何かの集約 其の五
小倉「どうやらその様ですな。」
明智「ここが我々の部屋であり、全ての中枢の部屋であるという事にも気が付かずに去っていきましたな。」
スバル「フッ。少し厄介なのが出たものだ。俺も彼の行動には疑問を感じて少し監視をしていたのだが、やはり彼はクロだ。こちらの事を怪しんでいる、」
小倉「私もおかしいと思い、見張っていたのですが、馬車に乗らせてこちらへ連れてくる時も何やらこちらの事を理解していたような兆しがありました。これは、如何なさいましょう、スバル様」
スバル「あぁ まずは彼の行動を縛らなくてはな。彼には既にこちらの事のほぼ全てがバレている。既に抑えられない状態だ。縛り付けるしかないさ。そして、彼を殺す。」
部屋の中にピリッとした雰囲気が入った
小倉「ふむ。それならば、今された方が良いのでは?」
スバル「今は疲れたんだ。俺もこの頃は個人的な仕事をしながら彼奴の監視も兼ねて、忙しくてな。まあ、縛っておく。」
小倉「流石スバル様です。お若いのによく働かれますね。殺す、となると彼の才能は」
明智「私がコピーをしておるわ。」
小倉「なるほど!そうでしたな。」
部屋の中のみんなは笑った
明智「この屋敷の雑用係の人員が一人減ってしまうが、まあ宜しいだろう。」
スバル「お主も悪よのう」
そう冗談で言って悪く微笑んだスバルの顔は本当に美しかった。部屋中の全員が釘が刺される様に無言で見惚れた。
スバル「それじゃあ、寝るぞお前達。」
「ははっ!」
部屋中の全員が返事をした
明智「むっ?そう言えば、今井をあのままにしておいて良いのですかな」
スバル「あぁ、彼奴は今日のところは放置しておく。どうせ、既に何もバレる事は無いさ。明日辺りに殺しておく。」
小倉「流石スバル様ですっ」
フッと微笑んだ後にスバルは全員を部屋に戻した
スバル「フッ あの探索力、目を見張るものがあるだろ。まだ殺さないさ。あのままもう少し泳がせておいたら稀な才能が見つかるかもな。」
スバルは不敵な笑みを浮かべた
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真斗はピアノの作曲に取り組んでいた
綺麗な音色を鍵盤を叩いて確認をしながら音程も調べて楽譜に綴っている
真斗「------っしゃあー。こんなもんだろ。」
「素晴らしいですね。流石一流のピアニスト!綺麗な音色が出ていましたねー。」
真斗「まーな。一流ではないけど俺様だからな。姿は変わってもその腕は落ちないぜ。へへっ。」
「良い自惚れですな。」
真斗「しかもさっき少し筋トレったから何だかいつもより鍵盤が叩きやすいわー。」
「左様のようですね。」
真斗「そういやさ、俺の他にも人が来ていたんじゃないか?」
「あぁ、そういえばそのようでしたね。」
真斗「その人らも俺らと同じ人だった人外だよね」
「左様で御座いますが、それがどうされましたか?」
真斗「いやさ、何かその中で一際変わった人居なかったか?」
「変わった?というのは」
真斗「何かさ、皆の中に一人だけ人外でない人が居たんだよ。普通に人間の姿の存在が。」
トレーナーは少し表情を硬らせた
「あぁ、彼は少し姿変化が遅れておりますが故、もう少ししたら我々と同じく強くなれますよ。」
真斗「そうなのかー。まあ、それだけなんだけどさ」
「あの方のいずれのお姿も楽しみですね。ところで真斗様、どこでその方を見られましたかな?」
真斗「えーっと、深夜あたりに何か飲み物が飲みたくなって調理室行こうとして部屋を出て廊下を進んでいた時だよ。髪の毛が長くて後ろで縛っていたなー。何か考え込んでいた様子だったな。こんばんはーって声をかけたら「うむ。こんばんは。其方は元気そうだな。」って返してくれたよ。何か古風な感じの喋り方で雰囲気全体も変わっていたなー。」
トレーナーは表情を固くした
「............左様で御座いますか。」
一瞬で穏やかな笑顔になった
「私は今、急遽少しやらなければならないお仕事が出来てしまいましたので、一旦お暇を頂きます。また何かありましたらお呼び下さいませ。」
真斗「おーーーう。」
トレーナーは部屋を出た
「瀬川 大斗で間違い無さそうだな。何故、深夜に調理室に」
トレーナーは明智の部屋へ向かった
「明智様」
明智「ふむ。入れ。」
ドアが開き、中に入った
「直球に報告をさせていただきます。瀬川 大斗が深夜に調理室に居た様です。」
明智「ふむ。そうか。彼もなかなかにこちらの事を伺っておるな。」
「私で良ければ監視ができますが」
