第12話誤解

正樹とヒロキは酔っていた。

さっきのヒロキの言葉に戸惑った。

「ヒロちゃん、今、何て言った?」

「え、光一がかわいい。だよ」

「どういう意味?」

正樹は胸がざわめいた。

「あいつ、大人じゃねぇんだよ!いつも、女子としゃべりやがって。キャプテン、どう思う?」

「ど、どうって!ま、光一らしくていいんじゃない?」

「光一も、もうちょい僕たち寄りなら、今日の被害者友の会に声かけたのに」

正樹はなんだと思い、喉が乾いていたので杏露酒と一緒に買った、コーラを一口飲む。

「そ、その被害者友の会って何?」

「そりゃ決まってるじゃん。公衆の面前で勃起したキャプテンと、今日、郡山事件を起こしちゃった僕の会だよ」

ヒロキはにんまり笑って、酔い醒ましのサイダーをグビグビ飲んだ。


「なんで、光一も被害者なんだ?」

「そりゃ、キャプテンの責任だよ」

「何がっ?」

「顔はイケメンと言うより、何て表現すればいいんだ?……二枚目より三枚目」

「なんだ?三枚目って?」

「ま、一応、カッコいいんだよ!しかも、あんなに大きなテント張って!」

「ま、まだ、馬鹿にしてんのか?で、何が光一に関係あるんだ?」

「ま、まだ気付いてないのか?」

「……」

「光一はキャプテンが好きなんだよ!だから、女子の中でもキャプテンの事、好きなヤツが数人いて、話しが合ってんだ」

「へぇ~」

意外に人気者である事にホッとした。どこで、ヒロキは情報を手に入れるんだろうか?

「光一は、心の中じゃ、独りぼっちなんだ」

「……」

「来週から、ヒロちゃん並みには話しかけるよ」

「よしっ!これなら、月曜日は水原にアタックだ!見ていてよ、僕の秘技を」

「秘技って、水原のどこがいいんだ?」

「安産型だからだよっ!」

「ま、安全運転で!」


バカ2人はいつまでもバカなのだ。だが、ヒロキの光一がかわいいっていう言葉に反応した、正樹はとまどっていた。

オレはバイじゃない!と。


未成年の飲酒はしないでいで下さいね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る