第13話妹の気持ち

優斗は、正樹の部屋でゲームをしていた。


「おい!優斗、鈴華ちゃん悩み事でもあるんじゃないか?」


「お前が何で知ってるんだよ?」


「裕子が、鈴華ちゃんが元気がないって言ってたからだよ。」


優斗は、コントローラーから手を離してため息をついた。


「俺も薄々は、気がついてたけど本人が大丈夫って言うから何も出来ないだろう。」


「それを聞き出してあげるのがアニキだろ?」


珍しく正樹は強く言ってくる。


「分かったよ!聞くよ。」


優斗は、そう言ってまたゲームを始めた。


家に帰ると優斗は鈴華に


「何か悩み事あるんだろ?」


と聞いた。


鈴華は、泣きながら今までの事を優斗に話した。


「そうか。」


と優斗は、呟いた。


「その、小さな女の子は田所進次郎が好きなんだよな。」


「たぶん‥。」


鈴華は、憔悴しきってる。


「鈴華。残酷かもしれないけれど忘れろ。」


「え?」


「鈴華は、何も悪い事はしてない。」


「でも‥。」


優斗は、鈴華の潤んだ瞳を見てもう一度


「忘れろ。」


と言った。


「分かりました。お兄様の言う通りにします。」


鈴華は、優斗の言葉でホッとした。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る