第28話 勘違いの朝と正妻戦争!
太陽の光と鳥のさえずりと一緒に目が覚めた。自分で起きたのいつぶりだろうか。窓を開けてっと…
「へァっくし!!」
くしゃみをしてしまって鼻水が出てしまった…テッシュを何枚かとって鼻にあてフーンと吹いた。さすがに1回じゃダメかと3、4回くらいしてようやく止まった。
「んっ…耀司?」
「おはよ、起こしちまったか?」
「ふわぁぁぁ…よく寝…た。」
りなはいきなり固まってゴミ箱を見て顔を真っ赤にしてしまった。え?テッシュ?朝から鼻をかんで…まさか!
「耀司…これ…」
「ちっ!ちがうぞ!」
「だって窓も開けてるし…」
「換気のためでもないから!!」
上手いことなってんなほんと!!普段やらねぇことはやるもんじゃないぜほんと!!
「それに服もはだけてて…あっ!!」
と慌てて隠した。マジで勘違いされてる!?何とか誤解をとかないと!
「いや、何か勘違いをしているようだが俺はしてた訳じゃないぞ!!ただくしゃみが出て鼻水が…」
「もう…私に言ってくれたらちゃんとしてあげるのに…」
「だから違うって!!」
「隠さなくても大丈夫だよ?まぁ、隠せてないのもあるけど…」
と、りなは俺の下半身を見ていた…あっ!!
「これは前にも言ったが生理現象なんだっ!!」
「痛いでしょ?今すぐ慰めてあげるね。」
そういうと少しずつ俺の元へ近寄ってきた…さすがにこれはやりすぎですよ…
「あっ…耀司はこっちの方がいいかなぁ?」
とパジャマをグイッと引っ張って脇を見せた。昨日暑いと言って脱いでたくらいだ。汗を少しかいてて見るだけでもやばい…。
「いやぁ…その…」
「耀司ぃぃ?なんでかみんな来てるけど約束してた…あぁ…そういうこと?」
「そうなんだ!みんなどうしたのかなぁ!気になるし行こっか!」
「ちょっ!耀司ぃぃ!」
「…もしかして…お邪魔だった…?」
「…いえ、大丈夫です。」
ーー
「おはようございます耀司さん」
「おはようございますわ耀司さん」
「おはようございます耀司くん」
「なんでみんなここに?」
「「「なんかエッチな気配がしたので!」」」
「声合わせて言う言葉か!てかなんだその気配は!」
「ふわぁぁぁ…みんなおはよう…」
「おはようござ…って!なんて格好をしてらっしゃいますのっ!!早くボタンを止めてくださいましっ!!」
「耀司さん、これはどういうことかしら?」
「耀司くん?もしかして一緒のベットで寝てた、なぁんてことは無いわよねぇ?」
「え?なんでみんな知ってんの?」
まだ寝ぼけているのか、りなは爆弾発言をかました。せめて完全に目が覚めてからものを言おうか。
「「「話を伺いましょうか?」」」
「はい…。」
ーー
そして、会議が行われた。
「さて、昨日摩耶さんが聞いた話によるとりなさんはお母さんと喧嘩をなさって耀司さんの部屋に来た…そうで間違いありませんわね?」
「はい…そうです。」
俺は正座をさせられ、琳さんの言葉に正直に答えた。ちなみにりなは親が心配してるだろうからということで一度帰った。くそう…なんで俺だけ…
「そのあともう一度摩耶さんが親と一緒に戻ってきた際、エッチな水着を着させて誘惑させていたと…あっていますか?」
「…はい。」
ちょっと違う気もするがあながち間違っては無いので認めるしかない…。
「それで?耀司くんは、水着の誘惑だけで終わったのかなぁ?」
「…!?」
佐奈さんは直球にその事を聞いてきた。そりゃそうか…摩耶さんが帰ったあとかなりの時間があった…さすがに1着だけでは尺が合わないとのことだ。なんて鋭い。
「それに最初に摩耶が見た時はおっぱいがほとんど見えてるメイド服を着ていたとか?」
「なんですって!?それは聞いていませんわ!!」
「耀司さん、説明を。」
「か、勘弁してくれぇぇー」
「あぁ、それはりなちゃんが耀司を誘惑するためにメイド服ありませんか?って言ってきたから、水着のやつもその1つよ。」
おぉ!かあさんさすが!ってあんま状況変わらないような…。
「でも、後で片付けてたらたしか…ナース服と、バニーと、チャイナドレス…警察官の衣装だけ使われたあとがあったわねぇ?」
おい!!!なんでそんな鋭いんだよ!!てかなんでそんなピンポイントに分かるんだよ!
