何かの集約
フーーーーーーッ!!
「猫か。可愛いな。」
僕は柳 庄司。とある警備会社で働いている社員だ。特に何も変わっていない、普通の。そんな僕は、これからとある所へ行く。
それは、地元でも有名な博物館。手元ではなく、この目で見てみたいんだ。
生の展示物。
どんなのがあるだろうか?考えるだけで心が躍る。アレクサンドロスみたいなのやウォルターみたいなのもあるだろうか?
楽しみだ。
そろそろ着く頃だ。
そうして僕は外から乗り込んできた野良猫を降ろして乗り物を降り、その美術館へ足を運んだ。
......あぁ、美術館の良い香りだ。
これから僕はどうしよう
---------------------------
僕は今井 真斗。職業はフリーのピアニスト。
最近、音楽もスランプというか、疲れが出てきたから近場にめっちゃ良い酒場が出来たらしいんだけど、そこ行きたいなあ。
よっしゃ行くか。何かいい事あるといいなー。
早速家を出て、向かう。
こう、天気の良い日はこれでまったり行くに限るな。あー気持ちいい....。
..................
見えてきたぞ。あれか?
おー!すげーでっかいじゃーん。
ちょっとこれは撮っとくか。かっこいいし。
よし、建物の前に来たし、入るか。
--------------------
私は佐原 麗乃。女性プロボクサー
この頃、肌のツヤが落ちていくら鍛えても筋肉が思う様につかなくて..... やるせなくなったのだけど、これから噂で聞いたとある学校へこれらの全てを解消する為に行くわ。
そこへ行けばこのどうしようも無く見える状態も、ぜーんぶ解決するに違いなし!
楽しみだわー。
支度もできたし。
いっちょ乗り物動かしますか!
えーっと、あ、少し遠いわねー。
けど道は割と単純な方ね。これなら割と早く直ぐに着くわね。
あー楽しみ!私の悩みを全て解決になるなんて一体、どんな学校?!
その学校の先生に使っている美容品もお見せしなければね!
あ!もう直ぐ着くみたい?!
あー楽しみ!
よし、この美容品達を持って。
あら。かなり綺麗な建物なのね。楽しみー。
----------------------
オレは生田 智和。何もやらずに生きているが生きるのは楽しい。
何もせずに生きているのが楽しいんだけど、この頃は何だか平凡が過ぎる様な気がしたんだ。
だからオレは考えた。
めくるめく
巷のあらゆる所で噂を聞き回り
とある噂を耳にした。
「〜に〜〜っていう、〜〜な感じのところがあるんだよ!」って。
それは、オレにとって絶好の好都合に聞こえる場所に見えた。
これは行かなきゃな!
だから今からそこへ行ってくるぜ。帰ってきたオレ様はパワーアップして大成功かもな!
そういう訳だから、ちょっと走って行く。滑走路の上だけどここに乗って走っていくわ。場所的には走っていけばまあそれなりの時間で着くだろ。
いやー楽しみだなー!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あ!着いた!ここかあー!
何かかしこまった所だなー。さあて、入るぞ!
---------------------
拙者は瀬川 大斗。TAXIの運転手をしておる。
最近、悩みが起きた。この頃、楽しいと感じてた趣味が全く楽しく無くなってしまったのだ。
パズルなのだがな。
ピースを嵌めて徐々に出来上がっていくあの快感がな、感じられなくなってしまったのだ。
これは深刻な事なのだ。
拙者は子供の頃から
今に至るまでずっとその快感を味わいながら生きてきた。それがもう味わえない。困ったものだ。
そういう困り果てた時に拙者に現れた希望。
それが、電子情報で拙者の目に現れたこれだ。
これなら拙者はまた再び、自分の趣味をみつけられるかもしれぬ。
そうとなればまた生きる希望を求め、出発だ。
そして今は希望を胸に抱き、忍者の如く滑走路を走っている。もう直ぐ着く頃だ。
〜〜〜〜着いたぞ。
ここか
ふむ。なかなかに良く整頓された場所の様だ。
良かろう。行ってやろう。
ここで拙者は、生きる聖人になれる!!