明智「それも良かろうが、今は少し待て。彼もなかなかの逸材だ。まだ、泳がせておくのだ。」
「.....ははっ」
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庄司は智和と一緒にリビングにいた
小声で何かを話し合っている
庄司「---ええ、そうなんですよ この館も確実におかしいのです」
智和「やっぱしそういう事を企んでいたのか」
庄司「そのとうり。それを彼らに見つけられては拙いのです。私は何とか払い退けていますが。」
智和「施設の雰囲気的にも何か変なんだよなとは思っていたんだがやっぱりそういう事か。」
庄司「そう。今のこの会話も...うん。誰も居ないし聞こえていないでしょうね。智和さんが通りかかってくれて助かりましたよー。会話を静かにして誰か聞いているかと様子を見てみるこのテストは、どうやら成功でしょうね。良いですか、続けて話しますよ。」
智和「うん。それで?」
庄司「作戦を考えてみたのですよ。」
智和「作戦を?どんな」
庄司「彼らに従っているフリをして、反抗をしてやるのです。」
智和「反抗。なんかそれ良さそうじゃーん。あ、でもアイツには気をつけた方が良い様な気がするな。」
庄司「あいつとは」
智和「ほら、さっきのヤツだよ。漆黒の黒髪で長身の」
庄司「スバルさんですね。彼は確かに何やら普通の人間ではない様な感じですね。この疑問が何なのか」
智和「施設長なんだろ?子供なんだろ?」
庄司「確かに彼は唯一の異なった存在。こちらが少しでも何かをしたら何かをされそうで怖いです。出来れば彼には一切関わりの無い様な所で行動をするべきでしょうね」
智和「おうよ。ま、遭遇したところで昨日俺はアイツを仕留めるためにめっちゃ筋トレしまくったしーー やりたい事は筋トレチャンピオンで良さそうだな。いっででで」
庄司「おやおや。あまりそういう時は腕を上げるだけでも動かれない方が良いですよ。」
智和「いいだろ。でさ、反抗って具体的に何をするんだ?殺すのか?」
庄司「その予定です。調べたところによると、トレーナーさんに刃物を突き立てた人がいるらしいですよ。その際、トレーナーは死に際で焦ったのだとか。つまり、そういう人達は「アリ」です。」
智和「なるほど。そういう人達は殺しても良いんだな。」
庄司「アリですね。スバルや小倉達に見えないようなところで殺戮をするのが良いでしょう。昨日、夜にこの館も探索をしたのですが、良いところを知っていますよ。」
智和「なるほど。じゃあ、まずはどうやって誰を殺すかだな。」
庄司「考えてみたのですがね、先ずは明智さんは如何でしょう。」
智和「明智?」
庄司「智和さんはご存じ無い方ですね。この方です。」
庄司は写真を智和に見せた
智和「あ、なんかこれこの館のどっかですれ違った様な気がするわ。おっけいコイツな。これを、どこで殺す?」
庄司「考えてありますよ。今夜の23時に決行をします。大丈夫ですよ、私が道具も全て揃えて持っていきます。待ち合わせ場所は、今と同じ、ここです。」
智和「おっけい。じゃあ、また....いやちょっとまって。一つ質問なんだけどさ、元の人間の姿に戻りたいか?」
庄司「え」
智和「こういう姿にされたっても結局はさ、これで居心地がいい面もあるじゃん。強いし。俺的には、アイツらを殺しても、これはこのまんまでもいいかなって思ってる。」
庄司「それは良いかもしれませんね。しかし私は元の人の姿が恋しい。この姿も良いところはあるけど。」
智和「そうかー。まあ、殺そうなあいつら。」
庄司「楽しみですね。ふふ。」
二人は部屋に戻るその際に、智和は地面にあった何かに転けた
いっでー!ただでさえ筋トレして身体中が痛いのに何だ?小型の銀の筒だ。あれ?さっきはこんなのあったか?何でこんなものが急にあるんだよー
何とか身体を起こしながら部屋へ戻っていった
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ここの館も何やらおかしい、小倉やスバル達が信じられぬ
皆の者は今のところおかしな所は無い、それが今の救いだ。拙者はしばらくこの部屋で様子を伺うことにした。掃除用具室だ。
ここでスバルらの様子を伺う。ここで最近、彼らが雑談をして話し合っているのを最近で掴んでおるのだ。調理室から戻る時にここで彼らが話し合っているのを目視し、それ以降からも日々にここを確認したのだが、夜の時間帯にここで話し合いが行われているやうだ。
そして今宵も23時
む。来たな。