「それがこちらになりまーす。」
おぃぃぃ!!証拠品みたいになってんじゃねぇか!!
「確かに…りなさんから香る石鹸のいい匂いがします…どうしたらこんないい匂いが…」
優莉さん…それ女の子じゃなかったらやばかったですよ…。
「水着も凄いですがほかの服も!全部体のライン丸見えではありませんの!こんなの私じゃ着れませんわ…」
「私でもバニーとかV字ビキニは無理かなぁ…他もなかなか…」
「私は全部いける…。でも、りなさんの方が可愛い顔をしてるからインパクトがちがう…」
「でもどれも似合ってて可愛くて!特に警察官のやつは革のずぼんでぴちっとなってるところが…」
「「「はぁ?」」」
「すみません…なんでもありません…。」
「なるほど。認めるんですね?」
「はい…すみませんでした…」
「まぁ、りなさんも必死だったのでしょう。耀司さんも襲っているわけではないようでしたし、一線を超えるつもりもなかった。ならまぁ、罪は軽いですね。」
「ですが、認めた以上無罪ということにはなりませんわ。」
「そうだねぇ?さすがにお姉ちゃんもぷんぷんだよ!さっき横腹を掻きながらリビングに来たりなちゃんの脇のところずっと見てたし。」
「「はい?」」
マジでこの人たち名探偵なの?いくら俺の事を見てるからって鋭すぎるでしょ…もう何も出来ないじゃん俺…
「脇…脇ですの!?耀司さんは脇がすきなんですのっ!?」
あぁぁ…なんてこったぁぁぁ!
「そういえばりなちゃんにお宝の場所教えてもらったからひっそり見た時、年上の女性が多かった…脇の毛が生えてた…耀司くんっ!」
「いや…その…。」
「耀司さんは、脇が生えている方が好き…と」
「もう死刑でいいですから許してください!」
「ダメですわ!…まさか…年上好きだったなんて…」
「しかも昨日誰が一番なのって摩耶が聞いたら…山城先生だって!」
「あぁぁぁぁぁ!しまったあぁぁ!」
バァァァット!
「確かに…先生は普段薄着ですし、私は何度も言うのですが…脇の処理がめんどくさいとも言って放ったらかしでした…まさか耀司さん!」
「なんてことですの…昨日ちょっと生えてきてたから剃ったのに…」
「私も耀司くんは綺麗好きかもしれないと思って毎日綺麗にしてたのに…。」
やばい…どんどん俺の性癖がバレていく…
「ま、まぁ!私たちは私たちでいいと思いますの!」
「そ、そうですね、さすがに恥ずかしいですし…」
「そうよね、ほかの人格のみんなも困っちゃうだろうし…世羅ちゃんも」
(((しばらく剃らないでおこうかな…)))
「今回はクリスマスパーティで、私たちみんなを可愛がる!ということで手を打ちましょう!」
「「そうね。」」
「申し訳ございませんでした…。」
「まぁ、全部耀司くんが悪いわけじゃないし…。」
いや、俺が悪いんですけどね…良かったァ…お風呂の件とかばれなくて…
「そういえば私が2人を送ったあとすぐ帰ってきたから時間あんまりかかってなかったのに2人よく入れたわね?あんまり長湯しなかったの?」
あの〜母さん?さっきからわざと俺を陥れてませんか?ほら、見てごらん、さっきやっと収まった3人がまた怖い顔してるじゃん…?
