「どうして警察上層部がとめたのか」

内通者が他にいるとしか考えられない。警察上層部に捜査の手がいかないようにしたとしか考えられない。身内に甘い。まさしくその通りだ。日本の警察の優秀さは明らかなことである。一方、組織中では歪みがあるのは確かだ。警察官の汚職が近年増加している。柳田の死が影響しているのだろうか。柳田の後釜を狙っているとされる堤と言う男の存在が明らかになった。堤の顔はわからない。堤の一声で抗争も簡単に出来る。何としても堤の身柄を押さえておきたい。ただ、グループ化しているのだろうか。少ない人数でテロ事件を企てることも可能だ。堤のグループの詳細は判明していない。堤と山村が居る限り、警察は常に目を光らせていなければいけない。また堤に関心は様々な噂がある。噂の真意は不明だが、警察を撹乱させようと言う思惑があるのだろう。流石に今の時代は情報が入り乱れている。おそらく情報操作をしているのだろう。寺谷は近藤のことで再び呼ばれた。

呼び出したのは警視庁公安部山田だった。

「実はこんなものが届いた。ハムスターの死骸が入った郵便物だ。しかも送られた先が中島監察官宛だ。これは何を意味しているのか。分かるか?中島監察官が狙われている可能性が高い。そこでだ。君と警視庁公安部の高橋刑事で何としても防いで欲しい。極秘任務だ。この言葉は中島監察官の言葉だと思って聞いて欲しい。柳田と接触した際誰からも見られてなかったのだろう。君の顔からは警察官と言うイメージが湧きにくいからだ。悪かった。今の言葉は忘れてくれ」

山田は、顔が引き攣っていた。中島監察官が狙われているのだからそれは無理な話だ。山田は、普段はあまり険しい顔をしない。ことの重大性を寺谷は理解した。

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