オールドメイド
「選べよ、舘野」
「う、う〜ん……」
放課後の教室。
目の前に差し出された二枚のカードを俺は睨んだ。
扇型に広げられた手札は、俺に背中を向けていたが、その正体は分かっている。
エースか、ジョーカー。
エースを引けば、俺はようやくこの勝負を抜けられる。ババ抜きを始めて一時間超。四戦くらいしたと思うが、俺は今日、一度も上がれていない。
「友は分かりやすすぎる」と散々やられてきたけど、今度こそ、勝つ。
いや、勝てる。
俺はカードを差し出す対戦相手『石川』―の奥で、勝負の行方を見守っている、仁の顔を見た。
俺の視線に気づくと仁はぱちり、と左目を瞑る。
ウインクがこれほど様になる人間を俺は仁以外知らない。なんてかっこいいんだろう。
一瞬、勝負を忘れ、見惚れていた俺に、仁が顎で石川を差して「集中しろ」と促してくる。俺は小さく頷き、再び二枚のカードに視線を戻す。
仁がいればこの勝負、俺が負けることはない。
それは、仁が応援してくれているからーではなく。
俺はわざとらしくカードを迷うフリをしながら、向かって左側のカードに指をかける。
石川が俺の目を見据えて言った。
「いいのか、それで?」
俺は、にやりと笑って返す。
「悪いな、石川。この勝負ー俺の勝ちだ」
そして、勢いよく、手札からそのカードを抜き取る。
裏返した、その絵柄はもちろんー。
「ジョー……カー?」
呆然とする俺に「舘野、俺の番だ」と石川が促す。現実を受け入れられぬまま、引いたジョーカーをシャッフルもせずにそのまま手札に加え、石川に差し出した俺は、もちろん、五度目の敗北を味わった。
◇
遡ること二十分前。
放課後、俺と仁、石川、持田のいわゆる『いつものメンバー』は、教室に集まり、ババ抜きをやっていた。
それだけなら、別にいつものことなのだが、今日は少し違った。
五戦目が始まる前、仁は俺をさりげなく廊下に誘い出してこう言ったのだ。
「友。次の勝負、俺と手を組まない?」
「それって、協力するってこと?……でも何で?」
「友、さっきからずっと負けてるだろ?だから、勝たせてやりたいっていうのもあるけど……実は、次の勝負、追加ルールを提案したいんだよね」
「追加ルール?」
「うん。一位がビリに何でも命令できるっていうルール。持田も石川もたぶん乗ってくると思うけど、友は負けるかも、って思うと乗らないかもしれないし。だから俺が協力して、友がビリにならないようにする。これならどう?」
「なるほどー……。うん、それならいい、のかな?でも、仁は何でそんなルールを?」
「それはね……」
一瞬。仁は視線を宙に彷徨わせた。しかし、すぐに俺と目を合わせると、いたずらっぽく笑って言った。
「ちょっと仕返ししたい相手がいて」
仕返し。その言葉に俺は、ちくりと胸が痛むのを感じた。
この場には俺と仁の二人しかいない。だから今、仁の瞳の中には俺が映っている。
だけど、実際には仁は『他の誰か』のことを見ていて、俺は、仁がその『誰か』に近づくための手段でしかないのだ。
そう思うと、ひどく苦しくなる。
何でかな。
「友?」
ぼーっとしている俺の顔を、不思議そうに覗き込む仁。俺は、はっとして、とりあえず口を開いた。
「へ、あ、あー。うん。大丈夫。分かった、協力する。いや、してください!」
「ありがと、友。じゃあ、勝負の時にする合図を決めよう。まずはー」
うん、うん、と少し大袈裟なくらい頷きながら、俺は仁の話に耳を傾けた。
◇
「ん〜友、お疲れ!さーて、何お願いしちゃおっかな〜?」
機嫌良くにこにこと笑う仁。そんな仁の片膝の上で、抱き抱えられるように座らされた俺は仁を睨んで言った。
「仁に嵌められたんだ俺は!」
「て、言ってるけど?」
向かいの机に頬杖をついて座る石川が仁を見遣る。仁は首を振って「知らないね」と、悪びれもせずに言った。こいつ……!
