第20話 後ろに続く者達へ


「横!回り込んでく!」「うわ、危な!、」

「おい、近寄せんなって!」「無理言うな!そっちこそ早く仕留めろ!」「こいつ、切っても全然効かない!」


魔物の討伐講義は現在、そこら中で大声が響くほどに盛り上がっていた


3組ずつで実際に魔物お戦っており、それぞれギルダー、ラウラ、カナタが側で指導をしながらの講義だが、他人と連携など一切したことのない少年少女がまともに戦えるはずもなく


結果、怒号や悲鳴が飛び交うこととなったのである


魔物に近寄られる事に怯えて声をあげる魔法使いと魔物を上手く抑えられず、なかなか有効な攻撃が当てられない


魔法を放てたとしてと前に居る前衛に当たるかもしれない、と上手く魔物に魔法を当てられない


2年、3年の生徒はまだ慣れた様子の組も見られるが、初めてこの講義を受けた生徒達はこの有り様である


ゴブリンは木の棒を持たせており、学院の切れ味が並の剣ではまともに打ち合うことになるのだ


たかが木の棒ではあるが、それを断つにも技術が必要なのである


そんな中、一際注目を集めていたペアが…


「あ、あのっ、ほんとに私の組んで良かったんですか?シオンさんは魔法使いで私も魔法使いだし…前衛の人が居ないと危ないかなってっ」


そう、マーレとシオンの2人組である



マーレは光属性の魔法を持つ魔法使いであり、シオンも炎が得意、と自己紹介で述べていた通りの魔法使いだ


その2人が組めば、誰が正面で魔物を抑えるのか…という、ことになる


基本的に前衛の戦士が正面で敵を押しとどめて後衛の魔法使いが攻撃魔法で撃破するのが一般的な戦法であり、戦士も魔法使いもそれぞれの武技、魔法のみに鍛錬を集中するため、戦士は近接戦のみ、魔法使いは魔法による遠距離攻撃のみ行えるというのがこの世界の常識だ


故に、近接戦も出来て魔法も操れる者は非常に珍しく、『英雄』と呼ばれる者達の多くはどちらもこなすことが出来る


ここで誰もがシオンやマーレに『自分が前に出て守るから組もう』と声をかけようと内心画策を始めていた


彼女達に迫る魔物を止める自分の姿にあわよくば良い感情を持ってもらいたい、という思春期特有のかっこつけである


しかし、檻から出されたゴブリンを数メートル先にしたシオンは首をかしげて…


「私が前衛ですが…問題ありましたか?」


何を不思議なことを言っているのだろう?と言いたげに首をかしげるシオンに慌てたのは周りの生徒とマーレである


「そ、そんなことさせられませんっ!危ないですっ!わ、私の魔法で倒せるかも分からないし…当てられるかも自信ないですしっ…」


「シ、シオン…流石に危ない真似はやめた方がいいです。ほら、なんなら私も居ますから…」


さりげなく自分の存在をアピールするレインドールをスルーしてゴブリンに歩み寄っていくシオン


警戒する様子もなくゴブリンへと近づく様子は異様そのものであり、手に武器も持たず魔法を準備する事もなく、体に防具も纏っていない


そして、ゴブリン等の亜人型と言われる人と似た魔物は見目麗しい人の女性を繁殖相手に選ぶ、という習性を持っている


ゴブリンやオークが世の人々から特に嫌われているのはこの習性が全ての要因と言える程だ


この場にいるゴブリンはさほど大型の個体でも無く、群れでもないので警戒や敵意、殺意ばかり漲らせているが、一歩間違えれば滾らせるのは性欲に変わるかもしれないのだ


そんな周囲の緊張など余所に、ゴブリンに近づいていくシオンは特に警戒もしていない様子で、いつもの怜悧さを秘めた落ち着きのある眼差しのままだ


「マーレ様、魔法の準備はよろしいのですか?」


ゴブリンを目の前にして、マーレの方へと振り返る始末


当然、動き出すゴブリンは、まず振り上げた木の棒をシオンの後頭部めがけて飛びかかりざまに振り下ろす


まずは動きを止めて、それが女であれば巣に持ち帰って仲間達と犯す…その本能と習性に基づいた一撃だ


「シオンさんっ!」


マーレの悲鳴にも似た叫び声が響き渡り、数名の男子は慌てて彼女の元に駆け出そうとしている


しかし、そこに間に合う筈も無く、誰もが最悪の未来を幻視する中で振り下ろされた木の棒はシオンに迫り…



”ガッ…メキメキッ…!”



