要注意団体『メタル柴犬クラブ』
うん、いい感じ。すっごいレベルアップしました。
(新しいスキルが解放されました)
今日はいっぱいスキルが増えるなぁ。
たくさん増えて嬉しいなぁ。
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『スーパーメタル特攻』
強靭な盾は厄介な武器である。
されど絶対に貫けない守りなど存在しない。
15秒間、相手の防御力を50%ダウンさせる。
168時間に1度使用可能。
解放条件 防御力10,000を超える敵を範囲攻撃で10体以上同時にキルする
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強い(確信)
でもね。でもだよ?
クールタイム168時間ってことは『一撃』さんや『確率の時間 コイン Lv2』さんと同じ激重スキルの類ですよね。
もうちょっと使いやすいののだったらもっと嬉しかったです。
『スーパーメタル特攻』じゃなくて『ちょっとメタル特攻』くらいでよかったです。
新しいスキルを手に入れ、ご機嫌にダンジョンを進む。
『迷宮の攻略家』を使って、迷わず進み、ついに最深部までやってきた。
長かった。ちょっと進んで、デイリーミッションこなしてを繰り返していたものだから、めちゃくちゃ疲れたし。
自己完結しないタイプのデイリーミッション来たらそれだけで詰んでたしね。
『選ばれし者の証』があって助かったよ。
おかげで最悪のデイリーは来なかったのだろうね。
まじで助かった、ブチ。あとで乾いた布で優しく磨いてやるからな。
しかし、このダンジョンは本当に不思議なものだ。
時間の進みが外界より遅かったり、メタリックな柴犬がいっぱいでてきたり。
さらには階層という概念がないみたいだし。
ひたすらに水平方向への広がりを見せているし。
最奥のドーム、その一歩手前には、学校の体育館ほどの広さの部屋があった。
沼地のうえに木材で足場が組んである。
ダンジョンに自生している怪しげな曲木を伐採して組み上げたのだろう。
足場のうえは人が生活できる空間になっていた。
立体的な足場のうえにはコテージが何棟も並んでいる。
うえへうえへ増築を繰り返された形跡がある。
ただ、もっとも目を引くのは上方のコテージ群ではなく、地上部分にずらーっと並べられている汚れた寝台の整然たる陳列だ。
数えることは不毛だが、パッと見ても100は下らない数の寝台がある。
寝台のそばには錆びついた医療器具が乗せられた作業台がある。
壁際には濁った液体の入った生物標本が並ぶ木棚などあった。
その広々としたその空間に人はいなかった。
足を進め、寝台に近づく。
寝台のうえには黒ずんだシミがあるばかりだ。
寝台によっては、赤かかったり、銀色だったりした。
地上のコテージの扉をひとつを開いてみた。
メタリックな骸骨が巨大な水槽のなかでホルマリン漬け(※適当)にされている。
なにかの骨格標本だ。人間ではない。
身長が3m近くある。マッチョでやたら強そうだ。
これもメタルモンスターだったのだろうか。
なにやら資料が開きっぱなしにされていたので、視線を落とす。
「メタルモンスター原体。種族番号114-51、名前は『徘徊ボス:メタルの機兵』……これもボスなんだ。へえ。ダンジョンのなかを徘徊してることがあるのか。資源ボスとか、ダンジョンボスとは違うのかな。倒したら経験値のたくさんもらえそうだ」
「ちーちーちー」
「ん、誰か来るんですか?」
「ちーちー」
さっとメタルモンスター原体の水槽の影に隠れる。
怪しげな男が入ってきた。
黒い布に身を包んでいる。
いにしえの闇墜ち仏教徒系ヴィランみたいだ(※そんな日本語はない)
