何かの集約 其の四

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庄司は通話をしていた


庄司「はい、はい、はい!それは良かったですね!では、生田智和さんはそちらに向かわれたのですね!.....はい、はい!本当に良かったと思いますよ。はい、では、また。失礼しますー。」


----。


麗乃「ねえ、スバルさん、何だって?なんて??」


庄司「あぁ麗乃さん、スバル様はちょっと脱出されたうちのメンバーさんを捕獲されたようだよ。良かったな。」


麗乃「え?!捕獲したの、脱走した人を。ええ、それはスバル様に迷惑ならそっこうで捕まえなきゃねっっ」


庄司「気が良い感じだね、麗乃さん。その気ならスバル様も喜んでくれると思うよ」


麗乃「はーい!早くスバル様のお仕事が終わっていちゃいちゃしたいなあ。」


庄司「それももう直ぐだよ。ほら。」


庄司は機器に映っている時刻を見せてきた


麗乃「.....え....」


午前9時42分


おかしい、どう考えても


何故、空は真っ暗であり、瞬く星々があるのだろうか


庄司「?麗乃さん?」


庄司「麗乃さん、麗乃さーん?おーいおーい」


その振られた手の動きを見てようやく我に返った


麗乃「え、あ、庄司さん........庄司さん、あのね、ここ、何だかおかしくないかしら」


庄司「おかしい?何がだい?」


麗乃「私、実は前からこの場所に対して違和感を感じていたのだけど、ここって関東よね?その割には夜に星がこんなにも沢山、山ほど輝いているのはおかしいんじゃないかしら」


庄司「あぁ、麗乃さんは知らないのか。うーん、どうしようかな、教えようかなあ、でも非現実的な事を言うからなあ。受け入れられるかなー僕は割とすんなり受けられられたけど」


麗乃「知っているの?何かを、それなら教えて欲しいわ。午前9時45分くらいならこの空の色もおかしいわ。」


庄司「んー、教えてもいいけど、ちゃんと信じるんだよ?本当のことだからね。」


麗乃「ええ、信じるわ。話して。」


庄司「うむ。これね、」


庄司がそう言いかけた瞬間、とある声によって遮られた


小倉「みなさーーーん。こんにちはーー、小倉ですーーー。」


何とも穏やかで明るい声だった


庄司「あっ、小倉さん!いかがなさいましたか?」


小倉「はい、庄司さん。皆様は今の時、時を熟しました。おめでとう御座います、皆様はご立派な、強者です!そして、そうなられた皆様はこれから、とある場所へ向かっていただきます。とても良い場所ですよー。」


麗乃「とある場所って」


庄司「なるほど!あそこかあ。」


小倉「流石庄司さんは、我々の事に耳を傾けて下さるので話が早いですなあー」


庄司「直ぐに察せましたよー。何せ皆さんのことは好きですからねえ。」


小倉「ふむ。そうとなりましたら皆さん、これから施設の外に出て頂き、乗り物を用意しておきましたのでそちらにお乗り下さいませ。楽しい乗り旅になることでしょう。フフ。」


周りの化け物達も喜んだ


--ナンダナンダ?ノリモノカァ タノシミダナー--


--ナニカオモシロイコトアルカシラネ--


--ソロソロシセツヲデタイトオモッテタンダヨネ--


--ジェットコースターカ?--


小倉「はーい。それでは皆さん、ご案内をしますのでついて来られて下さいませ。」


庄司や麗乃、みんなは小倉の後をついて行く


すると施設の出口に着き、小倉が扉を開ける


するとそこには外が在り


とある乗り物が用意されていた


馬車だ


この26世記真っ只中に馬車だなんて遅れていないかと麗乃や化け物達は思ったが、それで行くもののようなので全員が馬車に乗った


小倉が馬を操る席に着いた


小倉「それじゃあ、しゅっぱーーつ!」


そう言って馬に鞭を打って馬車は走り出した


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真斗はあの後にトレーナーに何かの香りを嗅がされ寝ていたが、起きてからはそこがどこなのかと考え、地面が小刻みに揺れていることからそこが乗り物の中なのだと理解をした


