第31話 長い長い夜とクリスマスと告白と

「まっっったく眠れなかった…」


今日は告白の日!俺は目の下にクマができていた…それにはワケがある…昨日、俺は覚悟を決めて早く寝ようとした…しかし寝る前に…とんでもない展開が起きていた。


『耀司…』

『耀司くん…』

『耀司さん…』


『薺さんと紀葉さん!?それに優莉さんまでっ!なにしてんすか!?』


薺さんは扇情的な紫の下着をしていた…いや、下着と言っていいのかというのどスケスケでもう裸も同然だった!紀葉さんはライトブルーのネグリジェで、物静かそうな紀葉さんにピッタリだった。どうせなら足を崩して眼鏡をかけて小説を読んでる姿が見たかった…そして優莉さんは…うえは何もつけず、したはふんどしという…俺を完全に堕としにきていた。


『『『姉妹丼…です』』』


『じゃないですよ!どうやって入ってきたんですか!?』


『そりゃあピッキングはみんなできっだろ?』


『出来てたまるかぁ!』


『脇が好きなんだよな…ほら』


『ッツ!?』


さっき話してたのを聞いて予測していたがやっぱり綺麗だった、でもだからこその魅力がある!汗の水滴がくっきり見えて肉がそれなりについていたら少しまげただけでぷにってなるからそれが脇が生えてない人の強みだ!


『へへっ、いい反応だなぁ、胸よりも良かったらしい。』


『あら、じゃあ私も脇を見せた方がいいかしら?』


『なんか…脇査定みたいになってます…』


俺からしたら嬉しいからいいけど…さすがになぁ…と思っていたが我慢できなかった。なるほど…これはやばいな…少し生えてきているパターンか。触りたい…今まで長いやつをさわさわしてるくらいだったからジョリ感が少なかったんだ。これは…触りたい…


『あら?触りたいの?』


『触りません!』


さすがにこれ以上暴走できない!俺には…心に決めた人がいる!!


『では次は私ですね…どうぞ…』


両手を上げて両脇を見せた。もう胸が丸見えでそれどころじゃないんだけど!?とりあえず絶対に胸を見ないようにしてまぁ、目が覚めた時全部見ちゃったんだけど…すごい。いい感じに生えている。りなほどでは無いが逸材だ。


『って俺たち何やってんですか!?と、とにかく出ていってください!』


『おいおい!自分だけ見ただけってずるいぞっ!!』


『まだ何もしてないわよ?』


『よ、耀司さんっ!私は…』


何とか出ていってくれた…あのままじゃあガチで俺が我慢できず本気で姉妹丼になってしまう…それだけはダメだ!!正直ギリギリだった…やばい完全に目が覚めた…ん?まさか戻ってきたのか?


『世羅さん!?ど、どうしたの!?』


『耀司…』


初めて髪をおろした世羅さんをみた。いや、丹比さんは体は一緒だから何も変わらないはずなんだけどいつものイメージがあるからなんかエッチだな。パジャマは普通のTシャツと…下は!?


『私、下は履かないの…見る?』


『い、いやいやいや!』


『冗談よ、ちゃんと履いてるわよ。』


とインナーパンツを見せてきた…いや、それも普通にアウトです…俺からしたら…


『それより、ど、どうしたのかな?寝れない?』


『あんたに言っておきたいことが…あってさ。』


『な、なに?』


世羅はすぅぅ…はぁぁ…と深呼吸をすると頬を少し赤くして俺の顔を見た。


『耀司…好きよ…』


『は…。』


今なんて!?心臓が一瞬飛び出るかと思った…丹比さんはあんまり自分からそういうこと言わないから…びっくりした


『耀司…あんたは私の事…どう思ってるの?』


『俺は…。』


やばい…いざ答えるとなると緊張しすぎて答えられない…これではっきり言って関係が崩れてしまうんじゃないか…この先もみんなといられるのか…そしてなにより…裏切られないか…それが頭の中をぐるぐるして…押しつぶされそうだ…


『い、今は…何も言えない…だから…明日まで…待っててくれるか?』


『うん、待ってるから…』


『えっ?なにもしないの?』


てっきりさっきの山城さん達みたいに襲いに来たのかと…。


『なにかしてほしいの?』


『なにもありませんごめんなさい…』


ニヤって笑うから思わず遠慮した…なに地雷を踏み抜いてんだ俺っ!!


