第14話 2度目のデート!?

今日は朝早く目が覚めた。特にやることは無いが、早起きは三文の徳ってね…そうだ。昨日母さんに丹比さん誘ったら?と言われたんだった。ん〜と考えながら…母さんも出かけてたから顔を洗って朝ごはんを適当に作って歯を磨いて…洗濯物を洗…。母さん…自分の下着は自分で洗えって言ってんのに…


「これで注意すんの何度目だよ全く…」


2、3回怒ったことがあるんだけど『母親の下着なんか見ても興奮なんてしないでしょ?』なんて言っていたが…だからって息子に洗わすな!


そう思いながら洗濯物を干していると、ふと携帯を見てしまった。今日連絡したら悪いだろうか。


「急に今日遊べるか聞くのってダメだろうか…」


1日前だったら良かったかもしれないが今日誘ったら「え?今日!?なんで昨日言ってくれなかったのよ!」とか言われそう…でも送ってみるか!怒られた時は謝ろう!


『おはよう、今日遊びに行きませんか?』


ん〜もっと柔らかい方がいいだろうか…でもあんまり柔らかすぎんのもと思って消そうとしたら間違って送信を押してしまった!


「やべっ!まぁ、いっか」


するとすぐ既読がつき返信が来た

『いくいく!私もちょうど誘おうと思ってたんだ!』

そんな一言とついて行きやすぜダンナ!って言ってるスタンプが送られていた。よし、じゃあ


『11時にあのクマの公園前集合で』


『了解であります!』


よし!と準備を始める。そういやこういう時って何着ていけばいいんだ?俺の服アニメキャラクターの服が多いからなぁ…そういえば母さんがデート用の服何枚か買ってたな…これだな。


ーー

「やばっ!遅刻だ遅刻!!」


服を選んでたら時間忘れてて遅刻してしまった!早く起きたから余裕持ちすぎた!丹比さんにはちょっと遅れるとは連絡したものの急がないと。いきなり連絡した挙句女の子を待たせてしまうとは…さすがに怒ってるよな…


「ほんっとごめん!待ったよね!」


「ううん!全然待ってないよ!」


今日は琉偉さんのようだ…大丈夫だよ!と笑顔でそう答えてくれた。なんて優しいんだろ。普通なら怒ってもいいのに…それになんか、恋人みたいな会話だよなぁ…こういうの今まで憧れてたかも。。髪の毛をストレートにしてきたのか?いつものようにふわふわにしてるのに。服は白のTシャツに黒のジャンバーと黒のパンツ…なんかカッコイイ系で決めてきてる?ギャップすごいな…


「今日は…カッコイイ系の衣装だね?」


「えっ!?おかしかった!?」


琉偉さんはあれぇ…と思いながら自分の服を見直していた。もしかして…


「俺、前に丹比さんの家に行ったことがあって倉木 メヤさんの雑誌とか化粧品とか置いてあったけど…。」


倉木 メヤさん、今テレビで大人気のモデルで黒髪ストレートが良く似合うカッコイイ系女子の代表的存在!その服装はあまりにもかっこよすぎて誰も私には似合わないと言って真似しないほどだと言う。さすがに丹比さんほどになるとなんでも似合うな。


「よく似合ってるよ。モデルさんみたいだ。」


「そうかな?ありがとう。」


えへへっと照れながらお礼を言う。その後なにか気づいたように俺の髪の方をじっと見つめてきた。え?寝癖ついてる?


「あれ?ようちゃん、髪の毛にホコリついてますよ?」


そういって背伸びして俺のホコリを取ってくれた。それはいいんだけど丹比さん背が俺より低いから背伸びして頑張ってる感じとか近づくことで胸が触れたりとか上目遣いとか色んなことがあわさって…可愛すぎる…


「はい、とれました!…どうしました?」


「ううんなんでもない!さぁ行こっか!」


「はい。」


そういうと琉偉さんは深く深呼吸えいっと言う声と同時に俺の手を握った!いわゆる恋人繋ぎだ!


