【蹂躪】

【蹂躪】


 赤青白、条と星。「フロンティア・スピリット」という言葉でこの世における全ての悪行罪悪を正当化する狂気の群衆が、神聖なる大地を【所有物】に貶めて、一方的に【権利】を主張し、奴らの言い方を借りれば本来の【所有者】である先住民を野生動物と同一とし、一切の権利が無いと【宣言】し、国を捨て国に追われた侵入者供の本国とお抱え武器商人の利益の為に自らの命をかけて銃と弾丸を無垢なる一族達の流れる血の重さと換えるべく迫害を始めた。


広大な岩壁が続く乾いたこの地を任された俺様【カーク大佐】の見事な【作戦】により、愚かな原住民どもを一つ所にまとめることができた。


この一見隠れるところなど無いような場所で神出鬼没に現れる弓と手斧の波状攻撃に正直なところ困り果てていたのだ。

この前の沼地での屈辱的な撤退の後、試しに和平を持ちかけてみたところ、まんまと応じて来た。

こちらとしては補給部隊が着くまでの時間稼ぎのつもりだったのだが、弾切れの銃を投げ捨て、手のひらを見せて、奴等のいう【精霊】に誓ったら、あっさりと休戦に応じてきた。


こちらの死傷者は10人程。そのかわり奴等の女子供年寄り構わずその三倍は始末してやったというのに、野蛮人供は情も薄いらしい。何が【精霊】だ、【聖霊】としての我らの【神】は我らの【愛】とそして【金】と共にある。

「兵士と弾薬の補給が終わり次第、殲滅してやろう。」

それから6日。仮初めの和平締結の前日に何とか補給部隊が到着した。

総勢120名。そのうち半数以上が海賊の血を引く根っからの略奪者の末裔だった。

銃を持たない奴らとの戦力差は数十倍はあろうというものだ。

日暮れと同時に奴等の巣に気が済むまで鉛玉を喰らわせてやる。羽根なんぞ被ってる暇など与えない。皆殺しだ、皆殺しだ、皆殺しだ!トゥルーホワイトメンに幸あれ!!!


DANG!!!



終わってみれば呆気ない。これまでの戦闘で、あまりの神出鬼没さに戦士が100人はいるものかと思っていたが、散らばった死体を並べてみれば、老人女子供入れても50そこいらだった。隠れている奴も少しはいるだろうが、ここで待っていれば、じきに突っ込んで来て死人の群れに加わることだろう。

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