【覚悟】

【覚悟】


そのころ【聖なる館】では 新米【龍人】3人に長老がこの場所にはあまり似つかわしくない英国式のティーセットでハーブティーと雑穀のクッキーを勧めながら話をしていた。

「よく来た。マリー、ハマ、ポーラ」

少し前に先の2人に送れること半日でポーラがやって来た。

「ヤッホー!はじめまして!キミちゃんに言われてやって来ました!ポーラだよ❤️」

「えっ!?ポーラ!?うそ!?」

「あれー!?マリーちゃん!?もしかしてこれ撮影?」

「ドッキリじゃないの!?」

「あら、お二人はお知り合いなのね。でもTVなんかではないわよ。ほら」

見上げたハマの上を『羽の生えた白猫』と『羽の生えた黒豆柴』が『羽の生えた金ライオン』にパタパタパタパタパタパタパタパタとそれぞれおでこをチョンとくっつけて龍の挨拶を交わしていた。

「早速で悪いが、話を聞いてもらいたいんじゃが、そう時間もないのでな。」

長老が合図すると奥の調理場から美人モデル2人に舞い上がって少し変な風に首を傾げたままの弟子のアーロックがお茶の用意を始めた。

「これから【陰陽の大龍】が揃うが、彼らがその気になればお前たち、生まれたばかりの小さな【龍】はひとたまりもなくのまれてしまう。のまれないために【合一】すなわち【龍】を自分の身の内に入れたまま体を思い通りに動かせるようにしていられるようにならなければならない。」

「えーすごーい!そんなこと考えたこともなかった!マルコと合体できるんだ!」

「ポーラってば、合体ってロボットじゃないんだから」

「マリーさん、ロボットというよりウルトラマンに近い感じかしら。お二人はまだみたいだけど、私は【合一】済んでますから申し上げますけど、こう内から力が湧いてくる感じ。」

「えー!すごーいっ!ハマちゃん変身したことあるんだ!?」

「グッと力が入って、大きな男の2人組から簡単に逃げられたのよ、あなたのサイン会の時。」

「アッ!あの時のおばあちゃんっ!?ハマちゃんだったの!?」

「なぁに、ポーラさん今まで気が付いてなかったの?」

「ゴメーン!さっき初めましてって言っちゃった!」

「いいのよ、あのときは私が一方的に声を掛けただけだから」

「さすがはポーラだわ。それで長老さん、何をすればいいの?」

幾分あきれ顔でマリーがそう聞くと、長老は再び口を開いた

「【見人】と【龍】は【合龍】して【対合】となり、【対合】は【合一】して【龍人】となる。【龍人】となりし者は秘められし身体能力を発揮することができる肉体となり、年を取ることはなくなる。」

クッキーのかけらを口の端からこぼれさせながらポーラが聞いた

「 Wao!それじゃあずっとこのままでいられるってこと!?」

「そうだ。しかし周りは当然歳をとっていく。」

「私の友達は、歳をとったように見せるため、毎週『逆美容整形』でわざと歳をとったふりをしているわ。それに、夫や子供、愛する人が先に亡くなるのを何度も見届けることになる…」

「そうじゃ。そういうことに耐えられるかどうか。決めねばならない。」

お茶をすする一瞬の間があった。

「でも、やらなきゃその【アロ】って子は助けられないんでしょう?だったらやるしかないじゃない。」

「マリーちゃんに賛成!だってかわいそうだもんね。」

「それにその子が人間に戻れるなら、私達だって戻れるっていうことでしょう?」

「あの子のためにそう思ってくれてありがたい。もちろんお前さん達も元の人間に戻ることはできる。しかしそのためには、お前さん達の代わりとなる【龍】が必要となる。すぐに見つかるかどうかはわからん。わしらは150年待った。」

