何かの集約 其の三
この者に対して心を開くなぞ、出来る訳があらぬ。そのテストとは何であろうか...?
「あんたが俺に対して心を開いてくれなければ和道が出来ねえんだよ。」
和道、だと?何故それを行う必要がある。
「貴方の頭の柔軟さを確かめる必要がある。その結果次第で貴方を変える。」
大斗「む。それならば断ろう。拙者は貴方がたの操り人形になぞ、成りたくないのだ。」
「そう言うと思っていたぜ。ならその頭の出来の悪い喋り方は何なんだよ?」
大斗「む?」
拙者はつい口から疑問声が出た。何を言っておろうかこの者は?この喋り方は正しく成った礼儀そのものではないか
それを此奴は頭が悪いと言った。正気か?
「前にも言ったけどよ、そういう喋り方は礼儀は感じるが現代ではおかしいんだよ。そこら辺の事くらいは弁えていなければ世の中に適応し難いものがあるぞ。」
そのやうな訳が
大斗「無いであろう」
「いやあるんだわ。お前は折角才能があるのに、それを上手く扱えずにいるままってのはすげー勿体無いんだよ。だから俺が貴方を訂正して良くさせてやろうとしているんだわ。んで、その為には俺の駒になる必要がある訳。」
大斗「そのやうな事なぞ、単に人様を狂わせる仕業なだけであろう?」
「いいんだよ。だって頭の良い俺のする事だ。」
確かにこの者は賢い様ではあるやうに見えるが.......
.....流石に行いには賛同できん。
大斗「テストは、断りをしんぜよう。」
「へえ。それなら貴方のその喋り方が今の世にも通じるという事を、俺に納得させてみせてくれるか?」
大斗「良かろう。」
大斗「拙者は瀬川 大斗!」
大斗「物事に対する熱意は高いぞ!趣味はパズルピースだった!今は生き甲斐を他に探しておる!人生は一度切り!この生涯で成功を成し遂げてみせようぞ!」
大斗「どうじゃ!拙者の心の籠った、礼儀の有る言葉を聞けたであろう?」
「あぁ。良いと思うぞ。だがその言い方は間違っている。」
大斗「む?!何を言うか!拙者は何も間違っておらん!」
「言い方がさあ、現代に適応してないんだよ。前にも言ったが。」
大斗「負け惜しみかのう?そうか、そうか。面白いな。」
「悪いが負けているのは貴方の方だ。やはり、訂正を加えなければな。」
大斗「負け惜しみだからといって、そのやうな行為に...」
するとスバルが倉庫へ向かった様だ。そこから食材を大量に持ってき、調理台に乗せ、包丁を手に持ち、食材を切った。
その捌きが颯爽としていて、美しくて可憐だ。その様子に見惚れる。この子は、まだ子供なのによく出来たものだ。
その様子に見惚れずにはいられない。その調理をして出来上がっていくサマを、目が離れられずに釘付けになっている。
そして料理は出来上がっていく。
様々な料理が完成をしていった。
「さあ、出来たぞ。食うんだ。栄養も考えてある。俺を過剰に上に見ていた貴方はもう少しは育って良い。」
何というか、その心の優しさにも感動をしてしまっている自分もおり、複雑な心境だ。
大斗「育て、だと?」
「あぁ。それで体質的にももう少しでも逞しくなれば更に良い筈だぞ。」
大斗「むう....。むう....。」
料理を見た限りでは、懐石料理や味噌汁、野菜のお浸し、果物寄せ、西洋料理まで幅広くある。
それら全てがとてつも無く美味そうだ。拙者は何だか驚いた。スバルは、子供の割にはその内面がとても成熟しているというか、とても何でもこよなく出来るのだな。という事は、スバルはもしかしたらそれほど間が抜けていたり浅はかだったり馬鹿であったりしないのかもしれない。
「おい、何をボーッとしているんだ?食えよ。」
大斗「う、うむ。」
そしてその料理を口にした瞬間、拙者の考えは確信に至った。
とてつもなく、美味だ。
拙者の先程作ったうどんが、小並に思える程だ。
とても美味なのだ。どのやうにしたらこれ程まで美味い料理が出来上がるのか?
それが気になる。此奴、やはり只者では無かったやうだった。
......!!