俺は今何処へ連れて行かれてるのだろうか、あの行成精子を出す作業の次は行成乗り物にのって


どっか行ってるんだろうな、何か、何だろうな、今度は何があるんだろうな


何か、途方も無く考えらされるわ。考えてもしょうがないから何も考えないことにするか


すると頭の中が無意識の状態になり、真斗はまた寝た


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麗乃「ねえ、施設から出て今どのくらい走ったかしら」


庄司「あーそういえば、どのくらいでしょうねえ〜。体感的には1時間少しくらいかな?」


麗乃「そんなに?私達何処に向かっているの?スバルさんのいるところなんでしょ?」


庄司「そうですよぉー、スバル様の居る所へ向かってます。待ちきれないのかな?」


麗乃「そうよ!あぁ、早くお会いしたい」


小倉「もう少しですよ。もう少し。今は険しい道を行っているので少し戸惑っていますが何も問題有りませんよー。」


麗乃「もう少しかあ。険しい道って、今どの辺を走っているのかしら。少なくとも今はまだ関東よね?そもそも、どうして今の時代に馬車なのかしら」


小倉「それはですね、この辺りの道が開拓をされたばかりだからですよ。」


近くの庄司がうんうんと頷いている


麗乃「開拓されたばかり、ねえ。ふうん。馬車の理由は?」


小倉「それはですね、馬には魔法の力があると言われているからなのですよ。きっと、みなさんに良きご縁を与える事でしょう。」


麗乃「魔法.....」


庄司は穏やかな笑みを浮かべている


麗乃は何も考える気も無くなった


馬車の中は明かりも何も無くて真っ暗だが麗乃は目が慣れていた


ふと気になった


暗いといえば、今は少なくとも昼ごろの筈なのだが外は如何やら夜と同じ様に暗い様だ


馬車の乗り口から微細に差し込む光が


唯一の明かりだ。星も関東なのに満天に輝いている


前に庄司からこの事について訊きそびれたが、これは一体如何いったことだろう?


麗乃は再び訊こうとした


庄司「それを教えようと思いましたが、僕はミステリーが好きなのでそれは麗乃さん自身でお考えになられている姿を見たいです。」


麗乃は驚いた。私の言おうとしている事を何故かバレていたのだ。間違い無く


庄司「分かっていますよ、麗乃さん。空がいつまで経っても夜のままの理由ですね?フフ、吃って申し訳ないのですが、麗乃さん自身でお考え下さい。僕はその姿を見たいです。」


麗乃はきょとんとした。何も考えられなかった


そして庄司へ呆れた感じがした。麗乃の表情は何とも言い難い様なもどかしい表情をしている


麗乃「そういえば、非現実的過ぎるって言ってたわね。何か宇宙人からの魔法でもかかっているのかしら?」


そこで麗乃はハッとした


魔法と言えば、先程小倉も馬車の馬には魔法が掛かっていると言っていた


そもそも「ここ」は何かがおかしい


まるで、元から何かの魔法のようなものがある様な感じだ


庄司は穏やかな笑みを浮かべている


まさかとは思った


その考えを庄司に答え合わせをしようと言おうとした


庄司「おっと麗乃さん、早くもお答えがお分かりになられたかな?しかし僕はミステリー好き」


庄司「なもので、今はまだお控え下さいませ。いや、すみませんね。僕はこういう謎めきは最後まで取っておきたいタイプなもので....フフ。にしても麗乃さんはよくお分かりになられましたね。小倉さんの言葉がヒントになったかなあ?」


庄司は笑っている


麗乃は呆れたが、この事に一体どういう意味が


あるのだろう?と思いながら流れに身を任せて再び眠った


庄司は笑っていた


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真斗は目の前に用意させられていたピアノを演奏していた


「素晴らしい出来ですね!真斗様!」


真斗「ああ。最近さ、腕が良くなったんだよな。姿は変わったけど今まで以上にやりやすいっつーか」


「そうでしょう。」


真斗はこの館に運ばれた後、その中の部屋に移動をされ、ベッドで寝かされていたのだが起きて、自分のトレーナーから「真斗様、レッスンをいたしましょう」と言われピアノを弾いていたのだ