「150ねん…」

「きっと友達みんないなくなっちゃうね…」

一気にトーンダウンした若い2人を励ますようにハマは自分より大きくて綺麗な2人の手をとって明るく言った

「私は150年の半分以上生きてきましたが、あっという間でしたよ。それに【龍人】になったからと言って若返るわけじゃないもの。どうせならあなた達みたいに一番綺麗な時のままいたかったわ。背もこれ以上伸びない様だし。」

そう言って一生懸命背伸びをして見せたが、30cmも差がある若いモデルさん達には到底及ばなかった。

「フフフ、ハマちゃん可愛い!OK!一年くらいで見つかったらいいんだもんね」

「そうね。インスタのフォロアワーがわたしが100万人で、ポーラは?」

「えーとねぇ、昨日で600人?」

「えっ!600万人‼︎!すごいね!まあこれで2人合わせて700万人。これだけの情報網があればそんなに時間はかからないと思う。150 年前とは違うわ。」

真剣な微笑みでうなずき合う若い2人を眩しく感じながら、ハマはふと思ったことを口にした

「今、世界で何人の【龍人】がいるのかしら?」

「世界の国と同じ数はいるんじゃない?」

「じゃあ、日本を入れて197ってこと?だってあたし達だけでもう日本に4人いるってことでしょう?そしたらその4倍としても800人、もっと大きな国ならもっといるかも」

「197!?あらあら、あたしが学校で教えていた時から随分と増えたのね。でもね、昔から国の数はそれぞれに違うって知ってる?」

「えっどういうこと?」

「国連加盟国は193だし、植民地時代の名残でイギリス領とかフランス領とかいう島なんかは特に、国名があっても『国』として認められていないものが多いのね。ある団体なんかは300を超える地域を国と認定しているし、あなた達若い人達にも人気の観光地、香港や台湾なんかも政治的に『国』扱いしたりしなかったりでしょ。それに昔の日本なんかでも『藩』っていうのがそれぞれ…」