------------------------
「良いのですかな?スバル君。」
スバル「あぁ。良いぞ。これで主要人物は集まった様だぜ。」
「という事は?これから始めるのかな?」
スバル「そうだ。これから彼らを支配する。」
「そうなのだね。彼らを標的にしたのは彼らが絶好の要素だからだね?」
スバル「そうだぜ。彼らはこちらにとって相当好都合の要素を持っている。」
「これからどう利用をして絞ってやろうかねえ。」
スバル「そうだな。まずは彼らの性質を抽出する。なるべくな。」
「なるほど。それでは行こうじゃないか?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
小倉「皆さん、この度は我がプロジェクト施設へようこそいらっしゃいました。大変感謝の念を述べます」
小倉「こちらでは、皆様方の性質を育成させる為にお悩みを解消させるその有りと凡ゆる品物までご用意をさせて頂いております。」
小倉「学習して頂くメニューはこちらです。」
小倉「皆様のお悩みに合った物とそのトレーニング法をご用意致しました。こちらの学習をして頂ければ望むご自分を」
小倉「手に入れられる筈です。なので是非、課されたトレーニングメニューを全てお熟し下さいませ!皆様のご成功をお祈りしております!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
智和「おー!品物や学習内容は確かに俺の望んでいた事じゃーん。」
智和「これなら未来が明るいわ。へへ。やってみせるわ。」
庄司「このトレーニングメニューねぇ。なるほど。確かに弱点を抑えた能力値向上が期待出来そうだ。」
麗乃「良いねえ。やってやろうじゃん。ふふ。」
その施設の約250人は皆、同じ思いを馳せていた。
(そうだ。自分達はやってみせる。絶対に成功してみせる。)
(全て品物は揃っている。完璧だ。)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「良い感じに動かされておりますな。皆。」
スバル「あぁ。手駒が直ぐに手に入りそうだ。」
「上手くいくと良いですね。」
スバル「フン。まー すーぐに成るだろうさ。」
小倉「失礼します。」
スバル「小倉、お疲れ様だ。」
小倉「有難う御座いますスバルさん、明智さん。」
明智「作戦は成功ですぞ。」
スバル「あぁ。この後が楽しみだな。この調子で人材を抽出していくぞ。クク」
室内に三人の笑い声が静かに響き渡った
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
真斗「んー!美味いなー!」
「お気に召しましたね?」
真斗「ああ。ちょー美味いわこれ。美味い酒があるってあったけどやっぱ本当に美味え!」
「この後はリラクゼーションマッサージもありますぞ。」
真斗「うん。良いなあ なんつーか、この後に俺に課されているトレーニングって、一曲ピアノ弾いたら褒められまくるのを聞く事だろ?お安過ぎる御用だ」
「そのとうりですよ。ピアノを是非一曲お弾きになられて、その褒め言葉をお聞き下さい。」
真斗「んー。まさかその曲が難しいモノか」
「いいえ。普通に弾けるモノで御座いますよ。」
真斗「あ、じゃあ楽勝だわ。ふむふむ。」
「是非、その綺麗な曲をお弾かれ下さいませ。」
真斗「この酒が終わったらな。」
真斗はありったけの酒を飲み、食べた。そして暫く休んだ。
真斗「ようし。行くわ。ピアノを弾かせてくれ。」
「では、こちらです。クク....」
? 今この人
「こちらです。」
真斗「お!新品のピアノやん。」
「真斗様の為にございます。」
真斗「っし。それじゃ一曲弾くぞ。」
.............................
.....................
...........
.....?
「有難うございます、真斗様!素敵な一曲でした。」
真斗「え....」
俺、今何かしたか?
ピアノを弾いたか...?
「では、お褒めのご感想を言いますので、お聞き下さいね!」
####################
..........?
何て言われたんだ?俺.........
てか、何だか急に眠く.....
...........ん........