視線だけゴブリンに向けたシオンが挙げた片手、その細い指に木の棒が掴み取られていた


しかもその指が、武器として使えるように固められた木の棒に、まるで発泡スチロールでも握りつぶすかのようにめり込んでいるのだ


全員がぴたり、と驚きのあまり動きを止めた中で最も驚愕の最中にいたのはゴブリンの方だろう


獲物であり、いたぶり辱める対象の筈のうら若き美しい少女に攻撃を止められた上に、両手で力を込めている木の棒が一寸も動かせない


彼女は片腕で押さえているというのに、だ


ゴブリンの力はいくら人より背丈が低いとはいえ、人の数倍もの力があるのだ


挙げ句の果てに、シオンのもう片方の手がゴブリンの頭を正面から鷲掴みにすると宙に浮かせるように持ち上げてしまう


ゴブリンは小さい個体とはいえ50~60kgは下らない重さなのに、片腕のアイアンクローだけで吊し上げてしまったのだ


頭骨にメリメリと不快な音を立てて締め付けてくる痛みに奇声を上げて暴れるゴブリンだが、シオンの手も体もびくともせず…


「さぁ、マーレ様。動きは止めたのでどうぞ、仕留めてください」


この時、皆が思った


『なんか違くない?』と


台詞的には前で魔物を押しとどめて魔法使いに攻撃のチャンスを作っているように聞こえるのだが、実際は哀れな生け贄にトドメを刺させようとする少女とそれを的にする魔法使いである


「え、えっと……れ、『閃攻レイ』っ!」


困惑しながらもマーレが放った光属性魔法の初歩的攻撃魔法『閃攻レイ』は、光の尾を引く光弾となってゴブリンの胴体に直撃


シオンがタイミング良く手を離したおかげでそのまま何十mも飛んでいき、地面を転がったゴブリンはもう動くことは無くなっていた


皆が、彼女が自身を前衛と名乗った意味を理解した


そう、彼女には前衛など必要ないのだ


いや、具体的には


さらに、噂の魔法技術に加えてこの近接戦闘の強さ…間違いなく身体強化の類いを使用しているが、通常の魔法と強化魔法は両立が難しいのだ


遠くを狙う遠距離魔法などは基本的に手先などに魔力を溜めて、魔法を構築し、使用する魔法を発現、そこから狙い、発射…それだけでプロセスが多いのだ


対して強化系の魔法は術者の体内で魔法が完成し、その魔法を肉体に充填するようにして効果を獲得する


二つの魔法は『魔法』と名がつく物だが体系が全く別なのだ


それを両方とも修めるのは至難の業である


故に、使用感が似ている戦士が主に強化魔法を使うことが多い


それを彼女はいとも容易く使って見せたのだから皆、開いた口が塞がらないのだ


「素晴らしい魔法でした、マーレ様。光属性の魔法は初めて見たので、驚いてしまいました」


「い、いえ…それほどでもです…はい…」



間違いなく、驚いたのは他の全員である


汚い物でも触ったかのように手をパンパン、と合わせてはたきながらマーレの元へ戻るシオンの姿のなんと強そうなことだろうか


彼女と組もうとしていた男子生徒達も皆声がかけられない


「む、終わったかシオン」


「……遅かった…」


そこに合流するマウラとペトラの後ろでは、実践相手だったであろう大きなスライムが煙を上げて蒸発し、塵に還っているところだ


ちなみにシオンは、手柄をマーレに譲り、目立つのを控えたつもりだったのだが…それが上手くいかなかったと分かっているのは、外側から彼女達を眺めるカナタだけなのであった