『ふふっ、冗談よ…おやすみなさい』


投げキッスをして俺の部屋を去っていった。あの後俺が答えたらどうなっていたんだろう…いやいやダメだ!寝よう!!とまたドアが開いた今日はよく開くなぁ!?


『よ、耀司…さん。』


『琳さん!?』


そこに居たのは琳さんだった!モコモコの暖かそうなパジャマで…安心したような…少し残念なような…


『どうかしましたか?』


『あ、あああのっ!わ、わたしっ…』


『はい。』


『わたしにはっ…何も無くて…も、もともと…異性の方と接した事がなく、どうすれば良いか…分からないのです。好きが溢れてくるほど…あなたに引かれたくないって言う想いも強くなって…』


そうか、俺と似てるんだな琳さんは。


『俺も一緒だよ、みんな俺を好きだって言ってくれてる。だからこそ誰にも嫌われたくない…引かれたくないと思ってつい自分自身を隠してしまうんだ。それって普通なんじゃないかな?』


『えっ?』


『人は誰しも、自分も嫌と思うことくらいあるよ。大事なのってそれを受け入れるか否定するかじゃないかな?』


『どういうことですの?』


『その自分を否定してずっと隠し続けるか、受け入れて共に生きるか…まぁ、そんな簡単に決められたら、人間苦労しないんだけどね。』


『耀司さんも…あるのですか?』


『だって、俺が脇フェチとか、ムッツリだとか知らなかったでしょ?』


『た、たしかに…見た目からはそういうの興味ないものかと思っておりました…』


『隠してるからね…でもみんなはそれがわかっても俺のそばに居てくれる。大袈裟かもしれないけど、それがめっちゃ嬉しいんだ。』


『そう…なのですね。』


『だからさ、琳さんは琳さんのままでいいと思います。』


『ありがとう…ございます…では、私のままになりますね。』


そういうと突然俺の頬にキスをした!一瞬のことで対応することが出来なかった…


『私のままでこれからもいかせてもらいます。私も眠いので寝に行きますわ』


『うん。』


やっぱりお嬢様だよなぁ、体がちゃんと眠くなるところとか。しかし…全く…今の女子は油断も隙もない…彼女が出来たら気をつけないとなぁ…出来るかどうかわからんけど…そしてまた数十分後、またドアが開いた。


『まってたよ、りな。』


『…なんか来るのわかってたみたいな言い方ね。』


りなは腰に手を当ててもう…という顔をしていた。相変わらず下着姿で夜這いをする気満々だったらしい。


『まぁ…ね。』


『みんな来たんでしょ?』


ベットの上に座るとそう言った。やっばりバレてるよなぁ…。りなには昔から隠し事ができない…


『なぁ、俺がその気になったらどうするつもりなんだよ…』


『はぁ…あんたまだ疑ってんの?』


『だって俺が襲わないと思って!』


『んなわけないでしょ!!』


『!?』


『みんな本気なの!あんたになら襲われてもいいって思ってるの!!じゃなきゃみんなこんな大胆なアタックしないわよ!!』


『……ごめん。』


『謝ることはないわよ…大切にしたいって言う気持ちはなんとなぁく伝わってるし。でもね、耀司…私は本気で襲われてもいいの。前も言ったでしょ?あんたのためならなんでもしてあげるって!』


『そうだったですね…』


『まぁ、みんながみんなそうじゃないけどす少なくとも私は覚悟の上なの、分かってて。』


『うん、ありがとう』


『何がありがとうよ!!あぁやる気失くした!きっとあんたは今日しなかったことを後悔するんだから!!次はないんだからね!!』


あははっあいつは相変わらずだなぁ。あとは先生だけど…来なさそうだな…さて…寝るか…


『ふわぁぁぁ…飲みすぎたァァ…』


『せ、先生!?なんて格好してんだ!!』


そういえば先生寝る時は裸で寝るとか言ってたか!?なんで俺の部屋に!?