真斗「んっ......」
「おはよう御座います。真斗様。」
真斗「あ!昨日俺さ、ピアノ弾いた後に寝たんだよな」
「そのとうりですね。スランプの後に弾く久しぶりのピアノでした。相当お疲れになられたのでしょう。」
真斗「なるほどなー。」
「ではですね」
「本日のレッスン内容をお伝えします。昨日にしそびれたリラクゼーションマッサージの後に、またお酒を飲んで頂きます。真斗様に課されたレッスンはそれらで全て終了となります。」
真斗「.....ふーんいいじゃん.....って、そんなんでいいのかい?レッスンって。何か変だな。もっとこう、厳しい...」
真斗「厳しい感じかと思ってたわ。」
「それが明確に真斗様に課せられた訓練であり、それらを修了すると真斗様は確実にスランプを脱され、ピアノの能力値が格段と上がっております。」
真斗「ふーん。そうなのかあ。」
「それでは、この後にリラクゼーションへ参りましょう。」
真斗「参ります。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここでごゆっくりお休まれ下さいませ。
真斗「はーい」
にしても、これでスランプ脱出して能力値上がるとかマジかよ?そこが気になるがまあこれはいいな....。まあ、上がっていなかったら文句言ってやろっと。
真斗は室内の本を読んだりゲームをしたり運動したり
好きなだけゆっくりした。
「真斗様、お酒のお時間です。」
真斗「はーい!」
次にお酒を飲んだ後にレッスン終了で、ここの施設を出るのか....。
「今回のバーはバーテンダーさんがカクテルを作って下さいますのできっと美味に御座いますよ。」
真斗「ほーう。」
そういえば今日のバーテンダー
昨日と違って何か....
かっこいい感じだな....
顔はマスクしてるから分からねえけどかっこいい感じだ。
「今宵もお疲れ様でした。真斗様。今宵は何をお作りしましょうか?」
うぉ、声も美声やーん...。
真斗「あ、何か適当に下さい。」
「了解致しました。では、私めがオリジナルで作らせて頂きます。」
ほえー、ガタイも良いし、ちょうかっこいいなあ....。
.......
「出来上がりました。どうぞお召し上がり下さいませ。」
......うお、綺麗な色のカクテルだな....
真斗「頂きます。」
そうして俺はぐっと飲み込む。
ちょー美味いじゃん。
これは罪な美味さだわ.............あ?
え
なんか、急に、意識が........
真斗はそのまま床に倒れた
「.....お客様、如何なされましたか」
「スバル様、その者は既に意識を失っております。」
「そうか。コイツは成功したな。」
「はい。致しました。それにしても、スバル様のバーテンダーの服装、とても美しいですな。」
「未成年がした格好とは思えない。そもそも、未成年がバーテンダーをする.....ですか。フフ。」
「俺様だからな。」
----------------------------
大斗「うんっしょ!うんっしょ!」
大斗「新しい趣味を発見するのにこんな辛い思いをしなければならぬのか」
大斗「腕立て、250かあーい!」
「終了です!お疲れ様です大斗さん!本日はこの後に健康食を食されて終了となっております。」
大斗「のう、この腕立ての回数は最大何回まで増えるのだ?!持たんぞ。」
「いいえ。お辛かった腕立て伏せは本日で終了となります。明日の読書と散歩と健康食で全ての大斗様に課せられたレッスンは」
「終了となります。」
大斗「そうか?腕立ては終わるのだな?しかし拙者はまだ、何も生き甲斐を見つけてはおらぬのだが.....?」
「いいえ。本日の残りと明日のレッスンを修了されますと大斗様の生き甲斐は確実に見つかりますのでご安心下さいませ。」
大斗「ふむ?そうなのか?」
大斗「一応信じてしんぜよう。」
「はい。是非、ご期待下さいませ。では、健康食をお持ち致しますので少々お待ち下さいね。」
大斗「うぬ....。」
パズルが....久しぶりに....やりたくもならぬな。やはり別の楽しみを見つける他在らぬのよな。
「大斗様、お持ち致しました。ご健康の事を考えた」
「健康食となっております。栄養たっぷりのお米や焼き魚、鮮やかな色の野菜や果物などを山程詰め込んだ贅沢なお食事ですぞ。」
大斗「ふむ!美味そうだな。では頂く。」
む。旨い。これは旨いぞ。食材の味がしっかり出ていて良い味であり、味付けの塩胡椒も程よく効いておる。
........む?
これは何だ?固くて噛めぬモノが....