「へぇ?りなさんはあまり長湯しない人なんですのね?」
「というか、少なくともシャワーの音って普通に聞こえてたよね?耀司くん、きっと耀司くんは混浴なんてせず、音楽を聴いていたんだよね?お姉ちゃん…信じていいよね?」
「しかし、一緒に入っていれば…時間がそんなにかからなかったのも納得がいきます。」
「「「さぁ説明してもらいましょうか?」」」
「え…っと。」
ピンポーンとインターホンがなったので俺はそこを逃れるように玄関へ向かった。
「はーい!」
とドアを開けるとりなさんとお母さんがいた
「今回は本当にごめんなさいね!娘がご迷惑をおかけしてしまって…」
「いえ…迷惑どころか、むしろ俺がありがとうと言いたいというか…」
そういうと後ろのりなが昨日のことを思い出したのか頬を真っ赤にしていたので俺も少し照れてしまった。
「これはほんのお礼です。」
「いえ!そんな…貰えませんよ!」
「いえ、貰ってください!」
「貰えませんて!」
「ではうちの娘を貰ってください!」
「それは貰います。」
「「えっ!?」」
「ん?」
りなとりなのお母さんが驚愕の顔で俺を見ていた。冗談で言ったんだけど…
「「「耀司さん(くん)」」」
後ろから殺気があった…うん…絶対に後ろを振り向いてはいけないと俺の全神経がそう言っている。
「冗談です!すみませんでした!!」
ーー
というわけでりなも合流しりなにも事情聴取が入った。
「水着までは聞きましたのでそれはもういいです。」
「へっ!?いつの間にそこまで話が進んでるの!?」
「問題はお風呂です!」
「ッツ!?」
あからさまに顔を真っ赤にしてしまったりな。そりゃそうだよな!そういう顔にもなるよな!ごめん!
「その顔を見るに一緒に入ったのは本当らしいですね?」
「それは、わ、わかってましたわ!問題は…」
「ちゃんとタオルを巻いてたんだよね!?」
さぁ…どうきりぬける!?
「たっタオルは…巻いてなかったわ…でっでも!ちゃんと隠すところは隠したわ!!それに泡風呂でほとんど見えてなかったし!」
まぁ、嘘をつける状況じゃないし仕方ないよな!それと素っ裸を見たことを言わないでくれてありがとう!
「そう…まぁ、嘘は言ってないようね。」
「でもこれはかなり抜かれてしまいましたわ!」
「お姉ちゃんが先に洗ってあげたかったのにぃ…」
「いや、洗われてないから!!」
「では洗ってあげたのですか?」
「洗ってもない!脇の毛を触っただけで…あ!」
「あ!」
「「「はぁ〜?」」」
やけくそ気味に言ってしまったらやばいことまでポロッと言っちまった!もうダメだ…
「今の言葉もう1回言って貰えますか?」
「お姉ちゃん聞こえなかったなぁ?もう1回言ってごらん?」
「脇…以降が聞こえませんでしたわ?」
助けてくれ…とりなを見るがぷいっとそっぽを向かれてしまった…のぉぉぉおぉ!!
その後俺はタコ殴りに会いその名の通り顔面がタコみたいに膨れ上がったのである。
ーー
『やべぇなぁ…りながかなり動いてっぞ?』
『りなちゃん顔かわいいしスタイル抜群だものね…』
『それに…あんな…え、エッチな服も…』
『さすがにお姉ちゃんも許容範囲外だよっ…』
『しかし…りなはぜんぶきたのよね!』
『じゃあオレたちも負けてらんねぇな!』
『私たちだってようちゃんのためならなんだってするもん!』
『そうだよな!』
『大丈夫です…私に任せてください!』
『まぁ、こん中で色気担当は伽耶以外いねぇよ!』
『私、お色気担当なの!?』
『『『『自覚ないの?』』』』
『みんな言えると思うけどなぁ…』
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