11.長男のステータス
オーウェン兄様はまた父様に正面から切りかかった。先ほどよりもスピードもパワーも増しており、明らかに強くなっている。
「お母様、さっきのあれは何ですか?」
俺は一緒に見学している母様に尋ねてみた。
「あれは火属性魔法の『身体強化』よ。あの子は火属性に適性があったから、しっかり特訓してたのね。」
母様の話によると、魔法には基本的に六つの属性があり、人はそのうちのどれかの適性を持っている。稀に多くの属性の適性を持っていたり一つも持っていなかったりするが、大体の人は一つか二つ、多くて三つらしい。六つの属性とは一週間に当てはめた火、水、土、風、光、闇の六つである。
「極々稀に特別な魔法属性を授かる人もいるけど、めったにいないわね。」
「ではオーウェン兄様が使った『身体強化』は火属性魔法でしか使えないのですか?」
「あの子が使った『身体強化』は火属性だけど、『身体強化』は水、風の属性でも使えるのよ。大体の人はこの三つの属性のどれか一つは持ってるから『身体強化』を使えるようになるわ。」
「火、水、風でどうやって体を強化するんですか?」
「火属性は体の代謝を向上させて瞬間的な力と素早さを得て、水属性は血液を循環させて疲労の回復とスタミナを得て、風属性は空気抵抗を下げることで体を軽くすることが出来るわ。」
「なるほど、ありがとうございます。」
「いいのよ。ちゃんとありがとうが言えて偉いわね!」
母様と話をしていると、戦っていた二人はいつの間にか決着がついていた。どうやら兄様のスタミナが切れて降参したらしい。対して父様は汗一つかいていない。
「強くなったな!日頃から毎日頑張ってるんだな!」
「ありがとうございます、お父様。」
オーウェン兄様は疲労困憊の様子だが、父様に褒められて誇らしげだ。
「そういやオーウェンのステータスって今どうなってる?
父様が軽い調子で尋ねた。
「はい、こんな感じです。『ステータスオープン』。」
【名前】オーウェン・フォン・マンダリン
【種族】人族(人間) 【性別】男 【年齢】六歳
【称号】男爵家長男 天才
【レベル】1
【体力】98
【魔力】82
【筋力】93
【敏捷】91
【知力】75
【魔法適性】火属性
【スキル】 剣技Lv.2
武術Lv.2
体術Lv.3
魔力操作Lv.1
ほう、初めて見たがこれはすごいな。個人の情報がすべて載っているといっても過言じゃないな。あまり人に見せないようにしよう。というか天才!?うちの長男は天才だったのか…。
ん?スキル?そんなものがあるのか?
「お母様、「スキル」とは何ですか?」
「スキルっていうのは、その人が持ってる技能…技のこと。ユニークスキルとノーマルスキルの二つがあって、ユニークスキルは神様から授かるもの、ノーマルスキルは自分で獲得できるものよ。オーウェンのスキルは「剣技」がユニークスキルで残りの二つはノーマルスキルよ。」
「ユニークスキルを授かるのは十万人に一人だから、授かるのはとても幸運なことよ。」
「ありがとうございます。すごいことなんですね。」
「ええ。」
俺が母様と話している間、オーウェン兄様とワイアット兄様と父様は三人で話していた。
「またステータスが伸びたな。スキルレベルも上がってる。やはり子供は少し見ないうちに成長するな。これだから目が離せない。」
「ありがとうございます。」
「お父様!来週の闇の日は僕の五歳の誕生日です!!教会でステータスを授かったら稽古をつけてください!!」
「待て待て、そう焦るなワイアット。誕生日祝いにごちそうを食べるのが先だろ?」
「え?ごちそうですか!?」
「はは、素直だな。取り敢えず家庭教師をつけるからそれで我慢してくれ。」
「分かりました!」
「いい子だ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
12月8日 スキルに「魔力操作」を追加しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます