第9話野球

「正樹さぁ~。」


「何だ?」


いつものように優斗は正樹の家で野球ゲームをしている。


「彼女出来た。」


「ふーん。おめでとう。」


「田中れいなって言うんだけどさ。」


優斗は、ゲームのコントローラーを投げ出して勉強している正樹を見た。


「毎日、弁当作って持って来てくれるんだよね。」


「鈴華ちゃんの弁当は?」


「断った。」


「そっか‥。」


正樹は、少し興味ありげだった。


「でさ、今日、れいな呼んだからもうすぐここに来る。」


「じゃあ、裕子も呼んで良い?」


最近、行った遊園地で裕子が正樹に一目惚れをして付き合う事になった。


「良いよ~。」


正樹の部屋の窓を開けると、れいなと裕子が玄関に来ていた。


正樹の母ちゃんは、れいなと裕子を見てビックリしていた。


「2人ともお人形さんみたいね。」


れいなは、優斗の事を正樹に聞きたがっていた。


「中学生から友達なの?」


「幼稚園からずっと一緒。」


正樹は、れいなに言った。


「どんな感じだったの?正樹さんと優斗さんは?」


裕子が質問してきた。


「優斗は、金髪とピアスにはしてなかったよ。ゴリゴリの野球少年で俺とバッテリー組んでた。」


正樹が裕子を見て答えた。


「2人とも野球はもうしないの?」


れいなは、聞いてきた。


「うん。正樹は将来、東大の法学部を卒業して司法試験受けて悪徳弁護士になるんだとさ。」


「悪徳は、余計だ!優斗は、ノープランだろ?」


「うん。」


れいなと裕子は、深く頷いて女子トークを始めた。


その頃、鈴華は、学校で野球部のキャプテン田所進次郎に告白されていた。




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