第25話 大波乱な冬休みの始まり

大きな問題も無事?に終えてやっと冬休みがスタートした。俺は昨日の疲れと緊張でいびきをかいて寝ていた。


「こほんっ、おはようございます…」


凛とした声が響きびっくりして俺は飛びおきた!横を見るとメガネをカチャッと持ち上げてどうも…と挨拶をする女性がいた


「山城さんっ!?」


「はい、山城です。」


なんかこれお約束みたいになってるなほんと!驚かすのはもうつっこまないけどなんでまたここに!?


「それと、私のことは優莉と呼んでください…」


「わ、わかったよ…優莉…で、何しに来たんだ?」


「将来妻となるかもしれないので今のうちに練習をと…」


確かにそうかもしれないけど…と俺は寝ぼけてて気づかなかったけどよく見ると裸エプロンじゃねぇか!!


「なんで裸エプロン!?」


「心配しないでください下はつけてます」


といってふんどしを見せた…いやそれを下着として扱うのはどうかと思うし、上もつけてください!まず服を着てください!


「前にこのふんどしがいいと言われたので…」


とえぷろんをぴらっとめくる。いや、見せなくていいよ!それに優莉さんが履いてるやつってどう考えても男が履く布面積がちっちゃいやつだよね!昨日ふと調べたら女性用のやつガッツリ前隠れてましたけど!?


「あれは可愛くないので…」


「いや、これは可愛いの!?」


どういう頭してんですか!?というかいい加減服を着てくださいお願いします!!


「仕方がありませんね…では服を着ましょう… 」


「だぁぁぁぁ!ここで脱ぐな!もう俺が出ていくからその間に着替えて!」


そう言って俺は部屋を出ていった。中から申し訳ありませんと聞こえてきた


「…もう勘弁してくれ…」


すると来ましたよ…と聞こえたのでまたえろい服か?それとも着替えてませんよとか?と思ってそーっと覗くとちゃんと服を着ていた。猫のパーカーと黒いパンツを履いていた。普通にこっちの方が可愛い。


「よく似合ってるよ。」


「あ、ありがとうございます…この猫さん好きで…」


よく見ると瑠偉とデートをした時にプレゼントした猫とおなじだ!あれ結構人気なのかな?


「それで、今耀司さんは好きな人はいらっしゃるのですか?」


「いや、居ないけど…」


「では、私なんていかがでしょう。」


腕を広げてどうぞって言ってるし…不動産屋さんじゃないんだからどうでしょうじゃないよ!


「それに姉も大賛成してくれて…」


「担任が御姉さんになるのだけは嫌なんだけど!?」


その上あの二人の姉もつくとなると大変だ…ちなみに担任の京華さんが1番上でその下が紀葉さん、その下が薺さん…一番下が優莉さんとなっている。


「しかし姉は『もし妹が結婚してくれたら私もワンチャンやれるじゃん』といってました。」


「なんてこと言ってやがる!てかそれで優莉さんはいいの!?」


完全に逆寝盗られですよね!?そういうの許される家の人?んなわけないよな!?


「それに姉妹丼も出来ていいじゃんと仰ってたのですが、姉妹丼…とはなんなのでしょうか?」


首を傾げてとんだ爆弾発言を言い出した優莉さん…これはあの三人の中の誰の差し金だ!


「OK、お姉さんたちををボッコボコにしてくるから住所教えてくれる?」


「それは婚姻届を提出するためでしょうか?」


「微妙に冗談に聞こえないからやめて!?」


「ふふっ、冗談では無いので。」


「ッツ!?」


時々みせる女性の笑顔ってなんて罪深いんだろう…男を狂わせ、勘違いさせる。もしかして脈あるんじゃね?とか俺のこと好きなんじゃねとか思ってしまいそうになる。まぁ、優莉さんは本気なんだが…


ーー

階段をおりるとなんか賑わっていた。なんだ?朝っぱらからパーティーでも開いてんのか?そう思ってドアを開けると


「耀司!私はもう反対はしない!」


母さんに急に腕を掴まれ、そんなことを言われて俺はえぇ!?っとなってしまった!何を!?


