「運命」という言葉にそっ、と目を細めた


思えば…この世界で一番最初にこの身を感じてくれたのは…彼女だった


不思議なのは確かだ


カナタの方から全ての線を断ち切って3年もの間、接触はおろかその存在すら互いに感知していなかった筈なのに…ラウラはカナタを求め続け、そしてあの日、あの宿で…3人の少女と出くわした


なんの偶然か…その少女達はラウラが求めて止まなかった男との唯一の接触点であり、そこから見事に…消えた勇者に運命の糸を繋ぎ直した


きっと、全てはそこから始まったのだ


そして、ラウラの伸ばし続けた手は5年の歳月を経て、遂に…遂に求めた勇者の背中に触れようとしている



(運命、ね…気取った言い方しやがってちくしょう…。そんな言葉でドキドキする歳じゃないっての。でも…あの瞬間からドミノ倒しみたいに全部動いた。もし、ラウラと俺を引き合わせる何かがあったなら…それは確かに…)



ーー運命、と呼ぶのかもしれない



「…分かってるよ、分かってる。洗い浚い吐くよ、顔合わせて会えた時にな」



諦めたようで、それとも覚悟を決めたのか…肩を落としてそう決めた


その様子に、「やれやれ…」と肩をすくめるシオンとペトラに「…いけっ、いけっ…ふぁい、とーっ…」と鼻息を荒くするマウラ


カナタからすると、とても…とぉってもやりづらい事この上ないのだが避けて通れるものではない…それに、一応カナタもそのつもりで霊廟内に姿を表したのだ


やってやれない事はない


…のだが



(おぉぉめっちゃ緊張する…!な、なんて切り出すんだよ会った時!?「久し振りー」的な…いや絶対違ぇよなぁ友達じゃないんだから!「実は勇者でしたー」とか言うの!?無理無理アホか!お、俺のブラックだった時代を死ぬほど知ってる分、マジでやり難い…!しかも歳上…!妹分だった3人と違って完全に俺から見てもお姉さん…やり方が分からんっ!)



そう、覚悟決まってそうな事言って頭の中はこれ!


プランもなにもあったものではない!


震えが…隠しきれない体の震えがカナタの追い詰められ方を如実に表している!


しかし…カナタを襲う逆風はそれだけでは留まらなかった!






午前の終わり…カナタ達の居る場所から見える広間に置かれた四方に置かれる石碑のような魔導具を中心とする1辺50mはあろう広間


その石畳の床が幾何学模様の光を放ち始め、四方の石碑に紋様を浮かばせて輝きを灯す


そこは都市間を繋ぐ転移魔導具によって、午前はラヴァンからカラナック…午後はカラナックからラヴァンへと繋がる転移の間、ポータルと呼ばれる場所だ


転移、という高等魔法なだけに大量の魔力をチャージしなければ使えない魔導具であるポータルは、現実的に一日に2回の使用しか叶わず基本的に大規模商人や貴族、役人の移動に使用されるものだ


ラヴァンとカラナックは深い友好関係にあることから役人が行き来する事も多い…その度に危険な旅路を辿るのはリスクが高すぎる事からこの魔導具は設置されているのだ


これはラヴァン側からしても、王城を除けば2つしか無い貴重なポータルの1つである


大戦中から重宝されてきたポータルは今でこそ競争率は高いが民間人も使える移動手段となり、午前の終わりにはこの広間いっぱいに人や馬車などが光と共にラヴァン王国から転移してくるのだ