「え!?どうしたの!?」


「え!?男女で出かける時ってこうするんでしょ!?」


あれぇ、友達に聞いた時そう言ってたんだけど…とぶつぶつと言っていた。


「その友達って朝いっつも話してる3人組の女の子?」


「え!?うん!よくわかったね!」


あいつら…いらんことを吹き込みやがったな…どうやら丹比ファンクラブの財前に話を聞いたらファンクラブの中で二大勢力に別れてて丹比さんと俺を何としても引っつけ隊とアンチの丹比さんを狙う全ての者に死を与え隊がいるらしい。後者が物騒すぎるだろう…てかオレと丹比さんなんて釣り合わなさすぎるだろう!おれ、イケメンじゃないし…頭も良くないしな。


「いや、だった?」


「ううん、ただ、俺なんかと琉偉さんは釣り合わないなって…。」


「え!?そりゃそうだよ!ようちゃんみたいな人私みたいなのには合わないよ!?」


「え!?そっち!?」


「そっちってどっち!?」


いや、まさか俺と同じようなことを思っていたなんて…。丹比さん可愛いこともっと自覚持った方がいいよ!?


「いや、俺なんかが釣り合うわけないでしょ!?琉偉さんはもっと自分の可愛さをもっと自覚するべきだよ!?」


「いやいや、勘違いしてるのはようちゃんだよ!?ほかのクラスの女の子とか年下の女の子とかがひそひそ話でようちゃんのこと話してるの聞いたもん!」


それ多分悪口だよ!俺この学園で色々やらかしちゃってるんで!!悪い噂が後輩にまで流れてるのか!?よく俺平和に過ごせてんな!


「とにかくっ!ようちゃんはモテモテだから、あまりほかの女の子に優しくしちゃダメです!女の子はそういうの弱いんですから!」


「それを言うなら琉偉さんだって誰に対してもボディタッチが多いよ!?男って勘違いしやすいんだから!」


そんなことを言い合ってると周りからクスクスという声が聞こえてきた周りをよく見るとほぼ全員がこっちを見て


「みて、痴話喧嘩よ!可愛い!」

「ラブラブだねぇ。」

「くそリア充め、爆発しろ…」


なんて言葉が聞こえてきていた。しまった…人がいるの忘れてた!


「とりあえず…移動しよっか。」


「そ、そうですね…」


そう言って俺たちは顔を俯かせながらその場を後にした。次の日SNSで恋人の待ち合わせ場所で2人のカップルが痴話喧嘩というツイートがトレンド入りしたと言う。


「今日は何するの?私何も考えてなくて…」


「今日はここに行こっかなって。」


「うわぁ!」


道を少し外れたところに食べ歩きの店が何軒か並ぶ通りがあって1度ここに来てみたかったんだよ!


「すごい!色んな店が並んでる!いこいこっ!」


「おう!」


たこ焼きや、みたらし団子はもちろん、タピオカやスムージーなど今流行りのものまで沢山立ち並んでいて見てるだけでもかなり楽しい。


「タピオカ飲んでみたかったんだァ!」


「タピオカか?美味しいよなぁ。」


「ようちゃんのんだことあるの!?」


タピオカは母さんが飲も飲も!と言われて飲まされたことがあったがまぁ、美味しかった。

というわけで俺はタピオカミルクティー、琉偉さんはタピオカ抹茶ミルクを頼んだ。


「頼むの慣れたね。」


「ようちゃんは私を子供扱いしすぎだよ!」


「ごめんごめんって!」


「あっ、ひと口いりますか?」


「え?」


それは…いわゆる間接キスと言うやつじゃないのか?いやまぁ、彼女がからかってるのかもしれないし気づいてないだけかもしれない。でもここで正直に言ったら気まずい空気になってしまう…


「じゃあ少しだけ…」


少しだけずずっと飲んだ。うん、気のせいかもしれないけどめちゃくちゃ甘い…


「じ、じゃあ俺のもどうぞ?」


さぁ、もしさっきのがわざとだったら戸惑うはず!もし、気づいてないなら普通に…


「わーっ!ありがと〜!!」


となんの躊躇もなく飲んだ!あ、これ全く気づいてないやつだ!口が裂けても間接キスだ〜とか言っちゃダメなやつ!


