6.夢の中Ⅲ
「な、なんで?!なんで断るのよ?!」
「お前、なにか勘違いしてないか?頭を下げるのは俺じゃない、お前のほうだろ。」
「私はあなたの病気を治してあげる立場なのよ!?」
「事実とお前の発言から状況を整理すると、、”俺の寿命はあと五十年はある”
”しかし俺はこのままでは自然の摂理から外れ、寿命を全うできない””それを引き起こしたのはこの世界の管理神であるお前である”。…ここまでで間違っていることはあるか?」
「いや、でも」
「お前は自然の摂理に背くことをした。それを隠すために、お前はわざわざ俺の意識の中に来たんだな。はは、必死だな。そんなに怒られるのが怖いのか?」
「な、なんでそれを」
「「私たち神」と言っていたな。何人もお前のような神がいるとするなら、そのお前たちを管理する立場の神もいるはずだ。そうだろう?」
「うう、」
「それにも関わらず、お前は俺に頭を下げさせることばかり。お前みたいな頭の悪い女がこの世界の管理神だなんて、この世界の未来が心配だな。」
「お、お、」
「なんだ?言いたいことでもあるのか?」
「お願いですから治療してください!お願いします!」
「断る。」
「どうしてですか?!死んでしまうんですよ?!」
「もうそのあたりは割り切った後だ。数か月でしたいことも大体できたし未練もほとんどない。」
「少し残ってるじゃないですか!!」
「お世話になった人たち、特に薫さんとかがすこし悲しむだろうとは思うが、そこも既に話し合った後だからな。大丈夫だろう。」
「ど、どうしてそんなに生きることを拒むのよ!別にいいじゃない!」
ああ、うるさいな。
「あなたは生きられるし私は怒られない、誰も損しないじゃない!!」
「話は終わりだ。いいから帰ってくれ。」
「ちょっと、、え?!どうして?!意識の中に居られない?!どうしてよ!?」
「言っておくが」
俺は最後にひとつ教えてやることにした
「俺は”神”とやらが大嫌いだ。高みから管理されることも気に食わないし、ましてや俺の中に居させ続けるなんてもってのほかだ。精々自分の犯した罪を悔い改めるんだな。」
まだ何か言おうとしている様子だったが、徐々に意識から遠ざかり視界から光が遠のいて真っ暗になったところで、俺は目が覚めた。
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ちなみに、「物事が起こる確率を操作する」ことしか出来ないアーテニアが椿の意識になぜ入り込めたかというと、「椿が
「認識する」ということは「意識の中に入る」ということなので、物理的?にも意識の中に入り込むことができたということです。こじつけですね。
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