第18話最強のライバル!

「耀司くーん。朝ですよぉぉ?」


「んぁ?おはよ、佐奈さん…」


「もう!すぐ起きないでくださいよォ…」


「なんで!?」


だってイタズラできないじゃないですかぁ…と頬を可愛く膨らます佐奈さん。あと伽耶さんでモーニングコールコンプリートなんだけど怖くてよう頼めんわ…。そんなことを考えながら佐奈さんを見た制服の上に純白のエプロンを着ていた。うん、最高の朝だな。


「では起きたご褒美にいたずらしますね…」


「ん〜…んっ!?なぜに!?」


これはやばいと思って逃げようと思ったが遅かった。ベットに押し倒されその上に佐奈さんがのっかってきた…柔らかい太ももとかおしりとかが俺の足にのっかって…理性が…


「素直になってください…ほら…私は嫌がったりしません…」


「やめてくれ…理性がもたない…」


俺は何とか我慢しているが彼女は全く遠慮してくれない…俺は基本そういうことはしないタイプでやったこともないからやり方がわからない…だからそれをずっと我慢していた。それなのに佐奈さんはエプロンを脱ぎ捨てボタンを外し、スカートのチャックを開けて上はカッターシャツ、下は下着とニーハイソックスという健全な男子高校生にはたまらない格好になっていた。


「たす…けて…」


すると救いの手は差し伸べられた!母さんが俺の部屋に入ってきたのだ!


「耀司〜いつまで寝て…あらごめんなさい…お邪魔だった?」


「いえ、そんなことないですから助けてください!」


何ドアをそーっと閉めようとしてるんですか!早く助けてください!とSOSのサインをだすが…


「大丈夫よ、先生には体調不良で休むって私から伝えておくわ…あっ、でもちゃんとゴムはつけなさいよ!妊娠したら大変だから!」


「そこを止めて欲しいんじゃないんだよ!今この状況をどうにかして欲しいの!」


「ほら、親の公認も出ましたし…」


早くしましょ?とペロッと唇を舐めて俺に近づいてくる…まさに蛇に睨まれたカエル状態だ!


「母さん…もっ…」


「えぇ!?私もっ!?ダメよ…親子で…それも3⚪︎なんて!」


おい親いい加減にしろ!てか親が3⚪︎とかいうな!この状況をどうにかしろって言ってんだろ!


「でもいいわよ…こんな垂れ乳で良かったら…」


「おいバカ親!変なノリをやめろ!!いい加減止めてくれぇぇえ!」


仕方ないわねぇと母さんが佐奈さんを正気に戻してくれたおかげで何とかその場を凌いだ…危なかった…神様…もう無理かもしれません…


ーー

俺はプンプン怒りながらご飯を食べていた。ごめんね〜と佐奈さんが謝ってるが少しは反省してほしいと俺は無視していた。


「許してあげてよ耀司…佐奈ちゃんはわたしのいうこときいただけだから…」


「あんたの差し金かい!!」


佐奈さんは何一つ悪くねぇじゃねぇか!なんてことさせやがる!?好きでもない人にそんなことしたくなかったように…


「ごめんな…俺の親が…」


「ううん…むしろ…嬉しかったから…」


そして何故か俺の下半身を見てきた。え?と思って…下を見ると…あぁ…なんかさっきから動く度に擦れんなって思ったら…なんというか…男の生理現象がおこっていた…


「…ちょっとトイレ…」


「耀司ぃ?食事中にたっちゃダメよ?」


「でもっ!」


「鷹木家の家訓その十三!」


鷹木家の家訓はいくつかあり鷹木家のものはそれを必ず守らなければならない!その十三はたしか…


「食事中はテレビをつけない、席を立たない!」


「よろしい!」


俺は逆らえず大人しく座った。俺はその間ずっとチラチラと佐奈に下半身を見られて恥ずかしくて死にそうになっていた。


ーー

今日は日曜日、文化祭があることを想定して何も予定入れてなかったし、暇だった。だから佐奈さんと学園へ来たんだけどまさかみんな集まってるとは思わなかったよ。


「へぇ…そんな羨ま…うぅんっ!大変なことがあったのね!なんか変なことされてない!?」


りなは佐奈の心配をしていた。え?襲われたの俺なんですけど?なんで俺が加害者みたいになってんだ?


「大丈夫だよ…むしろ変なことされるのを望んでたのに…なにもしてくれないんだもん…」


その言葉に眞鍋さんと佐久間さんが

「それは仕方ない…」

「まぁ、鷹木だからな。」

とか言う。なんで俺こんなディスられてんの!?


「ほんと油断ならないわね!やっぱり私が朝行くべきかしら?」


これ以上問題を増やすな!りなに丁重にお断りしますなどと言っていると部室のドアが開き女性が2人入ってきた。


「失礼する。」


「げっ!?生徒会長!何の用ですか…?」


「なんの用もなく来たらダメなのですか?」


りなが質問するとそれに生徒会長がたんたんと答えた。しかしなぜまた急に?又何かやらかした…とか?


