第17話 文化祭2日目…生徒会とモテ期到来!?
次の日の朝、俺たちは生徒会室に呼ばれて集まった。中に入ると生徒会長と、副会長がいた。もうみんな覚悟は決まっている。
「部活の件ですが…」
「……。」
「廃部はなしとします。」
「…え!?どういうことですか!?」
りながそういうと、はぁ…とため息をつきながら生徒会長が引き出しを開けた
「全く…鷹木さん…あなたという人は本当に…」
そう言って生徒会長が出したのは何百枚もの署名が書いてある用紙。もしかして…!?
「よかったぁ…間に合ったんだな…あっ、別に優勝できないかもとか、そんなこと全く思ってはなかったんですけど…少しでも楽しくやってくれたらなって…」
「どういうこと?」
メンバー一同が戸惑っている…そりゃそうだ。誰にも言わず裏で動いてたんだから。
「アイドル部がなくなるって聞いてから、りなと話したんだ。」
それはアイドル部を廃部にするってなったすぐの話。りなは教室で涙を流してた、俺が教室に入ると涙を吹き笑顔でなにかな?と俺に話しかける。
『りな、大丈夫か?』
『いつかはそうなると思ってたから…でも…悲しいなぁ…』
扉を開けて夕日を見ながらそう言った。その目にはまだ涙が流れていて…
『…りなはどうしたいんだ?』
『もちろん続けたいに決まってるでしょ!?』
『だよな。』
俺の言葉に強く返した…そしてりなは、だって…言葉を続けた。
『もうすぐ渡部の卒業なの…だからせめて卒業までは…と思ってたのに…』
『そうだったんだな…。』
確かに渡部さんは3年生でもう卒業する。でも卒業するする前に廃部になってしまうのはさすがに寂しいだろう。
『私…どうしたらいいかな?どうしたら渡部のためになるの!?』
『なんとかする…俺が何とかする!!』
ーー
とまぁ、何とかすると言っても署名を集めるくらいしか出来なかったからそうしてたんだけど…
「だったらなんで一緒に悲しんでいたんですか!?」
「そうですよ!こんなことが分かってたんなら!」
「いや、正直もう無理かと思ったんだ。何とかするって言った日からやってたんだけど…署名がずっと集まらなくて…もうダメだって思ったんだけど…」
「…文化祭の発表大会のあと学園の生徒全員が著名を一気に出してきてね…ここまでのことになるなんて思わなかった…」
会長の四條さんは立ち上がりりなの肩をもって少し笑ってみせた。
「まったく…というか前まで最下位に近かった部活がここまで上がったのです。。それに、期待できる部員も増えたようですし。ならもう言うことはありません!」
「ありがとうございました!」
そう言って俺たちは生徒会室を出ていった。そして出ていったのを確認すると四條さんはうーんと座って考え込んだ。
「いかがなされましたか?会長?」
「鷹木さんと言いましたか…あの人を生徒会に呼べないかしら?」
「生徒会にそんな権限はありませんよ。」
生徒会長にそうツッコミを入れたのは副会長である山城 憂莉(やましろ ゆうり)。水色のロングヘアで、山城先生の妹である。
「じゃあ、勧誘ならいいですわよね!」
「まぁ、いいんじゃないですか?断られると思いますけど。」
「ふふっ、私に任せなさい!」
胸をドンッとやって任せて!という表情を見せた。しかし、副会長はため息をついてダメだこりゃと言ったのだった。
ーー
「いやー、まさかここまでやってくれてたなんて!嬉しいですよ〜!」
「うわっぷ、渡部さんっ!そんなに抱きつかれたらきついです…」
それに胸が顔に押し付けられてさすがにきついです…息がじゃなくて俺の理性が…
「そ、そうだぞ!ようちゃんが困ってんじゃねぇか!こういうのは後ろからこう…ぎゅっと抱きしめるのがいいんだぞ?な?ようちゃん」
いやそういう問題じゃないですよ!今度は背中に集中してるんです!それに、周りの視線が冷たすぎて俺凍っちゃいそうなんですけど…俺凍ってない?
「ほんとに耀司さんはモテモテですね〜」
「ほんとにそうだな。」
「ま、イケメンだから仕方ねぇだろ?」
「みんな見てないでなんとかしてくれないか…あとお世辞をいっても何も出ないぞ?」
イケメンというのはテレビに出てる人気俳優とか人気歌手とかのことをいうんだ!俺みたいなやつのどこがイケメンなんだ?
