「少女奪還編」第21話「行き道」

バルクの案内によってノバスのアジトの場所へと向かう俺たちだが、先頭を行くバルクが急に立ち止まった。

「おいおいノバスの野郎やることが早いじゃねえかよ」

「ノバスが何か仕掛けてたのか?」

「あぁ、だってこんな普通の森に絶対にいるはずのない上級召喚獣がいるんだからな」

俺が少しだけ前に出ると、そこには地獄の番犬と言われるケルベロスがいたのだ。

「グルウゥゥゥワァァァ」

3つの頭から同時に放たれるとてつもない大きさの咆哮ほうこうに耳が壊れそうになった。

「おい、ココロ」

「どうした、バルク」

「ノバスはやることが早い、急がねぇとどこかにさっさと売られてしまうぞ」

「分かってるが、このケルベロスを倒さないと進めそうにないぞ」

「だから、このワンコは俺に任せて、お前は先に行けよ。リニア、ココロを連れて行ってやってくれ。お前の探知スキルで奴の場所は分かるはずだろう」

「分かりました。ココロさん、私に着いてきてください」

「でも、」

「大丈夫です。バルクさんはあのレベルのモンスターは何万と倒していますから」

「、、、分かった!ノバスの所に連れて行ってくれ」

「了解です!」

そうして、俺とリニアさんは、バルクにその場を任してノバスの元へと向かうのだった。

「グルウゥゥゥワァァァ」

「吠えてるだけなら俺にも出来るぜ!来いよワンコ!俺が遊んでやるぜ」


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