ーーー


「お疲れ様でしたわ、皆さん。魔物は初めて…という方は多かったですわね」


その日の午後、帰宅前の教室ではラウラがクラス・アーレの面々に笑顔で話していた


彼女としては後輩達が自分も通った初めての一歩を踏み出したのが嬉しいのだろう

が、生徒達の反応は様々だ


初めての魔物を殺す感覚に気分が悪くなる者や、実践で興奮している者もだ


しかし、やはり最優クラスなだけあり、全ての組が無事魔物を倒すことが出来たのはクラス・アーレだけであった


「さて、入学から二ヶ月…ここで皆さんにいいお知らせをお持ちしましたわ。1年生の修学旅行…懇親旅行が来週出発することに決まりましたわ!」


懇親旅行…それは1年生が修学旅行の変わりに行く1年生同士の親睦を深めるための旅行だ


クラスの垣根を越えて友人知人を増やすための場であり、毎年春頃に他学年と同時に出発する為、この時期の学院は敷地に生徒が殆んど残っていないという珍しい光景が広がるのだ


生徒達も『旅行』の文字に『おお!』と興奮を見せており、やはり気になるのはどこに行くのか、という話になるのは必然


勇者が魔神を倒したことで都市間、国家間の移動は目に見えて安全になった


それまでは、出れば生きて目的地に辿り着けるか半々…それでも確率は高いと言えるレベルで危険が伴ったのだ


それでも魔物や魔獣に襲われる危険性はあるのだが、護衛を雇えば大体は問題ないとされる程度だ


「目的地は王国東部にある『火山都市ユカレスト』…つまり、目玉の観光地は…温泉ですわ!」


ラウラもかなり楽しそうなのは自身が風呂好きなこともあるのだろう


ユカレストは付近に聳える活火山『ロッタス山』を中心とする火山帯の麓に栄える都市である


豊富な山の栄養による山の幸や動植物が特産であり、何よりも地下を温める溶岩により温泉が多く吹き出す場所なのだ


活火山ではあるが、遥か昔から管理されている神話異物オーパーツの力で火山の勢いや溶岩の噴出、噴火を抑えており、その安全の証拠として都市が火山災害により被害を受けたことは一度もない


庶民から貴族まで大人気の観光地なのである





しかし、生徒達がノリ良く喝采をあげている中…密かに目を剥いて驚きを露にするカナタなのであった


ーーー


(そこ今行ったらダメなとこー!?なんでわざわざユカレストにしたんだよこの学校!?)


内心テンパるカナタだが、それもその筈で、

封印から逃れた怪物が逃げ込んだであろう最有力の候補地が、そのロッタス山なのである


(アマテラス!ガヘニクスの行方はまだ掴めないのか!?)


『現在、捜索中です。流石に私と航空機では地中の中まで正確に探知できません』


(ブラック隊は見つけらんないのか…!空戦機じゃ無理か…だけど陸戦機は他人に見つかりやすくて面倒になる…ッ)


『どうしますか、マスター?空戦機であれば『バハムート』を使えば探索、攻撃性能共に問題ありませんが』


(あんなバカでかいの使えるか!?『勇者はここです』って大声で叫んでるようなもんだぞ!)


『もはやそこは気にしていられる場面ではないような気がしますが…』


心なしかアマテラスの声音が呆れ混じりの物になっているがカナタもカナタでそこは譲りたくないらしい


(『スサノヲ』と『ツクヨミ』は論外…『ガルガンチュア』なら居場所的にも丁度いいんだがガヘニクスとドンパチしたら最悪ユカレストが焦土に変わる…!)