「自覚ないとか…」
「これも鷹木くんのいい所だよね。」
「嫌いじゃないぞお前みたいなやつ。」
なぁ、いつの間に3人組になって俺をディスるようになったの!?俺だけ仲間はずれとか酷いんじゃないかな?
「大丈夫だぞ?ようちゃんには…オレ…じゃなくて…お、お姉ちゃんがついてるからな…」
「いや、無理に佐奈さんの真似をしようとしなくていいから!それに俺に姉ができた覚えはない!」
そう言いながら教室に戻ろうとするとかなりの人だかりができていた。よく見るとうちのクラスだ。なんだろ?
「あっ!着たよ!」
「「「きゃあああああああ!」」」
「えっ!?なになに!?」
俺の顔を見るなりまた倒れてる人いるし!?そんなに俺気持ち悪いの!?
「なぁ、摩耶…俺…あれ?」
俺そんな気持ち悪い?と聞こうとするとなぜか摩耶さんがぷくっと頬をふくらませて怒っていた。
「え…なんで?なんで怒ってるの?」
「べっつに?怒ってねぇよ?」
いや、表情がマジだから!本気で怒ってる時のやつですよねそれ!
「まったく…みんなに優しくするからこうなんだよ…オレだけに優しくしてくれりゃあいいのに…」
「え?」
「なんでもねぇよ!」
そう言って女性陣を押しのけて教室へ入っていった。…強い…しかし俺教室に入れないなぁ…どうしよう。
「おら、お前ら文化祭だからってHRはあるんだから教室に戻れ〜。」
「山城先生だ!」
「ほらいこっ!」
「またね〜鷹木様ァ!」
「耀司様ァァァ!またあとでぇぇ!」
「モテモテだな耀司様?」
「先生までお世辞やめてくださいよ…」
「お前…マジか…」
「え?」
なになに…なんでそんな顔すんの!?それにみんなまで同じ顔すんの!?さっきまで罵ってたじゃん!?
「鷹木…すまなかった…」
「俺たちがもっと仲良くなってれば…」
「これからは俺たちが親友だから…」
「もっと人を信じろ…」
なになに!?みんな文化祭で頭おかしくなったか!?まだ文化祭終わったわけじゃないぞ!?みんな楽しも!?
「じゃあ、HRを始めるから早く席につけ耀司様!」
「だからその呼び方やめて!!」
先生までそのノリでこられたら逃げ場が無くなるから!
「二日目だがうちの売上が1番を独走状態だ!だが油断はせずに、完璧にこなして見せろ!」
「「「「はい!」」」」
ーー
「摩耶っ!」
「…んだよ?」
あぁぁ…やっぱり怒ってる…何とかして機嫌をなおしてほしいなぁ…そうだ!
「今日も店午前だったよね!?」
「まぁな、昼からは自由だったよ。」
「じゃあ文化祭見てまわろうよ!」
「…2人っきりだな?」
なんか2人っきりの所をめちゃくちゃ強調されてた気がするけどまぁいっか。
「うん!もちろん!」
「し、仕方ねぇなぁ!そこまで言うんならいっしょにまわってやらねぇこともねぇぞ!」
良かった…鼻歌も歌ってるし機嫌直して貰えたかな。ようし!今日も頑張るぞー!
そういったのもつかの間…今日も大忙しだ…摩耶怒ってないかなぁ…
「なぁ、あのサービスやってよ!」
「あぁ?サービスだぁ?」
男性客が萌え萌えきゅんのサービスをやってくれると思ってたんだろう…それに対してあんな口調はダメだろ…摩耶めっちゃ睨んでるし…あっちゃぁ!まずい…なんとかしないと…
「あ、ありがとうございます!」
「は、はぁ!?何だ急に!?」
そう言って男性客は天に召されたような顔をしていた。
「なるほどドS系とは…考えましたな!」
「こっちのテーブルにもドSお願いします!」
「こっちも!」
「お、おおう?」
なるほどな、あの口調の悪さを逆手にとってドS系メイドというわけか…こりゃあ人気になるぞ…
「オレの前でそんな豪華なもん食うたァいい度胸じゃねぇか?お前みたいなやつはその辺のゴミでも食っとけや!」
「ありがとうございます!」
「てめぇ、さっきから呼びすぎなんだよ?何様のつもりだ!」
「はい!豚こんちくしょうです!」
「豚なら椅子に座らず這いつくばれや!」
「ぶひぃぃ!!」
…うん、地獄絵図だな…まぁ、お客さんもかなり楽しんでるし…なにより摩耶自身も楽しそうにやってるから…いいのか?