「また仁が友をからかってるのか?ほどほどにしないと、友がかわいそうだろ。な?」
「うー……もっちーだけだよ、俺の味方は」
側に立っていたもっちーこと『持田』が、俺の肩にそっと手を置く。すると、仁がその手をぺちりと払い除けて言った。
「もっちー。今、友の処遇は『王』が握ってるの。勝手に優しくしちゃダメ」
「『王』って。ババ抜きで優勝したくらいで大袈裟なんだから」
「でも、優勝した人が最下位に何でも命令できるんだから、王みたいなもんでしょ?」
へへ、と笑う仁。とは対照的に、俺は溜息をつく。
一体、どうしてこんなことに。
仁が仕返ししたい相手は俺じゃない『誰か』なんじゃないのか?
「それで……仁は舘野に何を『お願い』するんだ?」
さほど興味もなさそうに石川が仁に聞く。仁は「そうだなあ」と首を傾げている。
「友、何がいい?」
「……へ?」
いきなり話を振られ、俺は困惑した。ただでさえ、仁の考えていることが分からないというのに、仁に何をお願いされたらなんて……。
いや、というか。
「仁は何かあるからこんな提案したんじゃないの?」
「ないよ。パッと思いついたから言っただけだし」
「え?だって、ほらさっき……」
言いかけた瞬間、仁に両頬をむぎゅっと掴まれる。それから、仁は俺にそっと耳打ちした。
「友、悪いけどもうちょっと付き合って。後で説明するから」
耳から仁の顔が離れる。俺は、仁の息がかかった耳を包むように手の平で抑えながら、こくりと頷いた。それを見て、仁がにこっと笑う。
「相変わらず熱々だねー、友と仁は。お邪魔みたいだし、俺はもう帰ろっかなー」
もっちーが半ば呆れながら、傍らの机に載せていたリュックを肩にかける。仁は口を尖らせて言った。
「えー、今やっと、いいこと思いついたのに。見届けないの?もっちー」
「じゃあ早く言いなよ」
「友、俺と付き合って」
「は、はあ?え?」
「あ、今のは冗談。本当はね……」
「くだらねー」
石川がはあ、と息を吐いて立ち上がり、半ば蹴るように、足で座っていた椅子を机にしまう。
「仁。何のつもりか知らねーけど、俺はもう興味ないし、先に帰るぞ」
「そっか。じゃあね、石川。また明日」
仁は石川を引き留めもせず、ひらひらと片手を振っている。石川はそれに対して何も反応しなかった。ただ、机の脇に掛けていたリュックを拾い、黙って教室を出て行こうとする。
俺は慌てて、石川の背中に「じゃあな」と声を掛けた。振り返った石川が俺を一瞥する。しかし、やはり何の反応もなかった。もっちーは何か感じたのか、石川に声もかけなかった。
何事もなかったかのように、仁が俺に言った。
「それじゃあ友、これが本当のお願いなんだけど」
「え、あ、うん……。何?」
「今日から俺のこと、『ひぃ』って呼んで」
「ひ、ひぃ……?」
視界の隅で、教室のドアを開けようとしていた石川がぴたり、と立ち止まるのが見えた。
仁は気がついていないのか、そのまま続ける。
「うん。昔のあだ名。高校に入ってからは誰も呼んでないけど……割と気に入ってたんだよね。せっかくだから、友が呼んでよ」
「そんなんでいいのか?仁」
もっちーが不思議そうに仁を見る。
「いいよ。もっちーに『あんまり友をからかうな』って言われたしね」
あはは、と笑う仁。
気がつくと、石川はもう教室からいなくなっていた。
◇
「それで、一体どういうことなんだ?仁」
「『ひぃ』でしょ」
「……ひ、ひぃ?うーん……」
リノリウムの床に窓から差す夕陽が反射する。