そのポータルの術式起動用の石碑と、魔法陣が刻まれた石畳が光を放つ


ラヴァン王国からの転移が始まったのだ


普段であれば、街の住人も「毎日の事」と見向きもしないであろうその光…例外なく、今回も特に注目など集めずに転移は完了したのだが…


いつも広間いっぱいに人や馬車がある筈のそこには一人の女性と数名の身なりの良い兵士、使用人だけが立っていたのだ


ポータルに数名で転移してくるなど普通の使い方ではない


まるで新幹線を貸し切りで使うかの如き光景だ


それこそ、王族クラスの者でなければあり得ないだろう…自然と皆の視線がそこに集まるが、彼女を見た全員が…歓声と共に納得した



彼女ならば、なんの不自然もないだろう、と




「ラウラ様…ラウラ様だ!」「おいあれ大聖女様だぞ!」「なんでカラナックに!?」「早く見に行こうぜ!こんな機会滅多に来ねぇ!」「えっ!?本物!?」「すげぇ!初めて見た!」「やっべ鼻血出そ…」「綺麗…いいよねラウラ様!」「おっと用事を思い出したじゃあまた後で…」「逃さんっ!」「んっ」「逃がしません!」「おい!こいつ生ラウラ様見て気絶したぞ!手を貸してくれ!」「ほら、見てご覧…あれが大聖女様だ」「何年ぶりだろうな、ラウラ様がカラナックに来たの」「ラウラ様…好き!」「はっはっ、この子はラウラ様の大ファンだからねぇ」




そう、大聖女ラウラ・クリューセルならば、なにも不自然ではなかった


ポータルに立っていたのはラウラである


それに気付いた道行く大衆が、立ち止まって麗しの大聖女を一目見ようと集まってきたのだ


自らを囲んで黄色い声を上げる大衆に、かのラウラ・クリューセルは静かに微笑み、手を振るのであった




ーーー





「お嬢様、随分とお早い出立ですね。何かお急ぎの用事が、カラナックにございましたか?」


「いえ、親善大使以外の諸用はございませんわ。ただ…早めに滞在して、久し振りにゆっくり過ごすのも悪くないと思いまして」


「ほぅ、成る程…確かに、お嬢様が最後に慰労でカラナックを訪れたのは勇者様と度に出る前…6年以上前でしたか」


「えぇ。夏のカラナックは絶好の水浴びシーズンですわ。疲れと汗をオアシスで流しながら、ゆっくり過ごしますわよ。親善大使としての出席はトーナメント戦だけですので、何日か時間がありますから」



時は少し遡り…ラヴァン王国王都に存在するクリューセル邸の一室


そこで老齢の執事と纏めた荷物を魔法袋に収納するラウラの姿があった


王城にてカラナックでの武争祭ラヴァン親善大使の派遣の話があり、ラウラはその席に国王から声を掛けられて出席をしたのだ


カラナックに関しては王都ラヴァン王国の4つある大貴族家…ミーニアル家、マルナクル家、レーバッハ家、クリューセル家が合議で当たる場合が殆どだが…この時ばかりはクリューセル家当主ではなく、ラウラが登城した


それは何故か…



「お嬢様…カラナック別邸から連絡が来ていた件はどのように?」


「特に家の者は必要ありませんわ。その件は…わたくしが直接当たります」



そう、ラウラの心当たりと予測が正しければカラナックにあるクリューセル家別邸から届けられた情報…カラナック近郊での大規模戦闘痕は間違いなく想い人が絡んでいる


それを確かめるべく、カラナックで動ける時間を合法的に確保したのだ


そう…当主である父の代わりとして



「はっはっはっ!クリューセルの娘らしくなってきたね、ラウラ。流石は私の娘だ…やはり積極的に動かなくてはいけないね」



その後ろから一組の男女が寄り添って歩み寄る


肩や金髪を後ろにしっかりと流したオールバックの男性…目元は切れ長で迫力を持ちながらも優しくその眼差しでラウラを見つめる彼は未だ40代だが、その容姿から年齢よりも威厳や渋さが強く感じられる


楽しげに笑いながら優しく声をかけるのはラウラの父でありクリューセル家当主、リュードル・クリューセルである


そして、その傍らで垂れ目ながら容姿で言えば20代前半でも通りそうな美女がリュードルの言葉に頷きながら、芯のある声で語りかける



「えぇ、本当にまったく…踏み切るのが遅いですよ、ラウラ。私の娘なら、もっとアグレッシブに惚れた相手を追い掛けなさいな。私がこの人と結ばれるのにどれ程苦労したか…」