「ごめん耀司!ホールまわって!摩耶さんじゃまわしきれないの!」
また俺かいっ!てかこの間みんな倒れたから俺のせいじゃないの!?
「いや…おれだとみんな気持ち悪がって…」
「「「いっておいで」」」
「おい男子!なんだその目は…そんなめで俺を見るな!」
なんでそんな暖かい目が出来る!?わかったよ!やってやろうじゃねぇかぁ!?
「おかえりなさいませ、お嬢様、ご主人様」
「「「きゃぁぁぁ!耀司様よ!」」」
「私を天国にいざなってえぇ!」
「あーんってたべさせてぇええ!」
「お嬢様方、すぐ参りますので少々お待ちください…」
「「「はぁぁぁあんっ…」」」
もうダメだこりゃ…もうなるようになれだ!
俺はやけくそで順番ずつ最高級のおもてなしをしてあげた。するとドアが開き聞きなれた声がした。
「おぉ、ここが今一番人気のメイド喫…さ…」
「おかえりなさいませお嬢さ…ま…」
「た、鷹木くんっ!?」
「生徒会長っ!?」
なんと生徒会長と副会長が来ていたのだ!まさかうちの店まで来るなんて…ちょうどいいや!部活を続けさせてくれたことへの感謝を込めて…
「お待ちしておりましたお嬢様…さぁこちらへ。」
「ひゃ…ひゃいっ…」
生徒会長の手を取りおれは膝まづいた。その瞬間周りの女性が黄色い声を上げた。生徒会長は顔を真っ赤にしていた…日頃の疲れが出ているのだろう。早く席へご案内しないと。
「こちらの席へお座り下さい」
「こほんっ!し、しつれいしますわ…」
俺は椅子を引いて彼女が座るのを確認し注文を伺う。
「お嬢様…」
「ひゃいっ!!」
「ご注文は?」
「あ、あのパンケーキを…」
ご注文を聞くとモジモジしながら注文表のパンケーキを指さした。何だこの人…結構可愛いな…もう少しからかおうかな!
「ただのパンケーキで…いいのですか?」
「しっ、執事のお持ち帰りを…」
「!?」
ハートの目をした生徒会長が変なことを言い出すから一瞬動揺してしまった目を閉じてそっと息を吐いた。
「お嬢様、私のお持ち帰りは出来ませんが、こちらのパンケーキにプラスして執事、またはメイドが食べさせてくれるというサービスが…」
「しょれ…いえ、それでお願いします!」
「かしこまりました…」
「ふぅ…なんですか?」
会長がすぐ素に戻り副会長を見てそう言った。
「いえ、会長のそんな目を始めてみたので写メ撮っていいですか?」
「撮ったらしばき倒しますからね!」
「はい。」
その後も女性客からは執事の食べさせサービスと男性客からはドSなセリフのサービスを…いつの間にかほぼおれと摩耶がはしりまわっていた…
「お疲れ様〜ありがと〜!」
「「疲れた…」」
やっと抜け出せた頃にはもうヘトヘトになっていた…まさかこんなにも人気が出るとは思ってもみなかった…
「じゃあ、ちょっと休憩してから一緒にまわろっか」
「お、おう。」
ーー
「さて、どこからまわろ…」
「フランクフルトだろ?トウモロコシだろ?綿菓子だろ?あと、カレーもあったな!唐揚げも食べてぇし、豚汁も!」
摩耶は目を輝かせなら文化祭の案内図を見ていた、まぁ、全部食べ物なのがどうしても気になるが…
「食べ物ばっかりだなぁ…占いとか興味無いの?」
「占い?」
「ほら、恋占いとかあっただろ?女子ってこういうの好きじゃないのか?」
「……。」
「いや、まぁ、人によって好き嫌いはあるしな!ごめん!余計な事聞いた!」
「いや、そうじゃねぇよ。オレァ占いなんかでどんな人がいいとか、相性とかそんなの決められたくねぇんだ。…恋ってのは自分でちゃんとした相手を決めて、お互いにわかりあっていくのが楽しんじゃねぇか…」
摩耶はへへっと笑いながらそう言った。なんだろう…めちゃくちゃイケメン…意外とこういうことはどうでもいいとか言うもんだと思ってたけど…
「真剣に考えてるんだな?」
「まぁな!柄にもねぇ話だが!」
「いや、摩耶さんは可愛いからそんな話をしてても問題ないんじゃないかな?」
摩耶さんは、正直めちゃくちゃ魅力的な女性だ。強気なところもときどき女の子らしいところも今みたいに大事なことはちゃんと考えてるところも。
「…はぁ…すぐそういうことを言う…ほんとムカつくぜ。」
「そういうことって?」
「さっきもそうだったけどよぉ!お前、女子に甘すぎだ!見てて恐ろしいくらいにな!いつか女に騙されっぞ」
「えぇ!?」
もうこれ以上騙されたらもうメンタル潰れるんだけど!?それだけは勘弁して欲しい!てか俺そんなに甘いの?
