第11話遠くで
鈴華は、優斗に言われた通りに進次郎を遠くから見ていた。
「あの、柏木鈴華さんですか?」
グランドの端に立っていた鈴華に声をかけてきたのは背の小さい女の子だった。
「はい。そうですけど。」
「田所進次郎を見てました?」
「はい。」
内心、鈴華は慌てた。
小さな女の子は、微笑んで
「消えろよ。」
と言ってきた。
「田所進次郎は、わたしの物なんだよ!」
鈴華は、パニックになって走って逃げた。
校門で、優斗とれいなにぶつかってしまった。
「鈴華、どうした?」
泣きっ面に蜂とはこういう事だと鈴華は思った。
倒れた鈴華をれいなが起こした。
「初めまして、優斗の彼女してる田中れいなです。」
「ありがとうございます。ぶつかってしまってすみませんでした。」
鈴華は、急いでその場から離れた。
「鈴華!」
優斗の声がしたが鈴華は逃げた。
可愛くて優しい人だったな‥れいなさん。
少し落ち着いて鈴華はそんな事を考えていた。
お兄様にお似合いだな‥。
家に帰って鈴華は家の掃除をして夕飯を作り始めた。
あの小さな女の子は田所進次郎が好きなんだなと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます