第十一話 ギルド会館

 ハマトラ一行は“ギルド会館”に来ていた。

 ここは、新人冒険者の冒険者登録、職業の変更、新設ギルドの登録や、お仕事依頼などの様々な業務を行うところである。

 冒険者にとってはと言ってもなんら語弊のない、そんな場所だ。

 まずは少女たちの“職業変更”を受け付けの、昔は言わせてました風の女性に伝える。


「わかりましたぁ。他に手続きはありましてぇ?」

「……あと、新設ギルドの登録を頼みます」


 女性はあわよくば(ナンパ)を誘発させるように、豊満な胸を、両二の腕で上げるように見せつけながらハマトラに聞いた。


 ハマトラは一瞬「エッ!?」となったが湧き上がる情欲を静めた。


「かしこまりましたぁ。では、皆様方の『冒険者証』をご提示くださいぃ」


 必要以上に色っぽく話す受け付けの女性に、ハマトラたちは『冒険者証』を提示した。

 すると、その光景を見ていたギルド会館内の冒険者たちから声がもれる。


「エッ」

「マジか!」

「ホントに存在するのかよ!」


 受付の女性も一瞬だが「ハッ!?」となった。


 

 『冒険者証』はランクによってがされている。


 レベル一~十は青色。

 レベル十一~二十は黄色。

 レベル二十一~三十は緑。

 レベル三十一~四十は紫。

 レベル四十一~五十は赤。

 レベル五十一~六十は銅。

 レベル六十一~七十は銀。

 レベル七十一~八十は金。

 レベル八十一~九十は黒。

 レベル九十一~九十九はスケルトン。


 と決められているのだ。そんな中、を従えるこの男の『冒険者証』がまさかとは思わない。

 ギルド会館内は一時、騒然とする。


 そんなことはお構いなしと書類に記入していると、又しても遭いたくない男たちに出会ってしまうハマトラ。


「これはこれは、ハマトラさんじゃないですか! まさかとは思いましたが本当にこんな何も知らないお嬢さんたちとギルドを立ち上げるのですか? ホーッホッホ! まさにとはこんなことを言うのでしょうね!」


 そんなことを言われてもハマトラは便みたいな感じであった。

 しかしながら付き従う少女たちは黙っていない。


「オイ! ピエロ! おっさんを馬鹿にするんじゃねー!」

「少し言い過ぎなのでわです? と思いますですです!」

「あんたに言われる筋合い、ないと思うぴよん!」


 ルカ・ブイース、ドレッ、ローエイの順で意見した。

 道化姿の男は姿勢を正し「ふぅ」と息を吐いてから声を発する。


「元気のいいお嬢さん方ですね! 自己紹介が遅れました。私は『神の鉾』の現ギルド長の“ザーフ”と申します。以後お見知りおきを! まあハマトラさんは知っていることですが」


 その発言を聞いた少女たちは「ハッ!」と驚き身体が固まった。まさか自分たちが意見していたのが憧れの『神の鉾』のギルド長だったとは思いもしなかったからだ。 




 ☆☆☆☆☆


 次回

 一触即発



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