スバルは、食物を食している時も美しい。
優しい笑顔で食物を口に運んで食している。
それはまるでこの世の者とは思えぬ。天の者のやうだ。
同じ男である拙者でさえこんなにも惚れ惚れしているのだ。彼は相当美しい者だ。「....ん?」
うお!天の者がこちらを見たぞ
「...食ったのか?なんだ、まだ残っているじゃないか。もっと食え。沢山食わなきゃ育たないぜ。」
大斗「あぁ。今すぐに全ての皿を平らげようぞ。」
そして拙者は台の上の有りと凡ゆる料理を食べた。
腹がいい気分に膨れ、何か食後のデザートをと思ったらスバルが「デザートでも食えるか?」と訊いてきたので肯定のこと応答をしたら彼が杏仁豆腐を倉庫から持ってきた。「これも俺のお手製だ。食って筋肉付けろよ。」と言われた。拙者はそんなにも幼稚に見えるか??しかし気持ちは嬉しいので受け取り、その杏仁豆腐も相当美味で平らげた。
大斗「ご馳走さまでした!!」
咄嗟に口からそう出たのだ。
スバル「はーい!お粗末様でした。」
スバルはそう言って拙者の頭を撫でた。拙者は子供か?
しかし、拙者はもう、スバルを生意気な子供という目で見られない。
「ククク...」
?!
しまった。嵌められたか?
「...食ってる時のお前」
「ガキみたいで面白かったんだわ。美味そうに色々がっついてて、子供みたいで笑ったわ。」
大斗「なぬっ...!」
「まあ、これでお前は俺に対して少しは心を開いたよな」
大斗「.....!!」
「そんなにビビんなよ。単にテストを受けてもらうだけだぜ。」
何かを言いたくなったがその言葉が分からなくなった位には彼に対して心を開いていた。
「ようし。これからテストをするぜ。剣道のテストだ。」
剣道か。拙者は剣道なら昔からやっていたのだ。やっせみせてしんぜよう。
「これでお前の思考回路の柔軟さの程度が分かる。」
ふむ。やってやろう。拙者の腕を見せてやろうぞ。
スバルから渡された剣道着に着替え
その場で剣道が始まった。
フフ。では、拙者がこれからスバルの面を取りに...
パァッカァ....ン
..............えっ......?
拙者の頭の上に、剣が.....
拙者はもしかして、取られたのか....?
しかし、スバルは見えていなかった
しかし此奴はスバル。
目にも映らぬほどに早く拙者の面を取ったのか
何と.....
放心するしかない
「この程度か。」
...............
何も言えぬ......
「じゃ、次だ。柔道だ。」
二人は柔道の服に着替え、互いに見向き合った。
「じゃ、行くぞ。」
大斗「ふむ!」
良かろう。スバルの身体を持ち上げ倒してしんぜよそして拙者はスバルの元に襲いかかった
すると視界が反転した
ドタッ........
拙者は、負けたやうだ。
しかし何故だ.....?
彼の体制が、全く見えなかったのだ
「......じゃ、次で最後だ。茶道だ。」
お!茶道か。拙者は茶道も子供の頃からよくやっていたのだ。しかしこれはバトルでは無い。一体何のテストであろう?
そして大斗は渡された和服に着替えた。
そして目の前にござと緑茶の粉やかき混ぜ器、お湯と羊羹などが用意された。
大斗「ようし。ではやってみてしんぜよう。よく見るのだ。拙者の美しい茶道を。」
スバルは頷いた。
大斗「先ずは、緑茶の粉を」
大斗「器に入れ、お湯を入れ、ほれこのかき混ぜ器でかき混ぜてやれば良いのだろう。シャッカシャッカ!.....ようしできたぞ!完成だ!スバル、さあ、飲むのだ!」
む?
スバルはとても死んだやうに優しい目をして気が抜けた笑顔になっていた。
.....何やら、不合格そうな感じの雰囲気だぞ
「有難う。飲むよ。いただきます。」
彼は拙者の茶を飲む。「美味いよ。いいなこれ。」と、彼にしては有り得ない程の優しい笑みを浮かべて言った。
拙者は何かを間違えていただろうか
「.....さて。これで貴方の特性が分かったぞ。」
拙者の特性?それは何であろうか?