「は、ははっ…ローティ、その話は子供の前では…な?」


「もう何度もしているから同じことですよ、あなた」


「ローティさん!?」



そう、彼女はラウラの母であるローティ・クリューセルその人である


歳はリュードルの5つ年下、つまり30代後半なのだが、その美貌は霞むこと無く…ラウラの優しげな目元や抜群のボディラインは間違いなくローティの遺伝を思わせる


そんなローティの言葉に「えぇっ!?」と慌てて振り返るリュードル…どうやらプライベートのパワーバランスはローティに傾いているようだ


夫婦のイケない昔話も彼女にかかればお手の物…驚愕に染まるリュードルの事など気にもせず、ラウラの肩をそっと抱くローティ…



「ラウラ…小さな頃のヤンチャな時からずっと素敵だったけど、今のあなたは一番素敵ですよ?いい?これは母からのアドバイスです…チャンスは、逃がしてはいけませんよ。好機と見ればすかさず待たずに攻めなさい、良いですね?」


「分かっておりますわ、お母様。もう私は…目の前の可能性をみすみす見逃すような真似は致しません」


「その意気です、ラウラ。流石は私の娘ですね」



しっかりと意思を硬く強く誇る眼差しをした娘に柔らかく微笑みながら優しくハグをするローティ


抱き返す己の娘に満足そうに、ぎゅうっ、と抱き締めながら娘の決戦に向けてのアドバイスを授ける…それは彼女の人生経験から来た知見、そう…ラウラはこうして産まれてきたのだ、という…とても為になる助言なのだ


これは娘の戦…孫の顔がかかった重要な戦なのである



「うぉっほん…ラウラ、私達はずっとお前の事を応援しているんだ。少し前は色々とあったが…その彼が、良い空気を運んでいてくれたのだろう?あまり攻めすぎるのは少し度が過ぎるかもしれないが…」


「あら、そんなことはないですよ、あなた。だって……私の娘ですもの」


「…なんという説得力だ…否定できる所がどこにも無い…」



一体何があったのか…愛すべき妻の、娘へのゴリゴリのアタッカー助言を抑えようとして目元を覆うリュードル…とても身に覚えがあるようだ…


朗らかに笑うローティから言い表せない力を感じる…眼の前で「まぁ、お母様ったら…」と頬を朱く染めているラウラは間違い無くローティの娘だろう


リュードルはまだ顔も名前も知らない娘の想い人に心の中で「…気張りなさい。ローティの娘ならば、意思の強さは本物だ…」と念を送った…


しかし、娘を愛する母の言葉はこの程度では収まらない…!



「良いこと、ラウラ?貴女には私の血が流れています。それならばまず…床勝負で簡単に負けることはありません。貴方の中に流れる…燃える情熱を信じてぶつけるのです」


「わ、分かりましたわ…。け、経験はありませんけれど……情熱を燃やします!」


「ローティさん!?さ、流石にそのアドバイスは少し早いんじゃないかい?それにラウラはその手の教育は独学だろう?そんな勢い良くいっても上手く行くかは……」


「あら、きっと大丈夫ですよ、あなた。だって……私の娘ですもの」


「…なんという説得力だ…信じられる部分しか存在しない…」



リュードルが両手で目元を覆い尽くした…


あまりにもイケイケGO GOな愛する妻から娘への過激なエールには流石にブレーキを掛けようとするが、妻の一言はリュードルのかけたブレーキを全て轢き潰して行った……一体彼とローティの間で何があったのだろうか


少なくとも、ラウラがこの世に生を受けたのはローティの力が大きいらしい


リュードルは未だ世界にその存在を隠す娘の想い人に心の中で「…頑張りなさい。ローティの血を継いでいるなら…強敵だぞ、娘は…」とエールを送った


だって、少なくとも自分は愛する妻に勝てた試しが殆ど無いのだから…


もはや、父では娘と妻を止めることが出来ないのだ…



「…何してるの、皆?姉さんの見送りじゃなかったっけ?」

 