「あぁ、それは多分食材の根ですね。食されても何も問題は御座いません。栄養が豊富なものですので、是非、そのままお召され下さい。」
そうか。問題の在らぬものなのか。ふむ。では頂こう。
....ふむ。美味かったぞ。
大斗「恩にきる。美味かったぞ今日も。」
「お言葉がお恥ずかしいです。」
む?..........何だ.....?急に...目眩が.....あ....うむ。うむ。治ったようだ。
「大斗様?如何なされましたか?」
大斗「う、うむ。何でも無いのだ。」
「そうですか。何かお加減が一瞬、宜しくなかったように見えましたので。」
大斗「気にするな。」
大斗「今日はこれで終わりだな?」
「はい。本日もお疲れ様でした。」
大斗「ほっ....」
「では、ごゆっくりお休まれ下さいませ。お休みなさい。」
大斗「あぁ。お休み。」
腕立ては今日で終わり...。そして明日は何も過酷でない訓練だった様だ。それで拙者の生きがいが見つかると....?
少し考えればおかしな事だ。何も拙者の心の真髄に触れぬまま訓練が終わるなぞ、何も掴めておらぬのに。まあ、明日はきっと散歩と言っても変わった散歩なのかもしれぬし、読書こそに何か仕組まれていたりするのやもしれぬしな。
まあ、今日は疲れたのでこのままやす.........
む?
隣の部屋から声が
ふむ。拙者をトレーニングしたあの者が通話をしている様だ。
少し耳を充ててみるか。
「はい。瀬川 大斗は寝ました。どうぞご期待を下さいませ!きっと作戦はスバル様の思うとうりになりましょう。」
.........何だ?この会話は....?
---------------------------
「大斗様。朝で御座います。」
大斗「うむ。起きるぞ。」
拙者は朝の一通りの事を終え、身支度をし、懐に仕込んで置いた刃物をトレーナーの首に充てた。
「.............」
大斗「どうじゃ。人を騙して自分が首を刈られた気分は。」
「.......大斗様、これからレッスンがありますよ。」
大斗「何を言うか、人を騙して置いて。」
「そうですか....。しかし、身が足りませんでした。」
大斗「何?」
すると部屋のトビラが開かれた。そこから他のトレーナーが助けに来た様だ。
「貴方はとんでもない犯罪を犯して仕舞いました。今からこの施設の主さんであるスバル様の元へお送りさせて頂きます。」
スバル....?スバルって
昨日聞こえたあの「スバル様」か?何者なのだ。この様な危険な施設を設けたその者は、一体何者なのだ
「では、失礼します。」
大斗「え?」
そう言って拙者のトレーナーは懐から何かを取り出し、拙者の鼻に充てられた
------------------------------
........はっ!ここは....?
む?
話し声が聞こえる。
耳を充ててみる。
「良いぞ。今、殆が良い感じでいいわ。」
小倉「そうですね。スバル様。この調子で行けば、我々は成功しますね!」
「ああ。勝ちが目に見えてきたな。これで俺は.....フフ。」
何だ....?何を、話しておる....?殆どが良い感じ、とは....?
小倉「みんなさん、この調子で頑張って、ね。」
させぬ。拙者は知っておるのだ。貴様ら、この施設で人の精神を失わせて何かをしようとしておる。そうはさせぬぞ。
大斗はそろりそろり、ゆっくりと彼ら二人に向かって近づいていった
ゆっくり、ゆっくり
ゆっくり ゆっくり
「小倉。ちょっと直ぐに部屋から出ろ。」
小倉「ははっ。」
む?小倉が、部屋を出て行った?
「何だ」
む?何だ?
「瀬川 大斗。おはよう。多分、今俺を殴りかかろうとしてるだろ。」
.....!バレた....?