「貴方は一つの物事に対して熱意が全て注がれやすい。その才能をより良い方向に導くぞ。」
そう言われ拙者は不穏でしかないやうな予感がした
大斗「テスト、とは何だったのだ?」
「貴方の能力を調べる為のテストだ。今回のテストで貴方の秀でている面が分かったぞ。」
大斗「拙者の、秀でている面か。ふむ。其方は若いのによくぞそこまで理解をできたものだな。難しかったであろう。」
「いや簡単だった。貴方は一つの物事に対してとてもよく集中をすることができる。熱意を注ぐ事が出来るんだ。周りとは比べ物にならない程に、な。」
大斗「何ぃ。その程度のことなぞ、その他の者にも出来るであろう。」
「できないんだよ。貴方の様には。」
何だ?此奴、急に顔を落としたぞ
「だから貴方のその能力を、こちらに有利に使わせて貰う。」
その有利な事こそが醜い事態であるのだ。その事には賛同できぬ。褒められるのは嬉しい気もするが
「じゃあ、ちょっと眠っていてくれ。」
大斗「眠る訳なかろうに。」
「いいや。貴方には少しの間、また眠って頂きたいんだ。そろそろの筈なんだが....」
大斗「何がそろそろだ」
「おかしいな。 ああそうか。貴方は熱が激しい性質だから効きにくいのか。じゃあ」
む?
スバルの瞳が、おかしいぞ。この子はそもそも綺麗な赤い瞳をしているのだが、その赤さに引き込まれるやうな感じ。スバルの瞳の中に拙者は入ったやうな
何て煌かしい綺麗な赤色な所なのだ。
そう言い、瀬川 大斗は倒れた。
「....眠ったか。まさか睡眠薬が効かなかったとはな。さっきの料理に入れたやつ。それはそれでこちらにとって好都合な人材なんだけどな。」
そう言い、その美少年は連絡機を手に取る。
「明智。瀬川 大斗がまた眠ったぞ。」
「今からこいつをそっちにやってくれ。頼む。.....あぁ。遠慮なくやってくれ。構わない。じゃあ、またな。」
そう言い、彼は連絡網を置いた。
「おやすみ瀬川 大斗。沢山寝て、育てよ。」
そう言って彼はその部屋を静かに後にした。
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智和「はあ、はあ」
智和は走っていた。施設の中を、どこまでも。そして転んだ。
智和「いっで!ったく、この施設は何なんだよ?!さっきから変な音はするし声はするしある物もの変な危ない感じのやつしかないしでどうなってんだ!クソ、動けない。コケた所が痛すぎる」
智和は自分の体を何気に見た。変化が進んでいた。
智和「クソッ!これもう殆ど俺の身体じゃねえ」
智和は動けずに放心をする事にした。すると廊下の向こうから何かの集団がやってきた。
何だあれ?!化物?見たところ人じゃない、そういう俺も既に人じゃない
その化け物の集団はこちらにやってき、智和の周りを囲んだ。その中の一人が手を差し出してきた。
「ダイジョウブダゼナカマ オレタチハムテキニナッタンダ タテ タッテ スバルサマノマメニ セカイヲ ワガモノニシヨウ」
スバルサマ....?
