受賞式
環は花川幸恵のことを知ったのはデビュー作映画化された時の事だった。環は売れっ子女優だった。売れっ子女優ならではの悩みは全くないわけがない。年頃の女で結婚願望がある環は花川幸恵みたいな女性を目指していた。花川幸恵は何でもできる。
「私にだってできないことはないわ。私だってやればできるわ」
環は花川幸恵に憧れていた。環の話を聞いていると落ち着いて何でも話すことができる。花川幸恵は、環のことを実の妹のように可愛いがっていた。環は花川幸恵のことを実の姉のように慕っていた。環は、じつのちち親のことを知らない。環は母の顔を見て、環の話をあまりしなかった。環は何故母親の話をしなかったのか。それは母親があまりにも自分と比べると出来た人だった。環の母郁子は、一人娘の環に全ての愛情を注いでいた。環の好きな事だけに打ち込んでいく様子を見て郁子は喜んでいた。環は滋賀県草津市出身だ。東京都渋谷区で母と一緒いるところをスカウトされた。女優への憧れもあり、母は環のことを心配しながら女優への道に勧めた。最初は、環はホームシックになっていた。郁子はいつもこう話していた。
「頑張らなけばいけないよ。あんたのファンでもあるからね。私は」
そう郁子は環に話すと、本当にありがとうというと環を郁子が抱きしめた。
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