「バレてるぜ。何もしねえからちょっとこっち出てこい。」
む。
拙者は恐る恐るその者の前へ出た
「初めまして。私はスバル。この施設の長だ。」
大斗「........あぁ。初めまして。唐突だが聞きたい事がある。」
「いいぜ。何だ?」
大斗「貴方方は..... この施設で何をしておるのだ?何故、人の心を失わせる。自分を高める為のレッスンと称して、その実態は、何なのだ」
「ああ。この施設はな、貴方の考えているとうりに人の精神の一番の軸となる部分を麻痺させて、彼らを俺様の奴隷にするのが目的だ。」
やはりか。
大斗「人であれば誰でも良かったのか?」
「そうじゃないぜ。選んだ人材は全員で250人。みんなそれぞれ個性的な才能を持った人材だよ。勿論、貴方も含めてな。」
大斗「ふむ....。では、貴方はここでこれからもこうして人の心の在り方を麻痺させていくつもりかの?」
「そうだよ。最終的には、全員の心の在り方に俺様を慕う様に改変させるつもりだぞ。」
大斗「むむ....。そのやうな事をしても、その者はその者の心で在り、命なのだぞ。その様な筋を変える事など出来ぬぞ。」
「さてそれはどうかな?」
......やけに余裕を持った表情だ。
そう言えば、この者は見るからに....
美しい。
しかも世の殆どの者が敵わぬ程の顔立ちの在り方だ。
施設長にしてはかなり若い様に見えるが
大斗「のう、貴方のご年齢を伺いたい。」
「..............15だが。」
大斗「......は?」
15?!
何を言っ
小倉やトレーナー達は皆
40を超えている感じだったではないか
「そういう反応されそうだったからあまり言いたく無かったんだよ」
そしたら相当長身ではないか、かなり身が上に出ているから成人をしているかと思えばまさかの子供
「いいだろ別に。子供だって自分にとって有利な施設を建てたいと思ったら建てたくなるものなんだぜ。」
大斗「う、うむ。それはそういう欲はあるだろうがの」
子供が施設を建てられる権利が社会に在るものなのか 子供が施設長?まるで、一桁の数字の年齢で国王となった仟夛朗様のやう....とまではなくともとんでもない経歴じゃの、うむぅ。此奴、只者ではあるまい
「それで、俺からは全てを話したつもりだが」
大斗「う、うむ。スバルよ、貴方は人の魂を扱おうとする事を何も悪いという認識が在らぬ様だ」
「何も悪く無いさ。俺は完璧だ。俺は頭が良くて天才だからこういう所を作れるんじゃないか。」
大斗「うむ。これは確かに。子供が施設を作るなど、並大抵の子供には出来ぬ」
「だろ?だから俺は何も間違ってはいないよ。安心して貴方も自分のレッスンに戻ってくれ。」
大斗「確かにその能力は認める。が」
拙者は知っておる。ここの者達は、人の精神を狂わせ自分に従わせようとしておるのだ。そうはさせぬ。
大斗「この様な無様なことが続くと思うでないぞ?」
「何もぶざまでも無いさ。俺は世の中の馬鹿共を訂正してやってるだけさ。折角、才能があっても頭の悪さでそれを無駄にしてしまうのは勿体無いからな。」
大斗「む。頭の悪さ、か。拙者は何かを無駄にしているか?」
「してる。」
「その喋り方はとある方面では良く出る場合もあるが日常社会ではおかしな人だと思われたりするの分かってるか?」
む?拙者の喋り方が?特におかしな所は
この古風な喋り方の事であろうか、これは礼儀というものなのだ。日本に生まれたからには言葉遣いの礼儀という事も払ってこそ美徳じゃ。
大斗「貴方がおかしいと感じるのは拙者のこの、喋り方か?」
「そうだよ。拙者って自称をするのも1000年は少なくとも前だぜ。礼儀に気を付けている心意気は感じるがな、やり方が間違っているぜ。」
大斗「むう」
ぐぅの音もでまい。スバルはどうやら舐められぬ、本当に頭の良い天才者の様だ。しかし、人の心を狂わせるのが果たして悪くない事であるとなろうか?拙者はそこが腑に落ちぬが、この子は正直何でも理解をしている気がする。そして、段々眠く....
..............
