第20話「仲間の鍵」
俺のせいだ。あんなに気をつけようと心に決めて、連れ出した結果がこれかよ...
俺は結局誰も救えない。今回も前回も
「おい!しっかりしろ!あの子たち取り返しに行くぞ!」
服屋の店主が俺に声をかける
「無理だ、どこに行ったのかも分からないし、奴が黒ずくめの親玉という情報しかないんだぞ?」
俺はもう壊れそうだった。早くこの感情の
スキルが切れてくれと願う。そうすれば、俺は元の何も興味のない自分に戻って、悲しみも怒りも全て忘れられるのにと。
「あいつは
店主の言葉は俺に戦えと言うと同時に、やる気や希望を与えてくれた。だが、こんなにもその言葉に救われるのはこの人のアビリティだろうか?それとも感情のアビリティなのか
「ありがとう、俺の名前は
「おう。よろしくよココロ!
俺の名はバルク!バルク·ダッカーだ」
「あぁ、よろしくバルク!」
バルクと握手をし、今から追いかけようとした時、何者かに声をかけられた。
「話は全て把握させて頂きました。」
振り返ると、そこには銀色の長髪と目、スラリとした体型で、エプロンをつけた女がいた
「突然申し訳ありません。この服屋で服を作っている、リニア·マキアロトと申しまふ。」
「あ、噛んだ」
「噛んでません!決して、決して噛んでなんかいません!」
そんな涙目で怒鳴られてもなー...
「こいつはリニアだ。服を作るとか、そういう繊細な仕事が得意なやつでな。俺の冒険者での後輩なんだよ。ちなみにランクは現役でAランクだぜ。」
「はい、今はAランクですが、いつかSランクになって、バルクさんと肩を並べたいものです。」
こんなにも綺麗な人がAランクとは、この街は心が汚い奴はどこまでも汚いのに、裏を返して見れば綺麗な人はとてつもなく綺麗だ。
なんと極端な街なのだろう。ギフティアがこの街の人間になにか与えていたならおかしくないがな。
「とにかく、今はノバスを追いかけた方がいいな。あいつは確実にまずアジトに戻る。」
「ノバスさん、追いかけるのはいいんですが、私たちお店のエプロンのまま行くのですか?それは少し恥ずかしいのですが...」
リニアさんが恥ずかしそうに言う。
「そうだな。戦闘用の服に着替えるわ。」
「はい、私も着替えてきますので、ココロさんはそこで待っていてくだしゃい。」
また噛んだ
「うぅ〜また噛んじゃったよ〜もうヤダー」
赤面したまま、リニアさんは店に戻っていくのだった。
5分後
「よし!準備は万全だ。」
「はい、久しぶりに暴れるかもしれません」
ガチガチの戦闘服に着替えてきた2人に俺は正直びびった。
「それじゃあ、行くぜ!」
「おう」「はい」
こうして、俺はバルクさんの後ろを全速力で追いかけながら、ノバスのアジトに急ぐ。
「待っててくれ、アルシャ、シリア、俺が必ず助けてやるからな。」
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