「もしそれが嫌なんだったら…これからは私にだけ優しくしとけ…」
「丹比さんに?」
「…お、おう…それでいいよもう。」
丹比さんと言ったらなにか気に食わなかったのか微妙な感じでこたえた。
「わかった…なるべく気をつけるよ。」
「じゃっ、気を取り直していくぞ!今日は食べるぞ〜!!」
そういってほぼ全ての食べ物屋さんを制覇してその後展示物やほかのクラスの出し物をみてまわった。意外と時間がゆっくり進んでて楽しいな。そして俺はある教室で立ち止まった
「おっ?お化け屋敷じゃん!」
「お化け屋敷!?」
俺がそう言うと摩耶はビクッとしてすぐ俺の後ろに隠れた。
「なんだよ…怖いのか?」
「んなわけねぇだろ!その…あれだ!お化け見たら殴りたくなるからだよ!」
「いや、摩耶の方がよっぽど怖いよ…」
でもお化け屋敷気になるし、入ってみよっと!
そう思って俺は摩耶の手を引いた
「お、おいまてよ!」
俺はお化け屋敷に入った。中を見ると設定は廃墟か?額縁にはグロテスクな絵が飾られていて結構リアルだな。と突然目の前の額縁がずれてガクッ!という音が鳴った。
「ぎやぁぁぁああああ!!」
突然のことに驚いたのか俺に抱きついてきた…それはいいんだが腕がちょうど首に回ってて結構しまってるんだけど…
「おおぉ!首しまってる…くびしまってるよ摩耶…」
「もう無理…でよ…な?な?ここ結構やばいとこだぞ?」
「そりゃお化け屋敷だからな。」
「お前なんで怖くな…ひぃぃぃぃ!」
言葉を続けようとした途端音楽が鳴り響いて驚いたのか俺にぎゅっと抱きついた
「ちょ…摩耶…色々密着しすぎだって!」
「う、うるせぇ!今は我慢しろ!」
いや、理性の方が我慢できそうにないですって!こんな暗闇の中だとなおさら…お化け屋敷どころじゃないと思い俺は少し早歩きで歩く。
「んあっ…ちょ…(歩くの)早いって…もうちょっと…ゆっくりぃ…」
「変な声出すな…勘違いされるだろ!」
周りに誤解されるだろ!せめて主語を言ってくれ主語を!
「だって…(お化け屋敷入んの)初めてだから緊張して…」
「頼むから重要な言葉をカットしないでくれぇぇ…」
何とか俺たちは出れた…しかし、後半からは特に何もなかったなぁ…なんでだろ?
「はぁ…はぁ…ま、まぁ…余裕だったな…」
「足ガクガクなってんぞ?」
「う、うるせぇ…」
足だけじゃなくて腕も震えてるしな。なるほど…摩耶は怖いのが苦手…と…脳内メモメモ。
「じゃあ俺なんか飲み物買ってくるからそこで待ってて。」
「うぃーー。」
ーー
「おまたせっ。」
そう言って俺はジュースを摩耶の頬にあてた。こういう青春っぽいやつやってみたかったんだよなぁ。
「ぎゃぁぁあああ!」
突然驚いて俺の体に巻き付くように抱きついてきた!ちょっとぉ!この体制は色々やばいでしょ!?だいしゅきホールド状態になってて周りから見たらかなりやばい事になってる…
「ひぃい…てめっ…後でぶっ殺してやる…」
「ごめんなさい…。」
違うんですよ…まさかこんな反応するとは思わなかったんですよ…
「もう、あなたたちですか!?暗闇の中エッチなことをしてたのは!」
「副会長!?なんで!?」
「ここのお化け屋敷で男女が変な声を出してると言う連絡が入ったんです!まさかあなた達だったとは…」
「誤解です…これには事情があって…」
と俺はちゃんと理由を説明した。副会長はため息をだして分かりましたと言った。良かった…分かってくれて…
「次に同じことをしたら容赦しませんから!」
「「すみませんでした。」」
その後はなにもしないように大人しくみてまわった。そして文化祭も終わり、各クラスの片付けが始まっていた。結果発表では当然うちのクラスが一位だった…そしてMVPになぜかおれと丹比さんが選ばれ壇上に立たされることになっていた…まさかこんな形で目立つようになってしまったとは…そしてクラスのメンバーそれぞれがお疲れ会を開くそうだ。俺も誘われたが先約があったので断った。俺は摩耶と部室へ向かった。
