柏崎蘭丸の事情Ⅱ-1
@kyotaro1919
第1話
「おはようございます。蘭丸様」
執事の香山は部屋の全ての大きな窓のカーテンを開くボタンを押した
少しずつ明るくなる部屋の大きなベッドの上で
「ふあ~あ」
金髪の髪を肩までのばした色白な少年が目をこすりながら伸びをした
起き上がりながらもぼーっとしていると
香山はテキパキと洗顔のお湯・タオル・うがいと、蘭丸が眼をつむっていても
寝起きのローテーションをできるように準備した
「本日の朝食はパン・オ・ショコラと季節のサラダ、トリュフのポタージュでございます・・・それから」
蘭丸は口の周りを拭きながら、目を開いて香山を見た
「蘭丸様・・私ごとではございますが、高齢の母親が大病を患った為離れがたいのですが休暇を頂きます。蘭丸様が生まれてよりこれまで全てを捨ててお使いしてまいりましたが、やはり最初で最後の親孝行ということで旦那様より帰郷を命として受けました・・香山は蘭丸様が心配で心配で…」
うっすらと涙を浮かべながら話す、香山の顔をみて長くなりそうだなと、ため息をつきながら温められたミルクを口に含んだ
「コンコン」
そこに、ドアをノックする音がした
「…ですので、くれぐれも気を付けて頂きたいと…」
「コンコン!」
「あっ蘭丸様、私の留守を守る代わりの者を紹介いたします。中瀬川、入りなさい!」
香山は長身でモデル並みの体型の男を招き入れた
蘭丸はその中瀬川という年齢は20代後半位の大男を、上から下まで見て最後に顔を見るとイケメンなのに冷酷そうな目付きに、屋敷での今までの生活が保たれるのか不安になった
「中瀬川涼介と申します。屋敷の内外、通学路学校、唯一の近隣である裏の蘭丸様の幼少時に選ばれた幼なじみのお宅そして、日頃夜な夜な出かける範囲…セキュリティをすべて見直し致しました。あなたが不必要な行動をしない限り心配することは何もございません」
「いや、それ必要か?最近じゃ変なおやじにセクハラにあったくらいだから」
「衆議院議員のあの方は辞職されました。それ以外は未然に防がれています」
蘭丸はびっくりしながら香山の方を見た
「中瀬川は今まで海外からの国賓や大臣のSPとして経験をつんできました。それはすべて旦那様が、蘭丸様のボディガードとして中瀬川を育ててきた過程なのです。去年の蘭丸様の誘拐事件以来、中瀬川はボディガード兼執事として最後の教育を受けながら、蘭丸様のすべてを見ていました」
「私の命は蘭丸様を守るためのものです」
つづく
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