そんな中で聞こえた少年の声


現れたのはライトブラウンの髪を分けた少し背の低い少年だ


彼の名前はミハイル・クリューセル


ラウラの4つ下、13歳の弟であり元より魔法座学共に優秀なのに加えてラウラが自ら辞したこともあって、クリューセル家次期当主が定められている将来有望な少年だ


その目付きは呆れたように細められているが、そんな困ったような顔はまさに今のリュードルとそっくりである



「ミハイル…今、ラウラはローティからを受けてる最中でな。ラウラは…これから勝負に出るらしい」


「あー…ジンドー様の居場所掴めたんだ。まぁ各地の別邸で変わった事件と事故を使用人に見張らせてたからね、姉さん。その様子だと…あぁ、カラナックかな?」


「らしいな。今回はラウラ1人で行く。…私は、流石に娘を貰う男の顔を見ておきたいと言ったのだがね」


「母様に止められたんでしょ?」


「良く分かってるじゃないか、ミハイル。流石は私の息子だ」


「嬉しくない褒め方しないでよ父様…」



横に並ぶ息子に「ふっ…」と少しニヒルな笑みを浮かべる父リュードルに半目でぼやくミハイルだが、母と楽しそうに話す姉の姿に安心感を覚えた





僅か数ヶ月前…取るに足らない中小貴族が小賢しくも姉の想い人を語って近付いてきた


見付からない想い人に焦燥し続ける姉にとっては無常のトラブルだっただろう


家へのダメージと己の想いを天秤に掛けて悩み、一度は諦めかけたそれを…姉は地に足をつけて自分の道を進む決断を下した


何も捨てない我儘な道を進む普段の姉ならあまり考えられない豪快な決断は、姉の片想いの相手によって全てが上手く運んだ


黒鉄の勇者


…アルスガルドの救世主


旅を終えた瞬間に忽然と姿を消し、3年間誰にも影すら触れさせなかったその男はなんと偶然かはたまた奇跡か…一番重要なの瞬間に、姉の前へ姿を表した


姉の悩みも、この家の問題もそれだけで…晴天の雲の如く消え失せた


その日から姉は変わった


曇った表情をしなくなり、さらに強く、凛々しく、前へと進むようになった


勇者ジンドーがラウラ・クリューセルのバックに付いている…そう周りの貴族が思うのも無理はなく、その結果クリューセル家もやっかみを受けることは無かった


その姉が…遂に彼の正体を掴んだ、と言った時は何の冗談かと思ったものだが…



「まぁ、良いんじゃないかな?ほら、姉さんも母様も楽しそうだし。…というか、これで相手に文句言ってたらバチが当たるよ、父様」


「も、文句ではない…。ただ流石に、私が顔も知らない男が愛娘と一夜を共にするとなると…考えるものがある、というだけだ」


「考えるだけにしときなよ。ほら、母様のあの目見てよ。目からくるって…「なにか言いましたか、あなた?」だってさ」


「ぬぅっ……が、頑張ってきなさい、ラウラ」


「流石お父様ですわ」


「流石です、あなた」



敗北を喫した父に隣で溜め息をつくミハイル


この一家は女性が妙に強いのだ…



「姉さん」



ミハイルが呼び掛けると、ラウラは彼の方を振り返る


世界を救って帰って来た姉に、言う事など1つしか無い


そう、それは5年前の幼き日に、姉が命懸けの旅に出る時も送った言葉



「行ってらっしゃい」



前は暗くて真面目で、神妙な顔で頷き、涙をたたえて旅に出た姉



それが今、同じ言葉に花咲く笑顔で頷いたのだった



「ええっ!お任せなさい!」








【side ラウラ・クリューセル】



大聖女の法衣、向こうは更に暑いのでローブは今回身に纏わず、黒銀の杖を手にしてカラナックへのポータルに転移する


カナタさんが居ると思われるカラナック…視界が転移の光に包まれて、目を閉じれば次に目を開きた時には…強い日差しに頑丈な石製の建物が並び立つカラナックの街並みが目に移る


私がこの街に来るのは大凡7年ぶりでしょうか…街の雰囲気は変わらず、ですが迫る武争祭に浮足立ち、気温とは違う熱気が立ち込める…


こちらに気が付いた方々が手を振り、集まってくるけれど、今回はまだ私用なので、程々で避けて貰わないといけませんわね


使用人が側まで殺到しないように、と身を張ってくれていますが…



トン



と黒銀の笏杖で軽く地面を叩く


私の金色の魔力と共に現れた魔力による半透明な立方体が細長く変形、そのまま周囲を柵のように取り囲ませて人避けを作り出せばまず無遠慮な距離には来れませんわね



慈母抱擁アマティエル


昔は、この黄金色の障壁を生み出せる魔法をただ守る為の壁としか使ってこなかった


今でこそ、その使い道の多さに助けられていますけれど…これもカナタさんとの旅の成果ですわね、昔の私は発想が硬すぎました


思い立ったが良き日である…そう言われるままに、即日このカラナックへと転移しては来ましたが、一先ず別邸まで辿り着かないといけませんわね


自惚れでないのなら、随分と人気にならせていただきましたから…



「お嬢様、いかがなさいますか?この人混みでは前に進めませんが…カラナック都政の迎えをお待ちに…?」


「こうなる可能性も考えて、予告無しで来たのですけれど…まぁ仕方ありませんわね。お乗りなさい…行きますわよ」



愛杖シャングリラを再び地面に小突くようつつき、地面に一枚板のように障壁を広げてその上に乗れば、執事と使用人も私兵達もそこに乗せ、シャングリラを軽く振るう


それだけで…黄金色に輝く障壁はふわり、と私の操るままに宙へと浮かび上がった


十数mも浮かび上がれば安全で、遮るものもなく、ゆっくりと全員を乗せて船のように動いてもすぐに別邸まで着くでしょう


…この使い方は確か、旅に出てから半年目くらいに覚えたんでしたね、懐かしいですわ…


いかに魔法を使うのに柔軟な思考が必要なのかを思い知らされた幼き日を思い出しながら、見渡しの良くなったカラナックの街並みを見下ろせば下からでは見えなかったカラナックの栄えた景色に、この高さからでも喧騒と熱気が伝わってくる


武争祭はカラナック最大のイベント


この賑わいも当然ですわね



そう感じながら…ふ、と視界の端に小さく映った人姿



空から、先の町中にその姿を見つけた


目立つのは真紅と、瑠璃と、純銀の髪…三人の特徴的な少女の姿


仲が良さそうに1人の背の高い少年の腕を引き、そしてこちらを指差している



胸が高鳴った


予測は、予感は正しかった


この街に、来ていたのだ

 


少年が振り返り、少女の指差すままにその先へ…私への視線を合わせた


その目はまるで、私を試すかのように…じっ、と落ち着いた表情でこちらを見つめていたのであった




ですが、この時の私は知る由もありませんでした…




















まさかーーこの時シオンさん達が仲良さそうに腕を絡めて見えたのは、カナタさんが私を見て隠れようとしたのを引き摺り止めようとしてただけだった、とか


あの試すような視線は、ただ私が予想外のタイミングで現れて完全にパニックになったカナタさんの表情が固まっていただけだった、とか…




そんな事…知れるはずも無かったのです…






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【後書き】



「……ぶっちゃけた話をしましょう」


「お、おぉ…なんだかシオンが物々しい雰囲気を醸し出している…」


「ん……まるで碇ゲ◯ドウ……伊達眼鏡が輝いてるぜ……っ」


「嫌な予感しかせんのだが…まぁ一応聞いてやろう」


「では、まずペトラ………身長とスリーサイズは?」


「答えたくないのだが!?」


「重要な話なんです!」


「どこが!?」


「いいから!」


「んっ……そんな気になるペトラのサイズは…こちらっ…」



[身長 165cm B88 W56 H86 足 25.0cm 体重ーー]



「のわぁぁ!?な、なぜマウラがこれを知っている!?というか何処からその板を取り出した!?早く下げんかぁ!」


「ふっ……私のキャッツ・アイにかかれば……この程度の情報造作もない…っ!」


「くっ!…やはりっ…ペトラはスタイルが良いです!」


「えっ…い、いやいや、そなたの方が胸やら尻やらは良い筈だろう?急に何を言って…」


「違うんです!私より少しコンパクトな身長に3つのサイズのバランス感!そして脚や太ももの引き締まりつつ肉感を表す絶妙な肉付き!腰からヒップにかけてのラインの美しさ!」


