第14話ヒロキの罠

キャプテンこと西正樹は弓道場前の家庭菜園に水を撒いていた。

「いいじゃな、いいじゃない~勃起してもいいじゃない~」

声の主は、ヒロキだった。

「その歌なんだ?」

「鹿賀丈史だよ」

「何て曲?」

「勃起もいいじゃない」

「バカか!」

正樹はホースの水を、ヒロキ向けた。

「な、なにすんだよ!キャプテン、ジャミラじゃないよ!」

「今日は1年遅いんだけど」

「また模試だって。キャプテンはこの前の模試どうだった?」

「B判定だったよ。志望校は」

「あ、そうなんだ。今日は僕は道着をクリーニングに出さないといけないから、すぐにかえるね?」

「う、うん」


ヒロキは更衣室に隠しカメラを設置した。

ここで、光一が手はず通りキャプテンにキスすれば、キャプテンの座は僕のものだ。盗聴器も設置した。


「正樹君」

「オッス、光一」

「まだ、誰もいないの?」

「1年は模試でヒロちゃん、来てすぐにかえったよ」

「さて、着替えるか」

「僕も」

2人は更衣室にいた。ドアはロックされている。

正樹が上の半袖シャツを脱ぐ。

光一はまじまじと正樹の上半身を舐めるように見ている。

「キャプテン、細マッチョなんだね。胸板もスゴいし丸山さんや郡山ちゃんが羨ましい」

「何言ってやがる着替えろ」

「ねえ正樹くん。胸触らして」

「う、うん」

光一は撫でるように、胸筋が鍛えられた胸を触った。

「キスしていい?」

「それはちょっ……」

いきなり、光一は正樹の唇を奪った。

そして、正樹の股間を触った。

それは、数分続いた。正樹は凍りついたまま。

「ウフッ、大きいね。正樹君のは。舐めていい?」

「も、満足したろ?」

「じゃ、何もしないから、あそこ見せて!」


正樹は普通にトランクスをずらした。

「うわ~、スゴい。そんなに大きいんだね」

「これで、いいだろ」

正樹は着替えて、練習しようとした。

すると、帰ったはずのヒロキが道場に入ってきた。

「ダイナモー、サクセスユー」

「ヒロちゃん、気分いいね?クリーニングは

済んだの。それにしても、いつもより、笑顔だね」

「当たり前だよ。光一とキスして、勃起したろキャプテン」

「な、何故わかるんだ?」

ヒロキはイヤホンを見せた。

「盗聴器さ」

「な?」

「それから、更衣室には隠しカメラだ」

光一がいた。

「光一、お前も仲間か?」

「ぼ、僕は知らない」


この隠しカメラの映像を1年女子に見せるんだ。キャプテンはホモって言う真実を暴露するのだ。

1年女子に男子も模擬テストを終わらせて道場に現れた。

「キャプテン、公開処刑だ」

「うぅ、きっさま~。逆恨みも甚だしいぞ」

「マンガじゃないんだよ!キャプテン」

「卑怯だ?」

「ま、怒りなさんな、ホモキャプテン」


ヒロキは1年全員を集めて、試写会を行った。

キャプテンはおろか、光一さえもドキドキした。

いざ、再生。

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