第8話好きって何?

泣き明かした鈴華は朝早く裕子に電話した。


『裕子‥。』


『何その声?大丈夫?』


『お兄様に彼女が出来た。』


『良かったじゃん!何であんたが暗くなってるのよ?』


そうだ‥お兄様が幸せになるのに何でわたしが泣いて不安になってるんだろう?


『とにかく学校の屋上で集合ね。』


そう言うと裕子は電話を切ってしまった。


鈴華が学校の屋上に行くと裕子はまだ来てなかった。


金網に指を絡ませて朝日を見ていた。


ため息が出る。


「鈴華!」


裕子が来た。


鈴華は、泣いて裕子に抱きついた。


「よしよし、憧れのお兄さんに彼女が出来てショックなんだね。」


鈴華は、号泣している。


泣き止んで2人はしゃがんだ。


「何でこんなに胸が痛いの?」


鈴華は、裕子の涙をハンカチで優しく拭いて


「分かんないけど鈴華、お兄さんに少し恋心があったんじゃない?」


と答えた。


「恋心?お兄様だよ!ダメだよ、そんなの!」


鈴華は、自分自身に言い聞かせるように言った。


「矛盾してるけど鈴華なりにハートにブレーキをかけたんだね。偉い、偉い。」


鈴華は、また泣き始めた。




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