スバルサマって誰だよ。
庄司「お仲間さん、こんばんは。」
何だこいつは?こいつだけは何だか違う様な雰囲気をしている
庄司「初めまして。私は君と同じで選ばれし者である柳 庄司と申します。」
俺と同じ 選ばれし者?何を言っているのかさっぱりだ
庄司「理解が出来にくいのも無理も無いですよ。だってまだ何も知りませんよね?その様子だと。貴方はこの施設の長さんの手下になったのです。」
智和「....は?」
何を言っているんだか
庄司「そのままの意味ですよ。その方は特殊な力をお持ちの霊的な方で、この様な姿に私たちがなったのも、世界を生きやすく、そしてスバル様の為にあるのです。」
特殊?霊、その人のために?訳わかんねえな
庄司「いいえ。とてもこの体は生きやすいものですよ。強いし、賢いし、人間超えをした事が何でも出来る。気分が良いものです。その中でも私と貴方とその他のあと三方は特別に選ばれた。何でも、特殊な才能を持っているようです。それをバネにした事をさせられるのだとか。楽しみですね。」
つまりは俺達はそいつに騙されて良い様に変えられたって訳か
智和「その提案には乗れねえな。」
庄司「ほう。何故?」
智和「俺は人様だからだよ。化け物なんかにはなりたくないし、誰だかしらねーやつのために生きるなんてしたくないね。」
庄司「いいえ。スバル様は良いお方ですよ。お若いのに賢くて強くて逞しくて美しくて。」
智和「あ?いやなんだよ。それが。」
庄司「ふむ。それならば直接スバル様にお会いをしに行かれるのが良いでしょう。その気持ちが変わりますよ。」
智和「施設の長、か。ぶっ飛ばしてやるこんなことさせられて」
庄司「では、そろそろ転ばれた所の痛みも無くなりつつあるでしょう。立ち直られて、スバル様の元へ行きましょう。こちらです。」
そう言って庄司は智和の手を取り、なんとすんなりと智和を立たせた。
智和は警戒をしながら庄司達と共に歩き出した
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真斗「くそっ!舐めてやがる....」
その部屋はピンクのライトで照らされ、ありとあらゆる場に下着姿の女性のブロマイド、それら全てがない素っ裸の女性の写真、それらの映像写し物、性器を形どった物などが部屋中の至る所に貼り付けられており、鍵がかかっている。
真斗「何なんだよこれ?!生気もいいけどそればかりじゃ過ぎるんだよ。ここからでさせろ....」
真斗「そもそも何なんだよ?レッスンが終わって目が覚めたと思ったら急にこういう部屋に閉じ込められてて。訳わかんね....」
ん?モニターが付いた
---真斗様、そろそろご気分的にもストレスが堪らない頃だと思います。そろそろそのお部屋を出られるべきだと思います---
真斗「ああ?トレーナー!」
真斗「これ一体なんのレッスンなんだよ....聞いていた内容と違うだろうよ..」
---ほほほ。申し訳ございませんが、急遽予定を変更させて頂きましたのです。しかしそのお部屋を出られましたらいつも通りのレッスンに戻られますよ。---
真斗「おう。早くここから出させろ。鍵がかかってて真斗「まさか これ脱出ゲームってやつじゃあないだろうな」
---ほほほ。そのような事ではございません。今、私ではないトレーナーさんをそちらへ行かせました。その方は鍵を使って開けて下さいますのでそこで出られて下さいね。---
真斗「おう。てか、何で俺はそもそもこんな部屋に閉じ込められたんだよ。」
---それは真斗様の感性を養うためにございますよ。真斗様。ご安心くださいませ。---
真斗「感性って、何の感性なんだか....」
するとドアからチャイムが鳴った
真斗「へーーい。あ、ここから出してくれるのか?」
「真斗様、大変お待たせいたしました。今より真斗様をお部屋からお出し致します。その為に一つだけ、行って頂きたいことがあるのです。」
真斗「一つだけなんだな。いいぞ。何だ?」
するとドアが開いたかと思ったらガラス瓶のようなものを手に持って来た
「こちらに、真斗様の精子を入れて頂きたいのです。」
真斗「俺の精子を?何でだよ。そういえばここの部屋はそれを促す様な感じだよな。」
「真斗様のその逸した才能を頂くた為の頂戴です。」
真斗「あー、なるほどな。ならやるよ。って何なんだきゅうに」
そうして真斗は行い、それをビンに出した
すると真斗の身体がみるみると人ではない様に変化をしていき
それに驚いた真斗は放心をし
気絶をしそうになったが寸前で止め、どういうことかとそのトレーナーに訊いた
「おめでとう御座います、真斗様。貴方は立派になられましたよ!」
真斗「何が立派なんだかこれが!おかしいだろ?なんで出したらこんな風になるんだよ」
「それは真斗様が元からお強いからですよ。それだけです。」
真斗「あぁそう言われてみれば何か強くなったような気がするが。しかもなんか心地がいい様な」
「そうでしょう。それが真斗様本来のお力です。」
真斗「そうかあ。俺は完璧なにったのか......うおおおお何だか暴れたくなってきたな」
「行きましょう。皆さんもお待ちしておりますよ。スバル様の為に。」
スバルって誰だよ?そう言おうとしたがそれより今はこの高揚感の方が強かった。
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麗乃「.....あぁ、何て綺麗なの、スバルさん...」
麗乃は小倉の部屋であるトレーナーがストーキングをしていた時に撮っていたスバルの写真を見ていた。
麗乃「早くスバルさん、お仕事終わって欲しいなあ〜。折角お会いできたのに「ごめんな。今からまた仕事に行くから「その後でまた遊ぼうな」って言われて、お帰りが待ち遠しいよぉ〜。」
ごろんごろんと部屋の中を転がりながら
麗乃「筋トレさえもこの身体だからする気さえももうないしなあ。というかスバルさんって凄くお若いのにあんなに大人っぽくてお兄さんかと思ったわ。かなり年下なのに。」
麗乃「そういうところも魅力なのよねえ。そして、この体になったという事はほぼ、スバルさんと結婚をしたようなものなのでしょう?良いなあ〜。」
麗乃は顔を真っ赤にした。
麗乃「んー、どうしようかな。これからスバルさんと一緒に、うん。お散歩でも行こうかな。この施設お散歩ならいいのよね。」
麗乃はスバルの写真が入った手持ち機器を持ち、小倉の部屋を出て、歩き出した。
ふんふーん♫
なんて美しい夜なの〜。妖艶な夜よね。真っ暗で月明かりしかなくて。足元が見えないから慣れるまで忍足で歩かなくちゃね!
