第56話やぁ

 さあ、やるべき事はまだまだあるのでタリム領独立まで頑張るぞっ!!





 シャルロットと正式に婚約することができた。


 正直言って、クロード殿下への意趣返しの為のその場限りの演技であると思っていたのだから、まさか本当に婚約をするとは思っていなかった。


 シャルロットの父親へ婚約の許しを得る時は人生で一番緊張したかもしれないのだが、自分が思っていた以上にすんなりと婚約の承諾を得ることができて一安心である。


 その安心感と、将来義理の父親と母親となるお二人とも気が合った事によりその夜はかなり飲んでしまったので今後、気をつけるとしよう。


 あとは、俺両親からの許しをもらい、晴れてシャルロットは俺の婚約者となるわけだ。


 思えばシャルロットに恋心を抱いてから長かったのだが、これでようやっとシャルロットは俺のものになるのだ。


 勿論俺はシャルロットだけのものなので妾や第二夫人、浮気などは作るつもりもするつもりもない。


 子供が産まれなかった場合は孤児院から引き取るつもりだ。


 そして俺の初恋は最高の形で花を開いた訳だけれども、何かを言い忘れてるような……。


 まぁ、忘れるくらいだから大した事はないだろう。


 それにしても、シャルロットの知識にはいつも驚かされてばかりである。


 一体どこからそんな知識の数々を思いつくことができるのかと思わずにはいられない。


 前に一度シャルロットへ聞いたことがあるのだが、シャルロット曰くスキルのおかげだそうだ。


 しかしながら、そんなスキルなど聞いたことがないし、もし本当にそうなのだとすれば、この事をカイザル殿下が知れば一体どれほど悔しがるのだろうか。


 想像しただけでスカッとするのだが、決してその事をカイザル殿下どころか他人に教えるつもりなどは無い。


 むしろ教えたせいでシャルロットと無理矢理婚姻関係に結ぼうとしたり、最悪拉致なんて事もあるかもしれないからな。


 そんな事を思いながら今日も事務作業(主に学校建設についての資料纏め等)に励んでいると、何だか部屋の中で不自然に光った箇所が目に入った。


「何だこれ」


 その事が気になったため光った場所へと言ってみると変な白い板状の物があり、表では何か映像が流れているのが目に入ってくる。


『やぁ』

『やぁ』

『やぁ』

『来たぁぁぁぁああああっ!!!未来の旦那様っ!!』

『wwwwwwwwww』

『やぁ』

『やぁ』

『あらやだ、近くでみると本当にイケメンだわっ! 私と結婚しない?』

『ホモ乙 黙れ』

『やぁ』

『婚約者君逃げてっ!!』

『シャルロットちゃんっ!! ユアチューブの隠し撮り生配信切り忘れた結果、婚約者にバレましたよぉぉおおおおおっ!!』

【¥10000:祝!!神回wwww】

『ナイスパ』

『ナイスパ』

『ナイスパ』

『やぁ』

『ナイスパ』

『ナイスパ』

『ナイスパ』

『ナイス赤スパww』


 …………何だこれは? というか、みた事もない文字なのにこの板の能力であるのかその言葉の意味が理解できる。


 理解できるのだが、意味がわからない単語もある。


 本当に、何だこれは?

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