「----で、----が---なっているのでございます。スバル様。」
「そうか。その様か。なるほど。じゃあ、柳はやっぱりまだ殺さなくて正解だったな。色々探られていた事はまあいいさ。あのままあの探索力をもう少し鍛えさせて、抽出するか。殺すと勿体ないな。」
「左様の方が良かれと思われますねえ。」
「じゃあ、皆もそろそろ記憶を統合させるか」
「おお、ついにですか!ようやく、念願の夢が叶いますなあ〜。」
「ああ。楽し ん?」
?「動くな!」
む、何だ?彼らではないやうな声が聞こえてきたぞ
?「えっ えっ 何故」
「貴方がこういうことをするのはお見通しだ。」
?「あっ 光の鋸が!」
「つーことは、ここに生田智和もいるな」
智和「えっ、何で」
「はーん。立派に切り物なんか構えちゃってまあ、ご苦労だったな。教えてやる。お前達があそこで話し合っていた時に近くに一見して分からない筈の盗聴器をセットしておいたんだ。生田なら知っているよな。一見してそうだと分からない、銀色の丸状のモノだ。
智和「え、それってもしかしてあれか!あの、俺が部屋に戻る時に躓いたあれ」
「そうだよ。それが、盗聴器だ。あれでお前達の会話を聞いていたからこうなる事は分かっていたんだ。」
何やら、物々しい雰囲気になってきたぞ。ここでスバル達は殺されるのだろうか?それはそれで良き事なのであろうか?確かにあやつらのしておる事は悪い事であるのは間違いが無いが、それで殺すとあやつらに反省の色を与える事が出来ぬのでは?と思うが
「さて、柳庄司、生田智和。お前たち二人は俺達に刃物を向けた。これは許されることではないぞ。今から制裁を加える。覚悟をしろ。」
「ヒイイ」
智和「逃げろ!柳!」
「無駄だ」
智和「あれっ 何だこれ」
「見て分かるだろう、レーザー状のポインターだ。無数に貼って網羅をしておいたぞ。そのレーザーに当たったら身が裂かれるんだぞ。」
智和「ええっ そんな..........」
「誰か!助けてくれーー!!」
「そうやって助けを呼ぼうと叫んでも無駄だぞ。防音もしておいてある。」
智和「そんな.....」
「ま、そういう事だからな。諦めるんだな。お前達はここで、終わりだ。まあ俺が何とかして来世で生まれ変わらせてやるよ。」
智和「おかあさーーん」
む!人が死んでしまう、悪くないはずの者が死んでしまう、どうするべきであろうか、一旦この部屋を出て助けるべきか?
ドーーーーーーンッッッ
む?!何だ
?「悪巧みもそこまでだ、スバル。」
スバル「こ、国王様!」
「国王様だと あの、国王仟夛朗様か 何故」
「どうやらその様だぞ 何故ここに」
スバル「こ、国王様、何故ここに」
む?!国王仟夛朗様だと?!
庄司「え?!せ、仟夛朗様?!」
智和「え?!え?なんでだ」
明智「こ、国王様だと!?」
小倉「こ、国王様?!」
?「最近、余りにもお前の様子が変な高揚感が見えていたおかしかったからだよ。変だと思って最近のお前を色々と探っていた。これは一体どういう事だ、スバル。世の中の人々の才能を上げて抽出をして分け与えて良い世界を創る事が目的の施設を立てていた筈ではなかったのか。今はあそこはもぬけの殻で、皆さんも人外の姿にさせられて、別にこの様な施設まで作るとは、何事だ」
スバル「申し訳御座いません、国王様!えっと、その、、」
あのスバルがしどろもどろするとは、国王様は相当な存在であるやうだな
スバル「そういうつもりではありませんでした、僕としては本当、人々の才能を上げて抽出をして分け与えて良い世界にするのが目的でした」
?「それでこの有様か。この様子、とうとう人様まで殺そうとしていただろ。何を間違えていたんだ、そういう者を放っては置けないな。おい、君達!」
庄司「えっ えっ えっ 僕達2人れすか」
?「ああ、そうだ。早く此処から抜け出すんだ、余りにも此処にいると精神がおかしくなって、自分が自分では無くなってしまうぞ。姿も私が元に戻す。久しぶりの太陽光を浴びに行くと良い。辛い思いをしたな。もう大丈夫だ。此処を抜けたら直ぐに私の用意した乗り物があるからそれに乗るんだ。私の城へ連れて行く。」
智和「は、はいっ」
2人が近くに空いた穴から出て行くやうな音だ
?「あと、この方もいらっしゃるぞ。」
スバル「国王様、その者は」
小倉「スバル様の首を切ろうとしたあのトレーナー」