「ちょちょちょっと待てぇ!こ、こんな所で我の肉体の品評などするなぁぁぁ!というかさっきから何を気にしているのだ!?」


「私だってこのままなら何も問題ありませんでした…っ!ですが!見て下さい本編を!来てしまったんです…!あの人が!」


「…あっ…ラウラさん……」


「あー…そういう事か…。つまり…スタイルに自信あって我らの中でも一番起伏のあるボディラインだったが、ラウラさんが来ると…」


「そうです!私ではあの人には勝てないんです!ど、どうすれば…!?」


「んー……ラウラさんはあんまり運動しないから……女性的な柔らかさはあるけど……シオンはよく動くから締まった良さがある……特に…足とかは良く違いが出る……それに…一言に胸と尻でも…形はそれぞれ……ラウラさんのは包容力全振りのふわふわ…シオンのはしっかり鍛えを感じられる低反発枕みたいなむっちり…」


「人の体をこんなところで品評しないでください!恥ずかしいです!」


「のぅ、マウラ…ちなみに、ラウラさんって…」


「んっ……こちらっ…」



[身長 172cm B98 W58 H92]



「ば、ばけものか…っ!?というかやはり背高いな!モデルとかそんな次元ではないが!?」


「…これで聖女だなんて…っ…なんてえっちな存在……!」


「そりゃどんな嘘ついてでも手に入れたいとか思われます…」


「サイズ感がワ◯ピースとかハイ◯クールD☓Dみたいだ…我、これに比べれば普通なのではないか…?」


「…それ……他の人の前で言わない方がいい……袋叩きにされる……ラウラさんは特別……特別じゃないと困る…!」


「あー…マウラは結構スレンダーでスポーティな体しておるからなぁ。…いや、そなたもそなたで文句言える物でもなかろう」


「…自分の体に恥はない…けど…!……隣の芝は青い…というっ…!」


「まぁ、こればかりは理屈ではないからのぅ…」






「それで?どうなんだい、ジンドー君?」


「全員それぞれの魅力があって大変いいと思います。まずペトラは頭の先から爪先まで素晴らしいですね、流れる銀の髪に切れ長で強い目元、そこから女性らしさと格好良さを同時に兼ね備えていて、なのに首から下に目を移せば突き出した胸、引き締まるウエスト、魅惑のお尻…すらりと長く、それでいて柔らかさと強さを見せ付ける太ももからふくらはぎは最高だ。シオンは知的でどこかノンアクティブな雰囲気の奥ゆかしい美しさがあるにも関わらず、しっかりと「動く者」の強かさが見える。何よりも3人の中で一番女性的な体付きでありながら、その柔らかい体の内には強さを支えるものが感じられ、眼鏡の奥から覗く視線はこちらの全てを見透かすようなぞくぞくする感覚がある。マウラやはりあのいつも眠そうにしてる目の奥に潜むクールな眼差しと、それに反した猫耳と尻尾のふわふわした可愛らしさが最高にチャーミングだ。2人よりも背が低く幼さが見える気がするが、その実まるでスポーツカーのような魅力をそのままに不純物が一切無いかのようなスレンダー…なのに貧相な体ではなく付くところはしっかりとした肉付きがあって柔らかく、躍動感溢れる印象は手放せない愛らしさと美しさがある。あぁもう手っ取り早く言うと3人とも大好きですほんと。そりゃ3日でも4日でも1週間でも10日でも止まらなくなるに決まってんだよなぁ、ったく…」


「わーお…おじさんが思ってたのの1000倍は惚れ込んでるねぇ。これで内面まで語らせたら次の話が投稿されなくなりそうだ…じゃ、おじさんはこれで…」


「あっ、おい待ておっさん!まだ俺のプレゼンは終わってねぇぞ!ここから今まであったあいつらの「可愛いかった行動編」、「ドキっとしたお色気編」、「つい抱きしめたくなる庇護欲編」、「大人の夜の魅力編」、「戦ってる時のギャップ萌え編」、「心を打つ感動編」、「男心を掴む内面編」、「特技と得意技編」から「夜の弱点突かれた時の可愛い反応集」がまだ残ってんだ待ちやがれ!」


「それは次の話どころか今年が終わりそうだね!?残念だけどまたの機会に〜!」


「あっくそっ早ぇ!逃がすか!ってオイっ、ローブ被って透明になるな!あの中年野郎自分から聞いてきた癖に…こうなりゃあいつらの魅力を1から530000まで語って聞かせてやらねぇと気が済まーー」


(やっぱ面白いなぁジンドー君。これ、本編でやってくれないかな?)

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