「そうよね…こんなに美人でスタイルいい子達ばっかりだと選べないわよね!いいわ!全員私の娘になりなさい!」


「「「いえ、私は耀司を独占したいので!」」」


「何やってんだお前ら…」


リビングを見ると、りな、琳、世羅が座っていた。なんでこうなったんだ…


「おはよ、耀司、よく眠れた?」

「昨日はお疲れ様!さっ、こっちいらっしゃい!慰めてあげるわ!」

「耀司さん、わたしの膝の上にいらして?」


りな、世羅、琳とみんなが自分の席に来て欲しいと言っていた。とりあえず俺は誰も座っていない席へ…


「耀司さん、こちらへ」


いつの間にか空いていた席が優莉さんが座った。なにこれ?椅子取りゲームにしてはスタートから俺の席なくない?最近流行ってたお主の席はねぇべや!っていうやつ?


「はいはい、俺はソファーで食べますよ。」


と俺がソファーに座ると右にりな、左に世羅、右上に琳、左上に優莉がしゃがんできた。


「おい…ちゃんと机に座って朝ごはんを食べなさい。」


「そーね、私は座ってるから大丈夫よ?ほら耀司っあ〜ん?」


とりなは卵焼きを箸でとり俺の口に無理やり突っ込んだ!うむ…美味い!じゃねぇよ!てかこれ俺の箸じゃない…


「間接キス…しちゃったね…なんちゃって!」


きゃぁぁ!と1人で叫んでいた…まさかちょっと湿ってたなって思ったら!!


「あぁ!ずるいわよ!私だって…」


と世羅はウィンナーを口にくわえて俺の方を見た


「ふぁいふぉーふぉ?」


目を閉じて俺の方を向いていた…いや、絵面的に色々やばい事になってるし!!さすがにそれはと思ったがずっとこうしてそうなので俺は先端だけを上手いことかじった


「も〜チキンなんだから…」


てか世羅さんは俺のこと親友としてしか思ってなかったのでは!?なんでここまですんの!?そんなこと考える暇もなく口元をふかれた


「はぁいふきふきしましょうねぇ。」


「ちょっ琳さん!俺は子供じゃないって!」


「では、飲み物を飲みましょうか?」


「いや、口移しはもうアウトだから!!」


「ふふっ、まるでハーレム王みたいね?最高でしょう?」


「最悪だわ!!!」


「そういえば耀司、お宝にふんどしを履いた女性が出てるやつが増えてたんだけど…あぁいうの好きだったっけ?履いて欲しい?」


「あぁ…その…」


そういえばあの騒動の後、友達に頼んで家まで届けてもらって…受け取りが母さんだったから危うくバレると思ったよ…というか、新しいところに隠したはずなのになんでバレてんの!?

それを山城さんがいるタイミングで言う!?公開処刑じゃねぇか!!


「そ、そうなのですね…」


と、優莉さんは頬を赤くした…あぁ…もうどうにでもなれ!というか、俺の友達もよくそんな本あったな!あいつすげぇよ!中ちょっと覗いて見たけどやっぱり女物のふんどしだった。聞いてみると画像ではいくらでもあるがなかなかねぇぞ?と言われた。


「耀司、今日なんか用事ある?」


「ん〜家でゴロゴロする。」


「あんた休みだからって寝てばっかりじゃダメよ?」


「いや、もし外に出てみろ…この人たち着いてくるでしょ?」


と両隣と上を見るとみんなキラキラした目してるし…勘弁して…。俺の逃げ場ないじゃん…


「まぁ、昨日色々あったしね…今日は家でゆっくりしなさい私は少し出かけるから…」


と出かける母さんのすそを持った。


「なぁに?さみし…い…」


言葉を続けようとした母の口が止まった。真っ青な顔をしてゆっくり首を横に振る兎に四頭のライオンが迫っていた。


「うん…さすがに今置いていったら息子の貞操が危ないわ…さすがに学生なら勉学に励むべきよ!そうだ!勉強会をしましょう!」


そう言われて俺たちは急遽勉強会をすることになった。


「で、なんで先生がいんの?」


「だって勉強会するんなら先生がいるだろ?」


「いやそういう事じゃなくて!なんで先生が来たんだよ!」


「私が呼んだの!去年の家庭訪問で仲良くなっちゃって連絡先交換しちゃった!」


母さん〜!なんでライオンが4頭いる上に恐竜連れてきちゃうのさ!