「いや、前のことがあって生徒会長が来ると恐怖しか感じないんですよ…。」


「鷹木さんに、用があったのですわ」


渡部さんの言葉を完全に無視して俺の名を呼んだ。あまりの完全無視に

「うわぁぁぁん!部長ぉぉぉ…」

と泣き崩れてしまう始末。よしよしと撫でる部長がなんかお母さんに見えてきてしまう。


「で、俺になんか用か?」


「鷹木さん…」


俺の名前を呼んだかと思うと急に抱きしめてきた!え?なんだ!?どういうこと!?


「「「「えっ!?」」」」



「ちょっ!会長!何してるんですか!?」


あまりの出来事に副会長が驚いて会長をひっぺがした。さすがに抜群のスタイルなだけあって…思わずこのまま天国に行きたい…と思ってしまった!


「そうですよ!急に抱きしめられて耀司くんが困ってるじゃないですか!」


そう言って今度は佐奈が俺の腕を引っ張り自分の胸に抱きとめた…そうそうこれこれ…この柔らかさだよ…じゃねぇよ!!


「ちょっ!佐奈さん!?」


「あんっ…もう!強引なんだからァ…」


「変な誤解を生むような事を言わないでください!!」


そんなコントのようなことをしていると生徒会長平気な顔をして爆弾発言をした。


「あら、好きな人とハグをするのはふつうのことなのでしょう?違いまして?」


「「「「「好きな人!?」」」」」


「まさか耀司!?」


「いやいやいや!別に俺は何も知らないよ!?」


俺何もしてないよ!?ただ、文化祭のことがあって…その文化祭で色々あったなそういえば!!


「わたしはあなたの仲間を思いやる優しさ、大切なもののためなら何でもする男らしさ!そして執事の時のあの王子キャラ!とても魅力的だと思いました!あなたしかもうおりませんわ!」


「いや、それは文化祭フィーバーで…気のせいかと思いますよ…」


「…これでも伝わりませんか…では!!失礼っ!」


そう言うと俺の手を掴み自分の胸に持ってきた!むにゅうと俺の手を押し付け他おかげで彼女の弾力が直に伝わってきて…


「「「いやぁぁぁぁ!」」」


「ちょっ!生徒会長!」


「私の心臓の音…聞こえるでしょうこれで分かりましたか?」


「な、ななななにやってるんですか!」


お、おおおおっぱいがががが…むにゅってむにゅっててて!

さなが何とかとめたものの、ぼしゅんっと爆発して俺の頭から煙が出て倒れ込んだ。


「耀司くんっ!?」


ーー

「あら?起きた?」


俺が目を覚ますと目の前に胸があった…もう勘弁してくれ…と思ったら保健の先生だった。


「なんか部室で倒れたみたいだけど何かあったの?」


「いえ何も無いです…」


胸を押し付けられて興奮して倒れましたなんて口が裂けても言えるか!!


「そう、生徒会長がおんぶして着たからびっくりしたわよ。あの子、あんな力持ちだったのね。」


「そうだったんですね…」


少しの間横になって大丈夫になったのでとりあえず先生にお礼を言って、保健室をあとにした。後でお礼を言っておこう…。でも今度はあの人は少し怖いな… ちゃんと副会長がいるか確認しようそう思って部室に戻った…


「耀司くんっ!大丈夫だった!?」


「大丈夫だからほんと!!」


「そ、そう?」


俺は思わず抱きしめようとする佐奈さんを拒否してしまった…悪いことしちゃったなぁ

けど、これ以上胸に触れたら完全に理性が吹っ飛ぶ!しばらく密着は避けてくれ!


「大丈夫?おっぱい揉む?」


「そのおっぱいが嫌なんですって!」


渡部さんはなん…だとと言ってぐいっと寄せた胸を元に戻した。ちょっと眞鍋さん!そんなに睨まないで!そんな変な気は起こしてないから!大丈夫だから!


「しかしあの性悪女!油断ならないわね!まさかライバルがまた増えるなんて!」


ライバルってなんだ?バトルでもやってるのか?


「まぁ、当の本人は気づいてないようですけどね。」

「鈍感と言うより馬鹿としか言いようないよな。」


「え?何の話?」


佐久間さんと眞鍋さんはいつもの事だ、というようにうんうんと頷いてるし…なんかめちゃくちゃ悪口言われてる気がするんだけど?なんでこうなった?


「とにかく!あの性悪女に毒されないように耀司を守るわよ!」


「おー!」


「いや、部活をしようよ!?」


いつの間に俺はツッコミ役になった!?


「さて、今日も部活を始めましょ!今日はなんと重大ニュースです!!」


「アレか…」

「あれだな…」

「あれですね…」


みんなが声を合わせて言うあれ。そう!