もっちーと別れ、教室を出た俺と仁、改め『ひぃ』は、昇降口へと続く廊下を歩いていた。
仁と出会ってからそろそろ二年経つけど、今さら呼び方を変えるのは、やっぱりしっくりこない。仁は『仁』だもんなあ。
「まあ、そのうち慣れるよ」
悩む俺に仁が笑いながらそう言った。
「そうかなあ」
「そうだよ。まあ、十年くらい呼んでたら」
「長え〜。そんなに俺、仁と一緒にいるかな?」
「あ、また『仁』って言った。とりあえずさ、一回呼んでみてよ。『ひぃ』って」
仁に促され、俺は深く息を吸ってから、口に出してみた。
「ひぃ?」
「……うん。何?」
しばらく、そのまま見つめ合っていると、やがて耐えきれなくなり、俺と……ひぃは吹き出した。
「はは……あはは……。うん、俺もやっぱり慣れないけど、ちょっといいかも」
ふう、と息を整えてから、仁は言った。
「それで……ごめんね、友。いきなり、裏切って」
「あ、そうだそれ!何であんなことしたんだよ」
仁はうん、と頷いてから答える。
「……俺はね、追加ルールを提案した勝負で、確実に友にビリになってほしかったの。それが俺の『仕返し』だから」
「えっと……つまり、仁は俺に仕返ししたかったってこと?」
「違うよ」
じゃあ誰に、と言いかけた時、俺の頭の中に石川の姿がよぎった。だけど、ふと見えた仁の横顔が、何かとても思い詰めているように見えて、俺はそれ以上踏み込まないことにした。
代わりに何か話そうと「でもさ」と俺は口を開く。
「わざわざ協力を申し出てから裏切らなくても、俺ならたぶんビリになってたんじゃない?」
はは、と笑いながらそう言うと、仁は首を振る。
「普通に遊んでたらババ抜きなんて運ゲーみたいなものだし、友が勝つかもしれないじゃん。俺は友にお願いしないと意味ないし、念には念を入れないとね」
「ふーん……そっかあ」
そう返事をしながら、俺は少し嬉しくなっていた。
俺が勝つってちょっとでも思ってくれていたことが嬉しい。
運ゲーとはいえ、ババ抜きが苦手だという自覚はある。でも、始めから「どうせ勝てないだろう」と決めつけられるのは少し悔しいのだ。
「でも、友。巻き込んじゃってほんとにごめんね」
「ううん。別にいいよ。大したことじゃないし……。それで、じ……ひぃの仕返しは上手くいった?俺はなんか、よくわかんないんだけど」
仁がぴた、と足を止める。まずい。気をつけようと思ったけど、踏み込みすぎちゃったかな。
しかし、仁は気にする素振りもなく、むしろ柔らかく笑って、こう言った。
「うん、まあね。ちょっとは効いたと思うよ」
俺はその笑顔に、また胸が痛んだ。「そっか」と返すのが精一杯なくらい、苦しかった。
どうして。
どうして、こんなに苦しいのかなんて。
そんなことはとっくに分かっていた。
涼やかな声や、夕陽が照らす艶やかな髪、触れたらきっと柔らかい頬、いたずらを企む時の無邪気な顔、仁の何もかもが、その感情を煽っていた。
俺は、仁が好きなんだ。
ーそうだ。この時から、俺はひぃが好きだったんだ。
何か堪らなくなって、気がつくと俺は声に出していた。
「ひぃ」
「ん?」
少し先を歩くひぃが振り返る。
俺は何度もその名前を呼んだ。
「ひぃ。ひぃ……あれ?ひぃ……?」
口に出す度にすごく懐かしい気持ちになった。
懐かしい?だって今日初めて、俺はこのあだ名を知ったはずなのに。
なのに、何故かずっとそう呼んでいたような気がする。
それこそ、ちょうど十年くらい……。
あれ?今っていつなんだっけ?