昔の教師の血が騒いで板書の代わりに空中に文字を書きながら若い2人を相手に授業を始めてしまったハマを長老が止めた

「時間があまりない。続きは【合一】した後でな。」

「【合一】ってどうやるんですか?」

「首の後ろのところをグサッと切って脊椎の中に【龍】が入ってくるの。尾骶骨から脳天までグリュグリュグリュって感じであっという間よ。もちろん麻酔はするわよ。たぶん」

「なんかもうお腹の下の方がヒューって感じ!」

「でも、そのあと世界中がキラキラって光を放っている、極楽浄土のような視界が開くわよ。」

「プロジェクションマッピング的なやつ!?」

「アーロック!儀式の準備を二人とも【合一】だ!」

長老が合図するとすっかり美女達の給仕と化したアーロックが医療用の救急バッグをいそいそと持ってきて、恭しく一礼をした。

「さあ、どちらから?」

ポーラとマリーは同時に手をさっと上げた。

「俺だったら先にやるな。他人のを見てからだとちょっと気が引けちゃうかもよ?」

「マリーちゃんどうぞ!」

「いいの?」

「うん!私、お魚捌けるし、鹿とイノシシの解体も見たことあるから大丈夫!」

「それじゃお先に」

アーロックに背を向けて座り直したマリーの肩にケープがわりのタオルをかけて綺麗なうなじをアルコールで拭いて、注射を時間差でプツっとグッと二段階で麻酔液を注入した。

「麻酔が効くまで少し待ってくれ。それより、自分の【龍】はそばにいるかい?」

マリーの頭の上でアーロックの手元をじっと見ていた【チビクロ】は見えないアーロックにも分かるようにマリーの右肩のタオルの端を咥えて持ち上げて見せた。

「OK!すごいな。それじゃ始めようか。自分のおへそをのぞいててくれ。そうだ。」

滅菌パックを破ってメスを一本取り出した。1センチほど薄く当たりをつけると一気に突き刺して骨と骨の間に傷をつけた。

マリーは目を硬くつむって俯いたまま、痛みではなくズンという重さに思わずウッと低い声を漏らした。

メスを抜くと同時に羽の生えた豆黒柴の姿が黒い流れとなって白いうなじの赤い裂け目から吸い込まれていった。と同時に傷も塞がっていった。

「ワオ!すごーい!!!」

そのままの姿勢でうめき声をあげたマリーの隣で同じように座って見ていたポーラは催促した

「早く早く!私もおねがーい!」

ブロンドのポニーテールをぐっと上に絞って金色のシフォンのシュシュでまとめるとマリーに比べると幾分褐色の美しいうなじがあらわになった。

「おへそを見る様にして、目を閉じて、チクっとしますよ」

「オッケー!」

先ほどと同じ手順手つきで新しいメスが大椎に入り口を開けた。

待ってましたとばかりに金色の羽根つきライオンが金色の流れとなってそこから入り込む。


刹那、尾骶骨の先まで降りて頭蓋の中で回って全身に満ち溢れていく【龍】が首の傷を塞ぐと同時に眉間の間に見えない第三の目を開眼させた。


目を閉じているのに視える。スマホのアプリで加工するのとは比べ物にならないほどに全部がキラキラと輝いてる。


マリーは360度視線だけで移動できることに少し戸惑いながら、まずは今いるこの広いドーム内を漂ってみることにした。グルグルと壁に沿って螺旋状に上へ昇っていき、天井付近でキラキラと光る大きな一匹の蜘蛛に近づいて行った。頭部に並ぶ大小8つの目と目が合ったと思ったらテレビカメラの編集室のモニターみたいに切り替わる8つの視界が万華鏡のように展開した。


ポーラの方はまずちょっと離れて自分を見てみた。光り輝いてる。

頭のテッペンと胸の真ん中から光の糸が伸びているのがわかる。隣のマリーちゃんはその糸をギューんって伸ばしてずっと上の方にいる。ふと【聖なる泉】の方を見ると一番奥の長老から5本づつの光の糸が伸びて他の5人を形作っているのは長老の金龍【アティラ】であることがわかった。

にっこり笑った本体の長老が人差し指を口に当ててシィっと内緒にのポーズをとった。

ポーラは自分とマリー、二人の光の糸が絡まんないように気をつけながら、さっきまでは赤い岩肌だったのに、いろんな色に輝いてる青銅のような空間を漂って見ていた。

一仕事を終えてほっとしたように片付けを始めたアーロックにその長老が声をかけた

「初めてにしては上出来じゃ」

「えっ!初めてでしたの?!」 

「まあね、オレの曾祖父さんの頃から長老に仕えてて、これが最初だからね。昔は狩猟用のナイフでグサりとやるはずだったらしいぜ。ペヨーテの煙は焚くけど、麻酔なんかも無かっただろうしね。」

若いシャーマン見習いはそう言って肩をすくめた。

「そういうことじゃ。さあ。お嬢さん方。ワシの声が聞こえるじゃろう?目を開けて、一度【龍の視界】から戻って来ておくれ」


二人が同時に項垂れていた顔を上げた。マリーの方は蜘蛛の視界から引き戻されたので、度の強い眼鏡を外した時のような目眩にこめかみの辺りを両手で押さえた。ポーラはサングラスを外したくらいの感じで特に何も感じないようだった。

「スゴかったね!」

「うん」

「なんでここが【聖なる館】って呼ばれてるかわかった気がする!来たときは(なんだぁ、ただの洞窟じゃん)って思ってたけど、そっかー、【龍の眼】でみるとわかるようになってるんだね」

「【龍の眼】って【聖なる泉】と同じ色というか輝き?ですよね?」

「そう、それにここの中も!」

「【龍】も元は同じ【大いなる流れ】じゃからの。この【聖なる泉】の飛沫がここの壁や床や天井に長い年月をかけて染み込んどる。他の【聖なる泉】は常にあるわけじゃないからの。ここは特別なんじゃ」

