最終話 アルン、結ばれる

 「先生、あんたが黒幕だったのか!」

 パッチ団や仲間達の力を借りて追い詰めた黒幕は担任のガラティーナ先生。

 「先生、どうしてなんですか!」

 アメリアも信じたくないという顔で叫ぶ。

 「理事長、いや我が異母妹アメリア! 剣聖の私ではなく、お前が勇者の聖剣に選ばれたのが許せんこの聖剣は私の物だ!」

 決戦の場所は学園の校庭、ガラティーナが黄金の柄で出来た大剣を構える。

 「先生が姉上? 知らなかった!」

 アメリアが戸惑う。

 「我が暗黒剣で貴様を殺す! 死ね、アメリア~~~ッ!」

 ガラティーナが掲げた聖剣の刃が漆黒に染まる!

 「させるかよ! 俺の拳に宿れ、黄金の太陽! デイブレイク・フィスト!」

 アルンの左腕の勇者の籠手が金色に輝き、振り下ろされた暗黒の刃を相殺する!

 「がはっ!」

 「ぐわ~~っ!」

 闇の斬撃と光の拳のぶつかり合いは両者を吹きとばした、だが先に立ち上がったのは聖剣を杖代わりにしたガラティーナだった。


 「……ぐ、まさか我が渾身の暗黒剣を破るとはな! だが、もう立てまい」

 ガラティーナは、使えない聖剣で技を振ったせいか消耗していた。

 「アルン君、立ち上がって下さい!」

 アメリアが叫びがらアルンへ回復魔法の光を当てる。

 「アルンさん、負けないで下さい!」

 グエンも回復魔法を飛ばす。

 「アルン、負けるな~~!」

 「さっさと起きなさい、馬鹿アルン!」

 ハックルもアップルも、アルンに回復魔法を飛ばす。

 仲間達の魔法と声援がアルンに届いたのか、アルンも立ち上がる。

 「勇者の神器、魔力と体力持って行きすぎだろ! 先生、もうやめてくれよ」

 正当な使い手であるアルンも体力と魔力を消耗していた、ガラティーナは寿命も持って行かれたように感じる。

 「ふざけるな! もう一度、我が暗黒剣を受けて見ろ!」

 ガラティーナが再び、暗黒の刃でアルンへと迫る。

 「皆のお陰で後一発殴れるな俺の拳に宿れ静寂の夕暮れ、サンセットフィスト」

 オレンジ色に輝くアルンの左拳が、再び暗黒の刃を砕き右の拳でガラティーナの顎を殴り倒しアルンも倒れた。


 「アルン君、起きて下さい♪」

 「え? 何で俺は姫様と同衾してるんですか!」

 アルンは気が付くとベッドの上でアメリア姫と寝ていた。

 「此度のお礼に私の全てを捧げました、逃がしませんからねアルン君♪」

 事件は解決し、アルンはアメリアと意識のないまま結ばれた。

 「わかりました、子供は沢山作りましょう♪」

 「はい、末永く宜しくお願いしますねあなた♪」

 今度は意識を持った状態で、アルンはアメリアと結ばれのであった。

 後に王妃アメリアと多くの子に恵まれた拳の勇者王、アルン一世の若き日の物語である。

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田舎魔拳士の学園生活 ムネミツ @yukinosita

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