『やはり、マスター自らが出るのが早いのでは?』


(…かもなぁ)


カナタが作り出した決戦兵器の数々は凄まじい量と種類が揃っているが、様々な所に基地を作って収納されており、すぐに呼び寄せたりそれに合った規模の兵器でなかったりと細かな融通が効かない


収納魔法は相当な量の物を搭載できるのだが、流石にカナタが作成する兵器となると大きさの次元が旅の荷物や装備品とは異なるので携帯しきれないのだ


『目標は地下で休眠状態になっていると推測します。観測している限り補食行動、破壊行動の類いは一切見られません。封印の影響は相当強く残っていると思われます』


(だろうな。だからこそ、今潰しておきたいんだ。後々に面倒なタイミングで元気になられても困るんだよ、特に四魔は)


内心で深く溜め息を漏らすカナタ


ラウラが楽しげに旅行の話をする横で、しかめっ面だったことには、クラスの誰も気がつかなかったのであった


ーーー


「さて、私の方から分かったことを報告させてもらうわね」


場所は王宮貴賓室


国王、宰相、大将と国を預かる3人に加えてサンサラ、ザッカー、ラウラの3人の計6人が顔を会わせており、口を開いたサンサラに視線を向けながら話すように促すと、映像の写った水晶玉を3つ取り出して机の上へと並べ始める


「ガヘニクスの行方は不明よ。どこに向かったのか検討もつかない…温暖な地域に行ったのは間違いないけれどそれしか手がかりがないもの。地中移動なんて面倒なことされたら、ね」


「それが気がかりだ。俺ら軍部からしたら国防…いや、国の存亡に関わる存在だぞ。勇者ですら封印がやっと、など言う怪物は明らかに手に余る!」


「確かに、例え撃退だけでも出来たとしてどれだけの損失が出るかは図りしれません。ガヘニクスの悪名はよく聞いているが、どれも信じたくない話ばかりだ」


大将、宰相共に顔をしかめて頭を抱えそうな表情なのは仕方の無い事だろう


それほどまでにかの怪物の伝説は恐ろしいということなのだ


「ま、あのガヘニクスも封印から出たてでかなり弱ってるって話だし、お偉いさん方も少しは安心してくださいな。あと、一応ジンドー君の為に誤解を解いておくと…封印がやっと、というのは間違いっすね」


ザッカーが手をひらひらと振りながらなんとも気の抜けた励まし方をするが、続く言葉に2人揃って息をのむ


殺しきれる…そう言ってましたねぇ、彼。一応、あんな素っ気なくても民間人に気を遣ってくれてたみたいで」


「っ…ならば尚更ガヘニクスを都市に近づけるわけにはいかん!もしもそこが戦場になればどれだけの血が流れるか…!」


「はいはい、そこは置いといて次の話よ」


焦る大将を差し止めて手をパンパンと叩き、話題をもとに戻すサンサラ


彼女が手を翳すと机に並べられた3つの水晶玉が輝きを放ち、その光が空間にディスプレイの如く、それぞれの映像を浮かび上がらせていく



「他の封印地点3ヵ所が判明したわ。うちの弟子達を総動員で1ヶ月もかかったのだけどね…その1ヵ所目がここよ」


映像を指差すサンサラ


そこには映像からでも分かる巨大な構造物が草葉の生い茂り、桜のような臼桃色の花弁舞い散る草原の中に聳え立っている


形はピラミッドの半ばから上が平らになったような台形型で、全体が光を飲み込むような真っ黒の金属で構築されている


隣の映像では枯れ葉の舞い落ちる森林の中に


その隣の映像では孤島といえる小さな南国の島のど真ん中に


その構造物が存在しているのだ


「名前も鑑定済みよ。右から『封印中枢:SUMMER|』『封印中枢:AUTUM』『封印中枢:SPRING』…それぞれが季節の魔力がふんだんに満ちた場所にあったの。それも人の寄り付かない危険な場所ね」


「この『サマー』っていうのが建ってるのが、海棲魔物と魔獣の巣窟ゆえに各国も航海禁止海域に指定してる『マトロス海』の孤島郡のど真ん中だ」


「『オータム』は軍事国家ベイリオスの西側にある魔獣の群生地『ユピタ紅葉林』の最奥…そして『スプリング』は貿易都市カラナックの北側にある常春の森林『ジュッカロ魔棲帯』の奥地よ。どれも人なんて一瞬で餌にされるような危険地帯にあったわ」