「んっ…美味しかったぁ。」


一瞬つーっと唾液がのびたからドキッとしてしまった。天然って恐ろしい…あいつが前に作ったえろ度の表…間違ってないのかもな…。


「見て〜あの二人めちゃくちゃ仲良いよねぇ」

「どう見ても恋人でしょ!間接キスまでしてるし!」


近くのカップルが俺たちのことを話していた。可愛いよね〜と言われている…はっ!と思って琉偉さんを見るとびっくりするほど顔が真っ赤になっていた。


「あ…あっ…あの…ごめんなさい…」


「い、いや…大丈夫…」


その姿を見て俺も釣られて顔が真っ赤になってしまった。これ以上は恥ずかしいのでとりあえずその場からそそくさと移動する。


ーー

「えーっ!気づいてたんですか!どうして言ってくれなかったんですか!?」


「だって…あまりにも自然体だったからもし言ったら気まずくなるかなって!」


「…確かにそうですけどぉ…」


気づいてたなら一言言ってくれたっていいじゃないですか…私が天然みたいになっちゃったし…とぶつぶつと言っていた。悪いことしちゃったなぁ…


「ごめん…俺なんかとは嫌だったよね…」


「そういう事じゃなくて…むしろそれは良かったというか…」


「え?」


「なんでも!さっ、時間は有限なんですから早く行きますよっ!」


ちょっと拗ね気味だったので今日は俺が全部奢ってやった。串焼きや煎餅、お餅や、たい焼き色んな店をまわった。


「はぁ…食べすぎちゃいました…太ったらようちゃんのせいです。」


「あははっ…俺は少しお肉があるくらいが好きだよ?」


「むーっ…そういうとこですよ?」


そういうとこってどういうことだろう?よく分からん?


「はぁ…なんでもないです。」


「…やっぱり琉偉さんが一番楽だわ。」


「え、そう!?…それって褒められてる?」


「うん、褒めてる褒めてる。」


ほかの人格の丹比さんは気が休まらない!みんな大変っていうかいつ強烈なボケを噛ましてくるかわからんから…だから琉偉さんといると平和な時間が多いから。


「えっと、褒めてくれるのは嬉しいですけど…他の子達にもこれ聞こえてますよ?」


「あ…」


あ〜何も聞かなかったことにしてくれないかなぁ…明日摩耶さんだからたぶん殺されるだろうな…


「ふふっ、大丈夫ですよ。あの子たちそんな短気じゃないんで。」


「そうだといいけど…」


「ようちゃん…わた…え?」


琉偉さんがなにか言おうとした途端鼻に水滴が当たって急に大雨が降り出した


「急に雨が降るなんて聞いてないよ〜!」


「ほら!濡れるぞ。」


俺は慌てて上の服を脱ぎ、濡れるからと俺は上着を雨避けに被せた。


「えへへっ…ありがと。でもこれ犯罪者みたいだね!」


「あははっ!ムード台無しじゃねぇか!まぁ、こんな雨でムードもくそもねぇけどな。」


「えぇえっ!だってそうじゃん!」


とりあえず屋根の下へいって雨宿りをすることに。


「はぁ…もうびしょびしょだよー。」


「だよなぁー。」


この雨だとしばらくやみそうにねぇなぁ。するとくちゅんと言う声が聞こえて見てみると琉偉さんは少し寒そうにしていた。


「ほら、俺の上着ちゃんと着ろって。」


「あぁう…うん。」


俺のは防水で水をよく弾くやつだから濡れないし暖かい仕様になってるから。しかし…天気予報ちゃんと確認するべきだった…ほんと俺ってだせぇなぁ。


「はぁ…ほんと色々ごめん。天気も確認すべきだったな。」


「ふふっ、あははははっ!」


急に琉偉さんが笑いだして思わず驚いてしまった。えっ!?なにかおかしかった!?


「だって!ようちゃんずっと謝ってばっかりだから!あははははっ!」


「そ、そんな笑うことないだろ!?」


「ごめんごめん!…そんな気にすることないよ?ようちゃんが誘わなかったら私が誘ってたってさっき言ったでしょ?それに朝だってちゃんとオシャレしてきてくれたんでしょ?遅刻した原因もそれかな?」


「当たり…。」


図星をつかれて恥ずかしい…めちゃくちゃかっこ悪いじゃん俺!