「なんでここは特別なの?」

「わしがそう願ったからじゃ。お前さんはさっき見たじゃろう?わしの【龍】の【アティラ】を。【見人】が【龍】に出逢う時、それは何か強い願いを持っている時じゃ。そして【血分】する時に何を願うかで【龍】の姿形は決まる。わしが願ったのは、『この泉が続くこと』じゃ。」

「なんのために?」

「うむ。この場所はわしが生まれる何世代も前から【聖なる泉】と呼ばれておった。わしらシャーマンの血筋のものは必ずここで修行させられた。普段は普通の湧水池でごく普通のきれいな水の中じゃ。砂底まで見えるようなその中に頭までズッポリと浸けられ頭を押さえつけられる。肺の中の空気がなくなり全身の血が慌てだして頭がカーッと熱くなる。水を飲み、気を失い、肺ではなく身体中の細胞で呼吸することができるようになるまで、何度も、何日も、何年も繰り返し【龍の呼吸】を習得したものだけが【シャーマン】として、様々な技を学んでいく。代々続くその修行中に、稀に【龍】を視ることができる者が現れて泉が光ることがあった。『願いをなんでも叶えてくれる【聖なる泉】』じゃ。」

「じゃあ、長老さんのお仲間で【龍人】はいるの?」

「歴代の【シャーマン】でも、数えるほどしかこの泉で【龍人】になった者はおらん。」

「では、どうしてこの泉を守っていらっしゃるの?」

「…わしが【アティラ】を得て【龍人】になったのは【シャーマン】の修行を終え、長老となってだいぶ経ってからじゃった。その頃はこの館から見渡す限りに集落から煙が立ち昇り、お前達が先ほど使って来た外の大浴場も、村人でごった返していたもんじゃ。」

「そっかー、それであんなに大っきいんだね!」

「わしの息子も、孫もこの泉で修行をしていた。ある日、わしはヘビに噛まれて運び込まれた女の子をそこの白い石の部屋で治療していた。高熱を出したその子は孫の幼な馴染みじゃった。孫は心配そうに部屋について来ようとしたが、ワシは息子に修行の続きをさせるように指示をして治療にあたっていた。足の付け根を縛り、破邪と気付の枝を噛ませ、傷を開き悪血を吸い出し、傷口を薬草薫煙し、硫黄油軟膏を塗り、布で巻き、眠薬草を飲ませた。その子がスッと眠りに落ちていくのを見届けて広間に戻って来た。泉では、わしが息子にそうやっていたように息子が孫の頭を押さえつけているところだった。っブクっブクッと二度大きな気泡が小さな口から絞り出された。『いかんっ!上げろ!!』わしの叫びに驚いた息子がザッパンと泉から放り出すように引き上げた、が遅かった。冷たい水中では、大人でさえ己自身の恐怖を消し去るのにかなりの精神集中が必要とされるのに、ましてや修行を始めて日も浅い子どもが死にそうな友達を目の前にそんな事できるはずもなかったのじゃ。」

「それでそのお孫さんは…」

「…息子は何とかして息を吹き入れたり胸を鼓動に合わせて押し込んでみたりしたが、戻ることはなかった。孫のまだ温かいのにズッシリと重くなった小さな身体を両手で抱えて出て行った息子は、埋葬を終えるとそのままここには帰らなかった。」

静かな物言いに一層哀しさが溢れていた。若い二人がすすり泣いているのがわかった。

「それからしばらくして泉が光ってわしの【龍】が現れた。【アティラ】は死んだ孫の名じゃ」

「ぉ孫さん、を、生き返らせようと、思ったの?」

鼻をすすりながらポーラが聞いた

「いや。わしが願ったのは『この泉がずっと光っている事【聖なる泉】であり続けること』じゃ。そうすれば、なれるかどうか分からない【龍人】になる為の厳しい修行など必要なくなる。無理に命をかけなくても【見人】だけがここで【龍】を得ればいい。【龍】に願ったところで、死んだ者は生き返りゃぁせん。」