「お久しぶりです。皆様。実はですね、私はあの後、反省をしておりました。自己的な目的で勝手にスバル様のお首を切ろうとしてしまっていた事。あの時の私はどうかしておりました。余りにもスバル様が美し過ぎたのでどうなってあろうかと思い、体内を調べたくなってしまったのです。しかしそれだけです。私はスバル様大好きです。またお従えをしたく、そしてお助けをしたく、どうしてもスバル様の事が忘れられずにスバル様の仲であられる国王様へご相談をさせていただいたのです。そしたら国王様はスバル様のお力も避けてまた仲良くさせていただけるとなり、また皆様のお顔が見れて大変光栄でした。有難うございます。」
そのトレーナーはその時に「まあ、初めてお目にかかった国王様を見た瞬間にはスバル様の美しさが欠けた感じがしましたが」とボソッと呟いていたのはスバル達にも大斗にも聞こえていなかった
?「この方は心を入れ替えたんだ。また仲良くすると良いと思うぞ。スバルの事が本当に好きだ。」
?「じゃあ、君も館内の皆さんを助けて来なさい。」
トレーナー「ははっ!国王様。」
スバル「皆さんを此処から出しているのですか」
?「そうだぞ。皆んなさんをこの館から全救い出す。そして、君たちは」
明智「は、はっ!国王様、私は明智と言います、スバル様にお従えをしております」
小倉「小倉です、明智に同じく」
?「そうか。明智、小倉、貴方達も今すぐ此処から離れるのだ。そして私の乗り物に乗りなさい。」
小倉「え、えっと、スバル様が」
?「これは国王命令だ。」
明智「は、はっ!スバル様、また、お会いをしましょう。今は少し離れたところで待っております。」
小倉「スバル様、お元気でまたお会いしましょう」
スバル「..........」
?「何をしんみりしているんだい、スバル。彼らも君を嫌っていないし、私は別に君を攻撃しようなど思っていないぞ。」
スバル「え そうなのですか」
?「そうだよ。ただ、君には反省をしてほしいね。余り気にするな。何故、人を人外にした、殺そうとした。確かに才能を上げて抽出をする事は出来ている様だが。分け与えることもできるだろう。」
スバル「はい。国王様への忠誠心を示す為です。皆様に抽出した才能を分け与え、良い世界を目指す意図でした。間違ってしまい、申し訳ございません」
?「そうか。私への忠誠心、な。人を人外にするのは無しだぞ。殺すのもな。」
スバル「人外にした意図も無く、殺す事で国王様への忠誠心を誓えるつもりでした。」
?「ふむ。そうか。スバル、それは間違いだ。そういった事は何も必要無いのだ。ただ皆さんへ分けるだけで良いのだ。それだけで。殺してしまうとその人の才能を上げるどころか、抽出もできなくなってしまう。そもそもの意図を間違えていたぞ。分かるか」
スバル「はい。僕の間違いでした」
?「ふむ。偉いな、スバル。聞き分かりの良い子だ。今、皆さんを解放して私の乗り物に乗せている。その後に元の人の姿に戻すぞ。良いな」
スバル「ははっ。実は申し訳御座いませんが、僕はまだ、国王様のお言葉が理解が出来ていないのです。」
?「あぁ。その様だね。分かっているよ。心配無い。君は聞き分けの良い子だから、いずれに分かるさ。今はともあれ、私に従うのだ。悪いようにならない。君は彼らが持ってきた眠りどころに横になっていなさい。」
スバル「え、眠りどころ、彼らは何者なのですか?」
?「彼らは私の援助をした助っ人だ。今、早急にこの館の皆さんを救出してる。君も助ける。」
スバル「では、そうします。」
何という展開であろうか
人が殺されやうとなっているその瞬間に急に音がして、まさかの予想外の方が現れ、館の中の全員を救った、だと
何という
いや、それならせっ
大斗のいる掃除用具室のドアが開かれた
?「あぁ、やはりか。君も、スバルに扱われてしまっていた中の一人さんかな。今から君も助けるよ。ここを出てね。私の助っ人が用意をした乗り物があるから、そこに乗るんだ。」
大斗「は、はっ!国王様!」
何という事だ、拙者もバレていたとは、何故であろうか!しかし、これでスバルの野望も打ち砕かれ、また世界に平和が訪れるというものだ。しかし、スバルもこれは驚いたであろうな。急にこういった物事が起こるのであろうから。恐らく心の整理がついていないに違いがなかろう。それはそれで心配である。国王様への応答の仕方も心が抜けているやうであった。
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麗乃は寝ていた時に突然入ってきた全身防護服を着た謎の人間に驚いていた