「嬉しかった!デートでもないのにオシャレしてきてくれて…でも、私は素のままのようちゃんでも良かったんだよ?」


「…え?」


「だって、ようちゃんいつもアニメの服きてるのに今日めちゃくちゃオシャレしてきてるから遠くから見えた時笑いこらえるの必死だったんだから…」


ぷくくっ…と必死に琉偉さんは笑いをこらえていた。確かに俺は琉偉さんが恥ずかしくないようにめちゃくちゃオシャレして気を張ってたかもしれない…


「他の女の子とのデートならそれでいいけど…私の時は、そのまんまでいいよ。」


にこっと笑いそういった琉偉さん。たぶん自然とそういう言葉が出ただけかもしれない。でも、気になった。


『それって、俺との脈がないってこと?それともその逆なの?』


俺は彼女が可愛いと思う…いや可愛いのだ。多重人格でもマイナスなことを考えず、いつも明るく振舞ってくれて、俺が遅れた時も急に連絡した時も怒らず笑顔で対応してくれた。それだけじゃない…初めて会った時から俺は彼女に魅了されてたのかもしれない。彼女なら…信じられるのかな…


『また裏切られるぞ?』


俺は後ろを振り向くとそこに居たのはもう1人の俺…


『自分の心を開けば絶対に裏切られる…その時の辛さはお前がいちばんよくわかってるはずだぜ?』


『丹比さんはそんな事しない!』


俺が否定してももう1人の俺はなおも言葉を続ける


『100%そう言いきれるのか?』


『そ、それは…』


『なら信じるな…何も…』


あぁ…やっぱりダメだ…やはり俺は信じられない…裏切られるのが怖いのだ。だから…


ーー

「ようちゃん?大丈夫?」


「あ、あぁ!大丈夫…」


琉偉さんは心配そうな顔で俺を見ていた。なにやってんだ!琉偉さんをこれ以上心配させるな!と俺は顔をパンっと叩いた。


「そっか!もう雨やんでるよ!さっ!行こっ!」


「そうだな!」


「今日はありがとう。めちゃくちゃ楽しかった。」


「そう言って貰えて嬉しいよ。ごめんねなんか付き合わせるような形に…」


そう言おうとすると琉偉さんは指で俺の唇をせいしされた。


「謝るのはなし!それにいくらでも付き合いますよ。」


「うん…俺の方こそ今日ほんとありがとう!また誘っていいかな?」


「はいっ!是非!私もまた誘いますね!!」


ーー

琉偉さんと別れ家に帰ると母さんが帰ってきていた。


「あら、おかえり。」


「うん。ただいま。」


「今日はどうだったのよ?」


「…いろいろあったけど楽しかった。」


「そ、なら良かったわ。」


「あ、洗濯物に母さんの下着は言ってたぞ!自分のものは自分で洗ってください!」


そういうと母さんはわざとらしく顔を赤くさせて


「ヤダ…お母さんのでしたの?あれ、結構気に言ってたんだけど?」


「しばき倒すぞコノヤロウ!」


「母さんに向かってその口の利き方はなんだー!」


首を捕まれうりうりと頬をグリグリされる。まぁ、この人だけは母親と言うよりも厄介な幼馴染のようだ。


ーー

心の中

『おう?今日も楽しそうだったじゃねぇか?』

『そうだそうだー!』

『なんであんたばっかり…私の時はなんで誘ってくれないのかしら?』

『そうだそうだー!』


『しらないわよ!ようちゃんに聞いてよ!』


摩耶、佐奈、世羅の3人が文句を言っているが、知ったこっちゃない!自分の行いのせいでしょ!


『でも耀司さん言ってましたよね…琉偉さんといる時が1番楽だって…』


『『『『………。』』』』


そう、それは琉偉さんの前で耀司が言った言葉である。


『私たち…やりすぎちゃったかなぁ?』

『へっ、そうかもな。』

『……でも耀司のことが大好きなんだもん。』

『まぁ、みんなで少し自重しましょうか。』


『『『御意…』』』


伽耶ちゃんの言葉に心当たりのある3人が返事をした。


『じ、じゃあ摩耶ちゃん!あとはよろしくね!』


『あ、あぁ。』


なるべく自重…なるべく自重…そういいながら摩耶は遠慮がちに真ん中へたった

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