第八話 「もう――お嫁にいけないですです」
まずはドレッの見立てから始まった。
これまでは、大柄なドレッの装備品は主に男性物から選ぶか自ら仕立てるしかなかった。幸い回復魔法使いということもあり、今着衣している“ローブ”は手製であった。
しかしこの店の品ぞろえは豊富で女性物のサイズも充実しており、ウノカはドレッに似合いそうな物を何点か選び試着するよう促す。
言われるがままに着替えるドレッ。
なぜだかわからないが一緒に試着室に入るウノカ。
「うんうん! いいわー! いいゴス!」
と試着室の中からウノカの声が聞こえてくる。カーテンを開け、ローエイとルカ・ブイースに見せる。
「おおー! “フルプレートアーマー”かよ! カッケーぞ!」
「超ーイケてるぴよ! 特に胸元が“おっぱい”の形に成っているのが“エモい”越えて“エロい”ぴよよん!」
少女たちの感想を聞きながら「そうだろジャッ!」と呟き次の試着に取り掛かるウノカ。
ドレッに次の装備を着せながら、
「うはー! ぶはー! たまんねえゴス!」とまた試着室の中からウノカの声が聞こえてくる。
そして再び登場のドレッ。
「さっきのもイイがこっちもイイじゃねーか! “ハーフプレート”の方が動きやすそうでイイぞ! あっ!? でも“タンク”だと防御力に欠けるか」
「マジイケぴよ! さっきよりも太股とか二の腕が露出したことで動きやすそうでうらやマシマシぴよん! でも前衛なのぴよねー。悩ましいぴよよん」
またも少女たちの感想を聞きながら「わかってるゴスなぁ!」と呟き次の試着に取り掛かるウノカ。
ドレッに三度目の装備を着せる。
「くうぅー! ごぼぉわぁ! ウノ汁びしゃぁゴスジャッ!」
と、またまた試着室の中からウノカの声が聞こえてくる。
そして三度目の登場となるドレッ。
こころなしか少しやつれたように見えるのは、気のせいではない。
この短時間にもかかわらず、ウノカの執拗なまでのボディータッチによる“ストレス”でげっそりしていたのであった。
合計三度のお色直しを経て現れたドレッ。
「おい――マジかよ……!? 守るべきところを守れてねーじゃん!」
「うわぁー! 斬新すぎるぴよ! 胸囲と股間部分、丸出しでほかの部分が“フルプレートアーマー”ぴよよん! 名づけるならば“
この装備は只でさえ胸の目立つドレッだが、あえて隠さないことでより一層胸囲に目線がいき“爆乳”を何倍にも強調させていた。まさに“
「どうだ! お前たち!? この中から好きなものを選べゴス!」
聞かれたローエイとルカ・ブイースは声をそろえ、
「最初の“フルプレートアーマー”だ! ぴよん!」と言った。
しかしながらドレッは最後の装備があまりにも衝撃的で、
「もう――お嫁にいけないですです」と嘆くのであった。
*専門家の指導のもと下着は着用してますので安心してください。
☆☆☆☆☆
次回
ウノカの秘密
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