真斗「あー、こう、3日くらい弾いてなかっただけだったんだが何だか久しぶりに弾いた様な感じだわーー。」


「お疲れ様です。これからは今までより良い生活が出来ますよ。」


真斗「んーー、あんたら絶対何か企んでるんだけどこれでも良い気がしてきたなー。」


真斗はほぼ投げやりになっていた


真斗「あー、そろそろ何か飯が食いたいなあー」


「只今お持ちいたしますので、少しお待ち下さいませ。」


真斗「あ!ちょっと待ってくれ!何か、この館は何か綺麗だから見学ついでに俺も連れて行ってくれ」


「おや、良いですよ。どうぞこちらです。」


真斗はトレーナーの後ろを付いていった


廊下も施設とは違う優雅な雰囲気の造りだ


そうしている時に外から声が聞こえてきた


「そのやうなのか。では、拙者はこの館で今度こそ我が人生の拠り所を手に入れられると?」


「そういう事で御座います。きっと良い様になりましょう。」


「ふうむ?では、拙者の新しい部屋へ案内をするのだ。」


「はい。ではどうぞ。こちらです。」


どうやら人と人の話し声の様だ。何を話しているのかは何となく予測が付いた


今度こそ自分の人生の拠り所ってことは、その人も教習生なのかなと思った。そして、もう一人の声はトレーナーな感じの人といったところか


屋敷の中を探検しているうちに


厨房に着いた、ここか?


「良かったら中も見ますか?」


真斗「おうよ。見てみたいわ。ここ綺麗だから。」


真斗はトレーナーと共に厨房に入った


様々な綺麗な調理器具だらけで目が輝いた


「少しお待ち下さいね。今、お作りしますから。」


真斗「へーい。」


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智和は屋敷の部屋の中で同時に料理を食べていた


智和「美味いわ。この調子でめっちゃ食いまくって、アイツみたいになってやる。あんだけデカくなってやる。」


何者かの面影を思いながら食事をしていた智和の元にトレーナーが来た


「沢山お食事をされた後は運動部屋で運動をされて下さいね。」


「すると身体が成長するという報告が多数有ります。」


智和「おうよ!よーし、もう少し食ったら行くわ。」


「ふふ。お喉に詰まらせてはいけませんよ。」


智和はありったけの食べ物という食べ物を食べた後「ご馳走様でした!」と言い、トレーナーに運動部屋へ連れて行く様に促し、歩んだ。


智和「少し食い過ぎたわー、まあ、これで運動しまくったらでっかくなれるかなー。」


「ええ。きっとね。」


智和「あぁー、それは楽しみだわ。早く着け着け。」


「もうすぐですよ。」


トレーナーは笑いながら運動部屋へと智和共に歩んでいた


すると館の外から声が聞こえてきた


小倉「-------なので、皆様はこれから、案内をされるお部屋へと移動をしていただき、今度は優雅な生活を送るのみとなっておりますよー。あ、庄司さんと麗乃さんは私がお部屋をご案内をしますので少しお待ち下さいね。」


何かの予行演説か?皆様って事は色んな人がいるんだろうな。この館何なんだ?


俺は化け物にされたし、何か絶対に良く無い事なんだろうが今の俺にとってはもう如何でも良いかな。今が楽しいし。ニートだったしな俺。


智和も投げやりになっていた


そして運動部屋についた


「こちらです。智和様。」


智和「おうよ。」


入ると、そこは綺麗な運動器具が大量に用意をされていた


部屋だった。部屋の中も綺麗だ


智和「ようし!ここで運動をするぞ!」


「食べた後なのでご無理はせずに。」


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庄司達は、その着いた目的地である巨大な館の外で待機をしている。周りの化け物のみんなを小倉が案内をしている最中なのだ。