高校三年生?違う。俺も、ひぃも、本当は……。
突然、視界がぐにゃりと歪んだ。
「友!」
ぱたぱた、とひぃが上靴を鳴らして近づいてくる。
だけど、その顔はもう霞んでよく見えない。
「ひぃ……」
気がつくと俺はひぃを抱きしめていた。姿の見えないひぃを感じるには、体温だけが頼りだった。
ひぃは少し驚いていたが、やがて、そっと俺の背中に手を回してくる。
徐々に白くなっていく世界の中で、最後にひぃの声が聞こえた。
「友、あのね……俺」
ぴぴぴぴぴぴぴ。
その続きは、単調な機械音にかき消されて聞こえなかった。
◇
「……っ!」
突然、パッと目が覚めた。
腕の中に体温を感じ、おそるおそる覗くと、そこにはすうすう、と安らかな寝息をたてているひぃが収まっていた。
俺は何故だか、すごくホッとした。
夢を見ていた。
高校三年生の時の夢だ。
恒例だった放課後のババ抜き大会。いつも一緒に遊んでいた、もっちーと、石川。
ひぃに誘われてイカサマをして、それでまんまとひぃに騙されて。
そして初めて、『ひぃ』と呼んだ。
今日まで思い出さなかったような出来事。
だけど、全てが懐かしかった。まるであの時に返ったように、リアルな夢だった。
……あの苦しさも、奥底から無理矢理引っ張り出されたように、あの頃のままだった。
だけど。
俺の腕の中で眠るひぃを見る。
結局、あれから十年、俺とひぃは一緒にいた。
思い返すと、夢の中で『仁』なんて呼んでたのが、最早違和感しかなかった。そのくらい、口に染み付いてるんだ、『ひぃ』が。
ひぃの言う通りだった。
起きたら、夢の話をしよう。
そんなことを思いながら、俺はひぃの頭を撫でた。珍しく俺の方がひぃより早く起きられたから、目が覚めたらびっくりするかも。
ふふ、とつい一人で笑っていると、ふと、俺は腕に垂れた『何か』に気がつく。
ほのかに温もりを持ったそれは、涙だった。
はっとして、ひぃの顔を見ると、ひぃの頬を涙が一筋伝っている。
未だ眠りから覚めないまま、ひぃがすん、と鼻をすすった。俺はどうしたらいいのか分からず、せめても、と背中をそっとさすることしかできない。
「……友?」
そのうち、ひぃが目を覚ました。ひぃ自身は気がついていないみたいだけど、目が少し赤い。
俺は親指でひぃの目元を拭いながら、聞いてみた。
「ひぃ……大丈夫?」
「え……何が」
「だって、その、泣いてたから」
ひぃが目をぱちぱちと瞬かせる。ぽろりと溢れた涙に気がつくと、それを隠すように、ひぃは俺の胸に顔を埋めた。
ぽつりとひぃが言った。
「……嫌な夢を見て」
「嫌な……?」
「……すごく冷たくて、怖い夢」
それきり、ひぃは何も言わなかった。俺はただぎゅっとひぃを抱きしめながら、ちらりとベッドサイドに置かれた時計を見る。
AM5:30。さっき鳴ったのは、アラームが平日の設定のままになっていたからだ。おかげで俺もひぃも夢から覚められたけど、休日に起きるにはまだかなり早い。でも。
「……ひぃ。俺、お湯沸かしてくるよ。あったかいものでも飲もう?」
腕の中でひぃが小さく頷く。俺は腕を解くと、ベッドを降り、ひぃの肩まですっぽり埋まるように布団を掛け直した。
しん、と冷えた部屋の空気が肌を刺す。もう十一月だもんな。布団を被るとはいえ、半袖短パンで寝るのはさすがに寒いかもしれない。ひぃの忠告をちゃんと聞くんだった。
俺はガタガタと震える腕をさすりながら、寝室を出た。
◇
寝室を出て行く友の背中をぼーっと見送る。
心配かけちゃったな。