「しかもこの3つを見つけた時にはジンドー君の無人兵器がうようよ飛び回ってたからねぇ。彼も封印が破れたのに気が付いて他の警戒を強めてるってとこかね」


言いきったザッカーとサンサラが同時に「はぁ…」と溜め息をつくのは相当苦労させられたからだろう


彼らでなければ立ち入って調査など出来ないような場所であり、気を張った活動故に随分とお疲れの様子だ


そもそも3年前の魔神討伐をもって一線から退いた2人が魔獣の巣窟に行くこと事態気乗りではなかったのだ


しかし、勇者に関係するならば、と重い腰を上げた結果予想以上に面倒だったので今ばかりは顔を見せない勇者本人が若干恨めしいのだろう


「それで…まだ魔神族は確認出来ていませんのね?」


「そうじゃ。それが気がかりであった。あ奴らの存在こそ国にとって災厄となり得る…なにせ、魔神族の将が現れれば太刀打ちなどとても出来ぬ」


ラウラと国王の懸念は魔神族の襲来にある


実際に戦ったラウラからすれば彼らの襲来こそ恐れるべき事態なのだ


「まだ現れていないみたいよ。恐らくは、ガヘニクスと行動しているのかしら…アレを完全に復活させられれば私達、人への攻撃手段としてこれ程大きな戦力はないものね。他3つの封印破壊にもかなり近づかれることになるわ」


今は魔神族に対して後手に回ってばかりの状態


この日、彼らの話し合いは朝まで続くことになっていく…



ーー












カナタの額に汗が伝う


目の前の状況に頬はひきつり、口からは「いや、それは…」と躊躇いの言葉が紡がれる


場所はカナタの部屋


そこにシオン達3人が集まってカナタにとある雑誌のページを見せつけているのだ


そしてシオンの指先がとある一部を指差しており…



『温泉の街ユカレスト!どのようなお湯でも揃っています!露天、かけ湯、薬湯、寝湯までお好きな温泉をお選びください!』


そう、これはユカレストのパンフレットだ


どこで手に入れたのか分からないが、彼女が指差しているのはそのすぐ隣の一文…




『恋人、大事なパートナーと楽しめる混浴もご用意があります!』




「というわけで、カナタ」


「そういうわけだ、カナタ」


「………ね?…カナタ…」


「いやどういう訳よ!?入らねぇよ!?躊躇いとか無いのかお前ら!」


「そんなもの、男女の間にあっては関係が進みません。不要です」


「まぁまぁ、最初だけだ、カナタよ。恥ずかしいのはお互い様というわけで、な?」


「……カナタとお風呂……頭と尻尾洗って……」


カナタは戦慄していた


女子3人の方が覚悟完了していることに、かなり戦慄していた


歓迎会の夜、ダンスの最中に想いを告げられて以来、彼女達のアプローチは日に日にエスカレート


『ここまでならアプローチしても不自然じゃないかな?』という一線を取り払ってしまったものだからグイグイと距離を詰めてくるのである


シオンは朝から「おはようございます」と自然な流れで頬に口づけ


ペトラは朝食でフォークに指したソーセージを『あーん』と差し出し「うまいか?」と微笑み


マウラに至っては寝てる間にベッドに潜り込んでおりカナタにぴったり密着して「…あったかい…」と幸せそうに


そこにきてユカレストの話が出てしまった物だからこんな情報を拾ってきてしまったのだろう


いや、別にカナタも嫌な訳じゃない


カナタだって健康な10代の男である


彼女達のような美しい少女達から言い寄られ、ここまで純粋に好意をぶつけられるのは嬉しい意外の何もない


だが、恋愛初心者のカナタにはちょっと押しが強いかな?と思うのである


温泉の街ユカレスト


カナタにとって色んな意味で、試練の旅先となるのであった

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