麗乃「どうして今どき旧型の機器で案内をさせるのかしら。あれじゃあ画面も霞んで見えないじゃない。」


私達が館の外にいらされる程手こずるのは当然よ、と麗乃は思った


小倉は館の中で充電中の機器から画面を出し、化け物達みんなへ部屋の案内をしている


庄司「フフ。麗乃さんはどうしてこうなっているのかを理解していそうだけどねえ。」


麗乃「え?いや分かんないわよ。なんて、多分ね。何となく分かっちゃうわ。」


庄司「馬車の中で空の色が暗い理由も分かっていた様だったし。」


麗乃「あぁ、早くスバルさんにお会いしたいわあー。」


庄司「聞いてないか。」


暫く待っている時に小倉が来た


小倉「お待たせして申し訳ございませんでした、庄司様、麗乃様。これからお二人様をお部屋にご案内をします。」


麗乃「早くスバルさんにお会いをしたい!!」


小倉「直ぐですよ、麗乃様。」


小倉と庄司は笑った


そして部屋へ案内をされている時、同じくトレーナーの様な者に連れて行かれている


人物を見た


長い髪の毛を後ろで一つに束ねている男性だ。化け物では無いのだ。人だ。それに麗乃は驚いた


唖然としてその人のことを見ていると


小倉「麗乃様、彼は少し変わった方でして、今はまだ姿が変わっておられないのです。」


へぇ〜と麗乃は思った。これまでは皆、化け物の姿にされていた


ので新鮮だという気持ちと「私もまたああいうふうに戻りたい」という気持ちでいっぱいだった


小倉「そろそろ着きますよ。まず麗乃さんから。」


麗乃と庄司は期待に溢れた


小倉が扉を開けるとそこには綺麗な部屋があった。家具も揃ってる


麗乃「素敵!ここでスバルさんといちゃいちゃしながらお酒を飲んだりって、スバルさんまだ未成年だったわ。」


麗乃が楽しそうにしている様子を見届け、次の部屋へ向かう


小倉「庄司様はこちらです」


小倉が扉を開けると麗乃の時と同じように綺麗な家具がずらりと並んだ部屋だった


庄司「恩に尽きます、小倉さん。」


小倉「どうぞごゆっくりとお寛ぎ下さいませ。そして」


小倉は少し表情を歯に噛んだ


小倉「庄司様は、どこまでご存じであられますか?」


小倉の表情は真剣だ


庄司「いやいや、別に全てを知ってはいませんよ。ただ、推測をしただけですよ。小倉さん。」


小倉「左様ですか。あまりにもご存じであられるので私達の事を全て知られているのかと思いましたよ。庄司様は頭の回転が早いのですね。とても。」


庄司「はい。ほんの少しのことでも僕は考えます。」


小倉「これは参りましたっ!スバル様にバレてしまったらクビにされてしまう。」


庄司「スバル様は優しい方なので問題無いでしょう。」


小倉「これはこれは....」


二人は笑った


小倉「では、庄司様。ごゆっくりと。」


そう言って小倉は部屋を出た


小倉「......うむ。やはり、怪しいな。柳 庄司。我々のことをどこまで知っている」


小倉は庄司へ警戒心を出した


小倉「まあいいでしょう。泳がせておきますか。」


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真斗はたらふく料理を食べ、膨れて疲れていた


真斗「んーー どうしようかなーー今日はこの辺で部屋に戻って寝るかなあーピアノもやったし」


「おやおや、大変お疲れになられたのですね。ふふ。」


真斗「だってあんたの作る料理、全部美味いんだもーーん」


「それは光栄なお言葉にございます」


トレーナーは笑みを浮かべた


「では、お部屋に戻られますかな?」


真斗「おう。」


二人は部屋へ戻っている


部屋の近くの廊下に進んだ時にピアノを弾く音が聞こえてきた


綺麗な音色だ


とても魅力されずにはいられない、美しい音色だ


真斗「何だ、これ、誰が俺の部屋でピアノを」


真斗は急いで部屋へ行き、ドアを開けた


そこには得体の知れない化け物がピアノを弾いていた


しかしその化け物はこれまでの化け物とは違っていた


異様に黒かった


何だコイツ


すると化け物はピアノを止めた


そしてこちらを確認すると景色に溶けるように消えた


真斗「何だ今の なあ」


真斗はトレーナーに事を問おうとした


「何も問題が御座いませんよ。真斗様。そうですね。教習生の皆さんの中に、変化をした時期に特殊な力を保持された方もいらっしゃるのでしょう。」


そういうもんか?と言いたくなったが消えてしまったものは気にしていても何も分からないから忘れることにした


真斗「じゃあ、ちょっと寝るわ俺。」


「はい。お休みなさいませ。真斗様。」


トレーナーは真斗の部屋のドアを閉めた


「どうやら、計画は順調なのですね、スバル様。」


トレーナーはククッと笑った


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大斗は部屋の中で考え事をしていた


大斗「むう。何故、皆はこうなってしもうたのか。結局、施設の者達の野望は叶われてしまい、皆が怪物になってしまった。拙者がもっとしっかりとしていれば....そういう自責の念に囚われるのは単に拙者の自惚れだろうか」