もうすぐでスバルさんにお会いできると思ってるんだけど。この館を出るっていう事はもう会えないのかしら。そんなの寂しいのよね。スバルさんとのワクワクライフを頭の中で描いていたら急にドアが開かれて、この館から避難するとか言われてショックだった。スバルさんとの甘い生活は?って聞いたら「それは後で」って言われて「後でっていつよ」って言ったら「悪いけどそんなに近々には会えないかもしれない」って言われてどうしてこうもスバルさんとの甘い事が思い通りにならないものなのかしら。悲しい。あぁーースバルさんーー
「では、こちらです。」
準備が出来たみたいだわ。防護服の人はこっちこいってやってる。ついていかなきゃ行けない感じねこれ。はーーいついていきまーす。
真斗は運動部屋でピアノを弾く為に軽い運動をしていた時に急に部屋に入ってきた全身防衛服の人間に驚いた後、大まかな事情を聞かされて「やっぱりな」と納得をして既に館を出ようとしている
皆も既に防衛服の人に案内され、館を出ようとしていた
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スバルは用意された簡易ベッドで横になりながら考えていた
どうして、俺の施策がこうも突然破れてしまったんだ。俺は何かを間違えていたか?俺はただ、人々を進化させようと思ってやっただけだったんだが。小倉と明智を俺の家が率先している学舎から指摘をして雇い、トレーナーもそこから指摘をして雇った。そうしたら一人一人が才能を上げてそれらを紡ぐ世界が起こり、国王様への援助にもなるんだ。これから行う予定だった彼らの記憶を俺の作った記憶の統合はどうなる。その後の自的な生活は。全てが終わった
何も考えられないな。急に物事が起こったから。
すると国王様がこちらにかがみ、頭を優しく撫でた
「急に物事が起こって色々考えている様子か、スバル。気にするな、仕方ないさ。誰だって上手く行っていた物事に突然穴を開けられたら困惑するものだ。」
スバル「あの、国王様。どうして俺は今、こうなことを経験しているのでしょうね」
「それはな、君が道を間違えたからだよ。誰にでもある事だけどな。」
スバル「道を、間違えていた」
「ああ。そうだよ。まあ、暫く横になっていると良い。そのうち気持ちに整理がつく筈だ。」
スバル「はい あぁ、俺の施策が」
「それにしても、君は凄いな。その年で施設長になって人を導いていた。それは君の凄い才能だよ。」
スバル「色々と手こずりましたね。寝ている時に首を落とされそうになったり予想外の人材があったり反逆されたり。いずれはあの液体で世界諸共を一掃しようとしておりました。まさかそれが途中で勝手に開けられて無くなってしまいましたが。」
「「閻魔」か。あれも君の霊力がかなり注がれていてなかなかの力を持っていたぞ。あれなら確かに世界に突然流されれば建物も自然も人も一瞬で溶けてしまうだろう。」
スバル「そう。まだ完成の途中でした。そこを押されて未完成のまま、流れ出てしまいました。あ、それを考えると彼女はその時に閻魔に飲まれて死んで仕舞えば良かったかもと思ってしまいます。いつも俺に関わり寄ってくる感じがして鬱陶しかったので。何故、パスワードを理解したんだ。」
「よくやったじゃないか、スバル。それも君の才能だよ。よく施設で長としてやって行くことが出来たよ。」
スバル「はい。お褒めは嬉しいのですが、俺としては何か気がまだ何か」
「無理もないさ。悪かったな。急なことをして。」
スバル「そんな、国王様が謝られることでもないでしょう」
「フフッ。君は偉いから、今回のことをバネにして自己成長すると良い。苦しくなったら、また私が助けるよ。」
スバル「国王様....」
すみませんでした、国王様。俺は何かを間違えていたのでしょうが、あと少しお時間をくださいませ。
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あの後、施設と館とその土地は防衛服の人々や解体力や燃焼力、それらの影響の計算力のある国王の助っ人達により一回解体をされ、燃やされ、また再建築をした。
土地も燃やしたのだが、土地も実はスバルの霊力がかかっていた。植物はその排出される空気から人の正気を狂わせる効果があった。皆を施設から館へと導いた馬二匹も実はスバルの霊力で死んでいたのが甦っていた生物だった。その馬は糞を土地中に撒き散らかし、狂った植物を育てる栄養分を与えていたが、その馬二匹もスバルの霊力が国王によって解かれた為、再び永遠の眠りに着いた。
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