あれ?
そういえばこういう事で何かの疑問を思ったことがあるような
気がしたけれど、まあ、今となってはいいかな。
ウオオォォォォオオオオォ
えっ?!何?今の声
何か、化物が叫んだみたいな
ウオオォォオオオオ
何かしら?この声
何だか不吉な予感がするのだけど
ウオオォォオオオオ
.....間違いないわね。こちらへやってくる。
ウオオオオオオオオオ!!
何?!あの集団?!化物の集団じゃないの!今の私もそうだけど、何?一体。
その集団は化物だらけの集まりだった。こちらに向かってくるようだ。
麗乃「キャアアアア!」
逃げなきゃ、そう思いきびすを返したが優しく声をかけられた
庄司「貴方も同じですね?」
麗乃「えっ?」
庄司「はい。」
庄司「あぁ、どうやら貴方も私達と同じ様だ。初めまして。私は元々貴方と同じで人だった庄司と申します。こちらのみんなさんも、同じですよ。」
麗乃「貴方達と同じ?何を言っているの、私はそんな化け物じゃないわ。」
庄司「おや、その割には化け物の姿をされているじゃあありませんか」
麗乃「きぃ.... 分かってはいるわよどうしてか私はこんな姿になってしまったのよ。スバルさんは褒めてくれたからいいのかもしれないけどね、何となくまだ馴染みきれないのよね。」
庄司「私も貴方と同じですよ。フフ。心配はご無用、直ぐにその居心地に快感に思っていきますからねえ。」
麗乃「そうなの?何だか、気が抜けちゃったわ.... どうでもいい、早くスバルさんにお会いをしたい。」
庄司「直ぐにお会いできますよ。麗乃さんなら尚更てす。なので、僕たちと一緒に行きましょう。ついておいで。永遠にスバル様と共にあれますよ。」
麗乃「永遠に、スバルさんと一緒にあれるの?」
庄司「そのとうり。なので、どうぞこの手をお取り下さいませ。」
麗乃は庄司の手を取った。そしてしっかりと握りしめた。
「ウオオォォォォオオオオオオオ!!」
周りの化け物たちが歓喜の叫びを上げる
麗乃「スバルさん、スバルさん、むふふ....」
そしてその場の全員でスバルの元へ歩き出した
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智和は走っていた。スバルの元へ行けるという指示を受けたが途中で怪しく思い、庄司たちから離れて逃げたのだ。皆の止める声を無視して
智和「クソッ!この施設、どこまで走っても何処にも出口が無えとはどういうことだよ!」
あまりにもおかしかった。どこまで走っても施設の出口がまったく無いのだ
智和「畜生、確かにこの体は気分が良いがあまりにもおかしいだろ、化け物みたいな体に変化させられて、何が一瞬でやりたいことが見つかるだよ?単に人じゃなくされるだけじゃないか。」
智和は走り続けた。出口を目指して
何処までも長く続く廊下はあまりにもおかしい
--こんなにも長かっただろうか?--
その時だ
目の前に美少年が現れた
漆黒の黒色の髪の毛を妖艶に靡かせた
誰が見ても美しいと感じる美少年
この少年は一体何者なのだろうか?