「何事にもまず周りからせめて行かないとな?逃げられないように?」


あの…俺の顔を見ながら言うのやめてくれません?めちゃくちゃこわいので…

ということで波乱な勉強会が幕を開けた。


ーー

椅子だと全員座れないのでこたつの上ですることになった。席順はじゃんけんで決まりダブル山城が俺の両隣を占領するというまさかの結果になった…


「えっと…」


俺は悩んでいた…この数式の問題に?…否!女性たちに囲まれて集中できない?…否!両隣にタイプの女性がいたから?…否!


「耀司さん、ここは、ここの公式を使うと簡単ですよ?」


「あっ…ありがとう優莉…。」


「ほら、手が止まってるぞ?そこはこれを…んっ…こうする…とっ」


「わざと変な声出すのやめてください…」


先生が変な声を上げているから?…否!なんとこの2人耀司の右足を京華が!左足を優莉が触っているのである!触るだけならまだマシだ!だが2人が触っているのは俺のあれがあるすぐ近くの太ももをさすっているのである!ズボン越しとはいえ感じるものは感じるだろ…!

まずい…このままじゃいつ触られてもおかしくない…


「耀司さん…ここ…分からないのですが…」


俺の顔を察したのか琳さんが救いの手を差し伸べてくれた!俺は急いで琳さんの隣へ移動した…助かった…


「どれどれ?って三年の勉強なんか分かるかいっ!」


俺は琳さんにアイコンタクトをとった。うむ、と琳は頷いた。


「耀司さん?席を移動するのは違うのでは無いですか?私だって触って欲しかったのに…」


いや、目が怖いです…あとボソボソっと爆弾発言やめてください!


「うわぁぁぁん…耀司が構ってくれないィィ…」


「あんたは教師なんだから生徒の勉強を教えたらどうですか?ほら、よこのりなかが煙吹き出してパンク寸前ですよ?」


「なに…これ…こんなの…誰…にも…解けない…わ…」


「りな、ここは、Xが…」


「えっ!?あ、あぁXね!!」


りなが顔を真っ赤にしていた…びっくりした…といっていたがXに何を驚くんだろう?


「ここをこうすると?」


「こうね!!」


「そうそう、偉いなぁ。」


「えへへっ…もっと撫でて〜」


俺がりなの頭を撫でると頭を横にかたむけなでなでを求めた。


「むーっ!耀司!ここおしえて!」


世羅さんが俺の名前を呼んだので隣へ移動した。世羅さんって言うか丹比さんは頭俺より良かったよね?


「どこが分からないの?」


「ここなんだけど…」


と同時にめちゃくちゃ俺に密着してきた…おい…横乳が!!俺の胸んとこに当たってるって!!それも近づいてきた時どさくさに紛れて俺の足に手ぇ置いてやがんな!


「耀司、お母さんにも教えてくれる?」


「いや、ノリにのらんでいい!」


何をどさくさに紛れて横に座ってんだ!てか狭いよはよどきなさい!それもちゃんと座って!?将軍みたいな座り方してるせいで綺麗な足が見えてるから、下着も見えそうになってるし!いくら母親でも目に毒だ!


「何恥ずかしがってんのよぉ?昔は一緒にお風呂に入ったじゃない?」


「小さい頃の話だろうが!!」


「そういえば耀司さんの小さい頃って…」


「もうそのくだりやめてぇ!?」


前に1回あったから!公開処刑されたからァ!これ以上は俺の精神がもたない!


「そういえば誰にも言ってないことがひとつあってね!」


「ちょっ…むぐっ!!」


俺が止めようとしたが先生に口を塞がれてしまった。おい教師!生徒に手ェ出していいと思ってんのか!?校長にいいつけてやるぞ!?


「いいよォ…山城家の権限で帳消しにしてやるから。」


「怖ぇよ!」


何が怖いってほんとにやりかねないということだよ!絶対弱み握らんどこ…


「まぁ、このことを言われたくなかったら…とか言ってお前に脅されて…服脱げって言われて…ぐふふふっ…」


「おい変態教師!変な妄想すんな!!」


そうやって揉めあっているってる間に母さんは話を始めた


「昔、実家の近くに丹比ちゃんみたいな金色の綺麗な髪をした女の子が来たの!それでね、一緒に公園で遊んでたらしいんだけど、二人で川に入っちゃったみたいで!」


「むぐぐっ!むぐぅぅぅ!!」


それあかんやつやからァァァァ!!ダメだからァァァ!


「それで、ビッショ濡れで帰ってきたもんだから急いでお湯沸かしてね!まだ子供だからと思って2人で入ってきちゃいなさいって言ったの!そしたら女の子が急いでタオルを巻いて私の所へやってきて何事か!と思ったらその女の子の裸をみて鼻血出して倒れちゃったって!あはははっ!笑っちゃって…いや、笑っちゃダメなんだけど…」


もう好きにしてくれ…と思って俺は抵抗をしなくなった…先生も離してくれてあはははっと笑ってる…すると琳さんと優莉さんがくすくすと笑って話を続ける。


「へぇ!そんなことがあったんですね!」

「ふふっ、本当に純粋だったのね。」

「まぁ、私の時も恥ずかしがってたもんね!」


とりなが胸を張って言うと琳さんと優莉さんがその話!詳しくっとメモ帳を用意していた…どっから出てきたんだそんなもん!と世羅さんを見ると顔を真っ赤にして俯いていた


「世羅さん?どうかした?」


「う、ううん!なんでもないっ!」


「あっ、そうだ!せっかく冬休みなんだし!みんなお泊まりする?」


「それはいい考えなのですが…お父様に許可を貰わないと…」

「私はかまいません、3年生もあとわずか、今のうちにやれるだけのことはやっておきます!」

「私は大丈夫よ?なんなら、ずーっと一緒にいてあげるわ!」

「私だって!」


みなさん…俺の意見は…ないんですね?平和な冬休みがおくれないの!?


「じゃあ私も…」


「先生は学園の先生会?に呼ばれてるんでしょ?」


先生同士のお疲れ様会みたいな?お酒飲んだりするそうだけど…


「あれ嫌なんだよなぁ…一回参加したんだけど…ほかの教師がセクハラしてくんだよ…飲んでるぅ?とか、この後部屋に来て…とか…スリーサイズいくつ?とか?」


うわぁ…そんなの聞きたくなかった…まぁ、仮に手を出したらあのお父さんがなにをしでかすか…。


「だから参加しない!あ、スリーサイズ教えてやろうか?上がぁ、9…」


「言おうとせんでいい!」


「じゃあ日にちが決まったらおしえて!すぐ用意するから!」


と母さんはめちゃくちゃはしゃいでいた…まぁ、昔っから人を沢山呼ぶの好きだったからな。部屋も誰でも呼べるように広い家にしたみたいだし…


今日のところは早めに解散をしてくれた…良かった…これ以上は母さんがいても俺の貞操が危ないよ…


「良かったわね。あんなに友達が沢山できて。」


「…まぁ…な。」


母さんの言葉に俺は頭をかいた。今まであんまり母さんと話してなかったから…丹比さんと出会ってから…だな。色々変わったの…似てるな…俺が初めてであったあの女の子に…


ーー

心の中


『ううぅぅぅ…』


と世羅はうなされていた…その顔はもう耳まで真っ赤になっていた。


『昔そんなことあったよねー。あの時は世羅ちゃんがはしゃいでて…足をつまずいて…』


『それをようちゃんが助けようとして一緒にドボンっ!だったんだよね〜?』


『あの頃は周りより胸の成長が良くて少しふっくらしてたんだよね。』


『そんなの見りゃ男なら即倒だろうな!!』


『うっさいわよあんた達!!』


ってことは私…すでに耀司に裸見られてるんじゃない…と言っていたが体はひとつなのでみんな見られたって感じになるんだけどね。


『でも、やっぱり過去があるのって有利だよね!』


『そうよね!確かにその通りだわ!』


伽耶の言葉にやけくそ気味にそう答えた世羅、しかしそこに摩耶が首をつっこむ


『それ言ったら、りななんてヤベぇだろ…ずっと裸見られてたんだぜ?』


『『『『あっ……』』』』


『まずいわ!今すぐ混浴しなきゃ!』


『落ち着きなさい…焦りすぎて訳わかんなくなってるでしょ…まぁ、私たちのやることは変わらないわ。』


『そうね!何とか今年!爪痕を残すわよ!』


『『『『おぉぉぉおぉ!』』』』

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