第2話

中瀬川に屋敷のことをまかせると、執事の香山は

実家に帰って行った。

「香山はいつでも蘭丸様の味方でございます何か

ありましたらすぐに飛んでまいりますが・・・

中瀬川は信用できる男です」

とだけ言い残した


「はあ」

いきなり現れた目つきの悪い男に、全ての生活を

まかせると思うとため息がでた。

蘭丸は中瀬川が用意したいつも通りの朝のルーティーンを

すませ着替えた

「蘭丸様、ネクタイが曲がっています」

中瀬川は少しかがんで蘭丸のネクタイをなおした。

間近でみるとなおさら迫力のある美形だった。

「さあ、車の用意はできております」

蘭丸はいつもと変わらぬ時間に車に乗り込んだが、

玄関から外門までの防犯カメラの数の多さにびっくりした

「なっなか…にゃかせがわっ」

言い慣れない名前を初めて呼んだので、

緊張してへんなことになってしまった

「はい、なんでしょうか」

そんな蘭丸のことをくすっともせずに、中瀬川は鋭い目でま

わりをきにしながら運転に集中していたが

「…涼介で大丈夫です」

と、静かに呟いた

「あ、今日の放課後は友人の家に行くので迎えは必要ないです」

「・・・ご友人は・・北条グループ御子息の北条凪沙(ホウジョウ

ナギサ)様でしょうか、それともYAMANOのブランドデザイナー

兼モデルの山野陽(ヤマノヒカル)様又は、そして私の元上司の月島警

視総監の孫である月島海潮様でしょうかそれとも・・・」

「はあ・・・(はいはい全部知ってるよね・・・まあ)ハハハハ・・

え~と北条家別宅です」

中瀬川はわかっていますとばかりに、うなづいた

「わかりました、では何かございましたら・・」

中瀬川は車を校舎のエントランス前の車止めにつけると、さっと降りて

まわりの安全を確認し蘭丸側のドアを開けた

「きゃっ蘭丸様ですわ」

長い金髪をなびかせて車を降りると、ざわつく女生徒達に軽く会釈をした

「新しい執事?ボディガード?愛想ねえな」

蘭丸は声のするほうに振り向いてにこっとすると

「ごきげんよう、生徒会長兼REJECTION(リジェクション)のリーダーの

北条凪沙様、そんなお言葉使いはしてはいけません・・愛想なさすぎ怪し

すぎだろ!あいつ」

つづく





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柏崎蘭丸の事情Ⅱ-1 @kyotaro1919

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