指先で目を擦りながら、反省する。
まさか、自分が泣いていたなんて思わなかった。
夢を見ていた。
あれは高校三年生の時だったと思う。
当時の俺は今思うと『ひどくくだらないこと』に執着していて、そのためなら友さえも利用し、平然と嘘も吐いた。
夢の中で、今の俺の意識は、そんな当時の自分の中に閉じ込められていた。体の自由も利かず、
ただ、あの頃の自分のひどい行いを見ているだけだった。
俺の中は恐ろしく、冷たかった。
意識が持っていた体温はどんどん奪われて、やがて自分が温かさを持っていたことも、嘘だったような気がした。
それはたまらなく怖かった。
しかし、どこかから「ひぃ」と呼ぶ友の声が聞こえた瞬間、体の自由が利くようになり、気がつくと俺は夢の中で友に抱きしめられていた。
やっと絞りだした声で、俺は友に何かを言おうとしたのだが、遅かった。
抱きしめ返した俺の腕の中をすり抜けるように、友は消えてしまったのだ。
思い出すだけで、上手く息ができなくなる。
目覚められてよかった。夢でよかった。
そう思っているはずなのに。
『見ないフリをしていたもの』を突きつけられたせいだろうか、俺の中で、夢は未だそのリアリティを失っていなかった。
「ひぃ、大丈夫?」
いつのまにか、友が寝室に戻ってきていた。湯気の立つカップを両手に持つ友が、ベッドの端に腰掛ける。
俺もゆっくりと体を起こし、友の隣に座った。友が片方のカップを差し出してくる。
「コーヒーでよかった?」
「うん。ありがとう」
友からカップを受け取り、ふう、と息を吹いて少し冷ましてから、コーヒーを口にする。喉を流れて腹に収まったコーヒーは体を芯から暖めてくれた。
黙ってコーヒーを二、三口飲んだところで、友が口を開いた。
「……俺、さっきひぃの夢を見たんだ」
「俺の?」
「うん。高校生の時のひぃ。すっげー懐かしかったなあ……もっちーとか、石川も出てきてさ。四人でババ抜きする夢。よくやったよな?」
俺はその話を聞いてどきりとした。俺が夢で見た光景と同じだ。まさか、友も高校生の時の夢を見ていたなんて。
「……どうだった?楽しかった?」
俺が聞くと、友は「うーん」と少し考えてから言った。
「楽しいっていうか……まあ、俺負けまくってたからなあ……ひぃにも嵌められたし……」
「……ごめん、友」
友は首を横に振る。
「ううん、気にしてないよ。大したことじゃないし……って、これ夢でも言ったっけ?」
はは、と友が笑う。その笑顔を見ると、友が今、隣にいてよかったと心底思った。
今なら、ちゃんと言えるかもしれない。
「友、あのね……俺」
マグカップの縁を両手で撫でながら、俺は口に出す。
「友のことが、好きだよ」
顔を上げると、友が目を丸くしている。
「……どうしたの?」
「え……いや、その。なんか、やっと聞けたなっていうか」
「何それ」
何でもない、と手に持ったコーヒーを勢いよく煽る友。
「あっつ!」
「ふふ……あははは……」
持っていたカップをベッドサイドに置き、俺は腹を抱えて笑った。笑うほど、友のことが好きだと強く思った。
きっと、大丈夫だ。
「わっ……ひぃ?」
俺は戸惑う友の背中に手を回して、ぎゅっと抱きしめた。
今度はすり抜けていかない。
背中に触れる友の手のひらの温かさも、俺の胸の中にある温かさも。
全部夢なんかじゃなく、本当のことだから。
<オールドメイド 完>
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