第21話 三つ巴対決!

俺の最近の楽しみは朝にある!朝は美女が起こしに来てくれるのだ!こんな贅沢があって良いのか!?いいのだ!俺、鷹木耀司は今日も爆睡中!そしていつものように丹比さんが起こしに来るのだ!


「耀司ぃぃ…ふふっ、分かってるわ!寝てるってことわね!」


そう言って、りなは耀司にまたがりふふんっ!と腕を組んだ。


「耀司っ…好きよ…大好き…好き好き好き…好き好きっ。」


耀司の上に乗っかるように全身を耀司に預け耳元で囁き続ける。


「う…重い…」


「なんですっ…」


言葉を続けようとしたが、はっと口を塞いだ。いつものりななら怒っていたが今は違う。もう好きを我慢しなくていいから…悪口を言うところでさえ愛おしく感じる。


「ほら、おきて耀司っ!」


「…丹比さんっ…そんなしなくても…起きるから…」


「……。」


一瞬体が固まってしまった…そうだよね!丹比さんが今まで起こしてたんだよね…そりゃ…そう…なるよね。


「私の名前呼びなさいよ…バカ…」


そういってりなはだまって出かけた。


「ふわぁあぁぁ…おはよ。」


「あんた遅刻してるわよ!早く準備しなさい!」


「げ!?なんで起こしてくれなかったんだよ!」


「あら?りなちゃんが起こしたんじゃないの!?」


「りな?今日来てたか?」


「…あんたってホントに鈍感ね!!はいこれ弁当!パンはかじれ!これ牛乳!はよ行け!!」


「な、なんだよ!」


「りなに会いに行ってきな!!」


「りなに…なん…」


「つべこべ言わずさっさと行く!!」


「はいぃ!!」


俺が何をしたって言うんだ!と俺はせかせかと出て行かされとりあえず言われた通り、りなを追いかけることに。

しばらく歩いてるとりなの後ろ姿がみえた。


「りなっ!」


「耀司っ!?…な、なによ。」


「俺、なにか悪いことした!?」


「何よ急に?」


りなはふんっ、とそっぽを向いてしまった。きっとなにか悪いことしたんだな…そう思った俺は頭を深々と提げた。


「えっ!?耀司っ!?」


「俺、馬鹿だから!」


「えっ…えっ!?」


周りがくすくすと笑ってこちらに視線が集まっていた。思わずりなも動揺したが耀司はやめようとしなかった。


「俺、馬鹿だから、なにをして怒らしちゃったのかよく分からないんだ!だからこうやって謝ることしか出来ない!これでなにか解決するなんて思ってない!でも、良かったら俺に理由を教えてくれないか!」


「いや…いいの!些細なことだもん!」


「些細なことでいいんだ!そんなことでも怒ってしまったのならもうしないようにするし!」


「耀司っ…1回落ち着こっか?」


りなは耀司をなだめようと肩を掴んだが俺は逆に両腕を掴んで自分の元へ抱き寄せた。


「よ、耀司!?は、離して…」


「ダメだ!ちゃんと言ってくれないと俺が何も出来ない!」


「だぁかぁらぁ!もういいって!」


何度も振りほどこうとするが男女の差はなかなか埋められない。腕を一度掴まれたらなかなか外せないのだ。


「良くないよ!俺はこれからも仲良くしたいんだ!ずっと!」


「あーもう!私が起こしに行ってあげたのにっ!あんたがほかの女の名前を呼んだんでしょうがァァァっ!」


「…へ?」


白状したりなに驚きの声を上げた耀司…周りにいた人達は

「おぉぉおお!」

「ヒューヒュー」

「朝からお熱いねぇ」

などとはやしたてていた

でもその言葉もお構い無しにりなは言葉を続ける。


「寝言だったからピンときてないようだけど、あんた寝言でも自分の好きな人がほかの女の名前呼んでたら嫌でしょ!?」


「うん!」


「私もそんな気持ちになったの!いーい!?次起こしに行く時ほかの女の名前言ったら…言ったら…もっとエッチな誘惑してやるんだからァァ!」


その言葉に周りがわっと盛り上がった

「うぉぉおおお!」

「そこの男子羨ましいぞぉぉぉ!」

「そこかわれぇぇぇええ!」

「俺にもエッチな誘惑毎朝してくれぇぇぇぇ」

そんな言葉なんかこの2人には全く聞こえてはいなかった


「いや、それは嬉しいよ!?ご褒美になってない!?」


「あぁんもう!そういう事だからっ!言ったでしょ!あんたから告白させてやるんだっ!絶対!降参させてやる!」


いつの間にか人だかりが増えていて…

「いいぞいいぞ!やれやれー!」

「そんな男より俺と付き合ってくれー!」

「おいお前ハッキリしろー!」

もはやヤジまで飛んでいた。


「あんたらっ!これは見せもんじゃないわよ!!」


その一言に思わず周りはしーんとなり彼女の睨む目に怯えたのかどんどんと人だかりはなくなり2人だけになった。


「…お前ほんとすごいよ…」


「ドン引きでしょ?こんなことでイライラしちゃうなんて…」


嫌われても仕方ないわねって言ってるけど俺はそうは思わない…むしろ…


「俺、今のお前の方が好きだ。」


「へっ!?」


「昔のお前を見てるみたいで嬉しい。」


「そう?ま、耀司!あんたにひとつ言っておくわ!」


「なに?」


そういうと更に近づいてきて胸を押し付けてきたさらに顔を近づけて上目遣いで言葉を発した。


「私と付き合ったらこれ、もみ放題よ?」


ふんっ、という言葉と同時に胸がばるんっと揺れた。それだけでも興奮するのに元が可愛いからさらに…まったく幼なじみのくせに負け枠になってくれねぇなぁ。


「それに、え、エッチな要求だって答えてやるわ!猫耳でも、両手両足拘束でも目隠しでもいくらでもしなさい!あっ…でも撮影はいやよ…どうしてもって言うなら…やるけど…」


「うん…ちょっと待て…お前やっぱり俺の宝の隠し場所知ってやがんだな!」


さっきから俺の持ってる同人誌のネタばっかり言ってんなぁと思ったら!あれ読んじまったのかよ!また隠し場所変えないと!!


「ふん、幼なじみの私に隠し事なんて無駄よ!」


ここまで言われてただ黙ってるわけにもいかないなぁ…?


「ふぅん、じゃあ何でもしてくれるの?」


「えぇ!私に惚れて付き合ってくれたらね!!」


「じゃあ裸エプロンは?」


「やってやろうじゃないっ!」


どんっと任せなさいっと自信満々な顔でそう言った。おっ?これはどこまでいけるのかチャレンジしてみたいなぁ…さぁ、どこでギブアップする?


「じゃあ、童貞殺しのセーター!ノーパンノーブラ!」


「朝飯前よ!」


「ミニスカえろメイド!」


「そんなの裸エプロンに比べたら全然マシね!」


その程度かしら?と手をクイクイっとうごかす。完全に煽ってやがんな!


「じゃあ、えろい水着!」


「いくらでも着てやるわ!」


「ヌード撮影」


「自分専用にしてくれるならいくらでも撮りなさい!」


「マッサージ機責め!」


「何台でもかかって来なさい!」


「じゃあ裸猫耳猫しっぽ首輪をつけて深夜徘徊は?」


「…うぅ…それは…要相談よ!」


じゃ、じゃあ!と考えてると、こほんっという声が聞こえた。横を見ると生徒会長の四條さんが立っていた…うん、死ぬな…これ。


「あなた達ですか?公開告発した挙句、え、エッチな言動を繰り返しているというのは!」


よく考えたらここ普通に人が通る道の真ん中やないかい…何を俺たちは朝っぱらから言いあってんだ…


「「はい…」」


「まったく…まさかあなた達だとは思いませんでした!何をやってるんですか!?」


「「すみませんでした…」」


本当に俺たちふたりは深々と頭を下げた。返す言葉もございません…言い出したらもう止まらなくなっちゃったんです…


「近所迷惑にもなりますので今後はこんなことはやめてください!あなた達は反省文と、先生からの注意をちゃんと受けること!!いいですね!?」


「「はい。」」


俺たちはその日しばらくずっと

「よっ、ベストカップル!」

「よっ、メオトップル!」

「よっ、バカップル!」

「朝からいいもん見さしてもらったわー」

などと言われたい放題言われたのだった。なんも言い返せないよほんと…


ーー

「では…部活を始めます…」


と俺の顔を見てやや緊張気味にそう言った。やっぱり朝のやつ恥ずかしかったんだな…いや、恥ずかしいというのは、言った言動がじゃなくて、言ってた場所と他の人に聞かれていたということだろうな。


「そういえば部長、朝のことなんですけ…」


「それは掘りおこさないでもらっていいかしら?」


「部長、いつも鷹木さんにツンケンしてたのに今ではデレデレじゃないですかぁ?」


おうおう、今までずっと部長に逆らおうとしなかった渡部さんがすごく煽ってんなぁ。


「やっぱりツンケンしてたのはただの照れ隠しだったんすねぇ?」


草壁さんにまで煽られる始末だ。でももう彼女はどうじない。ここまでくると恥もくそもないんだろうな。


「ふん!そうよ!私は耀司のことが大好きなんだもん!耀司のためならどんなことだってしてやるわ!」


「ほう?私に喧嘩を売るなんていい度胸ですわね?」


そういって部室に入ってきたのは生徒会長だった。あれから毎日来るようになりましたね…生徒会の仕事忙しいんじゃないですか?