「お休み。ちょっと眠ってくれ。」
--------------------------
智和「イグワナイグワナイグワナ!!」
「はい、もう一度早口で3回。」
智和「イグワナイグな あー!きっつー。こんな早口の練習で自分のやりたいことが見つかる訳ねーだろがよ」
「見つかりますよ。智和様に課せられたレッスンを全て修了なされば絶対に、ね。」
智和「いやいや、こんなのって単なる気疲れさせるだけでしょ。」
「いいえ。しっかりと身のこなしが智和様にとって合ったレッスンの内容になでておりますよ。本日はこれから料理でカレーを作りましょう。その後にお風呂に入られまして本日のレッスンは終了となっております。」
智和「ほぇーー。なーんか意味わかんねーけどそれでマジで俺ハイになれるわけ?」
「左様でございますよ。智和様。」
智和「んー。なんか意味分かんねーけど、それで俺がパワーアップして成功できるってんなら、やるわ。」
「はい。是非、ご期待をされていて下さいね。クキ!」
智和「へっ?ん、何だってんだよもー。ちゃんとオレをハイにアップさせてくれよな?」
「どうぞご期待に。」
その後、智和はトレーナーと共にカレーを作り、食べ、風呂に入り、就寝をした。
「.....スバル様。この者は容易い。直ぐに成功をします。」
そう言い、トレーナーは袋を懐から出し、その中に何かを入れ、別の何かも入れ、混ぜた。それを寝ている智和の鼻と口に当てた
「こちらは任務完了です、スバル様。クク.....」
そう言ってトレーナーは先程のモノを仕舞い、とある場所へ向かった。施設の中で一番目立つ、豪華な飾りが入った綺麗な部屋。
「スバル様。入ります。」
そう言ってトレーナーは中に入った。部屋の主は寝ていた。
「スバル様、こちらは全てを終えました。ですので私は葬られた者達の対処へ行きたいと思うのですが.....」
しかしその部屋の主は寝ていた為に何も聞こえていなく、答えなかった。
「左様ですか。では」
そう言ってトレーナーは懐から刃物を取り出し、部屋の主の首元へそっとあてた。
「スバル様、私は貴方が気になる」
「何故、そんなに美しい。賢い。出来る。優しい。高尚だ。私は貴方の様な方が気になっておりました。私もそういう要素が一つでも欲しかった。だからこそ、その身を開けて、解剖をしたいのです。いいえ、決してスバル様が嫌いでは無いのです。寧ろとても大好きです。」
そう言ってトレーナーは刃物を上下に動かしかけた
するとトレーナーの手首に部屋の主の手が強く掴み付いた
そして
「スバル様?え?」
「よう。こんばんは。お前は雇ったトレーナー達の中でも何か雰囲気がヤバそうだったから見計らってたんだわ。案の定、こういうことするんでないかと予測はしていたよ。」
「寝てないよ。寝たフリだ。」
「スバル様」
すると主の身体から何かが出てきた。主の腹辺りから何かが出てきたのだ。それは生き物だった。見た事のない生き物だ。真っ黒で、8本足や手が有り、奇怪な声を発しながらもそもそ動く。トレーナーは恐ろしくて身動きが取れない。
「さて。」
「お前は俺を殺そうとした罰だ。あの世へ行くんだな。」
「ひぃ!!」
トレーナーは部屋から全速力で逃げ出した。部屋を出て、長く伸びた廊下は逃げ切れる気がしなかったので走ったところの近くにある窓から抜けた。2階だったので着地をした時少し痛かったが逃げ切れるならどうという事もない。
施設の建物を出て、庭を抜ける為に柵を登ろうとしたが、柵に手を付けた瞬間電撃が走り気を失いそうになった。どうする、逃場は無いのか?スバル様とあの化け物が追いかけて殺される恐怖に体が震える。涙も出せない程恐怖に怯える。
その時だった。
トレーナーが居た柵が急に少し開かれた
?!どういう事だ
しかし疑問に思っている場合では無い。ここから抜け出さなければ。そうしてその開いた隙間から全速力で柵を抜け、外に出た。
その関東の街の賑やかな雰囲気と自分の1mの周囲に人がいてホッとする。後ろにはただの逃げてきた道だ。スバル様は追っていない。私は逃れられたのだ。
嬉しくて涙が出る。私は、帰ろうと思った。
すると街の人間が皆、目を赤や金色に光らせてこちらを見、人も景色も全て灰色になり、止まった。
すると街の人間が皆同時に口を開いた。
「今回はいいよ。逃がしてやる。だが次はその命は無いと思え」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます