第57話タブレット

 な、何だこれ?


 そう思っていたその時、俺の手元にあった板はスッと消えて行くではないか。


 その瞬間、廊下の方から「ズダダダダダッ」という足音が聞こえてきたかと思うと「ドパァンッ!!」という音と共に部屋の扉が開かれ、汗だくかつ顔面蒼白のシャルロットがノックも無しに部屋へ入ってくる。


「み、みましたっ!?」

「へ?」

「い、いや、見ていなければいいのです。 お騒がせいたしましたわ。 そ、それではご機嫌よう」


 そしてシャルロットは入ってくるなり俺へ何かを見たかを聞いてくると、俺が何を聞かれているのか分からないという表情を確認した瞬間逃げるように退室しようとするではないか。


「見たって、板状の奴か? それなら今さっき消えて言ったぞ? てか、あれはお前の仕業だったのかよ。 いったい何なんだ? あれは」


 恐らく、シャルロットが言っている物とは、恐らく『アレ』の事だろうと思い聞いてみると、シャルロットはみるみる内に青ざめていき、そして観念したような表情となる。


「み、見られていましわたわぁぁぁぁあああっ!! うぅ、もう言い逃れはできませんわね」

「そ、それであれは何だったんだ?」

「あれはタブレットですわ」

「た、タブレット?」

「ええ、そうですわ。 まずこの『タブレット』を説明するためには私のスキルからより詳しく説明する必要がございますわね」


 そして、シャルロットはそう言いながら自分のもつスキルを説明し始める。


 まず初めに【ママゾン】は地球というここでは無い世界の物を買えるというスキルで、この地球にある日本という国でシャルロットは前世過ごしていたそうだ。


 次に【ググレカス】なのだが、その世界でいう『インターネット』なるものの『検索エンジン』なるものを使う事ができるのだという。


 よう分からなかったのだがシャルロットが説明するには、この世界の数ある図書館の一件の中にある本を全て閲覧する事ができる。 ただし、他の図書館は利用できない。 しかしながら【ググレカス】の情報量は賢者のそれを超えているのだが、その代わり嘘やでまかせもある、という事らしい。


 それと、先程の板がどんな意味があるのだろうか? と疑問に思っているとスキル【ググレカス】のレベルアップに伴い扱えるアイテムだという。


 【ググレカス】のレベルが上がって行くにつれてスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デスクトップ、ゲーミングPCなるものへと使える物がグレードアップしながら増えていくのだそうだ。

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