「よう!MVPを見事勝ち取った2人組!」
「3年生の部でMVPとったのも渡部さんでしょ?」
渡部さんのボケに俺もなんとか返した。まったくこの人のボケにはついて行くので精一杯だ。
「ふふっ、私だけではないぞ?なんと!草壁ちゃんもMVPをとったのだよ!」
「あはは…まさかMVPだったなんてね…。」
1年生の部では草壁さんがMVPになってたのか。まぁ、可愛さでいえば1年生の中でずばぬけてるもんな。
「あの鷹木さん…全部口に出ちゃってます…」
「えっ!?マジ!?」
「あははっ!じゃあ行きますか!お疲れ会のはじまりだぁぁぁ!」
ーー
俺たちはカラオケ店に行ってフリータイムで歌うことになった。
「ようし!お前ら盛り上がってるかぁあ!」
「「「「おぉぉぉぉぉぉ!」」」」
「今日はセラピョン縛りだァァァァ!」
「「「「おぉぉぉおお!」」」」
セラピョン縛りで俺たちはしばらく歌い続け、少しの間休憩に入った。部長のりなが注文してる間俺たちは部活のことについて話していた。
「そういえば、これからどうするの?」
「うーん、タジニャンが増えたからなぁ…本気の大会に出るのもありかも!」
「いいねぇ!スクールアイドル的な!?」
草壁さん達が盛り上がってる中摩耶は首を横に振って話しだした。
「うーん…そこまではさすがに…」
「なんでなんで!?一緒にトップ狙おうよォ!」
「世羅は確かに歌うのが大好きだ。そういうのも悪くねぇのかもしれねぇ。でも、あいつは言ってたんだ。私はアイドルのことをもっと知りたい。もっともっとみんなと話したいってな!あいつが歌のことよりも何かを知りたいって思ったのは初めてなんだ。それを大事にしてやって欲しい…」
「なんかお姉ちゃんみたいだね。」
「お姉ちゃんというより姐さんみたいだが…」
「一生ついて行きます!」
「おいからかうなよ!」
「あはは…」
でも…確かにそうだな。これからも…卒業するまではこうしてみんなとアイドルについて喋るだけの部活ってのも悪くないのかもな。
「ちょっと!辛気臭い顔しないでよ!あんたも歌いなさい!」
「おう!」
今は何も考えず好きなことを好きなだけしよう!そして俺たちは歌って踊って食べて…しっかり楽しんでみんな笑顔で解散した。
ーー
「ただいまぁ…」
「おかえり耀司、何か言うこと…あるんじゃないかしら?」
「あ!」
そうだ、俺母さんと絶対に優勝するって約束して…準優勝だったんじゃん!!やべ〜!!
「すみませんでしたー!!」
「あははっ…嘘よ嘘っ!私がそんな心小さい女だと思ってんの?」
あははははっ!と大爆笑してる母さん…そんなに笑う?というか…
「怒ってないのか?」
「当たり前でしょ?…たのしかった?」
「おかげさまで。」
「なら良かった。」
きっと母さんは心配してたんだろう。今まで俺は校外学習にいっても修学旅行にいっても「べつに…」ばっかりだったから…中学の頃からそういうのに参加しなくなって…いつぶりだろう…こんなに楽しいと思ったの。
「あいつが来てから…なのかな。」
ーー
心の中
『くそっ…あいつには弱み握られてばっかだ…』
『まぁ、怖いものみんな苦手だもんね…』
『私結構すきだけどなぁ…』
ホラー関係は伽耶以外全員苦手なのだ。人格それぞれに苦手なものがあるのだ。
『女の子は弱いくらいがちょうどいいんだよ?強いばっかりじゃ男の子はよってこないからね。』
『そうなのか?じゃあ…いっか。』
『ふふっ、摩耶ちゃん可愛い』
『あっ!からかってやがったのか!くそうぜー性格してやがるぜ!』
『ふふっ、じゃあ私行くね。』
そういって佐奈は真ん中へ立った
『お前この間みたいにようちゃんに近づいてみろ!どつきまわすからな!』
『はいはーい!善処しまーす!』
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