女優の安藤環は出会いに飢えていた。周りは皆結婚をしていく。環も年頃の女性だ。環の元にファンからプレゼントが郵便物で送られてきた。環は心をときめかせ郵便物を開けた。中身はエルメスの香水だった。エルメスの香水は環の一番のお気に入りである。環はエルメスの香水を送ってきた差出人の名前を見た。差出人の欄には立花幹雄と書かれていた。「立花幹雄さん?」環はお礼を言いたいとマネージャーである足立未来に話した。環は、「これはあくまでもリップサービスよ。いつも送ってくれるじゃない。だからいいでしょ!」環は足立に無理を言った。「環さん、本当に礼を言うだけですよ。次の現場に向かわなければいけませんから」

環は自分の携帯電話を使って立花幹雄に電話をした。だが、立花幹雄は電話に出なかった。環はUSBメモリーと一枚の便箋が一緒に入っていたことに気がついた。便箋にはこう書いてあった。「USBメモリーを預かってください。内容は見ないでください。貴方に迷惑をかけたくない!」

環は立花幹雄に何があっだのではないのかと思った。「警察には知らせない方法。そうだわ」

環はUSBメモリーを警視庁宛に郵便物として。立花幹雄の便箋を入れて。事務所近くの郵便局で切手を買いそのまま送った。

「どうかお願いします」

環はそう祈ると次の現場に向かうために足立の運転する車に乗り込んだ。

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