大斗は頭を抱えた


部屋に誰かが入ってきた


小倉「失礼します、大斗様。」


大斗「むう、其方は小倉だったな。」


小倉「左様でございます。」


小倉は優しい笑みを浮かべた


大斗「のう小倉よ、気になる事があるのだが、拙者は何故皆の者と違い、姿が異形にされておらぬのだろうか?」


小倉「それはですね、大斗様が5人の中でも少し変わった特性を持たれているからなのです」


大斗「特性?いや、拙者は確かに誰よりも律儀であると自負をしておるが、別にそこまで別枠で括るやうな事でもなかろう」


小倉「いいえ。大斗様はスバル様が選ばれた方なのです。姿変わりはもう少し先で。」


大斗「そうか。無くても良いがな。今は何となく、何かがしたいな。」


小倉「ふむ。それならば、様々な娯楽がお部屋中に溢れていますので、どうぞどれでも好きなようにお過ごし下さいませ。」


大斗「うむ。恩にきる。」


小倉「大斗様の様子を見に来たので、では、失礼します。」


小倉は大斗の部屋の扉を閉じた


小倉「瀬川 大斗はそれほど知っている様子では無かったな、ククク。そう簡単に知られてたまるか。スバル様に反抗をしたと言うが、そこまで知っている様子では無かったな。」


そう言い、鼻で笑った


小倉「アイツは鼻の先でこき使ってやりましょう、スバル様。」


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明智は部屋の中で薬を作っていた


そこには真斗の部屋でピアノを弾いていた黒い化け物もいた


明智「もう直ぐで、柳の遺伝子も入れられる。」


黒い化け物は避けたように巨大な口を少し開き「ヘヘッ」と笑った


明智「今井のピアノの才能を伝授する為に彼から精子を抜き取ったが、結果はかなりの反応だった。それを元にして彼らの指紋やら服から皿やら風呂場から何やらと遺伝子を取ってコピーをして他の身体に移す研究は成功の様だ。」


黒い化け物は小さく笑っている


明智「お前は、今井の部屋のピアノを明智「弾くのをよくやってくれたよ。今度は、誰のにしようか。佐原の筋トレ能力をそのままお前にコピーをしようか」


「ヘヘ」


明智「ようしようし、良い子だ。こちらに来るのだ。」


明智は黒を手に寄せ、研究から抽出した麗乃の遺伝子を黒にコピーをさせる


明智「よくやったぞ。フフ」


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庄司は何かを考え込んでいた


庄司は自分が行っている事について考えていた


今自分がしているのはこの館の探索だ


そうしてありとあらゆる、施設内の人間のことを調べ漁っている


この事自体がそもそもおかしいからだ


レッスンという割にはいつの間にか怪物にさせられて


その時点で庄司は事の人員の全てを調べ上げる事にしたのだ


小倉や明智にバレぬようにこっそりと、探索をしながら調べていた


表では決して自分の素性が分からないようにしている


庄司「麗乃さんが「この空の色がお昼なのに真っ暗な理由を知っているわね❓」と言われた時は流石に焦ったけどな」


庄司は実は施設内の人員全ての情報を知ったのだ、何が目的であるのかも、ほぼ


庄司「今日の様子的に多分だけど、小倉さんにはバレていそうかなーー」


あれだけ嗅ぎ回ったのだから。バレていてもおかしくない。バレるのなんて時間の問題だろうなとは思っていたんだ。それでもこの事の秘密を知りたかったんだ。


だからこそ、この館のことも全てを把握しておきたい。


今は誰もが寝静まる時間だ。ここはいつも真っ暗だが今は23時を回っている


小倉や明智、スバルサマの部屋はどこだ?


そうして館の中を探索している時にとある部屋に来た


その部屋の前にモノがあるのは暗くて見えなかった


ため、コケてしまった。その際にドアに体が当たって多少のガツンといいう音が出てしまった


「何者だ」


しまった!


声はドアの中から聞こえてきた


恐る恐る取り繕った返事をする


庄司「も、申し訳ございません!私は館で住まわせていただいている者です、トイレへ行こうと歩いていたのですが」


庄司「その際に、何かを足にひっかけてしまい、転んで当たってしまいました。すみませんでした。」


するとドアの中からラフな服装をした男性が頭をかきながら出てきた


「あー、そうなんすね。はい。次からは気を付けて下さいよ。今俺、ピアノのスランプで眠っていた最中でした。」


庄司「申し訳ございません!」


「いいすよ。それじゃあ、お休みなさい。」


庄司「お休みなさいませ!」


男性は扉を閉めた


そして庄司は緊張が安心に代わりつた、探索を続行した


そして、その男性はピアニスト、今井真斗の人間時代にした変化を解いた


すると姿がみるみると黒い化け物へ


変わった


黒「ヘヘッ」


すると部屋の奥から明智や小倉、スバルが出てきた


明智「やはり、彼奴はこの館も探っていますな。」

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