『おやすみぃィィ…』


『んむぅぅぅ!?』


まさか脇に顔を埋められるとは…普通胸じゃないの!?俺からしたら最高の天国なんだけど!?うわぁぁ…石鹸と先生の匂いだけがする…めちゃくちゃいい匂いだ…


『うぅぅぅん…耀司ぃぃぃ…』


『勘弁してくれよぉぉ…』


ーー

これが夜中に起きた出来事でそして今に至る…先生はというとそのまま俺のベットで寝かせた。


「おはよ、ってクマすごいことになってるじゃないっ!?」


「大丈夫だよ!元気だしね。」


お母さんがそう言うとみんなが目を逸らした。まったく…まぁ、自覚があるだけマシだよな。ちょっと外の空気吸ってくるか。


「あっ、外にいくならついでに買い出し行ってくれない?」


「あんた俺を殺す気ぃ?」


まぁ時間を見ると8時半…あともう少しで近くのスーパーが開く。よしっと俺は世羅さんをみた


「よ、耀司?」


「世羅さん2人で買い出し行かない?」


「私ではない…ですか…」


「仕方ありませんわね!耀司さんのご指名ですし…。」


「ま、私ゃ不満もないがな。」


「姉ちゃんの言う通りだな!おし、明日は私な!」


「明日あなたバイトでしょう?」


「あはは…いこっか。」


ーー

「うわぁぁ!覚えてる?ここで瑠偉のやつがプレゼントと間違えて下着の袋渡したの!」


「よう覚えてるよ、あれはほんとに驚いた。使えってことなのかなって!」


「んなわけないでしょ!あははっ」


やっぱり丹比さんといると本当に楽しい…やっぱり俺は…


「世羅さん!」


「へっ…な、なに耀司…」


「俺はむっつりで脇フェチでそんなに頭も良くない…みんなに好きって言われて天狗になってるのかもしれない…」


「え?…まって…もしかして…」


「世羅さん…いや、瑠偉、摩耶、佐奈、伽耶、そして世羅さん!俺は丹比のことが好きです!僕とお付き合いしてください…」


「は、はぁぁぁぁっ…」


「せ、世羅さん!?」


「そ、そんなの…そんなの!!」


「「「「「私の方が好きに決まってるじゃない!」」」」」


「ッツ!?」


まるで5人の言葉が一度に聞こえたみたいだ…体全身に電撃のようなものが走り、心臓が早い…顔も見なくてもわかるくらい真っ赤になっているだろう。それは丹比さんも同じだった。


「好きだ…好き…。」


「うん…私も好きよ…耀司…」


「世羅…」


「よ、耀司っ…ちょっ…まだ心の準備が…え?」


「くーっ…くーっ…」


「ふふっ、ほんと締まらないわねぇ。好きよ…耀司…」


ーー

「おかえりぃーってあーっ!恋人繋ぎしてるー!!」


「あらあら、先を越されちゃったのね。」


「もしかして…耀司…」


「まさか丹比さんでしたのね!全く警戒していませんでしたわ!」


「まさか世羅さん…脇を舐めさせたの」


「なわけないでしょ!!それに耀司から告白してきたんだしっ!誰も文句ないでしょ?」


「確かにそうね…でも…」


ん?でも?


「そうだ、諦める気は全くねぇし」


「そうよ!耀司のことをメロメロにして奪ってやるんだから!」


「そうですわ!!まだ少し時間があるんですから!」


「わたしもまけないっ!」


「ええぇぇぇえええ!」


俺たちの恋物語はまだまだ続きそうです…、


ーー


『にへへぇぇっ…』


『まさか…告白されるなんてねー。』


『ていうか世羅ずりぃぞ!!お前ん時に!!』


『それも、クリスマスの日だよっ!?世羅ちゃん羨ましすぎるよっ!!』


『でも良かったです…両思いだったなんて…』


『でも、まだ油断出来ないわっ!まだ諦めてないやつもいるんだから!!』


『そうね!お姉ちゃんも負けないんだからっ!!』

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皆違えど皆好き~俺を好きな女の子は実はみんなエッチな女の子でした~ @tuzihime

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