受賞式
環は気になっていた。立花幹雄の残したUSBメモリーの内容が。警察に委ねて置けばいいと環は判断した。立花幹雄との関係は、ファンと女優の関係だ。なにもやましいことはない。環の元に郵便物が届いた。差出人は花川幸恵と言う女性だった。花川幸恵は、本名であり小説家の狭山渚と言うペンネームで活動している。花川幸恵とは趣味が合い、また公私とも面識のある人物だった。郵便物は花川幸恵が書いた小説が入っていた。「環さん。また会いましょうね!」
環は花川幸恵の自宅に電話をした。留守番電話にまた会いましょうとメッセージをいれた。花川幸恵は、その日受賞式だった。花川幸恵は、選考員を努めており受賞式に立っていた。花川幸恵は、少々照れながら立っていた。同じ作家業を目指して頑張り受賞という大きな節目を迎えることが嬉しく感じた。花川幸恵は受賞式が終わると出版社の編集長である五十嵐英二と話をした。「先生。またウチの方で連絡します。」
「いつも美味しいものを送ってくれてすみません。ありがとうございます」
「いいえ、親父も喜んでいます。また海の幸を送りますね」
五十嵐は花川にそう言うと二人はその場を去って行った。花川は、自宅に戻ると固定電話に目をやった。花川は留守番電話のメッセージを聞くと環に無性に会いたくなった。
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