「生徒会の仕事忙しくないんですか?」


「い、いえ!耀司さんが心配する必要はありませんわ!」


俺が話しかけると顔を真っ赤にして花が咲いたようになっていた。


「うわぁ…この態度の変わりよう…」

「生徒会長って二重人格なんじゃね?」


「何か言ったかしら?」


「「いいえ!なにも!!」」


2人が青ざめて背筋を伸ばした。俺達には見えないが相当やばい顔してたんだろうなぁ…俺も見てみたいものだ。


「あまり無理しないでくださいね…。」


「そ、そこまで心配してくださるなんて…もう私たち…結婚してもおかしくないですわね…」


「いや、さすがにそれは展開はやすぎないですか!?」


それにいつの間に俺の間合いに!?オレの腕を掴んでるし!


「あれぇ?会長、風紀乱してませんかぁ?」


そう言って逆サイドから俺の腕を掴んできたりな。おい!腕が胸に挟まってるんだけど!?というか密着させすぎてちょうど手がりなの太ももに当たってるし…


「そ、そんなことはありませんわ!」


「えぇ?会長あろうお方が生徒に抱きついて誘惑してるなんて他の生徒にしれたら…どうなるかなぁ?」


琳さんはぐっ…と唇をかんだがそれを言うならとりなに言い返した。


「あなただって密着させすぎなんじゃないですかァ?風紀を乱してるのはむしろあなたではなくて?」


「ふふんっ!私が耀司を好きってことはもうみんな知ってるわ!だって小さい頃から一緒に遊んでたんだもん!」


2人とも落ち着いて!とりあえず手を離そうか…俺全く動けないんだけど!?無理に振りほどいたら変な声出されてそれが先生に聞かれてみろ!俺の人生が終わるぞ!?


「モテモテだね鷹木さん!なのも負けないよぉぉ!」


そういうとなのさんは俺の後ろから抱きついてきた!なんだ!?どこが当たったらこんな柔らかい感触が生み出されるんだ!?胸が無いように見えるけど意外と着痩せするタイプなのか!?


「おい、鷹木くん?キミはうちの部室でハーレムを築きあげようとしてるのかい?ちょっと表に出ようか?」


と暗い顔の佐久間さんが俺をめちゃくちゃ睨んでる…ちょっと待って!これ俺が悪いの!?てか手をポキポキ鳴らすのやめて!?めちゃくちゃ怖いよ!


「では、私も鷹木さんに抱きつこうかな〜!」


そういうとなのさんの反対側から渡部さんが抱きついてきた!おぉ…さすがの弾力、柔らかすぎず硬すぎずちょうど…じゃねぇ!!


「おい、耀司ぃぃ?別にハーレムを築くのは構わねぇが…渡部先輩まで入れるつもりじゃねぇだろうなぁ?」


眞鍋まで手を指を鳴らす…まって!あなたがそれやったらマジで怖いよ!?てか、渡部さんを奪うつもりもないし、ハーレムを作るつもりなんてないよ!?


「私だって…私だって!」


そういうと今度は前から琉偉さんが抱きついてきた…さすが琉偉さん…すごく柔らかい…まるでマシュマロ…ってこの状況なに!?俺なんでこうなった!?そんなことを思ってると部室のドアが開いた


「おーい、お前らやって…うん、ヤッてるな?」


「いや、上手いこと言えとはいってませんよ!?それにやってないです!」


そんなこと言ってる暇があったらこの人たちをとめてください!


「私も混ざった方がいい?」


「先生までまざったら訳分からんことになりますよ!!」


母さんみたいなことを言うな!誰かこの状況何とかしてくれませんかァァァァ!


「会長っ。」


「山城さん!!」


「はい、山城です。」


救いの手はさしのべられた…副会長だ!俺から琳さんを無理やりしっぺがして猫のように服の襟を掴んでいた。


「かえりが遅いなと思っていたら…こんなところで何してるんですか?」


「山城さん!?今日の仕事は終わったでしょ!?」


「はい、そうですね…しかし、仕事が終わったら何でもしていいわけはないでしょう?」


「うっ……」


はぁ…と山城さんはため息をつき俺の周りにまだ抱きついた全員を睨んだ。みんな王が部下に睨んだかのように俺から離れた。


「山城先生…」


「あはは…先生なんて堅苦しいなぁ…お姉ちゃんって…」


「…先生なら責任をもってとめてください、学園の風紀に関わります、そういえばこの間も服装に関して注意を受けていましたがなんですかその服装は?生徒がいやらしい目で見ています、生徒をたぶらかしたいのかは知りませんが今すぐ着替えてくださいもし着替えなければこちらにも考えがあります、あと、校長に出さないといけない書類があるそうですが出せていないようですね?私に言われたんですよどれほど恥ずかしかったか…いい加減大人なんですからしっかりしてください。まだまだありますよ?」


「すみません…。」


うわぁ……オーバーキルだ…。確かに今寒い季節なのに黒いYシャツに医者が着るような白服をまとってミニスカにタイツと…かなり青少年に悪いよな…よく怒られないなっと思ったらちゃんと注意受けてたのね…。


「あと、前にも言いましたがあなたは女性に甘すぎます…優しいのはいいですが、誰にでも優しいのは誰にも優しくないのです。嫌な時は嫌と言える人間になってください」


「はい…」


ごもっともすぎて返す言葉もございませんパート2!


「まぁ、会長が好きになる理由が何となく分かりますがね…では、私はこれで失礼します!」


「じゃあ私は…」


「先生も校長に呼ばれているので職員室まで連れていきます」


深々と綺麗な一礼をして会長の襟を引っ張って先生を片手でせたらいながら彼女は出ていった…怪力バケモンかあの人!?


「じゃ、じゃあ部活再開しましょうかぁ!」


「そ、そうですねぇ」


そういって何事も無かったかのようにみんな席について会議を始めだした。まぁ、いっかとオレもわすれようと思って何も言わないことにした。


ーー

部活も平和に終わりりなとほかのメンバーは用事があるので先に帰ってしまった。俺と琉偉さんは急ぐ用もないので一緒に帰ることになった。


「いやぁ…ようちゃんはモテモテですねぇ?」


「モテモテ…なんだなぁ…」


俺みたいなやつのどこがいいのやら…。嬉しいけどみんなあんなに可愛いんだからもっとイケメンを捕まえられるだろうに…


「親友として鼻が高いよ!」


「お前は…どうなんだ…」


「へっ!?」


顔を真っ赤にして俺の顔を見た。俺は真剣な目で琉偉を見つめる。その顔を見て、あ…えと…と少し戸惑っていた


「…ようちゃん?それって…」


「好きな人とかいんの?」


「…え?そっち?」


「え?どっち?」


え、そっちってなんだ?好きな人がいるのなら気になるし、親友といえばこういう話が定番じゃないの?と思って聞いたんだけど…え?もう一個あるの?


「はぁ…そうだねぇ!いるよ!」


「いんの!?どんなやつだ!?」


きっとイケメンで優しいやつなんだろうなぁ…まてよ…琉偉が好きな人ってことはほかの人格も好きってことなのか?それとも人格によって好きな人が変わるのか?


「その人はね、顔はかっこいいんだけど頭はそんなに良くなくて、他の人にモテてるくせに鈍感で誰にでも優しい人だよ。」


「…琉偉、悪いことは言わん!やめておけ!そいつはダメなやつだ!」


なんてことだ!さっき、山城さんに言われてたじゃないか!誰にでも優しい人は誰にも優しくないって!そんな人はダメだ!


「はぁ…ねぇ、鏡って知ってる?」


「鏡は知ってるぞ?」


何だ急に…クイズか?こう見えて結構得意だぞどんな問題でもこいや!


「はぁ…まぁいいや。じゃあ、応援してくれるよね!?親友!」


「おう!」


とそう言ったが俺の心の中は変にもやもやしていた…なんだろうこの気持ち…


「きのせいか!」


そういいきかせて俺たちは別れ、そのまま帰っていった。


ーー

心の中


『ついに、五木も本気出し始めたか…』


『そうだねぇ…これはかなり強敵だよっ!』


『何せ幼馴染ですからねぇ…』


琉偉がもどってくると世羅と佐奈と伽耶が話し合っていた


『へっ、そんなもんタイマンはりゃいんだよ!』


『『『それはあんた(あなた)だけでしょ!?』』』


3人が声を揃えてそう言った。思わず摩耶もあん!?と言い返していた。


『まぁまぁ…でもっ!私だって耀司と小さい頃に一緒にいたんだもん!絶対に負けないわ!』


『なら、オレたちがやることはただ一つ!』


『どんな相手だろうと関係ない!私たちは勝つ!』


『『『『おぉぉぉぉ!』』』』

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