「これまでにここで【龍人】になった人はいるんですか?」

「おらん。他所の泉でなってから訪れた者は多いが、ここではわしが最後じゃ、今のところはの。さぁ、このくらいにして【合一】の稽古にするぞ…」

『新龍人』の3人は言われるまま中心に向かい手を繋げる距離で座った。

「先の感覚が残っている首の付け根から、呼吸と共にもう一度自分の龍を吸い込むイメージで身の内に竜を納めよ」

「スーハースーハースーハー…」

「…うん、出来ました!」

「はい、出来ましたよ。」

「ウーン、うまく出来ないや、どうすればいい?」

「では、頭の天辺か、胸の中心か、眉間のどれかに扉を作って空けるイメージを持って、自分の龍を招き入れなさい」

「オッケー!わかった!…あっ!!!勝手に頭から入ってきちゃった!」

「では次に、頭の中で自分の龍と会話してみなさい」

「マルコ!聞こえる?」

「声に出さなくてよろしい」


(マルコ?聞こえる?)

))ポーラ!バッチリ!((

目を閉じたまま無言で両手のOKマークを上に挙げた。。


(チビクロ、なんか話してみて)

))マリーの心臓の音、大きいね((

(ちょっと!何よそれ?!)

))知ってる?僕たちの鼓動は一緒だって。外にいる時もわかるんだ((

(つながってるってことなのかな?)

マリーはスッと左手を挙げた。


))ハマ!((

(タマ)

続いてハマが右手を挙げた。


「よろしい、次に、自分の【龍】の姿を強く思い描いて、今度はその姿を自分の中から外に出す。ただし、全部は出さずにつながったままでいるように。初めは入ってきたところが出やすいじゃろう。」

ポーラの頭に小さな金色のライオンがピョコッと顔を出した。


マリーの胸の前にカンガルーの子供のように上半身だけチビクロが現れて小さな羽をマリーの鼻先でパタパタとした。

「チビクロ!わざとやってるでしょ!」


ハマの肩に上手に乗っているタマは尻尾の先を首の後ろに突っ込んだまま澄ましている。

「よろしい。【龍】は【流】つまり流れ。流れを操るには二つ。【流量】流れの大きさと【流速】流れの強さ、それぞれを鍛えていくしかない。まずは大きさの方だが、今出している【龍】を大きくしてみてくれ」

「こうかな?プーっつと!」

ポーラが風船のように頬を膨らませて力んだ。

))ワーッ!スゴーイッ!!((

ハマとマリーの目の前で、本物のライオンと同じくらいかそれ以上3Mほどもある金色のライオンが幅2M以上の大きな翼をバサッーと広げた。

間髪入れずにマリーの胸の前に同じ位大きな黒柴犬が現れ、続いてハマの上にドーンと覆い被さる感じで白猫が同じように羽をパッタパッタさせた。

「よしよし。では【流速】。ねその大きさをできるだけ早く出し入れするぞ。それ、いち、に、さん…」


数時間後、初めはバラバラだった大きさも揃うようになり、テンポも合うようになってきた。

「さて、草臥れたじゃろうがあまり時間がないでの、最後に3人で手を繋いで輪の中でエネルギーを回すんじゃ。ハマからマリーへマリーからポーラへポーラからハマへ回るように。ただし、自分の【龍】とは常に会話出来るようにな」

三人は【合一】したまま手をつないで【流れ】を意識した。

「いきますよ」

「はいどうぞ」

「オッケー!」

体の中を本当に質量をもった川の流れが通ってゆく感覚。

「始めは少しづつ、だんだん強く、大きく!落ち着いてきたらその流れを保ったまま、ゆっくりと手を放すんじゃ…」

伸ばしたままの指先から静かに強く確かに流れが光となって続いていった。

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