第55話治安の向上と学校の建設
そう言うとブレットは「それはやだなぁ。 気をつけるよ」と言いながらわたくしが私た水を飲む。
「ほら、今日は学校の建設地の視察に行くんですからシャッキっとしなさい。 シャキッと」
「ああ、すまん」
とりあえず、これからタリム寮を発展させる為に次に行うことは治安の向上と学校の建設である。
今現在タリム領には、その他の領地などと比べれば比較的安全といえども犯罪は日本と比べればまだまだ多く、女性や子供は夜道や人気のない場所を一人で歩くのはあまりお勧めはできない。
毎回襲われるとう訳ではないし、むしろ襲われる方が珍しいのだが、用心するに越したことはない、と思うくらいの治安である。
特に子供、その中でも男の子に関しては去年だけでも誘拐事件が数件起きており、非常に腹立たしく思っている。
かといって地球での歴史から見た対処法で女の子の格好をさせるという方法はさせたくないし、そうさせないのが領主の仕事でもある。
とりあえず、誘拐の首謀者である貴族には目星をつけているので証拠を固め次第地獄に叩き落としてやるつもりだ。
跡取りが欲しいなら孤児院から正式に向かい入れろと思うのだが、外聞を気にして足がつかない誘拐に手を出してしまうのだろう。
そして、それをなくす為の学校でもある。
親が働く時間は一箇所に集め、そして通学時は衛兵が見守る、という方法である。
もちろん貧困街からもきて欲しいので低学部の学費は無料、お昼ご飯は只である。
そして、スラム街を良くする為の学校である。
はっきり言ってこの世界の識字率は低く、約10%である。
現代日本で比べるとかなり低いのだが、中世ヨーロッパと比べると倍近くある、というのが今の現状である。
なので、子供達が学校に通い、文字の読み書きと、単純な計算ができるようになれば、それだけで貧困から抜け出せる可能性が一気に上がるはずだ。
例え、このタリム領で仕事がなくても他所では引く手数多であろう。
あとは、貧困街の方達にも単純な仕事を与えようと思っている。
そもそもこれからも発展し続けていくと思われるため高度成長期時代の日本のようにどの職業も人手不足となるであろう事が予測できるため、貧困街出身だとか選んで居られなくなるだろう。
その前にスラム街から人材の確保をキープしときたいというのもあるのだが、一日でも早く貧困から抜けだせるほが良いに決まっている。
とりあえずは学校用、ついで販売用にそろばんの大量生産から始めるつもりである。
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