彼は原体の水槽のそばの装置を操作して、原体から銀色の液体を抽出する。
コテージの外へでていくので、追いかける。
汚れた寝台のひとつに近づくと、ダンジョンモンスターと思われる凶悪な顔をした”柴犬”に銀色の液体を打ち込んでいた。
柴犬は変貌し”メタル柴犬”になった。
鋼山の出現でなにかおかしいとは思っていたが、想像通りメタル柴犬は、このダンジョンに潜む悪党の手でつくられた改造モンスターだったらしい。
メタルモンスター研究とは、つまるところ天然のメタルモンスター(例えば、あのメタルの原体)をもとに、人工メタルモンスターをつくりだす研究だったのだろう。
「ふむ、でも、メタルモンスターをいっぱい作ってくれたら経験値がたくさん手に入るんじゃ……」
「ちーちーッ!!」
「痛っ、いたた! し、シマエナガさん、すみません、お、俺が間違えてました」
「ちーっ! ちーちーちー!」
「忘れてないです、おじいちゃんですよね!? おじいちゃーんッ! おじいちゃーんッ! どこおぉお!!」
「っ、侵入者か!」
しまった。バレた。
「貴様、何者だ!」
「お前は鋼山が迎撃に出たはず!!」
「鋼山は負けたのか……? 我らの同志をどうした!」
ぞろぞろ奥から敵が悪党どもが出て来る。
物怖じせず、堂々と対処しよう。
俺はサングラスの位置を直し、コートを翻し、ふっくらしたシマエナガさんを指先に乗せてつげる。
「俺は指男。鋼山なら死んだ(※適当)。お前たちも死人になりたいか」
「くっ、ちょこざいな! 出てこい、我らが誇りし対ダンジョン財団決戦モンスター、メタル柴犬よ! この侵入者に威容を見せてやれ!」
奥の方から軽やかなステップでソイツはやってくる。
今度は俺の腹ほどの高さのメタル柴犬が現れた。今また比べ遥かに大きい。
「はは、こいつは14階層のダンジョン柴犬を改造して作った特別なメタル柴犬『メタル柴犬ハイエンド』だ! 今までのとは訳が違うぞ!」
「ほう、美味しそうだ(経験値的に)」
「あ、あいつ、俺たちを見て、美味そうと……まさか、そっちなのか?!」
「よく見たらマッチョじゃないか……あいつホモに違いない!(※偏見です)」
「くっ! ヤられる前にやっちまえ! ゆけ、メタル柴犬ハイエンド!」
広間に整然とならぶ寝台をひっくりかえし、物凄い速度でせまってくる。
俺は5万ATKの指パッチンを放った。
天井の高い空間に轟音がよく響く。
しかし、メタル柴犬ハイエンドは止まらない。
速い。
メタル鋼山の時も思ったが、こいつら硬さよりも、速さのほうが厄介かもしれない。
メタル柴犬ハイエンドのタックル。
ヤクザキックで鼻頭を押さえ、逆に押しかえす。
「きゃいん!」
「「「「うわああ!! こっちに跳ね返ってくるぅ?!」」」」
「5万で効かないなら10……いや、とりま15万」
指を鳴らす。
大爆発と熱風が立体空間を襲った。
激しい揺れで上層のコテージが崩れはじめる。
ピコンピコン!!
レベルアップの声が聞こえる。
倒したという証。
「ち~♪」
シマエナガさんの喜ぶ声が聞こえる。
俺の経験値をパクったという証。
「バケモノ、だ……」
「ありえない……ありえてはいけない、なんだあの破壊スキルは……?」
「これが、噂に聞くに指男の、実力か……」
「はは、ははは、掲示板で聞いた以上の戦力じゃないか……カクッ(気絶)」
さてと、敵はもういないか。
戦闘が終わったら、お注射をしないとな。
『蒼い血 Lv3』を刺しますよ~っと。
「指男め、あんな怪しげな液体を体内に……」
「間違いない、あれは違法ドーピングの類、ダンジョン財団でも麻薬系の
「見ろ、あの恍惚とした表情、中毒者だ、やつはドーピング中毒になっている……」
誰が中毒者やねん。
(新しいスキルが解放されました)
あれ?