施設内でこの様に美しい美少年など見たこともない
彼は何者だ?
「何をやっているんだ、生田智和」
少年が口を開いた
智和「マジかよ」
自分でも何を言っているか分からなかった。何となく、殺されるんじゃないかって気がしたんだ。少年の雰囲気からして
「貴方の行くべき場所はこっちじゃあないぜ。庄司達の所へだ。何集団から外れているんだよ、早く戻るんだ。」
智和「ええ?断るわ。何でだよ?単なるクソな遊びじゃないか」
俺は湧き上がる感情すらも無いくらいにはこの施設のしていることに対して呆れていた
「そうでは無いぞ。これはな、俺様の役に立つ為に人材を集めた施設なんだ。それぞれに役割を与えたレッスンを与えている。良いものだっただろう?気分がいいだろう?」
智和「なーーに言ってんだよ。単にクソにするだけじゃねえかよ、こうして化け物の姿にさせられてさ。俺、家に帰るぜ」
「ほう。ではその身体はどうするんだ、世間でその身体を見せ散らかしたら確実に差別されるぜ」
智和「あぁ」
絶望した。そうだよ。俺はこの身体になったんだ。だから世間の目には触れられない、どうすればいいんだ、医者か?医者で治せんのかこういうのって
「フッ 諦めるんだな。お前も既に俺の手の内だ。その身体も居心地が良い筈だぞ。強いし賢いしな。そして俺様の支配下に置かれて生活できるのだから寧ろそれで良い筈だ。」
智和「あぁ?良いわけねーーだろ」
「まだ自覚が無いのも無理もない、か」
少年はフッと笑った
その笑みも美しかった、思わず見惚れる
その瞬間、智和は急に目眩を起こした。強烈な目眩だ
智和「っ、何だ、これ、何だか、立ってられねえ、、あぁ、、、、」
智和は倒れた、気を失った
「ハッ。そうやって抗うからそうなるんだ」
少年はまたフッと笑みを浮かべた
そして体の中から黒い靄を出し、それは人外生物の様な形になった
それはスバルと一緒に歩きながら智和をとある場所へ移動させる
「良いか?今井真斗と同じ場所だぞ」
「了解しました、スバル様。」
化け物も少年の美貌に見惚れていた
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大斗「むうう」
青年は唸っていた
大斗「分からぬ、分からぬのだ」
ううんと唸りながら頭を傾げた
大斗「何故、拙者は施設の外へ出て、乗り物に乗らされ、何処へ向かっているのだ」
大斗はスバルのテストの後に寝かされた後に眠らされたが、その後に体を乗り物に乗らされ、何処かへ連れて行かれているのだ。そこを起きた時に見て愕然としていたのだ
明智「大斗さん、もう暫く進みますよ。」
大斗「うむ。なるべく急かしにな。」
この明智という者は、拙者が何処へ向かっているのかさえも教えぬのだ。その為、少し困惑している。危ない場所では無い様なのだが。
それにしても、今は夜であり、夜空が綺麗だ。星々が満天に瞬く。
む?星々が満天に?
それは少々、変では無いか?ここは関東、ではここまで満天にきらきらと星々が輝くのはおかしいのではないだろうか?
拙者は思考を巡らせた
少し、不吉な考えがした
拙者はそれを問おうと思い、この者、明智に問おうと声をかけたがその瞬間に「何でもありませんよ」と遮られた
何でも無い訳が無かろう...
疑問に思いながら拙者は乗られて進んで行った
その事実に約、2時間くらいといった体感だ
目の前に大きな建物が見えてきた
この遠くから見たところ、シッカリとした質の四つの角のある様な感じの建物の様だ
拙者はその瞬間、少し身震いがした、やうな気がした
明智「大斗様。あちらに見えます建物が、大斗様の向かわれる場所で御座います。とても素敵な場所なので、お気に召されると思いますよ。フフ」
明智は気色の宜しく無い笑みを浮かべた、あそこに何があるというのであろうか?不吉な予感しか無い
ともあれ、行ってみる他選択が在らぬ、何かおかしなやうだったら直ぐにこの建物を出る
そう心に固く決意をした
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