第59話秘密結社ブラック・ローズ
「あ、あの……ご主人様」
そんな俺達を置いて行かれる子供のような表情で自称筆頭奴隷であるサラが俺を呼ぶ。
「どうした?」
「わ、私も一緒に……その、あの……」
そしてサラが何か俺に伝えたそうな表情をしているので問いかけるのだが、言って良いものかどうなのかサラの中で葛藤しているようで口ごもり、言葉が続かずどもってしまっているようである。
「サラさん、今回は私の我儘でご主人様を付き合わせてしまったので、私が責任をもってご主人様をサポートいたします。 それに、クロード殿下とスフィア様のお顔を知っているのは同級である私とご主人様だけであり、ここにいる奴隷達はサラさん含めておりません。 なので、その両方からみても今回ご主人様をサポート、そうですね、
そんな更にどう返事をすれば納得してくれるだろうかと考えているとブリジットが勝ち誇ったような表情で、何故か『初めて』や『共同作業』や『二人で』といった言葉を強調して説明するではないか。
「ぐっ、し、しかしそれはご主人様の総意ではありません。 我ら秘密結社ブラック・ローズ全体の底上げを見るならば他数名も経験を積ませるべきであると思いますのでご主人様の凄さを見て盗めるこの機会を潰してしまうのは逆に如何なものかと思いますが?」
そしてそんなブリジットに負けじとサラも対抗して言い返すのだが、すこし引っかかる言葉が聞こえたような気がするのだが気のせいだろうか?
確かに俺は死亡フラグ回避のために奴隷を購入して組織として育て上げようとしているのは事実である。
しかしながら秘密結社ブラック・ローズというのは作った記憶も無ければ命名した記憶も無いのだが……。
「それでしたら心配する必要はございません。 秘密結社ブラック・ローズの底上げは私も賛成ですし課題の一つでもございますので後日私がしっっっっかりと、この眼で
「いえ、それでしたらブリジットさん一人に負担をかけてしまう事になるますので分散させた方がブリジットさんの負担も減り、効率も良いのではないですか?」
「なぁ、盛り上がっている所悪いが少し良いか?」
「はい、何でしょうかご主人様」
「私たちの事は気にせず何なりと仰ってください」
とりあえずこの事を有耶無耶にしておくことは危険であると本能的に判断した俺は二人の会話に、申し訳ないと思いながらも割って入る。
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