またですか?
今回は本当にすごいな。これで3つめですよ。
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『蒼い胎動』
人ならざる者の血を受け入れた証。
新しい命があなたの中でめぐっている。
10秒ごとにHPを1回復する
解放条件 『蒼い血』に侵される
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……。
ごめん。
ドーピング中毒者だったかもしれん。
「ちーちーちー」
「シマエナガさんも結構ふっくらされましたね」
「ち〜ち〜♪」
「もう胸ポケット入れませんね」
「ちぃ……」
メタル柴犬たちのおかげで俺たちは、ともに大幅に成長することができた。
あとデイリーやりまくったおかげもあるか。
まあ、エナジードリンク──『スキル栄養剤』は使っていないのだが。
というのも、飲まないと使えないので、いっぱい手に入ってもなかなか、ね。
なので、あとで飲むために貯めている。もう30本くらいたまってますかね。コートの内ポケはパンパンです。
ちなみに古本のほうは即効使ってます。
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赤木英雄
レベル130
HP 9,152/15,529
MP 1,253/2,623
スキル
『フィンガースナップ Lv4』
『恐怖症候群 Lv3』
『一撃』
『鋼の精神』
『確率の時間 コイン Lv2』
『スーパーメタル特攻』
『蒼い胎動』
装備品
『蒼い血 Lv3』 G4
『選ばれし者の証』G3
『迷宮の攻略家』G4
『アドルフェンの聖骸布』G3
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俺はこんな感じ。
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シマエナガさん
レベル19
HP 10/5,520
MP 10/4,523
スキル
『冒涜の明星』
『冒涜の同盟』
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シマエナガさんはこんな感じ。
うん。成長速度やばすぎです。
レベル19のステータスじゃないです。
「ちーちーちー♪」
「よかったですねぇ(白い目)」
本当に、最後まで面倒見れるかなぁ。
「バケモノだ……バケモノだ……」
「どうして我らのメタル柴犬ハイエンドが……」
「財団の魔の手から世界を解き放つ崇高な理念が……」
「阿良々木のシナリオにそって長年準備に費やしたと言うのに……」
「悲劇だ、これを悲劇と呼ばずになんという……」
「さて、縛っちゃおうか」
「「「「「し、縛る?!(まさか亀のように縛ると言うことか?!)」」」」」
怪しげな男たちはロープで縛りあげておいた。
縛る時にめっちゃ暴れられたので、なんだか亀みたいに縛ってしまったけど、まあ、動けなくなっているなら問題はないよね(無自覚)
てか、こいつら絶対財団の敵対組織だよ。
崇高な理念とか宗教臭い。
邪教徒かな?
きっと悪い奴らに違いない。
修羅道さんに突き出してやらねば!
「
崩れたコテージのひとつから声が聞こえてきた。
祖父の声だ。
やっべ。おじいちゃんコテージに監禁されてたのかよ。
普通に20mの高さから落としちゃったよ。
「おじいちゃん! おじいちゃんどこ!」
「ここだ、英雄」
意外と平気そうですね。
いやあ、よかったよかった。
「よかったよ、無事で、おじいちゃ──」
駈け寄ろうとして、俺は足を止めた。
「英雄、無事だったか」
「……」
「ん? どうしたんだ」
「いや、あの……おじいちゃんこそ、ソレどうしたの」
「ああ、これか? やつらにおかしな銃で撃たれてな……そしたらこうなっていたんだ」
俺の祖父は変わり果てた姿になっていた。
というのも、メタリックになっていたのだ。
全身が艶々していて、金属光沢があり、叩けば音が響く。
なんということだ。
これではメタルおじいちゃんではないか。
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こんにちは
ファンタスティックです
『指男・赤木英雄』の絵を描いてみました!
指男のイメージが鮮明になると思います!
近況ノートよりご覧になれますのでぜひ見てみてください!
https://kakuyomu.jp/users/ytki0920/news/16816927859578279654
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