中島は自宅の窓越しに立ちなかから外を見ていた。丁度星が出ていた。中島はしばらく目を閉じてその場を動かなかった。目を開けるとカーテンを閉めた。中島の動きに対して犯人は何らかの動きをするだろうと公安部は仮定した。犯人らしき人物の接触はない。またハムスターの死骸も送ってこない。犯人の目的は中島監察官だ。沼田は、苛立ちを見せていた。犯人の動きが読めない。犯人は殺害対象者に向かってくるはず。今までの犯人は事件を起こしていた。だか、山村と堤は、何を狙っているのだろうか。丁度、中島監察官はテレビを見ていた。突然、臨時ニュースが入って来た。八王子市内で火災が起きたと言うニュースだった。火がけたたましく燃えていた。偶然にもテレビ局のカメラが捉えていた。消火作業をしようと近隣住民は来ていた。火は無事に鎮火した。近隣住民は安堵の表情を見せていた。死者は出ていない。ただ、八王子市内の住宅二棟が巻き込まれた。中島はしばらくの間テレビに夢中だった。死者が出ないか心配していた。中島の不安は当たらなかった。八王子市内では死者がゼロと言って今の時代にはない希望のニュースだった。

「これからの時代に相応しい未来にしないといけませんね」

リポーターは、そう最後の言葉を投げ掛けた。中島は久しぶりに目頭が熱くなっていた。沼田は中島が泣いている姿を見て沼田も泣いていた。

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