「「「「「セラピョン半日デート券!ですよね!」」」」」


「えぇえええ!?」


セラピョンの半日デート券は公式のセラピョンのサイトのプレミアム会員限定で1名様に当たる素晴らしい券なのだ!


「佐奈さんは知らないかもしれないが…」


「いや、本人も知らないんだけど…」


「なんかいった?」


「いえ…」


「そしてこの結果発表はまだまだ先ですがみなさんは当然応募しましたね!?」


「「「「おぉぉぉぉ!!」」」」


佐奈以外のメンバーは大盛り上がり私は唐突なことで気が動転していて思わずその場を飛び出してマネージャーに連絡した


『言ってなかったかしら?プレミアム会員限定で1名様に当たるのよ。』


「聞いてません!!」


『なぁに?好きな人でもいるの?』


「ッツ!?」


好きな人と言われた瞬間当選のように耀司の菅田が頭に浮かんで思わず顔を横に振った


『え…いるの!?誰っ!誰よ!?』


「いませんけどっ!そういう問題じゃないんです!だって街中歩いてたらさすがに…」


『大丈夫よ。オシャレなレストランを用意してるわ…当然貸切でね!』


「そこまでするんですね…」


まぁ、あのマネージャーの事だ前に言っても却下されると知ってたから事後報告にすることで拒否できない状態までしたんだ…


『そういうことでよろしくねー!』


「あっちょっ!」


何かを言う前にきられた…くっ…あのマネージャー…今度摩耶の時に事務所に行ってもらおうかしら?それともみんな応募してるからなんとしても耀司くんのやつを選ぶ!そうすれば逆になんのしがらみもなく耀司くんとデート出来る!


「あっ、戻ってきた!どうかしたの?」


「ううん、なんでもないよ。楽しみだね!」


「そうなんだよー。俺大ファンだから!」


それは世羅ちゃんの前で言って欲しいなぁ…と思いながら内心かなり嬉しいのだ。


「ようし!今日も部活やるぞぉ!」


「「「「おぉぉぉ!」」」」


「楽しそうでなによりだよ…」


ーー

その帰り道耀司くんに急に話しかけられた。


「もしかして…佐奈さんもセラピョンのファンだったの?」


「え?なんで?」


「だって…ずっと暗い顔してたから…プレミアム会員って結構年会費かかるからしてないのかと…」


いや、会員どころか本人なんですけどね…そんなこと口が裂けても言えない…とりあえずごまかそう。


「私…嫉妬しちゃってるんだ…耀司くんはセラピョンのファンって分かってるんだけど…私とデートしよって言われても…そんなに喜ばないでしょ?」


「えっ?」


「…あっ!」


私としたことが!つい本音を言ってしまった!こんなこと言っても迷惑なだけだよ…きっと耀司くんも迷惑な顔して…


「いや、めちゃくちゃ嬉しいよ!?セラピョンはもちろん好きだけど!俺にとって女神っていうか…触れたくても触れられない存在なんだよ。でもほら佐奈さんは…丹比さんは触れられる」


そう言って俺は佐奈さんの手を握った。そりゃセラピョンをライバルだと思ってる彼女だ、嫉妬だってする!俺がイケメン俳優だったら目の前でほかのイケメン俳優のこと話されたら嫌になる…それと同じだろう。


「だから普通にデートしよとか言われたらめちゃくちゃ嬉しいに決まってるじゃん!」


「そ、そう…なんだね…」


珍しく顔が赤くなってる佐奈さん。大丈夫かな?


「うん、それが聞けただけで十分!私こっちだから、じゃあまたあした!」


佐奈さんは今日1番の笑顔で俺に手を振ってくれた。


「あぁ!」


佐奈さんにデートの話を出された時、かなりドキッとした。やっぱり可愛い人にそう言われるとドキドキするものなんだろうなぁ…


ーー

心の中


『佐奈ぁぁぁぁ!舌の根も乾かぬうちに!』


『ごめんごめん!』


『そうだそうだ!それに朝のはなんだ!次オレが会いに行く時気まずいだろうが!』


世羅と摩耶は大ブーイングしてるが普通にいなす佐奈に琉偉が聞いた。


『しかし、まさか半日デート券ですか…世羅さん本当に聞いてなかったのですか?』


『えぇ、初耳ね。まぁ、私の権限で耀司にしてあげるけど! 』


『でも、抽選だからボックスに手を入れて…みたいな感じになるんじゃないかな?』


伽耶がそういうとあっ!と摩耶は力が抜けたように倒れ込んだ…


『私…いや…耀司以外とデートするくらいならアイドルなんて辞めてやる!』


『落ち着いて!』


『だめよ!そんなことしたら耀司くんが悲しんじゃう!』


『…ずるいよ…そんなこと言われたら何も言えない…』


『ま、何とかなるわよ!』


『諦めたように言わないでよ!絶対耀司とのデート券勝ち取ってやるんだからァ!!』


そう言って世羅は真ん中にたった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る