第22話「接近方法」
バルクがケルベロスの相手をしてくれているので俺たちは続けてノバスを探す。
「ココロさん、ここから近くにノバスの反応があります。いつ何が起きてもいいようにしておいて下さい」
「はい!」
リニアさんの探知スキルのおかげで、かなり早くノバスの位置を特定して動けているが、それでもノバスの速さは異状である。
「ノバスは一体、どんな方法で動いているというの?移動速度が速すぎる」
俺は今出来ることを必死に考えているが、今の俺は2人を早く助けなければという思いが強すぎて冷静に考える事が出来なくなってしまっている。
「ココロさん、貴方のスキルで何か使えそうなものはありませんか?」
「え、スキル?」
そうだ、俺にはギフティアがくれたスキルがあるんだ。それに、俺は最近スキルを確認していなかった。レベルも上がったのだから何か新しいスキルも手に入っているはずだ。
「確認してみます」
「えぇ、私の探知スキルで常に場所は把握しておきますので、早く確認を」
「はい」
とにかく、今の俺のスキルでなにか使えそうなものを探すんだ。ん、何だこのスキル?
設定した特定の場所または特定の人物の元に瞬時に行くことができるスキルだと!
これならノバスの元に行くことが出来るはず
「ありました、瞬間移動!」
「テ、テレポート!?そんな上級スキル使えるんですか、ココロさん」
「いや、今見たらなんか使えるようになってたんですよね。とにかく使います」
「分かりました。瞬間移動ならノバスの顔を思い浮かべてください。そうすれば、絶対にノバスの所にとべるはずです。私は少しやる事がありますので、ココロさんは私のことは気にせずに、ノバスの元へ行ってください」
「分かりました。ありがとうございます」
「はい、ご武運を」
「瞬間移動」
そう言って俺はノバスの顔を思い浮かばせる
その瞬間だった。木の影からいきなり凄いスピードで小型ナイフが飛んできた。
「はぁ!」
ナイフをリニアさんがたたき落とす
「リニアさん!」
「ココロさん、私はAランクですよ。そんな簡単にやられたりしません。きっとノバスの刺客でしょう。バルクさんが戦っているのですから、私が戦わない訳にはいきませんよ」
「リニアさん、無事でいてくださいね」
「勿論です!」
そうして、笑いかけてくれるリニアさんの顔を見たと同時に、俺はその場からノバスの元へと瞬間移動するのだった
「さて、早く出てきたらどうですか?卑怯な殺し屋さん」
「全く、気づくのがはやいですよ。あんなに殺気を放たれていては、出ていけるわけありませんしね」
「へぇ、私の殺意に気づけるとはそれなりにいい殺し合いが出来そうですね」
「同じ殺し屋同士仲良くできる訳はありませんよね。
「リニア·マキアロトです。元殺し屋で、今は足を洗って懸命に冒険者をしています。奪ってしまった命の分も他の命を守るために」
「そうですか、私も今は秘書として働いていますよ。殺し屋は続けていますけどね」
「そうですか、このままダラダラと話している時間はありません」
「それは奇遇ですね。私もなんですよ」
「では、いざ尋常に参ります!」
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